今年は仲間と関西のメジャーどころ、ローカルで頑張っているところのプラネタリウムを4箇所巡ってきました。
去年は関東ツアーと称して東京中央区タイムドーム明石、川崎市立青少年科学館のメガスター、葛飾区郷土と天文の博物館を巡りました。結構渋い選択でしょ?!
川崎を5:20に出発し、諏訪湖SAで7:30に長野のShinobeeさん、K山さんご夫妻と集合し、いよいよ出発です。気温は-7度でさすが諏訪は寒いです。
諏訪からは中央道から豊田市を通って伊勢湾岸自動車道なる21世紀の道を通り、去年開通したばかりの新名神から豊中ICで阪神高速に入り、大阪入りを果たしました。途中、伊勢湾岸自動車道にあるPAに大きな観覧車があって名古屋の大胆さにビックリしました。
弁天町の"お好み焼き鶴橋風月弁天町店"にて素晴らしく美味しいお好み焼きを頬張りました。特にモダン焼きが気に入っているのですが、かなり美味しかったなぁ。
弁天町を出て、いよいよツアー最初のプラネタリウムです。最初は"大阪市立科学館"です。割と開演にギリギリに到着したところ、ずらっとプラネタリウムの入り口に並ぶ人々に吃驚。こんなに盛況なプラネタリウムを見るのは久しぶりです。満席で260名入ったようです。
「ガリレオ ~望遠鏡が拓いた驚異の宇宙~」というプログラムでした。珍しい手動解説と全天映画の組み合わせで、ご自慢の全天映画はそこそこ迫力があったのですが、実際のところ定番の当たり前の解説でイマイチの感じで、瞬間瞬間眠っちゃいました。まあ初心者向きで一見さん向きだとは思うのですが、特に面白い知識の発見がなく、プラネファンにはちょっと退屈かも。大阪の便利な場所にある地の利が最大のメリットがあると思うのですが、内容はさらに工夫が欲しいです。全天映画も、次の日に見たアメリカのものにはぜんぜん敵いません。まあコストの差かもしれませんが、アイデアをぜひもっとつぎ込んで欲しいです。以前見たトムハンクスがナレーションを勤めた"星空へのパスポート"でしたか、完成度が高かったですね。今回のツアーでは仲間の評価も低かったです。あれだけの機材があるのでもっと気高いプログラムをお願いします。
上映が終わり次第、次の"和歌山市立こども科学館"へ、湾岸道路を経由して阪和道で和歌山市入り。プラネに到着したのは開演1分前というギリギリでした。駆け足ツアーでしたね。
プラネタリウムのプログラムは"めでたい星、カノープス"。1回コッキリの特別プログラムです。プラネ界のトップオタク?の津村さんの力作でしたが、凄く工夫が凝らされていて質の高さに吃驚しました。関西でのカノープスの日本語での呼び方を調査されて面白く説明されたり、プラネ上映の日の朝4:00に撮影されたイキの良い釣ったばかりのカノープスの写真を上映されたり、今はなきアルゴ座の紹介で、船尾から西に進む謎掛けをされたり、まさに天文センスオブワンダーの宝庫でした。
プラネ上映の後、いろいろプラネの楽屋を見させていただきました。これがまた凄い。
皆さん、プラネには目が無いので、コンソールの説明を聞いて大喜び。日没から薄明終了までの調律するがごとくのアナログ卓操作には感動しました。アナログメーターとスイッチが並んでかなりそそられます。
メーターやスイッチの照明を暗くしないと光害が発生し、コンソールの背景を明るくしてしまうとのことで、場所を覚えて的確に操作するなど熟練が必要だと感じました。マニュアル操作の面白さという感じですね。
星座絵はプラネタリウムの回転する筐体上の投影機とコンソール上の投影機とで分かれていると津村さんよりご説明があり、初めて知りました。どうして星座絵って位置を補正しているのかなと疑問には思っていたのですが、手元で操作しているとは吃驚です。写真にも写っていますが、無数の投影機が並びます。プラネタリウム本体にも沢山投影機が並び、全体で光源はいったい幾つあるのでしょうか。
このCDのお化けのようなリングは、コンソールから回転体上に信号や電気を送る仕組みなそうな。どんなに回転しても安定して電力を供給するメカニズムですね。初めてみて感動です。実際、子供の頃、不思議だったんですよね。コードが絡まないのかなとか。
半球分ですが、中にレンズが綺麗に並んでいます。レンズの中に恒星原図と地平線下に星が映らないようにシャッターに相当する仕組みがあり一同、またまた感動。恒星球は20kg以上あるとのこと。
マニア垂涎の恒星原図です。ルーペで原図を見せていただきましたが、綺麗に穴が開いています。明るい1等星(ブライトスター)には滅茶苦茶小さなコンデンサーレンズが接着剤でつけられています。星雲状で肉眼で見えるものには接着剤を盛り土にしたように、ボーッと見える工夫がありました。プレセペが恒星の集まりとして表現されているのにはさらに感動でした。
その後、ホテルにチェックインして津村さんを囲んで天文やプラネタリウム談義。楽屋裏の話も聞けて非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。和歌山市駅の中にある和歌山庄屋という海鮮居酒屋でしたが、刺身が美味しい、さすが和歌山ですね。ただ早朝よりのハードツアーで眠気が廻りちょっとウトウトして失礼しました。
この後、和歌山市立こども科学館の評を帰りの車の中で仲間と話したのですが、今回の4館の中で一番ユニークでした。和歌山のローカル色が非常に出ていて、和歌山のここからはカノープスが見えるなど、和歌山にお住まいの方には参考になる情報ばかり。おまけにルーリン彗星について説明されたのはこども科学館だけでした。彗星に特化したプログラムも計画中とのことで、ぜひとも彗星ファンとしてはまた行きたいです。ステラナビゲータでも昔の彗星を再現できるのですが、やはり全天のプラネタリウムで見てみたいですね。とにかく刺激的な和歌山でした。和歌山に住んでみたいとの長野の皆さんの評価でした。
2日目は車で朝食を取りに明石へ直行。阪神高速湾岸線より神戸線、第二神明道路を経由して明石入りをしました。やはり明石と言えば明石焼きは外せないでしょう。明石駅から近くの"本家きむらや"にて、ここは明石焼きと関東煮だけなのですが、専門店がゆえ美味しいのですね。
店構えにかなりそそられ、仲間と写真撮影。
お出汁にタコ入りの玉子焼きを入れて食べるのですが、あっさりして非常に美味しい。一人前20個で800円です。取りやすいように明石焼きの乗る板が傾いています。これには感動です。キメ細やかなサービスが嬉しいんですよね。
なんとタコの関東煮(おでん)
大きなタコには吃驚。やわらかく美味しいとのこと。私は姿よりタコがちょっと苦手なのですが、食べたらよかったなぁと反省。まだまだ修行が足りんなぁ。
日本標準時となる子午線が通る"明石天文科学館"です。きむらやからは2kmほどでしょうか。山陽電車人丸前駅の近くにあります。近くに高い建物もなく燦然と輝いています。
プラネタリウムが入るドームです。
14Fの展望台から見る姿ですが、日本が誇る世界一のつり橋です。4kmの長さがあるそうで、遠くから見ても非常に巨大です。車とか船と比べると巨大さがわかります。
子供のころ、小学生低学年のときに祖父と見に行き、感動の嵐だったプラネタリウムがいまだに現役でそれも非常に黒光りして綺麗です。日本に4台しかなかった大型ツアイスの一台です。名古屋市立科学館とここだけで動いているものですね。威厳があります。ツアイスっていう感じなんですね。
昔のプラネタリウムなので星像が丸く大きいのですが、それがまたそそるのです。土星でかろうじて肉眼で輪が見えるのもかわいいです。太陽や月の大きさも自然に見えるのがほど良いです。写真にちょっと明石海峡大橋のシルエットが写っていますが、それも嬉しいのでした。50年も前のプラネタリウムなのに現役バリバリなのは本当に凄いです。
プラネタリウムのプレートですが、フォントといい味が出てますね。現在ではここより大きなドームの科学館/博物館が多いのですが、私が子供の時は地元では大阪市電気科学館とここだけでした。
"「世界天文年『ガリレオの宇宙』」"というプログラムでしたが、ちょっと残念な内容でした。睡魔と闘ってました。世界宇宙年で海部先生が出てきてビデオでしゃべったり、解説でもアピールするのですが、一般の人に取ってはほとんど意味が無いと思っちゃいました。"それで..."という感じなんですね。さらに一工夫要るのではないでしょうか。ガリレオの紹介はまあわかりますが、トリビア的な話を入れたり、もうちょっと品位を上げて欲しいのですね。大人を唸らす解説を期待したいです。
明石天文科学館より国道2号線で神戸を目指す途中で、舞子浜にて"明石海峡大橋"を見ましたが、かなり巨大です。2つの主塔は298.3mの高さで東京タワーに続き、日本第二位の高さとのこと。
神戸三宮、北野坂の餃子専門店の"ひょうたん"へ。餃子が好きでどこでも餃子を頼むのですが、ここのが一番美味しいと思ってます。子供のころ、親に連れられて神戸元町に映画を見に行ったときに入った元町の小さな店でしたが、現在は三宮のガード下やこの北野坂でも店を出しています。
ここの味噌ダレとニンニク一杯の餃子の皮などなど本当に美味しいので、お勧めできます。まあ美味しくないと餃子だけで50年近くも営業できないですわね。餃子とドリンクだけというのも凄いですけど。
ひょうたんで餃子を食べた後、六甲ドライブウェイにて六甲山へドライブ。神戸や大阪の眺望は常々最高だと思っています。30分ほどで神戸より車で登れるのも凄いのですが、関東にはこういうところはありません。非常に有難い六甲山ですが、地元の人々は慣れっこになっていてあまり行かないのが残念でもあります。神戸は海と山、都会が簡単に楽しめる貴重な場所ですね。
六甲山はケーブル山頂駅にて、天覧台という昭和天皇がご覧になったとされる場所で関西一円を望みました。絶景です。帰りにK山ご夫妻はケーブルカーにて下山。感動されたとのこと。
欲張りなのですが、山を楽しんだ後は、神戸港の中央突堤にて港巡りの船で神戸港の遊覧を楽しみました。川崎重工業のドックに最新鋭潜水艦を見たり、300mの長さのコンテナ船やら神戸港自慢の施設を堪能。帰りはポートアイランドのほうを廻り45分の船旅でした。
その後は神戸の象徴と言える"ポートタワー"にエレベーターで昇り、神戸港や六甲山を眺めました。昔と比較するとポートタワーより高い建物が増えて、時の流れを感じましたなぁ。あ~、プラネタリウムで解説のあった月が東の空に昇ってきています。
その後、最後のイベントの"神戸市立青少年科学館"へ移動。ポートアイランドが完成したポートピアと同時に出来た科学館でもあります。西宮に住んでいたころから行きたかった科学館なのですが、初めて訪れることが出来ました。期待していました。
プラネタリウムのドームの外には青少年科学館の初代プラネタリウムが飾ってあります。MS-10と比較するとかなり大きいですね。
プレートには星数13000個とあり、7等級まで映しているとするとA国での素晴らしい空が再現されていると考えても良いでしょうか。
現役のプラネタリウムです。結構綺麗な星空でした。神戸市立青少年科学館専用なのでしょうか。他でこのタイプは見たことがありません。ドームの大きさはローカルなのに結構大きく座席数も多いです。
プログラムは割りと普通の手動解説でしたが、圧巻は"COSMIC COLLISIONS"というアメリカ自然史博物館が製作した素晴らしい全天映画でした。原始地球に微惑星が衝突して月が生まれるシミュレーションシーンや、ユカタン半島に巨大な小惑星が衝突して地球に破片が飛び散り落ちる様子、アンドロメダ銀河と銀河系が衝突して合体する様子などなど、全天に映し出される映像は迫力満点でした。ただ津村さんからお聞きしたとおり、まだまだ解像度が不足している点は気になりました。4000x4000くらいの解像度でしょうか。プラネツアーで印象に残ったのは、カノープスの解説とこのプログラムですね。
ちなみに英語版の解説はあの"ロバートレッドフォード"です。名優が解説しているのにアメリカならではを感じました。他にもトムハンクスやハリソンフォードが解説したりしてるのはアメリカ恐るべしです。
残念ながら展示を廻る時間はありませんでしたが、魅力的にうつりました。
以上がツアーのご紹介です。ポートアイランドから阪神高速湾岸線を通り、改修中の阪神甲子園球場を見学しながら名神高速、京滋道路を経て新名神、伊勢湾岸、中央高速で諏訪湖SAまで特急で到着。かなりハードでしたが、楽しいツアーでした。同行のShinobeeさん、K山さんご夫妻、いろいろご解説いただいた津村さん、本当に有難うございました。楽しませていただきました。また企画しましょう。
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