黒目銀河M64
黒目銀河M64はかみのけ座銀河群に属しています。Mel 111からちょっと離れた場所にありますが、5等星のかみのけ座35番星の傍にあり、M64が明るいため簡単に導入することが出来ます。
黒目と呼ばれるのは中心部の目立つ暗黒帯が、瞳の様に見えるためで、この黒目を見るためには口径30cmクラスの望遠鏡は必要になります。またシーイングの影響も受けやすく、黒目を分離するためには平均以上のシーイングは必要だと思います。
アメリカでは目を半分開けている様子から"Sleeping Beauty Galaxy"眠れる森の美女銀河と呼ばれています。発想が柔軟ですね。
この銀河はおとめ座銀河団に属し、銀河系から1600万光年離れています。距離についてはドップラー効果から算出されていると思いますが、カタログ等でかなり幅があります。
銀河の大きさとしてはメシエ天体では2番目になる大きな銀河です。ちなみに一番大きな銀河はM77となっています。M64はローカルグループに近い銀河と考えられます。1990年代には、この銀河で注目すべき発見があり、銀河の外側のガスが内側のガスとは反対方向に回転していることが分かったとのことで、これが特徴的な黒目の原因になっているようです。約10億年前に伴銀河がM64と衝突することにより逆方向の流れが生じたと考えられています。またこの銀河は星生成が活発な銀河としても知られていて(Star formming)、伴銀河と衝突した影響かもしれません。
Ninja-400では渦巻までは分かりませんが、M64の中心核とそれを囲むように見える暗黒帯が見事です。かなり暗黒帯は小さく見えますが、全天でも中心近くに暗黒帯が見える銀河はかなり特異ですね。Ninja-320でも空がよければ暗黒帯はハッキリ分かります。DSS(Digital Sky Servey)の写真では中央部が露出過多で潰れていて暗黒帯が見えていません。