2006-05-02

4/29南伊豆・4/30富士山新五合目での73P/シュワスマン・ワハマン第3彗星観望

GW最初の土日で73P/シュワスマン・ワハマン第3彗星を岡崎さんとゲットしてきました。その観望記です!!


●4/29 南伊豆その他

岡崎さんが先に到着して、いつもの銀の湯会館にて温泉に、私のほう出発が遅れ温泉はパスして、いつもの前原寿司にてグレードアップした2000円の地魚寿司を美味しく食べて、いざ出陣。観望地に着くとさすがに南伊豆は暖かく15度ほどでありました。風はほどんどないものの、臼雲が広がり、星はかろうじて輝星が見える程度。こりゃダメだとしばらく居て場所を変えました。さらにどうも漁火が強烈で、どうなっているのかと思い、あいあい岬まで行ってみるとなんと7隻ものイカ釣りらしき漁船が緑の光を強烈に照らしています。漁火の影響が無い場所まで移動しようと20kmほど西伊豆に行ったポイントまで行くと、それでも漁火は強烈で低空20度は影響があります。
そこに陣取り、Ninjaをセッティング。快晴になった時間は1時間程度でしょうか。ほとんど晴れ待ちの状態で、飲んでました(^^;;ちなみに空の状態は透明度6/10、シーイング7/10くらいでしょうか。水蒸気の影響か、並の見え方でしょうか。

シュワスマン・ワハマン彗星C核をNinja-400で見ると、核が分裂して尾の方向に幾つか離れていっているのを確認しました。240倍で見ると一番明るい先頭の核の後方に4,5個の粒粒となる分裂した核らしきものが見れました。こんなのは初めてですね。核の大きさから箒状に尾が広がり、3次元的な位置関係でそう見えているのかもしれませんが、先月のポイマンスキー彗星の見え方とは好対照です。ちなみに肉眼でチャレンジすると、かろうじてそらし目で分かりました。光度は5.5等か6.0等くらいでしょうか。
イオンテールらしき淡い筋も見えました。ダストと45度離れた方向です。さらに夜半を過ぎて2:00ごろだったと思いますが、C核の中心が二重星のように見え出しました。そうこうするうちに雲が広がりだし薄明開始までは臼雲の中でした。

双眼鏡(CANON15x50IS)でB核とC核を見ると、視野の広さの倍くらいの距離を並んでいる様子は面白いですね。岡崎さんのコメントでもありましたが、映画"DeepImpact"の分裂した彗星のようです。低倍率の双眼鏡であれば両方が同一視野に入ってみえそうです。

薄明開始が3:30ごろで、実質見れたのはちょっとでしたが、初めての光景にちょっと感動。


●4/30 新五合目

もっと好条件で見ようと、南伊豆からの帰路で低空は水蒸気が酷く白濁しているので、標高が高いところがやはりよかろうということで、連荘を決めました。駒門PAからみた富士山が素晴らしかったことにもよります。御胎内温泉で温泉に浸かった後、仮眠を取ろうとしたものの、場所が賑やかで熟睡できず、食事を取ってさらに車に戻って駐車場で仮眠しましたが、どうも調子が戻りません。先に新五合目に向かった岡崎さんからTELでプッシュをいただいてようやく体が動くようになり、新五合目を目指しました。

途中、鹿が道路に何匹もおり、春のシーズンなんでしょうか。水ヶ塚から七曲まではガスが出ていて、雲の中という感じでしたが、標高2,000mあたりから晴れだしました。新五合目につくと、寒いのはしょうがないにしても、ううん、空が白く星が少ない...南天は光害でボロボロでからす座までダメになっていて、こんなに酷いのかと愕然...。気温は5度くらいですが、風が強く、車に避難して眠ってしまいました。

岡崎さんに良い空になってますよと0:00ごろに起こしていただいたのですが、確かに外に出てみるとさきほどよりはぜんぜん見えるようになっています。空が暗くなっているのと、南天の光害がかなりマシに。下界を見てみると若干雲上になっているのと、富士市あたりが靄の中という感じで下界の明かりがかなり遮られています。それでも南伊豆の空に比べると、バックが明るく星の数が少ない...贅沢になったものです(^^;;;

風と疲れで望遠鏡を出す気力もなく、岡崎さんのNinja-320でC核、B核を見せていただきました。ありがとうございました!!B核のほうは8等くらいなんでしょうが、ハッブル変光星雲を明るくしたような見え方で面白かったですね。そんなこんなで明日出社なので、後ろ髪を引かれつつ、帰路につきました。

2006-03-07

3/4 南伊豆ポイマンスキー彗星&星雲星団観望会

3/4(土)に南伊豆で観望会を行いました。漁火登場で南天低くはイマイチでしたが、それでも透明度7/10、シーイング8/10でなかなか味わえない空でした。以下、参加された方の報告です。

かわのさんの観望記

かわのです。皆さんこんばんは。

南伊豆観望会に参加された皆様お疲れ様でした。

今回は、透明度が絶好とは言えない条件だったのと、漁火の影響で空の暗さはイマイチでしたが、シーイングが良かったのと(8/10)一晩中晴れていた点で、なかなか楽しめました。

明け方になるほど、街明かりや漁火の影響が減って、良くなってきましたね。ポイマンスキー彗星が見え始めたあたりから、一番盛り上がれたと思います。

収穫としては、

◎ポイマンスキー彗星が肉眼彗星であることを確認できたこと。
◎尾が手持ち双眼鏡クラスから確認できたこと。
◎Fujinonで見たのが最高で、視野の2倍以上に長く延びているのがわかったこと。
◎Ninja500+双眼装置の彗星中心核が圧巻だったこと。

でしょうか? 彗星と双眼の相性の良さを感じました。河口さんの機材の完勝です。個人的には、ニート彗星以来の彗星で、思っていたより立派だったのと、素晴らしい機材で見られたので、大きな収穫だったと思います。

KOBAさんの観望記

KOBAです。

往路は満開の河津桜目当ての行楽の車で箱根口からずっと大渋滞でした。箱根新道、伊豆スカイラインを経由するも南足柄市から南伊豆までの150Kmに5時間もかかってしまいました(帰路は5時過ぎに発って下の道120Kmを2時間半で帰りました)。

南伊豆町の「銀の湯」についたのは18時過ぎ、早速、温泉に浸かり、満天の星の下の露天風呂も楽しみました。この辺の空はとても暗いです。

さて、観望地ですが、快晴、無風~微風、気温6~8℃、湿度50~60%、透明度良し、シーイング良し、また天の川が綿雲を繋ぎ合わせたごとく濃ゆーく見え、いかにも最高のコンディションに思えました。しかし、そこには思わぬ伏兵がおりました。それは、23時頃から灯され始めた漁火です。南の空がすっかり明るくなってしまいました。これにはちょっとがっかりでした。

観望は、冬の星雲に始まって、おおぐま座、りょうけん座、しし座、おとめ座、からかみのけ座に至る主だった系外銀河を総なめにし、次いで初夏~夏の星雲、球状星団とフルコースで行いました。観望地はは高台で視界が開けており、オメガ星団は楽勝、さそり座の全景も余裕で見ることができます。

今回、特に天頂部が暗かったせいか銀河がいつもより大きく、かつ詳細に見えました。M101の腕がナグラー13mmの視野一杯に広がる様子がはっきりと判り、M51の複雑な構造が見え、M104,NGC4565,NGC3628の暗黒帯がくっきりと見えるなどとても感動的でした。

今回の白眉は薄明が始まる頃に上がってきたポイマンスキー彗星です。Ninja400やフジノン双眼鏡ではコマの部分と2度以上に伸びた尾が確認できました。やはり、彗星観望にはフジノン双眼鏡が最強です。

南伊豆の空の暗さは、富士山新五合目を上回ります。南伊豆は遠かったけど、やっぱりいい、無理をしてでも行くだけのことはある、というのが今回の実感です。

河口さんの観望記

岡崎さんに「彗星がみえる」と、起こされて東の空をみると南から北へ雲が架かっています。「あー残念、雲が架かって来た」と云ったら、皆から「何云ってるんだ、あれは夏の天の川だ」と一笑されました。

でも、どう見ても、東の空に、あの低さで、あの濃さで、しかも薄明が近い時間に、しかし惑わすように鷲座辺りで二つに分かれて.....自覚するのに暫く時間が掛かりました。

青白く、薄いけど鋭いテールにしばしみとれました。小生には池谷・張彗星以来でした。

帰り道、お天気女のやすこさんが「もっと大きな望遠鏡で見てみたい」と云うので、「どの位の」と聞くと「銀河の中心が見える様な」....夢が膨らんでうれしくなりました。

期待が膨らむ筈です。彼女が初めて覗いた望遠鏡は「Ninja500」と「Fujinon40×150」で、しかも、安田アストロナビゲーターの指導なのですよ。

河口


岡崎さんの観望記

もう皆さんに書きつくされてしまいましたが、ポイマンスキー彗星・・久しぶりの感動です。薄明の空にきりりと一直線に長く伸びた尾が印象的で、河口さんの Fujinonで見せていただいたその勇姿はまさに「太陽系の放浪者」。肉眼で確認された方々もいましたが、私の感度の悪い眼にはどうしても確認できませんでしたが・・。
今回は、残念ながら明け方まで肝心の真南方向に漁火があり、2月にはA国で見たような電波銀河やオメガ星団が見れたのに・・ちと残念。でも南天低高度を除いては相変わらず素晴らしい空でした。春の銀河ホッピングに数時間を費やし、一瞬ではあったものの煩わしい俗世間のことを完全に忘れさせてくれました。最高の逃避行でした。
この場所は、遠いのが玉に瑕ですが、ディープスカイ観望には完全にベスト地ですね。冬場にあったかいのが何より良いですね。

舟田さんの観望記

昨年の夏休みに望遠鏡の鏡を洗ってから丁度半年ほど経ってやっと鏡に☆の光のシャワーを浴びせてあげることができました。

厚木の地から、現地までは湘南バイパスを通り、伊豆高原を通り過ぎて行くつもりでいましたが、もの凄い渋滞で伊豆高原で一旦おにぎりで腹ごしらえをして、ルートを変えました。伊豆高原から遠笠山道路を通り、車が1台しか通れないような細い林道を延々と走り、R414に出て、やっと車がすれ違いできる道路に出たと思って走るが、なかなか目的地への距離が縮まってこない。天城いのしし村で、トイレに駆け込み、しばらく行くと空が開けて、道の駅【天城超え】に着く。ここで、先行している方々に連絡を取ろうと思ったが携帯の圏外。更にしばらく走り20年振りくらいに通る河津七滝ループ橋。3周ほど回ると眼が回るような感じがして、道端で一休み。ここで、先行隊に連絡を入れる。R135の大渋滞の原因がここの桜だと聞いていたが、凄い数の車。家を出る前に妻に桜渋滞に気をつけてと言われた意味をようやく知る。河津の夜桜を横目にここから先は車が走っていない。

かなり疲労してしまい、下田で安田さんに電話をし、例の寿司屋を教えてもらう。寿司屋に辿り着いてご主人と話をすると安田さん一行の後に、隣の大部屋で陽気に歓談する温泉客10名ほどがネタを食べ尽くしてしまっているので残り物でとのこと。ま、ここまで辿り着けただけでも良しとしなければ。お腹を満たし、やっと現地に辿り着いたときには家を出てから6時間が過ぎていた、たかだか140Kmで6時間とは、神戸に出かけたときには600Kmを6時間で行ったのに・・・。ということで、とてつもなく疲労困憊し、現地に辿り着くや素晴らしい星空であることを確認した後、挨拶もそこそこに月が沈むまでと決めて1時間ほど仮眠を。観望会会場で寝るのもこれが初めてかも。携帯電話のアラームをセットすると、本当に寝入ってしまった。

丁度月が沈んだ頃、もぞもぞと起き出し、久々に望遠鏡をセットする。
シーイングも良さそうなので、慎重に光軸を調整して久しぶりに会う☆達に筒を向ける。いや~、シーイングがすこぶる良く、しかも透明度も高い。ここは倍率を高めにして今までの観望会とは違うインプレッションを受けてみたいと欲たかりな気分。普段は余り出番の無い、コマコレクタにバローレンズに、12mm以下のアイピースを手にメジャーどころからスタートする。

M65 M66 NGC3628 を手始めにと導入する。さすがに、視野が10'強と言う狭い視野ではいずれの銀河も視野一杯に広がるし、3628は視野からはみ出すかの様子。それぞれの銀河の腕の構造まで薄っすらと見え3628にいたっては中央を横切る暗黒帯がモヤモヤと見える。隣にいるはずの銀河に辿り着くまで視野を大きく動かさねば見えないほど距離を感じてしまう。なんだか本当の銀河間隔を想像してしまうほど隣に見えるはずの銀河までが遠い。

続いて、もう一つのメジャーどころ、M51。これは圧巻です。視野一杯に二つの銀河の中心核が大きく迫り親の方の腕が子の方へ伸びている様子はもちろんのこと渦巻きの腕がもう手裏剣の様に見えてため息が出そうでした。ここで、安田さんが様子を伺いに来てくださって、覗き込むことしきり。これくらいの視野一杯に広がる双子のような銀河を見ると圧巻ですよね。

M104 は視野一杯に広がって中央の暗黒帯はもちろんソンブレロって感じはこれ位の倍率で見ると凄いな~と思いました。麦藁帽子のようにつばが広がっているのが分かります。

それから、しばらくはM84 M86を中心としたマルカリアン銀河の辺りを彷徨うことに。ここは、先ほどのM65 66 NGC3628の辺りと違って、視野を少し動かすだけで、次々と小さな銀河が視野に入り込んできて寂しさや銀河間の距離感を感じない。いったい何個の銀河があるのだろうと言う感じで小さな銀河や、大きな銀河。大きな銀河はこれまでシミにしか見えていなかったのだけど、この倍率だと、それぞれの銀河の形が微妙に違うことが明らかとなってきて見ていて飽きない感じになる。こんなに沢山銀河があったのかとまた驚きも出てくる。小さなシミのような恒星と見間違えてしまうような銀河もはっきりと銀河だと認識できる。こんなに沢山あったのかと、いまさらながらに驚かされてしまう。数年前に初めて31mmレンズを手に入れた時にはその倍率(約50倍)だからおよそ1.5°の視野で、一網打尽にしてきた辺りだ。その翌年か翌々年には12mmレンズで130倍0.6°程度の視野で泳いできた辺りも、視野10'で泳ぐと、見え方がこんなに違うのかと改めて感動する。春にシーイングが良い時はめったに無いのでとても得をした気分。

おとめ座からかみの毛座の辺りをこの倍率で泳ぐことおよそ2時間余り。もう、銀河はたらふくって位に堪能してしまった。今晩は惑星状星雲や球状星団を見ていなかったことに気が付くと同時に、この倍率で惑星も見ちゃいましょうと、普段は眼もくれなかった惑星巡りに。土星から始まって、木星、そして明け方には金星と比較的大き目の惑星3つを丹念に見ることしばし。惑星の表面の模様の呼び名や土星の輪の切れ目の名前を知らないので書けませんが、見える見える。いや~、これほど見えるとはね、惑星でも1時間ほど見入ってしまいました。

最後に残った球状星団巡り。頭上のM3から始めて、春の球状星団総なめ、~夏の球状星団総なめに。視野一杯に広がる☆達にうっとりとしてしまい、ため息は漏れるし思わずうなり声まで出てしまう。球状星団の中の星の配列って意外に不均一でこんなに球状星団毎に違うのかと改めて今までの見方は間違っていたかなと反省する。これだけの倍率で視野一杯に広がる、これまでは小さいからつまらないと思っていた球状星団さえも、こんなにそれぞれ配列や密集度が違うのだと感動することしばし。NGC6522 6528のペアはこの倍率だとペアにならない。隣の球状星団に辿り着くまで幾つもの☆達の間を抜けて行かねばならない。いや、宇宙って広いんだ~。

さてさて、最後は今日はこれさえ見えれば良いと思って出掛けた、ポイマンスキー彗星、丁度彗星が出て来るところを開けたポジションを探して選んで陣取っていたため、地平から出て直ぐに見つけ出すことができた。125mm屈折を並べて設置して見比べるようっと。尾の長さは125mmで観た方が良く見えて、2.5°~3°位の細い尾が見える。核の辺りの深緑から青緑の色合いはドブソニアンの方が良く見えて素晴らしい。百武彗星の小ぶりの様な感じで細く伸びた尾がとても印象的。これさえ観れれば良いと思って出掛けてきたが、この彗星があまりに綺麗なのと銀河や惑星に魅せられてしまった為、シュワスマン・ワハマン第3彗星を観るのをすっかり忘れていたことに、薄明が始まってから気が付くと言う失態を・・・。でも、とても満足な夜でした。帰路はR135を3時間で帰宅できました。

安田の観望記

こんにちは、安田です。

3/4ですが、伊豆はもう春でした。河津や南伊豆の桜や菜の花見物でそこかしこで大渋滞。南関東から5時間以上かかった人も居ました。特に東伊豆経由は大変だったとのこと。私のほう、ちょっと早めに銀の湯会館に到着し、一風呂あびて皆の集合を待ってました。KOBAさん、岡崎さん、關さんと4人揃って、いつもの前原寿司へ。ここ最近定番になっている地魚寿司を食べてしばし、店長も一緒に星空談義。店長のコメントでこの前にインターネットで「前原寿司」で検索すると、星を見に来て銀の湯会館で風呂に入って寿司を食べたと書いた人が居ると言われ、なんとそれは私だということで、店長はビックリ。確かにGoogleで検索すると3 位に入ってます。ここの寿司は安くて旨いのでお勧めです。地魚寿司も1470円で安いですね!!

その後、いつもの南伊豆観望地へそろって行きました。天候は快晴で透明度の良い空ですが、月がまだ残っています。それでも冬の天の川は見えているのは凄いですね。すでに河口さんがお天気女さんを連れて到着されてます。それぞれがセッティングをして月没を待っていると、南天がだんだん明るくなってきます。イカ釣りらしき漁火が強烈に明るいのです。そうこうするうち、舟田さん、かわのさん、宇高さんが到着。全員で9名。Ninja-500が1台、Ninja- 400が4台、Ninja-320が2台、スタースプリッター37.5cmが1台と、ミニオフ会状態。他には河口さんのFUJINON40x150ED etcですね。

月が沈んでも、街の明かりと漁火で空全体がちょっと白いのが気になります。無風で気温は6度。夜半からちょっと風が吹き出し体感温度は下がりましたが、風は弱いほうでしょう。この季節にしてはシーイングがかなり良く8/10、透明度も7/10くらいでしょうか。漁火の影響は高度20度ほどまで広がってます。

彗星が昇るまでは皆でDeep Skyを堪能していました。ちなみに空はこの地では並なんですが、それでも対日照はしし座のあたりに薄く見えています。透明度は良いですね。

私が見ての、機材の目玉は關さんのルミコン改造の2inchフィルタースライダーですね。Ninja-400の接眼部にうまく嵌められています。3枚のフィルターが手元で換えられるので、便利そうです。

漁火のほう3:00ごろには1隻へったようでちょっと暗くなりました。さらに生活光が落ちてなかなかの空になりました。Ninja-400で言うと、シーイングが良いため、それぞれの銀河の中心核が恒星のように輝いて見れます。かわのさんのNinja-400ではM57の中心星とそばの星も見れました。シーイングが良いのは気持ちよいですね。球状星団も溜息が出ます。手動導入可能なDeep Sky天体をざらっと見て楽しみました。今回は南天に光害源があるので、辛いのですが、オメガ星団も低空までシーイングが良いので星々がシャープに見れて壮観でした。

明け方になりポイマンスキー彗星が見え出しました。薄明直前ではかなり高度が高くなり、かろうじて肉眼でも確認できました。さすがに恒星状にしか見えません。それぞれ多種多様な機材で見ると、一番延びて見えるのはやはりFUJINONの双眼鏡でしょうか。尾の長さも2度は確実に見え、3度に達しようかというまっすぐ延びた見え方で、まさにミニ百武彗星ですね。河口さんのNinja-500に2inch双眼装置では彗星が浮き上がってみえる錯覚で、青緑に輝く彗星が印象的でした。それほど期待していなかったのですが、姿は立派に彗星です。

番外編ですが、シーイングが良いため木星をNinja-400で300倍ほどで観望。大赤班や複雑な縞が綺麗に見えて、木星の縁もハッキリ。これだけ見えるのは滅多にありません。

そうこうするうちにあっという間に薄明となり、6:00には撤収しました。帰路は西伊豆経由ですが、疲労で途中40分ほど仮眠。ETC割引を使いたいのでなんとか沼津ICに9:00までには入りました。修善寺から三島までは、反対車線は車で一杯で、これだけ混んでいるのは見たことがありませんね。

観望会としては漁火が残念でしたが、透明度、シーイングとも良く、一晩中晴れて彗星も肉眼で見え、尾も立派な姿を見れて、大成功でしょう!!! それにしても彗星の姿は立派でしたね!!!

2006-02-12

2/4 南伊豆観望会

2/4に南伊豆で観望会を開催しました。私にとっては今までで日本で見た最高の空となりました。ただ風が強く、そこだけ難点でした。それぞれ参加された方の観望記です。

岡崎さんの観望記

当日は14:15分ごろ町田を出発、裾野ICで降りてそのまま南下(県道21)、あとは中央突破天城越えルートで行きました。三島の1号線交差点手前でちょっと込んでましたが、概ね順調で、6時過ぎには「銀の湯」に着き、早速温泉に浸かり、安田さん待ち。1時間以上入っていたので湯あたり気味でした。でもいいお湯ですね。900円はちと高い気はしますが・・。それからすし屋ですが、気さくで親切な大将、空いてる店内、そして何よりうまい地魚寿司、観望前のひと時を過ごすには最高の場所ではないでしょうか。

あとは、安田さんが詳細書かれている通りで、吹雪でした。星見というよりスキーに来たみたいな状態で「これは今日は酒盛か?、明日は帰れるのか?」という不安そのものでした。あとで見ることになる「素晴らしい星空」など考えもおよびませんでした。このころにちょっと風邪気味の感じに・・。しかし、そこは我々3人、「帰る」などいう発想はまるでなく、いつもの場所へ直行・・・。

そして・・いきなりの「月夜の馬頭」(星見屋の常識ではありえないフレーズ)です。安田さんから「馬頭見えますよ」の声があがりましたが、「またまた、そんな馬鹿な・・安田さんの心眼??」・・などと。ところが、320では暗夜でもノーフィルターではなかなか見えないのに、私にも見えてしまいました。これは心眼ではありません。・・・安田さん、今までの数々の失礼発言お許しあれ。

月が沈んでからは、「暗夜」そのもの、南天の暗さはホントA国C村に匹敵するといっても過言でない素晴らしい空に恵まれました。おそらく、直前に雪が降ったおかげで、大気中のチリが洗われた結果だと思われます。風は強く、体感は非常に厳しいものはありましたが、「冬場は降雪直後を狙え」ですかね?・・もっとも最初から予報が雪なら行ってないでしょうけど・・。とにかく国内平地としては、これ以上望めない透明度と断言できる空でした。

安田さんも書かれていましたが、LEOⅠ・・これは凄かった。320では完全にあきらめていた対象でしたが、Nagler22mmでレグルスを視野から外すと、視野の半分位に広がってはっきり確認することができました。感動です。それと、安田さんに見せていただいたガム星雲の長大な広がり・・
もうこの世のものとは思えませんでした。

以下、私の観測スタイルである「メジャー流し」です。

まずエッジオン銀河、M104・4565・5907・4631・3628などなど・・信じられない切れ味。次にフェイスオン、M51・M101・M83・・・腕がここまで見えたことはありません。電波銀河5128の暗黒帯は切れまくり写真どおりの美しさ。銀河群、しし座HCG44は4つともはっきり確認(3190は何と暗黒帯までも)、Boxも4つ確認(4170が長大でRealSky通りに見えていた)、おとめ座銀河団はランダムに流しているだけで・・言うことなし。その他M81・M82・M3・M13・M92・M63・M64(黒眼くっきり)・M97(目玉くっきり)・しし座トリオ・・などなど・・もう書ききれませーん。おっと、ωがありました。望遠鏡での巨大に広がった姿は言うに及ばず、南中ごろはっきりと肉眼でも星団のざらつきを確認できるほどでした。

それと今回は、土星がプレセペの縁に来ており、32mmでの眺めは宇宙の奥深さを感じさせるものがありました。

手塚さんの観望記

2/4 南伊豆ですが、雪には、びっくりしましたが、透明度が良くすばらしかったです。遠くまで行った甲斐がありました。

春になったらなにが起きるかわからないこともあり、乙女座近辺の春の銀河を一網打尽に楽しみました。安田さんに、うみへび座とヘラクレス座の銀河団を見せていただきましたが、もう、ウジャウジャ沢山でした。念願のLEO1も見ることができました。以前、新五合目で見たつもりになっていたのですが、おそらくほんの一部分だけしかみていなくて、本物?は、とても大きいので驚きました。オメガも直視ではっきり、そらし目(アイピースは通しませんが)で大きさがわかりました。

だんだんと雲が出てきたりしたのですが、それでも、北斗七星のあたりだけ晴れたりして、部分部分で楽しむことができました。フェイスオンのM101が本当に回転花火に見えました。

温泉には間に合いませんでしたが、お寿司はおいしかったです。その時々の美味しいお魚を握ってくれるみたいですので、また食べたいです。楽しみです。

安田の観望記

私のほう15:00に出発し、東名で西に。いつもの大井松田ICと御殿場ICの間で、今度は普通のパトカーがスピード取締り中。覆面も走ってました。夕方の取り締まりは空いているのもあり多いですね。三島市内1号線の混雑を避けて、裾野ICで降りて県道21号線で南下し、直接国道136号線のパターンで修善寺、土肥、西伊豆経由で下賀茂へ。

下賀茂には19:10に到着し、すし屋で様子を見て、銀の湯会館で露天に浸かりながら月を眺めてました。岡崎さんは1時間くらい浸かったとのこと。閉館の20:00には手塚さんも到着し、前原寿司で地魚寿司を3名で食べましたが、メニューは前回と異なりましたが、やはり美味しくあっさりしてました。ここのお寿司はお勧めできます。安くて新鮮で美味しいという、なかなか関東では食べれません。

前原寿司を出て新観望地の調査へ。5,6kmほど行ったところで雪が激しくなり、下山したものの、下賀茂も雪雪雪で大変なことに。こりゃ帰れなくなるかもと心配しましたが、観望地へ向かったところ大丈夫で安心しました。

着くと月が後2時間ほどで沈むようでしたが、月が異様に明るく、この段階で冬の天の川がくっきり。Ninja-400を出して見ると、明るい月が出ているのにノーフィルタで馬頭が見えます。岡崎さんのNinja-320でもなんと見える。こんなことは初めてでした。それだけ透明度が良かったようです。ちなみに風は5m/sは楽勝で越えていて、気温は1度ほどですが、体感温度はずいぶん寒いですね。月が沈むと素晴らしい快晴となり、正月明けに川野さんと見た素晴らしい空をかなり越えてました。これには吃驚。これこそ透明度10/10ですね。ちなみにシーイングも悪くなく8/10程度で、銀河の中心核が綺麗に光ってました。何を見ても溜息でした。透明度は最高でしたが、川崎に帰ってからの朝の空を見て、たぶん1年に数回しかない空だと思います。まさに3σの空ですね。

LEO-Iもレグルスを入れても楕円状でザラザラな感じで見えましたし、ガム星雲はこれまでも無く濃く長くフィラメントが見えてました。この感じはまさにオーストラリアのクーナでの感じです。岡崎さんとも話してましたが、2:00ごろの南天のオリオン座、おおいぬ座のあたりはクーナを越えていたと思います。それくらい凄かったですね。

ただ幸運はそれほど続かず1:30ごろから南方から雲が流れてくるようになり、風が強いせいか、雲の動きが早く、落ち着いて天体を探して見れなくなりました。それでもアンテナ銀河の複雑な暗黒帯が入った様子はよく分かりました。そうこうするうち、オメガ星団が先週と同じく肉眼で楽に見える状態に。Ninja-400では低空にもかかわらず明るさはかなり明るく、さすがにシンチレーションは若干あり星像は肥大しているのですが、迫力満天でした。他には雲間を見て、うみへび座銀河団、ヘルクレス座銀河団も結構見えました。天頂の透明度の高さはかなりでBOXの4つの銀河もハッキリ見えました。対日照ですが、当然見えているのですが、土星の左側でしし座に近いあたりがボーッと見えます。黄道帯も地平線までつながり、素晴らしい空なので当然なんですが、こうなると当たり前のように見えますね。

2:30ごろからは雲がかなり広がり、私のほう寒さで車に中に。気がついたら6:00でもう薄明が始まってました。実質3時間くらいの観望でしたが、あれだけ素晴らしく見れると十分でしょう。シーイングは夜半から結構良くなり、NGC4565やNGC5907などのエッジオン銀河の暗黒帯はもうナイフで切ったように綺麗に切れてました。M104もまさに写真ですね。

一番辛いのは寒さで、結局明け方まで風は弱まらず、体感温度は-5度くらいでしょうか。

帰りは6:30ごろでしたが、私は西伊豆経由、岡崎さんと手塚さんは東伊豆経由でした。積雪、凍結は土肥からの西伊豆スカイラインで峠越えでありましたが、ユックリ走ればOKでした。途中、食事とガス給油の時間を抜くと、南伊豆から自宅まで2時間50分ほど。途中、東名はガラガラでしたが、裾野ICを過ぎたあたりで強烈な事故の跡を目撃。もうパトカーも来て処理を行ってましたが、コンパクトカーは前が潰れた状態で反転してました。その100mほど前にコンビニ車に追突して、路肩の壁にぶつかりひっくり返ったものだと思いますが、たぶん乗員は助からない状態だと思います。気をつけないと...。

2006-01-03

12/29 南伊豆忘年観望会

今年最後の忘年会を兼ねた観望会になりました。場所は最近定番となりつつある南伊豆です。

参加された古屋さん、トラさん、龍頭さん、岡崎さん、河口さん、ナガシマさん、お疲れ様でした。
私のほう、予定どおりトラさんと合流したものの、三島市内の渋滞につかまり、さらに修善寺、西伊豆方面もたぶん普段より込んでいる様子で、下賀茂に1時間 遅れで到着しました。天候は曇天でしたので、ゆったり食事を前原寿司(地魚寿司)、風呂を銀の湯会館の露天風呂で晴れを待ちながら、1時間半もつかっていました。まさに極楽ですな。前原寿司は下賀茂唯一のすし屋ですが、1470円の地魚寿司は美味しくお薦めです。ちょっと早めに到着されて関東ではなかなか味わえないグルメも良いのでは...。

風呂のほうですが、20:00に営業終 了なので、さっそく観望地に向かいました。携帯で繋がらなかったのですが、河口さんご一行様と古屋さんがすでに到着。ただ曇天の前に待ち状態。

そのころから、たまに晴れ間が見れるものの、満足いく空ではなく、雑談しながらずっと晴れ待ち状態でした。龍頭さん、岡崎さんが順次到着され、すでに夜半 近くなっていましたが、結局3:30までは臼雲と割りと濃い目の雲が繰り返しで、諦めムードで忘年会かぁと思ってました。すると急に4:00から晴れだし、うってかわって臼雲も消 え、素晴らしい空になりました

冬の星雲星団は見れず、春のほうが中心で観望し、なんと12月なのにオメガ星団とケンタウルスAを拝むことが出来ました。南天が光害皆無というのが利いているのだと思います。今回の目玉は河口 さんのNinja-500に2inch双眼装置とEWV32mmでの観望でしょうか。ざっと感覚的には40cm単眼を、双眼で見たような感じですばらしい 立体感でした。

透明度7/10(南伊豆としてです)、シーイング7/10くらいでしょうか。シーイングがまあまあでしたので、銀河中心にある核が恒星のように光ってみえて見事でした。NGC4565のエッジがハッキリしたエッジオンの様子、M64の黒目や、M104のソンブレロの暗黒帯のエッジが綺麗に切れている姿などなど薄明まで時間が無かったためメジャー天体だけでしたが、駆け足で観望できました。

観望場所へのアプローチですが、行きは渋滞等混雑で4時間半、帰りは3時間ほどでした。帰宅して爆睡。たった2時間でしたが、晴れ男、岡崎さんのサンダルパワーの霊験あらたかにも至福の時間をすごせました。後、1時間近ければ楽なんですけど。