12/8に恒例になっている南伊豆にて観望を行ってきました。
参加された方は、古屋さん、大森さん、宇高さん、安田でした。
<<古屋さんの観望記と写真>>
久しぶりに新月時期の週末が晴れそうで、富士山アストロクラブの集まりが南伊豆で開催されると言うので遠征して来ました。
今回は定番の風呂-寿司-星見のフルコースを堪能しようと、早めの14時に出発しました。途中、修善寺道路の出口で道路工事渋滞に巻き込まれ30分ロスしましたが何とか17時には下賀茂の寿司屋に到着。安田さん、大森さんに合流して地魚寿司を美味しくいただきました。
食事が終わって外に出てみると、一面薄雲がかかってます。仕方が無いので安田さんと私は当初の予定通り温泉に入りに銀の湯会館へ。大森さんは観望場所の確認のため一足先に現地に向いました。銀の湯会館は入浴料900円と一寸高いですが、露天風呂もあって温泉気分を満喫できます。
すっかり暖まって外へ出ると、満天の星空ではないですか、慌てて大森さんに連絡を取ると、現地も快晴だとのこと。すぐにコンビニに寄って、近道を使って石廊崎へ向かいました。
観望開始は19時頃。この日は雲一つ無い星空でしたが、風が非常に強かったです。観望途中、宇高さんも合流し、4名での観望会となりました。今回はNinjaが500、400、320と3台揃ったので、私のオライオンは出さず、眼視は見させて頂くことにしました。
冬の天の川に感激していると、何やらぽっかりと白く浮かぶものがあります。なんと、大きくなったHolmes彗星でした。良い空の下ですと肉眼で分かるんですね。
17P/Holmes彗星
撮影: 古屋さん、データ:NFD300/F2.8(F4)、ISO800
撮影: 古屋さん、データ:F16-35/F2.8(16mm/F4)、ISO800、10D
Photoshopにて星座線を付加
早速ガイド撮影の機材をセット。今回の目標はバラ星雲をちゃんと撮ることでしたので、撮影鏡筒はNFD300/F2.8をチョイス。ところがガイドのキャリブレーションがうまくいきません。今回大物を載せるつもりでギアを変えたのが良くなかったのかもしれません。動きを調べて見ると斜めに動く様なので、PECを切り、ガイドカメラの水平を直して何とかガイドしてくれる様になりました。
まずは何と言っても大きくなったHolmes彗星を撮影します。300mmの視野いっぱいに広がる姿は圧巻です。形も円形から変化していて、右側が開いて若干尾を引き、水クラゲの様な印象です。その後はバラ星雲の高度が上がって来るまで順に、M45、馬頭、と撮影し、勿論バラもたっぷり時間をかけて撮影しました。
撮影: 古屋さん、データ:NFD300/F2.8(F4)、ISO800
撮影: 古屋さん、データ:NFD300/F2.8(F4)、ISO800
撮影: 古屋さん、データ:NFD300/F2.8(F4)、ISO800
撮影: 古屋さん、データ:EF16-35/F2.8(35mm/F4)、ISO800
ガイド撮影の合間にGPガイドパックで広角も撮影してみました。カメラが10Dなので色が付かないのが今一つですが、眼視で分かる大物天体を一画面に収めることが出来るのは、なかなかに痛快です。当夜の空を仰ぎ見たことを思い起こさせます。
3時過ぎまでたっぷりと撮影し、身体がヘロヘロになってきたので、帰りの体力も考えて撤収することにし、4時には現地を後にしました。帰宅は6時前だったかと思います。
それにしても500の集光力は凄いですね。安田さんにいくつかマイナー天体を入れてもらって、見させて頂いたのですが、メシェ天体並の明るさがありました。
<<大森さんの観望記>>
安田さんが双眼鏡サミットに行かれた折、同じ参加者の津村光則さん(天文ガイドのComet fileのコーナーで存じ上げています)から、ぜひ「Ninja-400で見る天体100選」というものを作りなさいと非常に薦められ、安田さん自身も「なるほど」と感心してきたことを教えていただきました。100個選ぶという前提で色々対象物を見ると、その行為のおかげで、それぞれの見方が奥深くなるということの様です。私自身も、「なるほどなぁ~」と感心させられました。確かに100個選ぶ、あるいは順位を付けるという考えで見ると奥深く見ることになるし、第一難しいですね。私自身も「Ninja-500で見る100選」なんか考えようかな?と思ってきます。
とりあえず、1位はM42~M43でしょうか?シンチレーションさえ良く、180倍以上にすれば、6個のトラペジウムがハッキリと見えますし、低倍率なら視野一杯に広がる星雲も青緑色に見えますし。特筆は、星雲の明暗のコントラストでM8と比較しても比べ物になりません。2位以下はというと、確かに難しいです。通常は球状星団ですかね?まあ、きちっと順位を付けるという訳ではないので良いのですが、確かに中々難しいものです。こういった色々な方達との観望会は、この様なお話をできるという点も非常に勉強させられるし、第一面白いです。
最後に、安田さんからCanonの双眼鏡10×42L ISを少しお借りして見たのですが、これは凄いですね。ISボタンを押すと本当に星が止まって見えます。更に視野周辺像も完璧!
すごく欲しいということで、実は昨日買って来ました!(観望会から1週間後)
また、星見にひとつ楽しみが出来ました。
<<安田の観望記>>
修善寺道路の出口が工事のため、大渋滞でこりゃダメということで、戸田のほうに途中から抜けて達磨山から西伊豆スカイラインを走り、仁科峠から宇久須に抜けて西伊豆、松崎経由で南伊豆へ。到着が予定より1時間近く遅れてしまいました。
到着してすぐ前原寿司で寿司を頬張り、雲が出ていたので銀の湯会館で温泉につかり極楽状態です。
南伊豆は夜半前から冬型になったせいか、風が強くなりだし、観望にはきつい感じでした。快晴で、シーイング8/10、透明度6/10くらいで、意外と透明度が悪かったです。それでも新五合目で雲海が出ている空よりは良く、光害が少ない恩恵はありました。透明度はイマイチなのですが、夕方の黄道光はハッキリ分かります。
気温は10度くらいで暖かかったですね。さすが南国。ただ風が強く風速10m以上はあったと思いますが、ちょっと辛かったですね。岬はどうも風が強いのが難点だと思います。
観望対象は、南天低い天体が結構見えていまして、ほ座の大きな球状星団NGC3201を初めて日本から、星に分解した形で見ることが出来ました。6.9等でサイズは20'あり、M3クラスで、かなり大きな星団です。カノープスより3,4度北にあるので、意外と見える感じでした。
冬の定番のM42をはじめメジャー天体を見るのはもちろん、大森さんのNinja-500でいろいろ見せていただきました。オリオン座μのすぐ傍の惑星状星雲Abell12とか、犬の骨星雲NGC2371とか、メデューサ星雲Abell21とか...さすが口径50cmの迫力ですね。サミットでの酒居さんの55cmとイーソス13mmで見たDeepSky天体とか、もう大口径病再発です。
明け方に向けてちょっと透明度が悪くなったのは、薄雲のせいでしょうか。それでも黄道光は明るく地平からしし座に向けて明るく見えてました。
ふたご群らしき流星も結構流れていました。帰路の西伊豆経由で途中見えた富士山の様子から見ると低空は水蒸気が結構あったようです。そのため透明度イマイチだったんでしょう。
風さえ無ければという感じですね。どうも参加された皆さん、お疲れ様でした。
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