上記の第10回双眼鏡・望遠鏡サミットに参加してきました。
私(安田)は、1日目で業務終了からトラさんと流星号で駆けつけ到着は1:00ごろですので、それまでのことは分かりません(^^;
サミット開催の2晩とも良く晴れて、最高とは言わないまでもかなりな好条件で観望できたと思います。
最後のサミットと主催者の服部さん、田中さんより発表があったと聞き、正直ガッカリしました(^^;
ただ10年も難しい運営を続けて来られたことは賞賛に値し、決して非難するつもりはありません。私には出来ないことですし、ただでさえ若手の参入が少ないアマチュアを含めた天文界に大いなる貢献をされたことは間違いないところです。
サミット会場受付...3回目の参加ですが、木で出来た建物はホッとします。
二日目のお昼...いやぁ、睡眠不足です.壮観
二日目のお昼...別の角度から会場風景
フリーマーケットに集う皆さん...出遅れました
機材紹介前にいろいろ機材を見せていただきました。
JMIの25cmニュートン反射双眼望遠鏡...軽量とのこと
あの望遠鏡ランキングで有名な吉田さんの機材です。カウルというか鏡筒はFRPです。光軸調整は接眼部近くから出来るそうで、優れものです。
非常に効率的...工夫の塊と感じたJMI25cm双眼
津村さんの自作の星図...手書きで散開星団の要所付き
1ヶ月に1枚のペースで作成されているとのこと。オール手書きというのがそそられます(^^)/ インターネットで調べると津村さんのセンスの良い資料が沢山出てきますが、手書きでセンス良く、全天分の完成が待ち望まれます。
<<機材紹介コーナー>>
今年は去年より直前キャンセルがあったためか、機材はちょっと少なめでした。1日目で帰られた方もおり、それもあるのかな。機材紹介の時間は予定どおりで、長くも無く、短くも無く良かったんじゃないでしょうか。
このコーナーの写真は安田が個人的に興味持った機材を載せさせていただきました。去年掲載のものは意図的に減らしてます。
岡本さんの20cm&25cm屈折双眼望遠鏡...どっちも凄い
接眼部の出来が素晴らしく操作性が良く欲しい(^^;;;
吉田さんのAstroPhysics16cm屈折望遠鏡
日本に3本しかない望遠鏡とのこと。去年の原村で見たおおるいさんの望遠鏡と同じもの。土星像は凄かったなぁ。
回転椅子で双眼鏡観望を...目が廻るそうです
勝原さんのTMB15cm屈折望遠鏡...双眼装置付き
夜にシーバート2inch双眼装置を直付けしたり、いろいろアイピースを見せていただいたり、結構遊ばせていただきました。こちらも吉田さんの望遠鏡と並び甲乙つけがたい土星像を見れました。
T-Cutさん(ちゃっきりさんの双子の姉)オンステージ
A国に行ったポタ赤、コンパクトになる反射、さすがお姉さんのプレゼン、去年の妹さんよりも落ち着いてました。ジャパネット真っ青です。
YAMAさんの30cm銀次反射双眼望遠鏡
横山さんの双眼望遠鏡群...何でも双眼になっちゃう
コスモキッズ双眼、架台は太平洋バージョンのブイ
これも横山さんので、高知で海岸に打ち上げられて壊れていたブイを架台にしています。アストロスキャン風で面白いです。右上のコイルはファインダとのこと。
酒居さんの新作ポンセットマウント
三角形で写真上で上が北を向いて左右にツイストするポンセットマウントだとのことで、モーターを付ける場所も用意されています。かなり大きな望遠鏡までOKとのこと。
我らがスタークラブShinobeeさんのNinja-320
自作機材ではありませんが、我が北八ヶ岳スタークラブの期待の新星のShinobeeさんです。サミットでは貴重なギャルの一人で~す。
大吉?でしたか芸術品のニュートン望遠鏡
ヤスさんのSky-90屈折双眼望遠鏡
富士山新五合目で良くご一緒する丹沢星の会のヤスさんの完成度高い望遠鏡です。我が富士山アストロクラブからはトラさんと私が参加。
池田さんの反射双眼望遠鏡
こんなに小さいのに反射とのこと。驚きました。他にも双眼づくしで驚きました。このスタイルで見るのがお勧めとのこと。
津村さんのフライング40cm反射ドブソニアン
総重量20kgを切るドブソニアン。ミラーは特別に軽く作られていてミラーの下部が平らではなくて丸く削られています。ミラー12kgというのは軽いですね。
津村さんのプレゼンの周りに集まる人
津村さんの話に興味津々、会場の皆さんが集まってきました。散開星団観望の勧めと、メシエは嫌いですと面白いですねぇ。確かにメシエ天体でもおとめ座銀河団にあるのは特徴も少なくて、特に楕円銀河は単に楕円なだけだし。
この後、津村カタログとも呼べる津村さんのお気に入り天体100景のペーパーが希望者に配られるとあっという間になくなりました。
以下に津村さんのHPでのURLがありますので、ご覧になってはいかがでしょうか。
星空名所百選 ・・・ 見ごたえのあるDeep-Skyを100個選びました
田中さんのf=20mの空気望遠鏡
対物レンズは三脚の根元にあるものでしょうか。アイピースも巨大で鏡筒の右に付いているものだと思います。どうやって対象を見るのかは分かりませんでした(^^;;;
ボーグ150ED屈折双眼望遠鏡
口径15cmのEDアポで軽量という気になる望遠鏡。
NinoさんのNinja-500撤収作業
アルファードにとても効率良くNinja-500が綺麗に撤収されていきます。この機材が後部に収まっても5人も乗れるのは凄いと思いました。
双眼鏡・望遠鏡サミットのフラッグシップ
この10年、双眼望遠鏡のフラッグシップとして双眼派の皆さんを引っ張った望遠鏡だと思います。10年前の御園で開催された大口径観望会でこの驚愕の望遠鏡を見て、八千穂高原にまで来ていただいて当時彗星捜索家の木内鶴彦さんのFUJINON25x150EDと競演していただいたことを思い出します。
EMS部分が進化してかなりカッコ良くなりました。
サミット終了式...先に帰られた方もちらほら
サミット終了式で田中委員長より終了の挨拶
サミット本当に最後の記念撮影
サミット最後と聞いて皆さん、ちょっとしんみり。きっとまたどこかで会いましょうと約束を交わして無事第10回は終了しました。サミットはもう無いのでしょうが、またの出会いを期待してそれぞれが帰路に着きました。
<<安田の観望記>>
私のほう3回目の参加となります。ただ2年前の1回目の参加は、A国より帰国の成田から東栄町へ直行し、夜中の飲み会にちょっと参加しただけなので、実質2回目です。
トラさんと川崎市に19:00に合流し、途中、沼津で最後の晩餐よろしく焼肉を頬張り、天竜川沿いを北上して、快調に流星号に任せて1:00前に到着。到着すると駐車場が一杯で臨時でバス駐車場に止めましたが、怒られました(^^; すいません。
東栄町に向かう途中、曇り空でしたが、天竜川を昇るにつれて晴れが広がりだし、快晴に。到着すると皆さん、一生懸命観望をしており、機材を出す間もなく参加させていただきました。明け方にはようやくミニボーグ60双眼望遠鏡を出しましたが、それだけ空の状態が良かったということですね(^^)/
初日の観望ですが、気温は3度くらいでしょうか。天候は1:00からはほぼ快晴。東栄町の経験は少なく想像で富士山に当てはめると、透明度7/10、シーイング7/10くらいでしょうか。
二日目は気温は0度となり、車の上の夜露が凍結してました。こちらも天候が心配でしたが、東栄温泉から戻ったときには快晴。ずっと薄明開始まで快晴だったのは最終回に相応しかったかなぁ。
ちなみに二日目は機材紹介の後、温泉に行こうとトラさんを誘い、"湯らんど豊根"に行ったのですが、機器故障で閉鎖されツカ~ンと、東栄温泉に急遽行き先を変更。かなりなドライブになっちゃいました。東栄温泉は町の規模を考えると随分立派な公共の温泉で料金も500円。露天風呂からは夜空が見れるので、流星群を温泉に浸かりながらということはやりたいですねぇ。料金、施設を考えるとかなりお得だと思います。
食事も充実していそうで、今後スターフォレスト御園を使われる方は食事の選択肢としてお薦めできそうです。御園の食事は質素なので、ダイエットにはお薦めですが、ちょっと悲しいです。それでも良くなったそうな。
帰路は11:00過ぎに出発し、天竜川沿いに快適に飛ばすも昼間だと運転も自制されます。途中、何台かの参加者の方に道を譲っていただき感謝します。ライト点けて後部から迫る流星号は怖くてすいません。
今回の参加は機材紹介も予定どおり終わり、所望の機材も見れてコミュニケーションも種々出来て随分満足しました。サミット最後とのことで、非常に残念です。運営された服部さん、田中さん、ボランティアスタッフの人々、本当にお疲れ様でした。面白いイベントを企画、実行していただき感謝します。この世知辛い世間で、良心で成り立っている希有なイベントだと思います。有難うございましたm(__)m
それでは印象に残ったことを書きます。
●T-Cutさんのサプライズ
吃驚しました。本当に吃驚して見事に騙された~あと思いました。ギャルをスカウトしてってその日の朝にメールをいただき、永遠のギャルをスカウトって...反則技でっせ。ホント(^^)/
●Ethos 13mm
西岡さんが持参してくださり、貴重な体験が出来ました。イーソスをサミット参加の望遠鏡につけていろんな天体を見ることが出来ました。私が見た機材は石山さんの32cmF4.5ニュートン、酒井さんの55cmFx.xニュートン、 CAPRI-102ED、吉田さんのAstroPhysics16cmアポ屈折、勝原さんのTMB15cmアポ屈折(ここんところは記憶あいまい)、自前のミニボーグ60でいろんな天体を見ました。。
まず視野の広さに驚かされます。それと周辺像の良さで、ナグラーの視野周辺82度よりもイーソス視野周辺100度のほうが星像が崩れていませんでした。これには本当に驚きました。目位置についてはナグラーよりも寛容です。歪曲が若干分かりましたが、ぜんぜん許容範囲です。
アイリリーフが若干短くそこが良ければさらに嬉しいのですが、アイレンズが巨大になるトレードオフが発生するので、期待するのは難しいかもしれません。
中心像はナグラーなどの高性能アイピースと同等で解像度は高いです。
月を見たのですが、色収差も優秀で、ナグラーType5-31mmのような色は付きません。
弱点をあえて探すとするとアイピース本体が長すぎることでしょうか。リッチフィールドでこの見かけ視野100度での観望をぜひしてみたくfが長いものを期待してしまいます。お値段は性能比では安いと思っちゃいました。
●岡本さんの25cm屈折双眼望遠鏡
黒い鏡筒はSchwarzを思い起こさせますがカーボンとのこと(^^)/ 凄いです。自由に使わせていただきましたm(__)m 有難うございます。右の対物レンズがイマイチとのことで、フォーカスをあわせると確かに分かります。それでも迫力満点の像です。
まず操作性が非常に良く、あれほど大きな望遠鏡があれだけスムーズなのに吃驚。私的には直視の口径5cm越えのファインダーが欲しかったのですが、レーザー、対空タイプのファインダで導入出来ます。
屈折のヌケの良さでコントラスト良く見えるように思いました。特にM81,M82を同一視野で捉えた視野や、ホームズ彗星の姿は最高の眺めでした。fは服部さんのBigBinoよりも長く、まさに戦艦の主砲を良く作れるなぁと感嘆するしかないのでした。今回一番気に入った望遠鏡です。
●服部さんのBigBino(元祖25cm屈折双眼望遠鏡)
10年間に渡り、サミットのフラッグシップ足りえた望遠鏡だと思います。今回、EMSに相当する部分をリニューアルしたとのこと。さっそく覗くと以前の印象よりも星像が引き締まっているような感じがします。新しいEMSはカッコよいです。10年前に初お目見えのBigBinoもエボリューションしてますね(^^)/
●酒居さんの55cmニュートン反射とポンセットマウント
55cmトラスドブのポンセットマウントの完成度が上がり、会場内最強ということで自由に使わせていただきました。赤道儀付きなので高倍率でも手動追尾する必要がなく、大勢で見る場合には特にメリットを感じました。この望遠鏡とEthos13mmの組み合わせで見たM51はこれまでの最高の像を見せました。まさに写真で見た姿でしたが、フォーマルハウトさんのNinja-400でM51を見てみると並よりちょっと良い程度。これは最高の夜だと凄そうですね。大口径病が進行しそうです(^^;;
今まで口径50cmオーバーとしてNinja-500は何回も見ていますが、これだけ見れたことはありません。三角の新作ポンセットも面白いですね。
●津村さんの超軽量40cmニュートン反射
津村さんからはDeepSky同志として(すいません私は若輩なのに)、いろいろ伝授いただきました。Ninja-400(口径40cm)で見たベスト100リストを作ること。100個に収めることで、どれを入れるどれを外すということを繰り返すことで考察が増すと...。なるほど。
商品開発じゃ定番ですね。どの機能を入れるか、どこまで性能を上げるか、一生懸命に考えて取捨選択することにより商品性が高まるわけですね。それと一緒ですね。商品ではどれをやるかを決めることがすべてと言っても良いくらいですから。
それと手書きの星図を観望された天体をベースに作られていること。全体と部分のクローズアップを組み合わせていて、楽しそうな星図です。老眼で細かい字が見えないから手書きというのが面白いと思いました。
散開星団がお好きということで、星図やリストにも散開星団の割合が多いですね。私の場合、あえてどのジャンルのDeepSky天体が好きかと言われると、選択は難しいですが球状星団かもしれません。大口径ドブでは球状星団が好きですね。屈折ではもちろん散開星団です。近い星団と遠い星団のペアが好物というのは良く分かります。
彗星ネタでいろいろ情報交換をさせていただきました。捜索者、観測者、研究者、彗星に関するプレイヤーはいろいろ、人生いろいろ、話した内容は内緒です(^^;;
機材ですが、口径40cmにも関わらずエコノミーでもA国に運べる20kgに抑えたドブソニアンを見せていただきました。Ethos13mmとの組み合わせもバッチリ、光害が皆無で迷光も少ないA国だと筒がなくても十分かもしれません。
●KIKUTAさんのサイトファインダ大売出し
1個なんと100円。価格破壊!! 感動しました。スーパーの安売り状態で皆さん、私も含めて群がりました。感謝感謝。
●吉田さんのAstroPhysics16cmアポと勝原さんのTMB15cmアポ
どちらも垂涎の機材で、とても私には所有できませんが、優劣付けがたし素晴らしい土星像を見させていただきました。明け方の土星はシーイングの関係もあると思いますが、他のどれよりも見えたように思います。惑星観望を前提とすると日本のシーイングでは口径15cmくらいの屈折が最適なんでしょうか。A国では大口径反射かなぁ。
勝原さんのTMBにシーバート2inchをエクステンダーなしに直付けしてみると星像が結構良いのですね。やはりエクステンダーを使うと周辺がケラれるのと星像は悪くなるようです。
どっちかをプレゼントすると言われると非常に悩みそうです(^^;; 勝原さんのTMBで双眼装置で馬頭星雲の存在というか、黒く抜けているのがかろうじて見えました。ヌケ良いんでしょうね。
●CAPRI-102ED
10cmEDですが、Ethos13mmを付けさせていただき観望しました。笠井トレーディングから最近導入された機材ですが、これがなかなか良く見えてコストパフォーマンスが随分良い機材だと思いました。色収差もほとんど気にならない程度で、口径10cmクラスで双眼望遠鏡を作るのであれば有力候補だと思います。10cmEDとしては安いし、Sky-90よりも軽い3.3kgだし、うむむ良いなぁ。
●YAMAさんのGinji30cm反射双眼望遠鏡
強力な機構が備わった反射双眼ですが、両眼で見ているので単眼の口径40cmよりも淡いものが見えている感じ。M42を見せていただきましたが、星像も良くミラーも良いのでしょう。素晴らしいですね。これでEthos13mm双眼で見てみたい!!
去年よりかなり完成度上がってますね。
●NERIUS-150LD双眼望遠鏡
中野さんの弟さんの機材。それほど沢山天体見たわけではありませんが、M42は綺麗でした。色収差は星像ではほとんど気になりませんでした。なかなか魅力的が、気になるのは大きさと重さかなぁ。それだけ余裕がある設計ということだと思います。筒がもうちょっと軽かったら私にも扱えるかも。今年3月にギックリ腰になって以来、重いものはちょっとびびります。
●BORG150ED双眼望遠鏡
口径15cmとしては結構軽いそうです。魅力的ですが、私のとってはお値段が...(^^;;;
M42を見せていただきましたが、星像は良かったですね。
屈折双眼望遠鏡が多いので、どれがどれか星像や視野の印象を忘れちゃいますね。もう皆さん、十分な性能があると思います。
●ホームズ彗星
いろんな機材で17P/ホームズ彗星を観望。なんとペルセウス座α(Mirphak)のすぐ傍に大きく広がって居るじゃないですか。双眼鏡やミニボーグ60双眼では散開星団Cr39と一緒に見えて美しい眺めです。Cr39は星数50で全光度2.3等で割りとまばらな星団です。
大きさは月の視直径を越えて、丸から片方がちょっと棚引き、クラゲやパックマンの敵、オバQ、人魂、いろいろ表現はあると思いますが、本当に大きく見えます。肉眼ではαが滲んでいる感じで不思議な光景です。どこまで大きくなるのでしょうか。全光度はそれほど落ちていないようです。
中心核は以前よりはかなり暗くなりましたが、それでも小さな核が輝いていて、噴出しが見えました。マクノート彗星で涙を呑んだ北天の人たちへの贈り物でしょうか。
一晩中、ずっと見えている肉眼彗星、それも数週間もほぼ同じ位置で見えるとはなんたる偶然でしょうか。
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今年で最後のサミットでしたが、思い残すことは多かったのですが、完結編としての連夜の快晴、まさに終了直後からの雨、劇的でしたねぇ。
企画運営をされた服部さん、田中さん、ボランティアスタッフの皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございましたm(__)m
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