週末、天候が危ぶまれましたが仲間と南伊豆を目指すことになりました。川崎市を出発したのが14:30で南伊豆到着が18:30、沼津ICから修善寺、西伊豆経由ですが、意外とスムーズに行けました。
今回は前原寿司で地魚寿司1.5人前2000円を3人で頬張り、観望場所に着いたのが20:00くらいで、結構上空には臼雲らしき雲があり、ちょっとヤバイ様子。ただ到着した頃からどんどん晴れてほぼ快晴になりました。夜半前で生活光があるにもかかわらず、透明度はかなり良いです。ただいつものように風が強く露や塩は付きませんでしたが、なかなかシビアな環境でした。氷点下ではないのですが、体感温度は結構寒かったと思います。この冬一番の寒波だと思いますので、それでも氷点下にならないのは南国ゆえかもしれません。また晴れ間が伊豆地方だけだったようで、関東の光害が雲海によって防がれた影響かもしれません。
集まった方々は新井さん、KOBAさん、大森さん、KamaSさん、okadaさん、宇高さん、安田の7名でした。皆さん、遠方より集まるのはガッツありますね~。
《安田の感想》
空の状態ですが、okadaさんのSQMレポートによるとこのシーズン最高値21.62等級を示したそうです。A国クーナバラブランの最高値21.9等級なので、まさに準A国の空になったと思います。okadaさんが今まで測定した中では国内最高値とのことでした。ただ北天は光害があるのが、さすがにやむを得ないということでしょうか。いつもの評価では透明度10/10、シーイング8/10という感じで、トラペジウム6個が多少見づらいながら見えるという状況でした。
私のほうはマイ厳選500天体を順に位置を手動導入出来るようにとスターホッピングの経路を復習しながら、ルーチンワークとして再評価していましたが、それ以外での事柄を書きますと...
●イーソス17mm
大森さんのイーソスをいろんな機材で見せていただきました。Ninja-400に付けた時の感想としては、視野の広さが2割違うのは大きいと思いました。面積では4割は大きいですね。観測という観点ではイーソス13mmと違いはないのですが、こと鑑賞という観点では迫力が違ってきます。たとえばイーソス13mmでは同時に見れなかったM81とM82が同じ視野に見えるとか、しし座のトリプレットが余裕を持って視野に見えるとか、一つの銀河を拡大するのではなく銀河群やナイスペアを見るのにはイーソス17mmは魅力でした。中心像、周辺像とも申し分ありません。仲間で若干気になった色ノリですが、イーソス17mmは若干鮮やかな感じです。大森さん、お貸しいただきありがとうございました。
●オメガ星団
低空まで透明度が良く、オメガ星団は肉眼で楽勝でした。低空にもかかわらず微光星まで分離して鮮やかでした。さすがにA国で天頂付近で見た場合と比べると劣るのですが、すばらしい眺めでした。ちなみにSky-90双眼で見たオメガ星団が分離して浮かび上がってボール状に見えたのには感動しました。
●ケンタウルスA
NGC5128電波銀河ですが、暗黒帯くっきり暗黒帯の中の筋も見えて銀河周辺はさすがに低空なので淡いのですが、日本で見える状態ではベストでしょう。迫力ありました。
●アンテナ銀河
アンテナが見えました。もちろんアンテナの付け根のあたりになるのですが、淡く見えていました。南方向では近くのGSC6097:283 11.7等級の恒星あたり、北方向では南の半分くらい見えているんですよね。かなり淡くそらし眼テク全開ではありますが、見えていてびっくりでした。Ninja-500でです。Ninja-400ではそこまで見えませんでした。中央の衝突の構造は迫力がありました。
●M51
何をみても良く見える状態でしたので感想は書ききれないのですが、銀河で一番気に入っているM51を代表として書くと、まあロス卿のスケッチさながらでNinja-500で見ると、伴銀河の主銀河から見て円周方向の広がりやら、伴銀河がある反対方向の主銀河の銀河腕の広がりやら、そのダイナミックスさは写真では味わえない印象を持ちました。腕の構造もすばらしかった。
●NGC4945
ケンタウルス座にあるオメガ星団近くの巨大銀河(9.3等、20.5'x3.8')ですが、Ninja-500にてオボロゲに見えました。オメガ星団よりさらに2度ほど南にあるのでなかなか観望困難な天体で日本からは2回目です。銀河面に近い場所にこれだけ大きな明るい銀河があるのは意外ではあります。星間物質の吸収がなければかなり明るい銀河で肉眼でも見えたかもしれませんね。ちなみに肉眼で見たことがある銀河は銀河系、M31、M33、大マゼラン雲、小マゼラン雲なのですが、世の中には凄い人も居てM81(7.9等)が肉眼で見えた人も居ます。
●C/2007 N3(Lulin)彗星
1/1と比較するとかなり大きくなっていると共に、彗星ならではの青色を感じました。黄道光の中で見づらいのですが、評価すると6等級くらいでしょうか。アンチテイルが薄くわかりました。2月にはどこまで明るくなるのでしょうか。期待したいと思います。
●M83
うみへび座でメシエ天体では最南端ですが、かなり大きく中心核が光り腕の構造まで濃く見えたのにはビックリでした。この銀河はフェイスオンということもあり、空が悪いとさっぱりダメなのですが、面目躍如という感じですね。
帰りはいつものように西伊豆経由ですが、低空まで透明度が良かったのが良くわかりました。
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