あまりにも有名で超メジャーな天体M31です。もう生まれて何回見たかもわからないくらい定番の銀河です。たぶん小学生の頃、初めて見たんだと思います。光害が多少あってもボーッとした姿が肉眼でも見れます。
アンドロメダ銀河の観望の歴史を語るには私は知見が不足していますが、恒星の輝きではないことはすぐ分かり雲のようですので、有史以前より人間は単純な星ではないことは理解していたのではないでしょうか。記録としては10世紀にあるようです。
アンドロメダ銀河までの距離を求めたのは、有名な話ですがハッブルがウィルソン山天文台にあった当時世界最大口径の2mの反射望遠鏡で、ケフェイドなる変光星を利用して距離を推定して銀河系内の天体ではないことを証明したことですね。ハッブルの大きな成果の一つかと思います。認識を銀河系から宇宙に広げたという意味で偉大な成果ですね。
M31をどの望遠鏡で見ると素晴らしく見えるかについては種々意見があるかと思います。私も悩んでしまいますが、今まで見た姿ではFUJINON40x150EDで見た視野一杯に広がるM31かEMS双眼望遠鏡でNagler-22mmでの見かけ視野82度に広がるM31が強烈に印象に残ります。Ninja-400などのドブソニアンでは視野を大きくはみ出してしまいます。Ninja-400でM31を味わうとするとM31の中に点在する天体となってしまいます。たとえばM31の暗黒帯の複雑な様子はNinja-400ならではの見え方です。低倍率の双眼鏡や双眼望遠鏡で見るM31は淡い部分まで見えて、写真でみるM31そのものです。視野では2度ほどの広がりがあり、M32とM110(NGC205)を従え、これぞ銀河という姿でしょうか。ちなみにNinja-400では感じたことはないのですが、76cmドブソニアンでM31を見た人の話では銀河中心核はピンクに見えるそうです。一度見てみたいものですね。
Ninja-400などのドブソニアンではM31内部の球状星団を見るのも一興ですよ。DSSの写真に15.0等級より明るい球状星団をプロットしています。9個ほどあります。昔、チャレンジしたところ、以下のものを見ました。ただしG1はM31よりの離角が大きく別の記事にしています。
・G1 13.7等
・G213 14.6等
・Bol119 12.3等
上記は恒星のように見え、シーイングが良くなかったのもあり、G1以外は球状星団のようには見えませんでした。またシーイングの良い時にチャレンジしてみようと思います。
またM31にはKnotと呼ばれる星の密集した銀河の腕部分が見られます。有名なところではNGC206であり、天の川で言えばスタークラウドのようなものでしょう。M31は銀河系と比較すると直径が倍のサイズの銀河で、すぐ隣にある銀河ですので銀河の構造がよく分かるわけですね。
M31 小学校の時に見た頃の興奮を思い出させてくれるありがたい存在です。ところで以前この銀河はどちらを向いているのかが議論になったことがあります。つまりこの写真の右上の部分と左下の部分、どっちがこちら側にあるのかということです。結論としては沢山の球状星団を観測してより赤く見える球状星団が多い方がこちら側にあるという結論になりました。球状星団は円盤を挟んでハローの両側に対称的に存在するはずなので円盤の向こう側にある球状星団は円盤の塵による吸収を受けて赤っぽく見えるわけですね。この方法にはなるほど!と感心しましたが、どっちがこちら側かは忘れてしまいました。見た目では右上の方がこちら側に見えますね。
投稿情報: 鈴木 | 2005-11-20 00:42
M31と球状星団や伴銀河については、Sky and Telescope誌12月号にてSue Frenchさんの"deep-sky wonders"にて特集されてました。
初めてG1のスケッチを見ましたが、まさにスケッチの通りに見えますね。ただ解像度が高いのですが、やはりアメリカはシーイングが良いのでしょう。ご覧になっていない人、必見です!!
投稿情報: 安田 俊一 | 2005-11-20 01:39