2005-11-09

2005/10/29-11/5 オーストラリアクーナバラブランでの星見旅行

今回の南天ツアーも、毎度毎度おなじみ場所はオーストラリアのクーナバラブランとその近郊です。シドニーから450kmほど北に行ったところにあり、サイディングスプリング天文台があることで国際的に有名な田舎町ですね。去年から4回も訪れてしまいました。自覚症状ありですが、ホント病んでます(^^;;;

●日程
2005/10/29(土)~11/5(土)までの現地6泊です。南八ヶ岳の住人さんはシドニー泊の後、帰路で11/6(日)です。

●参加メンバーと機材
メンバーはSさん、南八ヶ岳の住人さん、三原さん、私の4名です。機材はSさんと私がNinja-400を手分けして運び、南八ヶ岳の住人さんがTeleVue NP101、三原さんが撮影用のキヤノンEOS20Daを中心としたシステムとなりました。Ninja-400も3回目の豪州訪問ですが、ようやく慣れてきて苦にならなくなってきました。喜ぶべきか悩みます(^^;;

●往路と復路
10/29(土)に成田発JAL771便でシドニーに向かい、11/5(土)にシドニー発JAL772便で成田に向かい帰国するパターンです。込み具合は行きは満席、帰りは80%ほどの込み方でしょうか。行きは結構年季の入ったジャンボで、液晶TVとかは設置されてませんでしたが、帰路はウィングレットの付いて液晶TVでいろいろ遊べる最新タイプのジャンボでした。それにしてもエコノミーの席の狭さは、何回乗っても慣れません。

●レンタカー
レンタカーはハーツで頼みました。シドニーに到着した10/30(日)は、なんと大雨でレンタカー積み込みで一苦労、機材が多いのでエスティマとカローラの2台です。旅行では天候が総じて悪く、この2台で走りまわりました。晴れ間を探して走り回れるのはレンタカーならではでしょう。車ではトラブル等なくパワーはないものの快適でした。エスティマの斜め後ろが見づらく、進路変更ではちょっとヒヤッとしたことが数回ありました(^^;

●ホテル
毎度毎度のアカシアモータロッジです。私はシングルの部屋に泊まりましたが、クオリティは満足できます。シャワーコーナーとバスタブが別にあり、ベッドも広く快適でした。一泊90A$ほどです。無線LANが自由に使えます。ただし私のほう無線LANカードをオオボケして成田で預けた車の中に忘れてしまい困りました。幸いSさんのPCをお借りできましたので、なんとかなりました。ここは星見に対して理解があり、いろいろ便宜を図ってくれました。まあ、何回も行っているので顔パスになってます(^^)/

クーナバラブランでの観望風景

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標高が確か700mほどで、視界は360度開けて地平線まで見渡せますが、この駐車場は木が若干邪魔な場所にあります。地平線の全周で光害は、クーナの街明かりだけですが、かなり淡く邪魔にはなりません。

筆者のNinja-400で金星を観望中(ファインダはミニボーグ60)

3
普 段はSky-90をファインダにしているといるので、Ninja-400のパッチン錠を補強のため増やしています。Sky-90と2inch双眼装置、 2inchアイピースをファインダのものを含めて3個となると、かなりトップヘビーとなり、バランスを取るためには主鏡の周りに12kgほど錘が必要で す。ちなみにトップは6kgほどでしょうか。

●天候と観望場所
気温は最低で15度くらいでしょうか。5月、6月と比較するとずいぶんすごしやすいですね。ただどうも気圧の谷にしばらく入り込んだ時期で、始終快晴は11/2の1日だけで後はあまり見れませんでした。天候のみ残念無念です。

・10/30(日) この日は★(星一つ)

シドニー空港でJAL到着が1時間ほど遅れ、さらに大雨でレンタカーに機材が載せられず遅れと、クーナ到着は2時間ほど遅れてしまいました。さっそく中華料理で食事をして観望場所に向かいました。雲間から素晴らしい空から昇ってきたオリオン座の素晴らしい姿は見れるものの、真っ黒な雲が西にあり稲光もあり、かなりヤバイ様子でした。
そこで晴れ間を求めて西へ。途中、大雨と稲光多く、Sさんと私のエスティマ号のみが諦めきれず西へ。日本シリーズのような悪夢もありえるので、とにかく星を求めて西へですね。クーナから150kmほど西に行くとようやく稲光がやみ南で晴れ間が見え出し、前方も星が見え出しました。途中、疲れから挫折しそうになりましたが、ここまで来たのだからと引くに引けない状態ですね(^^;; Gilgandraを過ぎてNevertireまで行き、そこから幹線を南東へ。Nevertireとは象徴的ですな(^^)/
ただ空は晴れているのですが、雨が降ってその影響で湯気らしきものが道路から立ち昇り、なかなか良い場所が見つかりません。20kmほど走ってようやく道路脇の幹線とクロスしたわき道で見れました。もう2:00になってました。ただ空は素晴らしく大小マゼラン雲と天の川が美しく見れました。途中、雲も出ましたが薄明開始まで2時間ほど充実した星見が出来ました。帰路は遠いので大変。Sさんの運転で8:00ごろホテルに到着。食事をして9時過ぎには就寝。

・10/31(月) この日は★★(星二つ)
この日もクーナの天気予報は悪く、西も予報はイマイチで北上することに。クーナから120kmほど北にあるNarrabriにとにかく行って見ようと真っ直ぐな道を110km/hで爆走です。ただし制限速度内です(^^;; Narrabriは電波天文台があり、クーナよりも大きな田舎町です。そこに到着しても空は曇っていて南天方向が辛うじて見えている感じでした。
そこで西へNarrabriから20~30kmほど行ったWeeWaaの近くの、幹線からのわき道で観望することにしました。どうもNamoi川の河川敷が近いようで、カエルがゲロゲロ鳴く場所なのが心配でしたね。カエルを狙って蛇が出るという話ですので。意外と良い場所が無いのです。幹線の路肩で見る手もあるとは思いますが、なにせ100km以上で車が来るので、危なそうで止めました。
到着時は雲量50ほどでしょうか。なんとか雲間でいろいろ見ましたが、完全に晴れたのは1:00くらいからですね。ここでは2時間ほど見れました。場所の標高と水蒸気があったのと、Narrabri だけでなく幾つか光害源がありましたので、最高の空とはいきませんが、そこは豪州、結構見えるのは流石。日の出でグリーンフラッシュを見ようとしましたが、地平線上に雲があり、見れずでした。

・11/1(火) この日は★★(星二つ)
この日はあまり記憶がありません(^^;; 危ないなぁ。参加した人お教えくださいm(__)m クーナの観望場所で、雲が多く金星が沈むまではほとんど観望できなかったと思います。夜半から晴れだし、まま見れだしました。いやぁ、本当に記憶ないです。クーナは光害が少ないなぁと話していたのは覚えてますが。

・11/2(水) この日は★★★★(星四つ)
夕方は積雲が浮かんでいたのですが、薄明開始のころから明け方まで快晴が続き、かなり良い空でした。薄明が終了しても金星があまりに明るくハッキリした影が出来るほどです。さらに夕方の黄道光は立っていて、本当に光害ですね(^^;; 金星と黄道光が気なるという贅沢な空でした。さらには対日照がうお座の二つの魚の付け根あたりに10度ほどに広がってみえ、黄道光と繋がる黄道帯も見えました。クーナの観望場所は標高700mほどですが、標高と乾燥した気候がシーイング、透明度とも良いのかもしれません。
気温は12度ほどでしょうか。明け方はちょっと冷えるのでダウンはあったほうが良いです。明け方、コークハイを飲んだのと疲れもあり1時間ほど眠りました。不覚です。とにかくクーナの空は本当に良いですね。この日は明け方は地平線にも雲はなくグリーンフラッシュは見えるかと思いましたが、見れませんでした。残念。

・11/3(木) この日は×
クーナはぜんぜんダメそうで、観望場所に行きましたが、雲でかなり暗かったですが、星は皆無。こりゃだめだということで、ダメもとでNarrabriから東へ、Mt.Kaputarに行ってみることにしました。ここは去年行こうとして行けなかったところです。標高は1,503mあり、豪州では二番手くらいの高い山になります。Narrabriからの距離にして50kmほどで、御殿場ICから新五合目くらいの距離でしょうか。ずっと直線でダラダラ登る感じで行ったところ、急に舗装でなくなります。頂上まで20kmほどまでは直線とゆるやかなカーブなのですが、そこからはカーブが増えます。ガードレールも一部はありますが、途中はポールが立っているだけで、明かりはまったくありません。車のライトだけが唯一でした。
山に入るとなんとカンガルーがしょっちゅう飛び出してきました。急ブレーキも何回も踏むことに。一度はかなり接近しました。30cm ほどでしょうか(^^;;;
頂上はあまりにも地味です。ちいさな看板があるだけで、車も2台程度しか留れない場所でした。そこは見晴らしは悪く、歩いて50mほどの場所が頂上となります。木で通路が作られており、頂上も狭い場所です。たぶん赤道儀による撮影は振動で難しいかもしれません。ちなみに見晴らしはちょっと木がある程度で、良い場所です。遥かかなたにNarrabriの街や、周りの小さな集落の明かりが見れますが、夜景とも言えないくらい寂しい眺めでした。我々に取っては最高の夜景ですね(^^)/
山の周りは暗黒が広がります。空の様子ですが、臼雲が大きく上空を覆い、星は見えているものの、観望は出来ませんでした。一度、快晴の時に行っては見たいものです。帰りにNarrabriの街で公衆トイレに入ったのですが、座っているうちに足のズボンの中に、なんと大きな虫が入り、車に乗るときズボンの中で動いたので大吃驚。大きなコオロギでした(^^;;; 去年、トラさんのNinja-320の中に大きなクモが入っていたので、今回は本当に腰を抜かしました。
帰路でNarrabriとクーナの間で空が良い場所がありましたが、残念ながら臼雲で滲んでいて肉眼では素晴らしかったのですが、双眼鏡、望遠鏡では厳しそうで、残念無念です。南八ヶ岳の住人さんは残念ながら熱があるということでホテルで待機でした。

・11/4(金) この日は×

夜半にはシドニーに出発予定の日です。残念ながらこの日はどこも天気予報が悪く、クーナあたりが晴れる可能性があるという感じでしたので、ホテルで待機しました。私は夕食をとったあと仮眠して、シドニーまでの運転に備えましたが、結局晴れることなく、ホテルで機材の梱包を済ませ、帰路につきました。途中、Mudgeeのそばでちょっと見れたくらいでしょうか。Lithgowで雨が降り出し、このパターンは去年の9月の遠征に似ています。Lithgowの傍の火力発電所ももうもうと蒸気を出して雲作成に力を貸してました。シドニーの空港まで小雨ですね。結局、曇りと雨に祟られました。

●観望対象と印象に残ったこと

・地平線に横たわる天の川

なんと360度の天の川が地平線上に見えました。南天ならではですね。銀河平面に対して垂直に立って大空に吼えました!!

・NGC104
中心部がピンクというか黄色に見えました。Ninja-400とプラノキュラーで見た姿はびっしりと細かい微光星まで見えて、この世のものとは思えないくらい壮絶な姿でした。去年岡崎さんが2時間も眺めていた気持ちが分かります。

・NGC253
複雑な渦を巻いている様子が見れました。とにかく天頂付近なので、日本で見るしょぼい姿とは雲泥の差があります。大きく広がりLocal Groupのお隣に居る銀河ならでは...。

・NGC55
複雑な途中で銀河円盤が切れたような暗黒帯が入って見えていました。HII領域を始め銀河で輝いている部分がかなり明るく見れました。こちらは NGC253より大きく迫力があります。不規則な感じもあります。

・ガム星雲

これは凄い。かなり長いベール状の星雲が10度ほども繋がっています。さらに複雑に分岐していて別の流れを作っているのはハッキリ分かりました。豪州訪問 4回目にして初めてですね。ベールも神秘的にループをしてねじれていて、まさに網状星雲をはるかに巨大にした感じです。TeleVue NP101でもボーッとして広がっている様子が分かりました。とにかく印象的です。

・魔女の横顔星雲

Ninja-400では大きく淡く広がって見えてました。NP101ではかろうじてあるのが分かる感じですね。これは日本では見えないのではないかと思っちゃうほど淡いですね。

・バーナードループ
Sさん持参のツアイス7x50に2inchHβフィルタを対物の前にメンディングテープで取り付けてみてみると、上部はオリオン座の中心に達するほど見えていました。ちなみに南八ヶ岳の住人さんによると180度ものループに見えたとのこと、私のほうは確認不足でそこまで見ていませんでした(^^;; 不覚。カリフォルニア星雲もハッキリ見えてましたね。

・惑星状星雲めぐり
エスキモー星雲のエスキモーの顔がハッキリ見え、つる座の南天リング星雲IC5148がまるく穴が開いてみて、シーイングが良いのは素晴らしいですね。惑星状星雲をかなり見ました。

・タランチュラ星雲

いつ見ても感動します。大マゼラン雲の中にある散光星雲ですが、暗黒帯が入り乱れ本当に不気味に見えます。この不気味さは全天一でしょう。OIIIフィルタで見るとまさにグロテスクの極みです。

・車輪銀河ESO350-40

非常に淡いです。丸く真ん中が抜けてまるで惑星状星雲のように見えました。さすがに二つの伴銀河は見れませんでした。

・鎌銀河NGC1365
棒渦巻きで、腕が大きく伸びてまるで鎌のようです。棒状の中央部と大きく伸びた2本の銀河の腕が見事です。これはため息が出ますね。強烈です。M51を凌ぎかねない立派な銀河です。

・棒渦巻銀河NGC1300
これは小さくてかわいい棒渦巻きです。NGC1365ほど派手ではないですが、中央から棒が延びていて典型的な銀河ですね。写真にように腕が巻き込んでいます。

・M42のトラペジウムとNinja-400のディフラクションリング
これは吃驚しました。シーイングがかなり良かったのもあり、トラペジウムを見ると綺麗に6つ星が見えます。さらに400倍にしてみると口径40cmにも関わらず綺麗なディフラクションリングが見えるではないですか。4つの明るい星にディフラクションリングが見え壮絶でした。こういうことは日本ではあり得ないかも。

・火星
Ninja-400が明るいせいでしょうか、淡い模様は分かりますが、どうもコントラストが付きません。両方の極が白く、極冠と大気が白じんでいるのは分かりました。
後日、ニュースで見ると黄雲が発生していたようですね。土星がかなり見えるので火星が見えずちょっとガッカリ。

・土星
これは凄く、エンケの空隙もなんとなく分かりました。Ninja-400にシーバートの2inch双眼装置と2xバロー、Nagler Type4 22mmで組み合わせると400倍くらいになります。土星の縞やリングの様子が素晴らしいです。

・金星と水星
夕方、両方見えました。金星は強烈に明るく、影が見えます。Ninja-400で見ると半月状で、ちょっと暗くなっている部分が分かりました。ただかなり明るく、これはNBフィルタが必要です。水星は高度は低く大気差で、色が分離し綺麗でした。

・瞳径
今まで加齢のせいで瞳径は6mmしか開かないと思っていましたが、なんとクーナでは7mm開きました。瞳径7mmのアイピースでケラレなく像が見れました。嬉しい。ただ老眼と乱視はダブルで利いてます。Sさんに老眼鏡を借りて地図等を見るとバッチリ鮮明に見えたので驚きました(^^;;

●食事
夕食はすべてホテルの隣にある中華料理店で、定番のサワースープ、フライドヌードル、カシューナッツ、チャーハンと他に頼む感じでしたか。これだけ毎日、中華を食べたのは生まれて初めてですね。私のほうフライドヌードルは大のお気に入り。
朝食はホテルで朝、コンチネンタルとミールを選択するように変わっていました。コンチネンタルではトーストとフルーツ、ドリンクだけで、ミールではそれにソーセージやサーモン、スクランブルエッグなどが選べるようになってます。

そんなこんなで珍道中でしたが、なかなか楽しい旅でありました(^^)/

2005-08-03

南天お気楽観望記

オーストラリア旅行のついでの星見です。

場所は、シュノケーリングを楽しみに選んだQLD州の離れ小島。光害と呼べるものはホテルの電灯くらいで、そこから離れれば,天の川のバルジや暗黒帯が気味の悪いほどよく見えます。

暗い空の中に浮かぶ南十字、大小マゼラン雲が旅情を誘います。天の川をタイプ4-22mmで流すと数知れないほどの散開星団が飽きれる程入ってきます。星の色が明瞭なので、散開星団はまさに宝石箱を引っくり返したようでした。特にエータカリーナの近くのNGC3532は密集している星の中に一際明るいオレンジ色の星が目立って、なかなか良い印象です。25倍・ノーフィルターで眺めるマゼラン雲は迫力があります。OIIIを付けるとタランチュラ星雲を含めてなんと散光星雲の多いことか。小マゼランは付随してる球状星団NGC104と362がアクセントになっています。オメガ星団はデカイ。さすがに全天一の球状星団。エータカリーナは相変わらずフィルターをつけても外しても壮麗で、一度覗くと見惚れてします。エータカリーナ程の華麗さと大きさはありませんが、りゅうこつ座のNGC3199やケンタウルス座λ星の付近に広がる散光星雲、さいだん座のNGC6188も趣きがあっていいですねぇ。NGC5128は、暗黒帯が丸い本体を横切っている独特の姿が10cmの望遠鏡でもはっきり分かります。日本では低空で悩まされますから、さすが南天です(来て良かった!)。同じケンタウルス座にある9等級の銀河NGC4945は20'×4’という大きく明るいエッジオンタイプですが、11等の銀河NGC4976と同じ視野に見えます。マイナーな対象ですが、アンドロメダ星雲よりも天の川銀河に近い射手座のバーナードの銀河NGC6822は淡いながらも確認できます。同じ視野には、天の川銀河の中の惑星状星雲NGC6818が同時に見えて、千光年単位の対象と百万光年単位の対象が同一の視野に見えるのがなんとも風情があるような。

今回は休暇が主だったので、星見に力を入れるつもりはなかったのですが、火星や普段見ている北天の天体も眺めていると、知らない間に朝の4時になっていました。南天の魅力、やはり恐るべしです。
星を眺める時は、その場所の自然の雰囲気も受け入れています。日本の山の中では、鹿の声や鳥の鳴き声が星見に趣きを加えてくれますが、オーストラリアのサブトロピカルに住む動物達は日本の鹿や鳥やタヌキのようにシャイではなく、鳥の鳴き声はTVで出てくるジャングルのそれを思い浮かべます。

そんな野趣溢れる中で無心に星を眺めていると、なにやら身近にガリガリと何かを擦る音が...。この島には毒蛇もオーストラリア唯一の猛獣ディンゴー(犬)もいないのを確認しているし、望遠鏡を蹴り倒す性悪なカンガルーの類もいないはず。暗闇に慣れた目で恐る恐る見ると小さな動物が二本足で立っています。ライトを灯けるとそこには...。ポッサムでした。ポッサムが三脚を登ろうとしていたのです。(中指を立てながら)驚かすない。さすがのポッサムもこちらが灯かりをつけると離れましたが、5m程行く毎に立ち止まってはこちらを眺めてグーグー唸っています。そういうことを何度か繰り返して草むらとユーカリの林に姿を消していきました。

野趣溢れる迫力のある星見がオーストラリアの星見の真髄のようです。そして、翌日は透明度の高いグレートバリアリーフの海で、シュノーケリングを楽しんだのは言うまでもありません。海亀が泳いでいたので、甲羅を掴もうとしたら貝を砕くというその口で噛み付かれそうになったりと(知らないことはなんと怖いことでしょう。)、オーストラリアの自然は、星も含めてかなり楽しませてくれます。