3/4(土)に南伊豆で観望会を行いました。漁火登場で南天低くはイマイチでしたが、それでも透明度7/10、シーイング8/10でなかなか味わえない空でした。以下、参加された方の報告です。
かわのさんの観望記
かわのです。皆さんこんばんは。
南伊豆観望会に参加された皆様お疲れ様でした。
今回は、透明度が絶好とは言えない条件だったのと、漁火の影響で空の暗さはイマイチでしたが、シーイングが良かったのと(8/10)一晩中晴れていた点で、なかなか楽しめました。
明け方になるほど、街明かりや漁火の影響が減って、良くなってきましたね。ポイマンスキー彗星が見え始めたあたりから、一番盛り上がれたと思います。
収穫としては、
◎ポイマンスキー彗星が肉眼彗星であることを確認できたこと。
◎尾が手持ち双眼鏡クラスから確認できたこと。
◎Fujinonで見たのが最高で、視野の2倍以上に長く延びているのがわかったこと。
◎Ninja500+双眼装置の彗星中心核が圧巻だったこと。
でしょうか? 彗星と双眼の相性の良さを感じました。河口さんの機材の完勝です。個人的には、ニート彗星以来の彗星で、思っていたより立派だったのと、素晴らしい機材で見られたので、大きな収穫だったと思います。
KOBAさんの観望記
KOBAです。
往路は満開の河津桜目当ての行楽の車で箱根口からずっと大渋滞でした。箱根新道、伊豆スカイラインを経由するも南足柄市から南伊豆までの150Kmに5時間もかかってしまいました(帰路は5時過ぎに発って下の道120Kmを2時間半で帰りました)。
南伊豆町の「銀の湯」についたのは18時過ぎ、早速、温泉に浸かり、満天の星の下の露天風呂も楽しみました。この辺の空はとても暗いです。
さて、観望地ですが、快晴、無風~微風、気温6~8℃、湿度50~60%、透明度良し、シーイング良し、また天の川が綿雲を繋ぎ合わせたごとく濃ゆーく見え、いかにも最高のコンディションに思えました。しかし、そこには思わぬ伏兵がおりました。それは、23時頃から灯され始めた漁火です。南の空がすっかり明るくなってしまいました。これにはちょっとがっかりでした。
観望は、冬の星雲に始まって、おおぐま座、りょうけん座、しし座、おとめ座、からかみのけ座に至る主だった系外銀河を総なめにし、次いで初夏~夏の星雲、球状星団とフルコースで行いました。観望地はは高台で視界が開けており、オメガ星団は楽勝、さそり座の全景も余裕で見ることができます。
今回、特に天頂部が暗かったせいか銀河がいつもより大きく、かつ詳細に見えました。M101の腕がナグラー13mmの視野一杯に広がる様子がはっきりと判り、M51の複雑な構造が見え、M104,NGC4565,NGC3628の暗黒帯がくっきりと見えるなどとても感動的でした。
今回の白眉は薄明が始まる頃に上がってきたポイマンスキー彗星です。Ninja400やフジノン双眼鏡ではコマの部分と2度以上に伸びた尾が確認できました。やはり、彗星観望にはフジノン双眼鏡が最強です。
南伊豆の空の暗さは、富士山新五合目を上回ります。南伊豆は遠かったけど、やっぱりいい、無理をしてでも行くだけのことはある、というのが今回の実感です。
河口さんの観望記
岡崎さんに「彗星がみえる」と、起こされて東の空をみると南から北へ雲が架かっています。「あー残念、雲が架かって来た」と云ったら、皆から「何云ってるんだ、あれは夏の天の川だ」と一笑されました。
でも、どう見ても、東の空に、あの低さで、あの濃さで、しかも薄明が近い時間に、しかし惑わすように鷲座辺りで二つに分かれて.....自覚するのに暫く時間が掛かりました。
青白く、薄いけど鋭いテールにしばしみとれました。小生には池谷・張彗星以来でした。
帰り道、お天気女のやすこさんが「もっと大きな望遠鏡で見てみたい」と云うので、「どの位の」と聞くと「銀河の中心が見える様な」....夢が膨らんでうれしくなりました。
期待が膨らむ筈です。彼女が初めて覗いた望遠鏡は「Ninja500」と「Fujinon40×150」で、しかも、安田アストロナビゲーターの指導なのですよ。
河口
岡崎さんの観望記
もう皆さんに書きつくされてしまいましたが、ポイマンスキー彗星・・久しぶりの感動です。薄明の空にきりりと一直線に長く伸びた尾が印象的で、河口さんの Fujinonで見せていただいたその勇姿はまさに「太陽系の放浪者」。肉眼で確認された方々もいましたが、私の感度の悪い眼にはどうしても確認できませんでしたが・・。
今回は、残念ながら明け方まで肝心の真南方向に漁火があり、2月にはA国で見たような電波銀河やオメガ星団が見れたのに・・ちと残念。でも南天低高度を除いては相変わらず素晴らしい空でした。春の銀河ホッピングに数時間を費やし、一瞬ではあったものの煩わしい俗世間のことを完全に忘れさせてくれました。最高の逃避行でした。
この場所は、遠いのが玉に瑕ですが、ディープスカイ観望には完全にベスト地ですね。冬場にあったかいのが何より良いですね。
舟田さんの観望記
昨年の夏休みに望遠鏡の鏡を洗ってから丁度半年ほど経ってやっと鏡に☆の光のシャワーを浴びせてあげることができました。
厚木の地から、現地までは湘南バイパスを通り、伊豆高原を通り過ぎて行くつもりでいましたが、もの凄い渋滞で伊豆高原で一旦おにぎりで腹ごしらえをして、ルートを変えました。伊豆高原から遠笠山道路を通り、車が1台しか通れないような細い林道を延々と走り、R414に出て、やっと車がすれ違いできる道路に出たと思って走るが、なかなか目的地への距離が縮まってこない。天城いのしし村で、トイレに駆け込み、しばらく行くと空が開けて、道の駅【天城超え】に着く。ここで、先行している方々に連絡を取ろうと思ったが携帯の圏外。更にしばらく走り20年振りくらいに通る河津七滝ループ橋。3周ほど回ると眼が回るような感じがして、道端で一休み。ここで、先行隊に連絡を入れる。R135の大渋滞の原因がここの桜だと聞いていたが、凄い数の車。家を出る前に妻に桜渋滞に気をつけてと言われた意味をようやく知る。河津の夜桜を横目にここから先は車が走っていない。
かなり疲労してしまい、下田で安田さんに電話をし、例の寿司屋を教えてもらう。寿司屋に辿り着いてご主人と話をすると安田さん一行の後に、隣の大部屋で陽気に歓談する温泉客10名ほどがネタを食べ尽くしてしまっているので残り物でとのこと。ま、ここまで辿り着けただけでも良しとしなければ。お腹を満たし、やっと現地に辿り着いたときには家を出てから6時間が過ぎていた、たかだか140Kmで6時間とは、神戸に出かけたときには600Kmを6時間で行ったのに・・・。ということで、とてつもなく疲労困憊し、現地に辿り着くや素晴らしい星空であることを確認した後、挨拶もそこそこに月が沈むまでと決めて1時間ほど仮眠を。観望会会場で寝るのもこれが初めてかも。携帯電話のアラームをセットすると、本当に寝入ってしまった。
丁度月が沈んだ頃、もぞもぞと起き出し、久々に望遠鏡をセットする。
シーイングも良さそうなので、慎重に光軸を調整して久しぶりに会う☆達に筒を向ける。いや~、シーイングがすこぶる良く、しかも透明度も高い。ここは倍率を高めにして今までの観望会とは違うインプレッションを受けてみたいと欲たかりな気分。普段は余り出番の無い、コマコレクタにバローレンズに、12mm以下のアイピースを手にメジャーどころからスタートする。
M65 M66 NGC3628 を手始めにと導入する。さすがに、視野が10'強と言う狭い視野ではいずれの銀河も視野一杯に広がるし、3628は視野からはみ出すかの様子。それぞれの銀河の腕の構造まで薄っすらと見え3628にいたっては中央を横切る暗黒帯がモヤモヤと見える。隣にいるはずの銀河に辿り着くまで視野を大きく動かさねば見えないほど距離を感じてしまう。なんだか本当の銀河間隔を想像してしまうほど隣に見えるはずの銀河までが遠い。
続いて、もう一つのメジャーどころ、M51。これは圧巻です。視野一杯に二つの銀河の中心核が大きく迫り親の方の腕が子の方へ伸びている様子はもちろんのこと渦巻きの腕がもう手裏剣の様に見えてため息が出そうでした。ここで、安田さんが様子を伺いに来てくださって、覗き込むことしきり。これくらいの視野一杯に広がる双子のような銀河を見ると圧巻ですよね。
M104 は視野一杯に広がって中央の暗黒帯はもちろんソンブレロって感じはこれ位の倍率で見ると凄いな~と思いました。麦藁帽子のようにつばが広がっているのが分かります。
それから、しばらくはM84 M86を中心としたマルカリアン銀河の辺りを彷徨うことに。ここは、先ほどのM65 66 NGC3628の辺りと違って、視野を少し動かすだけで、次々と小さな銀河が視野に入り込んできて寂しさや銀河間の距離感を感じない。いったい何個の銀河があるのだろうと言う感じで小さな銀河や、大きな銀河。大きな銀河はこれまでシミにしか見えていなかったのだけど、この倍率だと、それぞれの銀河の形が微妙に違うことが明らかとなってきて見ていて飽きない感じになる。こんなに沢山銀河があったのかとまた驚きも出てくる。小さなシミのような恒星と見間違えてしまうような銀河もはっきりと銀河だと認識できる。こんなに沢山あったのかと、いまさらながらに驚かされてしまう。数年前に初めて31mmレンズを手に入れた時にはその倍率(約50倍)だからおよそ1.5°の視野で、一網打尽にしてきた辺りだ。その翌年か翌々年には12mmレンズで130倍0.6°程度の視野で泳いできた辺りも、視野10'で泳ぐと、見え方がこんなに違うのかと改めて感動する。春にシーイングが良い時はめったに無いのでとても得をした気分。
おとめ座からかみの毛座の辺りをこの倍率で泳ぐことおよそ2時間余り。もう、銀河はたらふくって位に堪能してしまった。今晩は惑星状星雲や球状星団を見ていなかったことに気が付くと同時に、この倍率で惑星も見ちゃいましょうと、普段は眼もくれなかった惑星巡りに。土星から始まって、木星、そして明け方には金星と比較的大き目の惑星3つを丹念に見ることしばし。惑星の表面の模様の呼び名や土星の輪の切れ目の名前を知らないので書けませんが、見える見える。いや~、これほど見えるとはね、惑星でも1時間ほど見入ってしまいました。
最後に残った球状星団巡り。頭上のM3から始めて、春の球状星団総なめ、~夏の球状星団総なめに。視野一杯に広がる☆達にうっとりとしてしまい、ため息は漏れるし思わずうなり声まで出てしまう。球状星団の中の星の配列って意外に不均一でこんなに球状星団毎に違うのかと改めて今までの見方は間違っていたかなと反省する。これだけの倍率で視野一杯に広がる、これまでは小さいからつまらないと思っていた球状星団さえも、こんなにそれぞれ配列や密集度が違うのだと感動することしばし。NGC6522 6528のペアはこの倍率だとペアにならない。隣の球状星団に辿り着くまで幾つもの☆達の間を抜けて行かねばならない。いや、宇宙って広いんだ~。
さてさて、最後は今日はこれさえ見えれば良いと思って出掛けた、ポイマンスキー彗星、丁度彗星が出て来るところを開けたポジションを探して選んで陣取っていたため、地平から出て直ぐに見つけ出すことができた。125mm屈折を並べて設置して見比べるようっと。尾の長さは125mmで観た方が良く見えて、2.5°~3°位の細い尾が見える。核の辺りの深緑から青緑の色合いはドブソニアンの方が良く見えて素晴らしい。百武彗星の小ぶりの様な感じで細く伸びた尾がとても印象的。これさえ観れれば良いと思って出掛けてきたが、この彗星があまりに綺麗なのと銀河や惑星に魅せられてしまった為、シュワスマン・ワハマン第3彗星を観るのをすっかり忘れていたことに、薄明が始まってから気が付くと言う失態を・・・。でも、とても満足な夜でした。帰路はR135を3時間で帰宅できました。
安田の観望記
こんにちは、安田です。
3/4ですが、伊豆はもう春でした。河津や南伊豆の桜や菜の花見物でそこかしこで大渋滞。南関東から5時間以上かかった人も居ました。特に東伊豆経由は大変だったとのこと。私のほう、ちょっと早めに銀の湯会館に到着し、一風呂あびて皆の集合を待ってました。KOBAさん、岡崎さん、關さんと4人揃って、いつもの前原寿司へ。ここ最近定番になっている地魚寿司を食べてしばし、店長も一緒に星空談義。店長のコメントでこの前にインターネットで「前原寿司」で検索すると、星を見に来て銀の湯会館で風呂に入って寿司を食べたと書いた人が居ると言われ、なんとそれは私だということで、店長はビックリ。確かにGoogleで検索すると3 位に入ってます。ここの寿司は安くて旨いのでお勧めです。地魚寿司も1470円で安いですね!!
その後、いつもの南伊豆観望地へそろって行きました。天候は快晴で透明度の良い空ですが、月がまだ残っています。それでも冬の天の川は見えているのは凄いですね。すでに河口さんがお天気女さんを連れて到着されてます。それぞれがセッティングをして月没を待っていると、南天がだんだん明るくなってきます。イカ釣りらしき漁火が強烈に明るいのです。そうこうするうち、舟田さん、かわのさん、宇高さんが到着。全員で9名。Ninja-500が1台、Ninja- 400が4台、Ninja-320が2台、スタースプリッター37.5cmが1台と、ミニオフ会状態。他には河口さんのFUJINON40x150ED etcですね。
月が沈んでも、街の明かりと漁火で空全体がちょっと白いのが気になります。無風で気温は6度。夜半からちょっと風が吹き出し体感温度は下がりましたが、風は弱いほうでしょう。この季節にしてはシーイングがかなり良く8/10、透明度も7/10くらいでしょうか。漁火の影響は高度20度ほどまで広がってます。
彗星が昇るまでは皆でDeep Skyを堪能していました。ちなみに空はこの地では並なんですが、それでも対日照はしし座のあたりに薄く見えています。透明度は良いですね。
私が見ての、機材の目玉は關さんのルミコン改造の2inchフィルタースライダーですね。Ninja-400の接眼部にうまく嵌められています。3枚のフィルターが手元で換えられるので、便利そうです。
漁火のほう3:00ごろには1隻へったようでちょっと暗くなりました。さらに生活光が落ちてなかなかの空になりました。Ninja-400で言うと、シーイングが良いため、それぞれの銀河の中心核が恒星のように輝いて見れます。かわのさんのNinja-400ではM57の中心星とそばの星も見れました。シーイングが良いのは気持ちよいですね。球状星団も溜息が出ます。手動導入可能なDeep Sky天体をざらっと見て楽しみました。今回は南天に光害源があるので、辛いのですが、オメガ星団も低空までシーイングが良いので星々がシャープに見れて壮観でした。
明け方になりポイマンスキー彗星が見え出しました。薄明直前ではかなり高度が高くなり、かろうじて肉眼でも確認できました。さすがに恒星状にしか見えません。それぞれ多種多様な機材で見ると、一番延びて見えるのはやはりFUJINONの双眼鏡でしょうか。尾の長さも2度は確実に見え、3度に達しようかというまっすぐ延びた見え方で、まさにミニ百武彗星ですね。河口さんのNinja-500に2inch双眼装置では彗星が浮き上がってみえる錯覚で、青緑に輝く彗星が印象的でした。それほど期待していなかったのですが、姿は立派に彗星です。
番外編ですが、シーイングが良いため木星をNinja-400で300倍ほどで観望。大赤班や複雑な縞が綺麗に見えて、木星の縁もハッキリ。これだけ見えるのは滅多にありません。
そうこうするうちにあっという間に薄明となり、6:00には撤収しました。帰路は西伊豆経由ですが、疲労で途中40分ほど仮眠。ETC割引を使いたいのでなんとか沼津ICに9:00までには入りました。修善寺から三島までは、反対車線は車で一杯で、これだけ混んでいるのは見たことがありませんね。
観望会としては漁火が残念でしたが、透明度、シーイングとも良く、一晩中晴れて彗星も肉眼で見え、尾も立派な姿を見れて、大成功でしょう!!! それにしても彗星の姿は立派でしたね!!!
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