新年早々、双眼鏡・望遠鏡サミットでお会いした津村さんにお会いするのも含めて和歌山市立こども科学館に行ってきました。
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実家に帰省して西宮から大阪経由でJRでJR和歌山駅を目指したのですが、てっきり勘違いで、南海電車の和歌山市駅が近いとのことでした。JRからはタクシーを使ってしまい、ちょっと痛い...。和歌山市駅と和歌山駅は結構離れています。伺ったのは14時ころでした。
昭和56年に設立された科学館とのことで、ちょっと古さを感じていい味が出ています。館内をくまなく廻ったわけではなくこのフロアとプラネタリウムを見てきました。
今まで科学館もの博物館ものが好きでいろいろ廻るのですが、第一印象としては、ええかっこせず、庶民的な雰囲気がかもし出ているなぁと思いました。いろいろネタが多く一生懸命、こどもだけでなく市民への科学の啓蒙で尽くされている感じでした。心がこもっているといえるのかも。
昭和20年代に大阪の電気科学館でプラネタリウムの解説者をされていた高城さんという方が、五島プラネタリウムを退官されて、和歌山市に科学館をなんと私費を投じて作られたとのこと。このプラネタリウムはその和歌山天文館に自作として作られたプラネタリウムで、大平さんのメガスターの遥か以前に、凄い人が居られたことに感動しました。年代的に微妙ですが、高城さんの解説は聴けてないハズ。
高城さんは教科書も執筆されていた方だそうなので、随分才能あるかただったんでしょうね。
写真のモデルは津村さんです。いろいろレクチャーいただきまして本当にありがとうございました。
ここからはマニアックになってまいります。津村さんのご厚意でいろいろ見せていただきました。こども科学館のプラネタリウムはコニカ・ミノルタプラネタリウム製のMS10-AT型というタイプで、結構ベストセラーなプラネタリウムだそうで、現在でも50台くらい世界で稼動しているものです。それでも20年以上経って、どんどん新旧交代をしていて、プラネタリウムが壊れたら、予算の少ない科学館では修理も不可能となって投影できない状況となり、閉鎖せざるを得ないところも出てきているそうです。財政難のしわ寄せって、どうしても成果の見えにくいところに来るんだと思います。
そこで防衛策として、閉鎖したプラネタリウムからパーツを分けてもらっていざという時に備えているとのことで、結構大変ですね。写真は恒星球です。
いやぁ、こうやって間近で見ると面白いですねぇ。他にもいろいろパーツは確保されているとのこと。そうやって科学館の職員の方の工夫で予算不足を補ってリスクヘッジもされているということが良くわかりました。裏方のご苦労だと思いますが、予算が無いことで頭や体を使うのは企業だけではないということですねぇ。
津村さんは科学館で天文を受け持っておられて、いろいろ展示物を自作されています。これは3Dの彗星の軌道を分かりやすく立体にしたもの。実際に空の彗星を見て思うのですが、太陽系の黄道面をまったく無視した彗星のダイナミズムを感じちゃうのですねぇ。横への広がりではなく全方向への太陽系の広がりというかですね。私が彗星を好きなのは惑星の運行という調和の世界を乱す、風雲児だからかもしれません。日常に対する非日常というか、彗星の出現は、安定はしているものの裏腹に退屈で同じ繰り返しのように見える惑星界を揺るがすのが良いのかも。
プラネタリムのある最上階には天文の展示があります。写真や解説が展示されています。これらも津村さん作なんでしょうか。ちょっとユニークです。他の館と違うような...。
今日のプラネタリウム
津村さんの解説は聴けませんでした(^^;; 残念。
最終回は山本さんの解説でしたが、手動解説と「ジャングル大帝レオ」の自動番組でした。番組を選ばれた理由は季節柄ですが、火星のことを分かりやすくこの番組は解説しているとのことで、キャラものでのこどもへの興味と、天文への興味喚起がバランスしてるんでしょうね。私も子供のころに、もちろんジャングル大帝は見てましたので、良く理解できました(^^)/
てっきり五藤のプラネタリウムと誤解してしまいましたが、ミノルタ(当時)の主力機だったんでしょうね。
ミノルタと言うと、私が小学生低学年の頃、生まれて初めてみた自宅から歩いてすぐのところにあった阪神パーク(甲子園)のプラネタリムもそうでした。そのプラネタリウムはミノルタの1号機だったそうです。記憶はもうおぼろなんですが、惑星棚はこのMS10よりはかなり短かったようです。ドームも7mくらいの小さな館のような記憶です。実家にあったタイムライフの「Universe」という図鑑とこのプラネタリムにより私という天文オタクが作られたようなものです。ミノルタのプラネというともう無くなってしまった阪神パークを思い出します。
MS10の印象は、オーソドックスでプラネタリウムの王道っちゅう感じがしました。星の感じは自然です。星の数も多すぎず、少なすぎず。星像が綺麗だなぁと思いました。面白いのはプレセペが分解していることかなぁ。眼視での実際の空ではプレセペは、ボーッとして見えるだけでさすがに分解はしたことはありません。最近、老眼入っているので分解できないだけかもしれませんが。
津村さんにレクチャーいただいたのですが、最近のプラネタリウムは投影出来る星数ばかり追いかけて、不自然さが増していることで、1等級と6等級が本当の星では100倍の明るさの差があるのですが、沢山星を出そうとすればするほど、その差が50倍とか、30倍とかになってしまい不自然に見えちゃうとのことです。明るさの差を工学的に出せないのであればどうしてもそうなっちゃうんでしょう。
それとプラネタリウム購入の決済権を持つ人は、どうしてもスペックに目が行ってしまい、業者から今度のプラネタリウムはこんなに沢山星が映せるとアピールされると、決裁権を持つ人は星を見る人とイコールでは無いので、勘違いしてしまうわけですね。
大平さんのメガスターを、今までに無い天の川を星の集合で表現するというコンセプトで実現したことを私は評価していますが、あくまで特殊なプラネタリウムだと思うのです。プラネタリウムの1バリエーションとしては有りだと思うのですが、メガスターの成功を他のメーカーがマネをして商売に利用するのは、ちょっと違うような感じがします。
お客さんが求めているからという大儀名文なんでしょうけど、ちょっと歪です。
この件での津村さん説は...。やはり本当の星空を知る人が減ったことにこの傾向を助長する原因があるということで、本当の星空を知っているとなんかちょっとオカシイと思うのではないかと、都会の人はそれこそ天の川も見たことが無い人が多いので、不自然さの指摘はなくリアルなシミュレータとしてのプラネタリウムが、エンターテーメントに振れ過ぎている現象なんだということなんですね。
私としては8等星まで見えるのはそれはそれで面白いのですが、全部のプラネタリウムがそうなっちゃうのは問題です。やはり本当の星空のシミュレータであって欲しいです。もちろんこれはメガスターの否定ではなくて、メガスターは肉眼の感度を50倍くらいにアップしたスーパーシミュレーションとしてあって欲しいです。
特殊な投影機
これ星座絵投影機とのことです。星座絵の位置調整が手動のもので、そう言えば投影中に微調整されていたような...。
これはミラーボールかぁ
津村さんの自作とのことです。決してカラオケ用ではありません。雪が降る様を表現していて、レオでも雪が降ってました。
こういうのを飾っているプラネタリウムは初めてでした。ちょっとマニアです。ちょっとしたプラネオタクの私には嬉しい趣向です。
マニア垂涎の光景かもしれません。次週行われる予定の高城さんのご実家に眠っていたプラネの録音テープを元に当時の和歌山天文館を再現するイベントの予行演習に立ち会いました。
手作業ですべてをこなすのですが、いろいろ忙しく面白いですねぇ。生まれて初めてポインターを使いました。あれ、子供の頃、解説者がポイントしているのを見てカッコ良いなぁって憧れたんですよね~。
現在、実際の星空での観望会でレーザーポインターで無限遠の天球に向けてやったりしてます。
コンソールの位置から夜空を見ながらコントロールしていると、まさに宇宙船のコックピットから宇宙旅行をしているようです。独特の味わいがありますね。一番良い座席はコンソールだったんですね~。メーターやスイッチが並んでいる様は、コックピットですね。
ありゃ、これはスライドの表示スイッチでしょうか。忘れちゃいました(^^;
良く分からない機材の数々があ。自宅にも一本いかが?!
もう夕方で暮れてきています。プラネタリウム探訪も終わりです。
和歌山市立こども科学館からは歩いて、和歌山城を見ながら、JR和歌山のほうへ。和歌山城は綺麗に夕暮れのグラディエーションの中で栄えていました。
この後、DeepSkyのネタで盛り上がりを!!
どう楽しむのか、どう面白いのかって終電まで相談しておりました。
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和歌山市こども科学館ですが、大阪市立科学館や明石天文科学館のような大型館ではないのですが、予算の少ないところを工夫で情熱持って取り組まれていて、お勧めの館だと思いました。
願わくば特別講演でオタク向け星座/天体解説をやっていただけると面白いですね。南天の見どころ解説とか。これから南天に観望に向かう人向けのレクチャーとか。メジャーな館でやれないネタを特別にお願いしちゃいたいです。南天の良きガイドはまだ日本には無いと思います。
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