メインはシュワスマン・ワハマン第3彗星を観望に雲上の富士山を目指しました。以下参加の方の観望記。
かわのさんの観望記
昨日5合目に到着したのは23:00。10m先も見えないような濃い霧の中、とろとろ走りながら、突然ぱっと快晴になったときは感激でした。西の空にほとんど沈みかけた月が、真っ白に輝いていました。普通は黄色がかったり、赤味を帯びていたりするものですが、透明度が非常に高かったです。
5合目は当然雲上で、23:00~0:00までの1時間は透明度+雲海でびっくりするほどの空でした。SW3のC核は肉眼で楽勝でした(心眼ではなく(^^;)。しかし、驚くほどのシーイングの悪さで、星はピンポン玉、ピントがどこに合っているのかわからないほどだったのが残念です。核の分裂どころではありませんでした。C核、B核と見て、G核を一生懸命探しましたが、まったくわかりませんでした。DeepSkyは、球状星団系はだめでしたが、銀河は大型のはそれなりに楽しめ、M51は南伊豆を彷彿させる迫力でした。
とにかく肉眼で見たときの星の数が異常に多く感じられ、こんな空を一人で見ているのはもったいないと思っていたところ、安田さんが到着、二人での観望会とあいなりました。
夜半以降は、雲海が切れ始めて空が明るくなったのと引き換えに、シーイングもだんだん安定してきて、DeepSkyも楽しめるようになりました。「夏は球状」ということで、M13,M12,M14,M5,M80,M4,NGC6541,M28,M69,M70,M22,M71あたりを流していきました。SW3も見ているうちにどんどん位置が変わっているのがわかりました。C核が分裂しているかも?と最初思っていたものも、時間を変えて観察すると、バックの恒星が重なっていたことが判明しました。
富士山の空は標高が高いせいか、きりっと引き締まった感じがします。昨晩の夏の天の川は富士山としては極上で、薄明の中も消えてなくなるぎりぎりまで見ていました。結構明るくなって空が青くなっても、天の川がまだ見えていたのは驚きでした。
安田の観望記
昨日は仕事を早く切り上げて向かいましたが、やはり強行軍でした。GWのラッシュで沼津ICのあたりを頭に10kmの渋滞とのことで、裾野ICを降りて下道を行こうとしましたが、雨の中の走行と高速でのにわか旅行客の運転マナー悪く、気を使って疲れで睡魔に襲われ南伊豆はギブアップ。反転して御殿場から新五合目を目指すも、自衛隊基地のあたりからガスと雨で限界を超えて水ヶ塚で仮眠しました。気がつくとなんと0:00を過ぎていて、2時間以上も爆睡。外を見るとなんと晴れて綺麗に星が見えているではないですか。慌てて新五合目を目指し、0: 20ごろだと思いますが到着。
かわのさんがすでに到着されていました。他には誰も居ませんでした。驚いたのは下界は霞がかかりちょっと雲上になっています。その好影響と透明度の良さで、かなり見えています。一昨日よりはかなり良く、こりゃ凄いわ。かわのさんに彗星を見せていただき、C核、B核とも若干明るくなっているようです。C核はかろうじて肉眼で見えて、M13よりもちょっと暗い感じでした。最初は星を間違えて楽勝と言ってましたが、違う天体でした。恥ずかしいm(__)m
天候は-3度、風はほぼ無風、透明度は8/10、シーイングがかなり悪く1/10~5/10くらいでしょうか。見る場所や時間でかなり違うので面食らいました。光害がカットされているため、夏の天の川も濃淡がハッキリ見え、暗黒帯の入り込みも複雑な様子が見え、またアンタレス近くまで天の川が延びているのは、新五合目では非常に珍しいほど良い空でした。ただシーイングが悪いために彗星の細部が見えず分裂しているかどうかが分かりません。C核の核が延びている風にも見えましたが、ちょっと確信がもてません。
C核はM13より若干暗くみえ5.5等くらいでしょうか。B核はちょっと暗く7等くらいかな。G核は口径40cmでも一生懸命探したのですが、見つかりませんでした。シーイングが悪いので、滲んだ恒星と見分けが付かないのか。視直径が小さいとわからないですね。
薄明開始の3時半ころまで、DeepSky天体を見てましたが、いかんせん透明度は良いのにシーイングボロボロでNinja-400の最低倍率の60倍でも星が肥大してます。ちょっとやる気なしで軽く流してました。たまにシーイングが良くなるエリアがあり、シーイングの良い場所を見つけては観望という感じでした。2:00ごろだと思いますが、金星と木星の中間くらいの大きな火球が、角距離で90度ほど流れました。これには吃驚。
シーイングが悪く透明度が良いので、双眼鏡と肉眼で観望をしました。肉眼でどこまで見えるかですが、M22やM8は見える。M5は見れませんでした。
そんなこんなで薄明となり撤収しました。朝は綺麗な青空で透明度が高かったことが分かります。下界は霞がかかっている様子が良くわかりました。仮眠し過ぎで最高の状態を逃しましたが、透明度良い雲上の空でムリして行った甲斐はありました。ひょっとして南伊豆だともっと凄かったかも...。明け方の気温は-4.5度。風が無いから耐えられたと思います。
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