1月の観望は天候が悪く、今回が新年1回目の観望会となりました。3連休なのもあり、また河津でさくら祭りが開催されたことで、道路は大渋滞。そんな中でも透明度、シーイングともかなり良い空に恵まれて、素晴らしい観望会となりました。
観望終了した時の様子。Ninjaが良く見えませんが、Ninja-400と500が並んでます
それでは参加された方のインプレをどうぞ。
KOBAさんの観望記
安田さん、大森さん、okadaさんお疲れ様でした。
冬型の気圧配置となった12日、快晴の空の下、勇んで南伊豆に向かいました。折りしも三連休の中日、河津桜まつりが始まったとあって渋滞が予想されました。大事をとって9時半に出発しましたが、予想を超える渋滞に遭いました。小田原から熱海までの20Kmに2時間あまりを要しました。その先も所々で大渋滞があり、へとへとになって南伊豆の銀の湯会館に着いたときには16時半をまわっていました。120Kmになんと7時間を要したことになります。
温泉入浴の後、待ち合わせ場所の前原寿司に向かいました。時間になっても安田さんが現れません。携帯電話にかけてみると修善寺で渋滞に嵌っているとのことでした。この日は、大瀬崎から西海岸沿いをまわってこられた大森さんが正解でした(中伊豆も東伊豆もダメでした)。
観望場所は、やや風が強いものの透明度が高く、それほど寒くもなく、露もなく、上々のコンディションでした。
秋~冬の散光星雲を双眼鏡とNinja400で流したあと、この機を逃してはいけないとばかりにディープスカイ観望に没頭しました。今回のテーマは相互作用銀河です。Hickson40(海へび座)、Hickson44(しし座)、Hickson61(The Box、かみのけ座)、Hickson68(りょうけん座)、のほか、NGC4676A/B(The Mice)、NGC4567/4568(シャム双生児)、NGC3226/3227(しし座)、NGC4298/4302(おとめ座)、NGC4038/39(触角銀河)、NGC2207/IC2163(HSTでおなじみ、おおいぬ座)などを楽しみました。また、しし座からおおぐま座、りょうけん座、かみのけ座、おとめ座にかけてのメジャーな系外銀河を片っ端から楽しみました。
Hockson40(Arp321)は明るいものでも約14等と暗く難物ですが、南天が暗いおかげで三つまで天体を視認できました。The Boxは四つの全ての天体を視認することができました。The Miceは尾こそ見えませんでしたが、二つの楕円の本体が寄り合う姿を見てとることができました。触覚銀河は、濃淡のある構造が昨年の12月23日よりもよく見えました。
帰路は、眠気に襲われつつ、2時間半足らずで帰宅しました。
大森さんの観望記
伊豆行きを2月10日にするか、11日にするか迷ったのですが11日にして大正解でした。当日は、少し風は強いものの朝から次第に透明度が増すといった感じでした。富士市を13時少し前に出発したのですが、沼津市内が非常に混んでいたので、修善寺方向は混むと思い、思い切って伊豆半島の西側の道を舐めるように行きました。登り下りが激しく、また所々狭い道と大変でした。160kmの行程に3時間半かかりましたが、他の方のお話を聞くと大正解のようでした。銀の湯温泉でKOBAさんと落ち合い、前原寿司へ。非常に美味しかったです。あと、もう南伊豆は桜が咲いているんですね。桜祭りをやっていました。
19時前、現地に到着すると満天の空、90点以上の透明度で南の低空まで星が明るく見えています。カノープスも1等星位の明るさで見えていました。春の銀河群が出てくるまで、主におおいぬ座のDeepものをウラノメトリア星図片手に見ていました。暗くて小さい系外星雲とかも、Ninja-500 だとボワーッとですが見えています。またバラ星雲もOIIIフィルターを付けて見ると、北側の暗黒帯が複雑に絡むグロビュールも何となくわかります。安田さんに教えて頂いたのですが、一番吃驚したのが、ガム星雲(Gum12)です。網状星雲と比較すると淡いのですが、OIIIフィルターを装着して見ると、視野一杯にフィラメント構造が見てとれます。視野を少し動かしても延々と連なっている様子が見えます。きっと南半球で見るとすごいんだろうなぁと思いました。日本から見ることが出来ないエリアは、星図とかで確認すると案外狭いのですが、悔しいかな、その狭い中に面白いものが詰まりすぎです。
夜も次第に更け、おとめ座が昇ってきました。Ninjaを購入して半年そこそこのため、これ以降のエリアは始めて見るものとなります。まずは、マルカリアンチューンからです。まだ導入は他の方の様に速くないので、等倍ファインダーを使用して「あの辺りだ」と目星を付けて、Ninjaをウネウネと動かします。適当に動かすだけで視野の中に小さな雲様のものが飛び込んできます。名前の確認など無視して、とりあえず目的のものを探します。ありました。すごいです。小宇宙の運動会場の様です。この様な日は、何を見るべきかを忘れてしまいますね。家に帰ってから後悔の嵐です。おっと、忘れていました。この望遠鏡お初となるM51も見ないとです。M51は本当に渦巻いていますね。とにかく初めてのエリアなので、M天体程度しか見ませんでしたが、透明度が良いのと空が暗いのとの相乗効果でよく見えます。先ほど無視した銀河達も、後日ゆっくりと確認しなければいけません。
そろそろ月が昇る頃、オメガ星雲を見ました。低倍率で見ても大きいですね。低空の悪条件ながらも130倍程度にして見ると、中心まで細かい星々に分解して見えます。少し視野を北にずらすと、ケンタウルス座Aが見えます。暗黒帯もバッチリです。改めて羨ましい、赤道~南半球の人達です。
その他、KOBAさんには、相互作用銀河の数々を見せて頂きました。知らない対象も多く、まだ自分は勉強不足です。okadaさんには、Sky- 90双眼で二重星団とかを見せて頂きました。Ninja-500だと最低倍率が70倍となり、大きな星団は今ひとつなのですが、良い屈折で低倍率だと星もシャープで凄く綺麗です。8cm程度の屈折が欲しいと、最近思っているのですが、やばいです。あと自分は、双眼にまだ慣れておらず上手く覗けないのですが、この様な観望会で、安田さんには2インチ双眼、okadaさんなどには松本式双眼などを見せて頂いて、ふとしたことが原因で双眼に慣れてハマッテしまったら・・・これは皆さんを怨んで良いのでしょうか?
ともかくも月が昇り、ほぼ解散状態になったのですが、安田さんがもう少し観望するとおっしゃられたので、自分も話をしながら残っていました。色々と参考になるお話ありがとうございました。不気味な話も面白かったです。5時頃、解散し富士に着いたのは7時半でした。途中、修善寺で朝日に染まる富士山を見たのですが、美しいですね。満月だと快晴、新月だと・・・という空が多く、久しぶりの観望でしたが非常に満足できるものとなりました。
okadaさんの観望記
9:00頃に出発したのですが、3連休の中日だけあって猛烈な大渋滞に遭い、到着したのは19:00頃でした。予定していた磯料理開拓も出来ず、セブンイレブンのおでんという5ランク格下げ夕食となってしまいました (*o*)。
とは言え、天気予報で快晴確実の空だけあって、素晴らしい観望を堪能できました。SQM値 21.10(21:00頃)、21.31(2:00頃)という空具合でした。
Sky90双眼での馬頭星雲のリトライを行い、今回も認識できたことからこれはもう見えたと確信を持って良いと思います。H-Betaフィルターを使用し、目元の反射を押さえるため手で覆って真っ暗にします。そらし目で時間を掛けてみていると、まず徐々に星雲が認識でき、三角形状の抜けた部分が確認できるようになりました。もちろん口径不足のため、完全な馬の形ではなく、上記の三角形状に抜けているというだけのものです。限界に挑戦系なので、面白くないのはご愛敬で、40cmで見る方が遙かに楽しいです。
H-Betaフィルターでお約束のバーナードループをぐるりと半周も余裕で確認でき、カリフォルニア星雲、ぎょしゃの勾玉星雲、いっかくじゅうのわし星雲等を入れて堪能致しました。
二重星団、M46・47、南の二重星団NGC2451・2477等のペアは非常に綺麗に見えました。特に、暖色系に傾くCE-1フィルターをつけると、オレンジ色の恒星がより鮮やかに目立ち、流し見には最高です。
ガム星雲はUHC or O-IIIフィルター(どちらか忘れました)を用いて、確認することが出来ました。馬頭よりこちらの方がわかりやすかったです。ただ、ガム星雲というとあの広大な星雲のイメージが有りますが、見えたのは比較的濃い部分ということになります。
双子座のメドゥーサ星雲も半月状に、Sky90双眼+UHCフィルターにて確認できました。他、Sky90双眼でいろいろ見ていますが、印象深かったものとして、M97フクロウ星雲の目玉を見たり、M51の渦が確認出来たりしました。
大森さんの50cmでのM51は素晴らしく、一昔前の写真と同じような見え方で、2つの渦がぐるりと一周以上周り、伴銀河はキャッツアイのように見える様子も余裕で確認が出来ました。M101は、空の状態が悪いとすぐにもやっとした星雲の塊に見えるだけですが、4本の腕やも見え圧巻でした。これだけ見えるのですから、視野を振ると、その周りの小銀河群も3つほど確認できました。
アンテナ銀河は、内部が潰れたような複雑な構造も認識でき堪能できました。
他、The Box、The Mice、Whale Galaxy、Markarian チェーン流し、オメガ星団、ケンタウルスA等々月が昇ってくるまで堪能が出来ました。
春の銀河達には、やはり大口径が欲しいところです。大渋滞でえらい目に遭いましたが、この先、春の透明度等のことを考えると、ここで堪能できたのは結構満足でした。
安田の観望記
2/11ですが、3連休のせいか道路が非常に込んで泣きました。川崎を出発したのが13:00、南伊豆に到着したのが19:30ごろで、なんと6:30も掛かりました(^^;;東名からが大和トンネルから17kmの渋滞、三島、修善寺と渋滞が続き、通常なら川崎からでも4時間もあれば到着できますが、この日は尋常ではなかったですね。
到着すると、すでにKOBAさん、大森さん、okadaさんが到着。okadaさんは磯料理の新規開拓したのかなぁと聞くと、さきほど到着したばかりとのこと。私と同じで温泉も美食にもあり付けなかったので嘆き悲しんでました。前原寿司に行きたかったなぁ。
現地では快晴で12月と違ってかなり透明度の良い空です。空をすぐ見ると西の黄道光が垂直に天頂付近まで見えています。天の川とクロスしてました。すでに良い空なのが期待できます。慌ててNinja-400を設置して、観望スタート。
KOBAさんにはろ座の銀河団や銀河群を見せていただきました。Arp321は始めてでしたが、すばる望遠鏡で有名な銀河群ですね。これは見たいと思っていたものでした。銀河群のうち、3つの銀河を確認できました。15等級くらいの銀河が見えていたようです。ありがとうございました!!
月出が2:00過ぎだったのですが、夜半になるに従い空は素晴らしく、南伊豆基準で透明度9/10、シーイング7/10くらいだと思います。Sky-90 双眼で馬頭が見えただけでなく、なんとこれは本当に吃驚しましたが、Sky-90双眼でガム星雲まで確認できました。恐るべしSky-90双眼。
シーイングも結構良いので、銀河の中心核が輝いてみえて、M104にせよNGC4565にせよ、暗黒帯がクッキリ見えて凄くシャープです。気持ちよい見え方ですね。やはり圧巻は大森さんのNinja-500での銀河めぐりでしょうか。M51も強烈、M101も腕が4つみえて迫力ありましたね!!
私のほうは、星図もほとんど見ず、ノンビリDeepSky天体を流してました。春の銀河団は楽しいですね。ボックスも見たし、M64の黒目も見たし。どちらかと言うとメジャー天体ばっかしでした。
天候はまったく雲がない快晴、気温は最低気温が6℃。やはり南伊豆は暖かいですね。2:30ごろ月が昇ってきましたが、結構良い空なので私だけ撤収準備をせず見てました。1時間半も寝ったので、元を取ろうとしてなんですが。月の反対の西天はかなり状態が良かったですね。月より漁火のほうが影響が大きいですね。よく分かります。
帰路は東伊豆経由で小田原厚木道路、東名で帰宅です。実質3時間くらいで帰れました。やはり今回の夕方は異常。
2ヶ月ぶりの星見でしたが、かなり空の状態が良く、良~く見えました。どれを見てもちょっとした感動ですね。往復で合計10時間強掛かりましたが、まあ満足しました。
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