2006-02-26

うみへび座の巨大銀河M83

オメガ星団やケンタウルスA(NGC5128)が南中する頃、ちょうどその北にはM83が見えています。うみへび座とケンタウルス座の境界付近にあり、メシエ天体では最も南に位置する天体です。南中高度は25°で決して高度は高くないのですが、透明度の高い夜には見ておきたい天体です。

M83は棒渦巻銀河と渦巻銀河との中間状態である銀河とされていてSAB(s)cに分類されています。距離は1500万光年であり、M83グループという銀河群に属しており、M83グループはケンタウルスAと共に16個ほどの銀河で構成されています。属している銀河は以下のものがあります。NGC 5253,NGC 4945, NGC 5102, NGC 5164, NGC 5408, ESO 381-20 (MCG-6-28-017; 1243-33), ESO 324-24 (MCG-6-30-003; 1324-41), ESO 444-84 (MCG-5-32-000; 1334-27), ESO 325-11 (1342-41), ESO 383-87 (MCG-6-30-025; 1346-35)

M83は南天の回転花火(Southern Pinwheel)と呼ばれていて、サイズも0.2°の広がりがあり、見ごたえがあります。特にオーストラリアでは天頂付近に見えるため、銀河の濃さもかなり高く、腕の見え方も含め、本家のM101を凌いでいます。Ninja-400では溜息が漏れるくらいの素晴らしさで、またフェイスオンの円形が見事です。銀河としての見ごたえはM81クラスなので、場所がわかりにくいことや、南天低いために見逃しがちですが、チェックはしておきたいですね。

・M83        8.2等

DSSでのM83
M83

2006-02-21

線香花火状星団NGC2362

おおいぬ座τの周りを囲むように集まっている散開星団がNGC2362です。こじんまりとしていますが、星数は60個を数え4.4等のτを囲み、なかなか賑やかな様子で見れます。あたかもτを中心にした線香花火のように見えてきます。τもこの星団に属していてO型の巨星であり、周りの星団を構成する星々も青色巨星です。恒星の並びとしては三角おむすびのように見えています。

Ninja-400でこの星団を見ると倍率が高くなりすぎて、ちょっと興ざめですが、短焦点屈折で見るとτの周りに三角形のように微光星が集まり見事な眺めです。特に双眼望遠鏡での低倍率だと天の川に近いために星々の賑わいの中で、ひときわ目立ちます。倍率として30倍程度がお勧めだと思います。

DSSでのNGC2362
Ngc2362

2006-02-12

黒目銀河M64

黒目銀河M64はかみのけ座銀河群に属しています。Mel 111からちょっと離れた場所にありますが、5等星のかみのけ座35番星の傍にあり、M64が明るいため簡単に導入することが出来ます。
黒目と呼ばれるのは中心部の目立つ暗黒帯が、瞳の様に見えるためで、この黒目を見るためには口径30cmクラスの望遠鏡は必要になります。またシーイングの影響も受けやすく、黒目を分離するためには平均以上のシーイングは必要だと思います。

アメリカでは目を半分開けている様子から"Sleeping Beauty Galaxy"眠れる森の美女銀河と呼ばれています。発想が柔軟ですね。
この銀河はおとめ座銀河団に属し、銀河系から1600万光年離れています。距離についてはドップラー効果から算出されていると思いますが、カタログ等でかなり幅があります。
銀河の大きさとしてはメシエ天体では2番目になる大きな銀河です。ちなみに一番大きな銀河はM77となっています。M64はローカルグループに近い銀河と考えられます。1990年代には、この銀河で注目すべき発見があり、銀河の外側のガスが内側のガスとは反対方向に回転していることが分かったとのことで、これが特徴的な黒目の原因になっているようです。約10億年前に伴銀河がM64と衝突することにより逆方向の流れが生じたと考えられています。またこの銀河は星生成が活発な銀河としても知られていて(Star formming)、伴銀河と衝突した影響かもしれません。

Ninja-400では渦巻までは分かりませんが、M64の中心核とそれを囲むように見える暗黒帯が見事です。かなり暗黒帯は小さく見えますが、全天でも中心近くに暗黒帯が見える銀河はかなり特異ですね。Ninja-320でも空がよければ暗黒帯はハッキリ分かります。DSS(Digital Sky Servey)の写真では中央部が露出過多で潰れていて暗黒帯が見えていません。

ハッブル宇宙望遠鏡によるM64

DSSによるM64
M64


りょうけん座の見ごたえあるダブルダブル銀河NGC4631,4656

りょうけん座にある見ごたえのある銀河群です。メシエ天体でもおかしくないほど両銀河とも明るく迫力があります。それぞれお供の伴銀河がくっついていて伴銀河の重力により、それぞれの銀河が歪んでいるのも面白いところです。いつもかみのけ座のMel 111から北東に約4度ほど振るとNGC4631の細く延びた姿を見つけて導入しています。りょうけん座の銀河群ではありますが、かみのけ座に近いところにあります。

NGC4631とNGC4627のペアはArp281というHalton C. Arp博士がまとめた特異銀河カタログにも掲載されています。Arpは当時世界で最大口径のパロマ5m望遠鏡を使い、特異な形をした銀河をカタログした人です。銀河を楽しむにあたってArpの特異銀河カタログは参考になります。

NGC4631とNGC4656とも、距離は2200万光年でサイズとしてはアンドロメダ星雲クラスになります。

Ninja-400では、NGC4631とNGC4627は視野に大きく広がり、NGC4631がエッジオンなのに菱形を横に延ばしたような形をしています。楕円銀河のNGC4627の重力の影響を受けている様子が良く分かります。Sky-90でも細長く延びた姿が分かり、小口径の望遠鏡でも楽しい対象ですね。NGC4631は特徴的な形をしているので、アメリカでは"Whale Galaxy"、"Herring Galaxy"と呼ばれています。それぞれ"くじら銀河"、"ニシン銀河"になりますが、私の印象だと潮を吹くくじらが似つかわしいと思います。さらにNGC4627は"Pup"と呼ばれ、子くじらとでもいう意味でしょうか。

・NGC4631    9.8等
・NGC4627    12.5等

NGC4656とNGC4657は、さらに不思議な形をしています。NGC4656自体が歪んでいて、その端にNGC4657という小さな棒渦巻銀河がくっついているように見えています。NGC4656は等級よりは若干淡く見えており、空の状態が悪いとなかなか辛くなります。Ninja-400で見るとNGC4656の端にちいさな銀河がちょんと付いていて、その近くのNGC4656が歪んで見えて特徴的です。

・NGC4656    11.0等
・NGC4657    10.5等*
                    *MegaStar表記によるが、誤りで12等後半だと思われる

このNGC4631とNGC4656のダブルダブル銀河ですが、実際の距離も近く20万光年のほんのお隣さんの位置にあります。両方ともエッジオンというのも見ごたえがありますね。両銀河の住人とするとフェイスオンの視直径が20度もある銀河が雄大に広がっているのが見えるハズですね。このNGC4631とNGC4656も重力の影響で水素ガスで繋がっている様子が観測されています。

DSSによるNGC4631とNGC4656
Ngc46314656

2006-02-11

うみへび座I銀河団AGC1060

コップ座が南中する頃、その南方では非常に見ごたえのあるうみへび座I銀河団AGC1060が広がっています。Hydra 1とも呼ばれています。残念ながら、この銀河団はペルセウス銀河団やヘルクレス銀河団ほど有名ではないのですが、実はこちらのうみへび座I銀河団のほうが、明るい銀河が多く、密集度もそこそこ高いのでそれほど大口径でなくても楽しめるお勧めの銀河団です。うみへび-ケンタウルス超銀河団の一部でもあります。

場所はコップ座の南西10度ほどのところにあります。南中高度は北緯35度の場所で、約30度でちょうどアンタレスが南中した高さはあります。結構高く昇り、明るい銀河が多いのにほとんど紹介されないのが不思議です。

銀河団としては銀河系にはかなり近く1.65億光年のところにあり、ローカルグループのアンドロメダ銀河の約70倍ほどの距離にあります。20分の範囲に14等級より明るい銀河が6つあり、それぞれの銀河が結構大きく、まさに群れている様子が分かります。
赤経方向に明るい銀河が5つ並ぶ姿が特徴的です。また銀河団として明るい渦巻銀河が含まれていることも特徴があります。

・NGC3311    11.6等
・NGC3312    12.7等
・NGC3309    12.6等
・NGC3308    12.9等
・NGC3316    13.6等
・NGC3305    13.8等
・NGC3314A  14.0等
・NGC3307    14.5等

Ninja-400でもNinja-320でも、そこそこ明るい銀河が多いため、かなり楽しめます。Ninja-400では58個の銀河を確認できました。DSSの写真に表示されている銀河は確認できたものです。

特に南天の透明度が良い夜はねらい目ですね。

DSSによるAGC1040
Agc1060
真ん中の青緑の円は0.5度の視野円

2006-01-25

かみのけ座の銀河群BOX

この記事は冬に書いていますが、この時期は春の銀河群/銀河団を観望するのには透明度の良い冬空ということもあり最適です。残念なのは寒いことですね。

春の星座では天の川は流れていないために可視光を遮る星間物質が少なく、銀河が減光されることが無く、無数の銀河を見ることが出来ます。特にかみのけ座とおとめ座方向には銀河系からは近い巨大な銀河団が存在していて密集しています。

その中ではかみのけ座に面白い形に密集しているBoxと呼ばれるそれぞれ4つの銀河が長方形状に集まって見えている銀河群があります。別名ではHickson61と呼ばれていて、楕円銀河1つと渦巻銀河3つとで構成されます。面白いのは見かけ上ですが、長方形に並んでいてそれぞれ光度が揃っていることでしょうか。

Ninja-400で観望するとNGC4169, NGC4174, NGC4175は割とすぐ分かりますが、NGC4170はエッジオンの棒渦巻銀河ですが、面積が大きく、空の状態がかなり良くないと確認するのは難しい存在です。この季節ですと富士山新五合目は雪や凍結で閉鎖されていますが、西臼塚駐車場や粟倉駐車場ではボーッとした姿さえ見ることも出来ません。春になり新五合目で雲海になって下界の光を遮るくらいでようやく見えてきます。

新年、南伊豆で最高の夜に観望してきましたが、ハッキリまさにDSSの写真の様に見えて感動しました。これまでNinja-320でも空がかなり良い時に4つ見れましたが、4つ見るためには口径30cmは必要だと思います。

Boxを導入するためには、いつもMel 111の一番北に位置するかみのけ座γから3度ほど西にあり、おひつじ座のような不等辺三角形のような星の並びから辿るのが一番簡単だと思います。

大口径ドブをお持ちの方にはお勧めです。

・NGC4174    14.3等
・NGC4175    14.2等
・NGC4169    13.2等
・NGC4170    13.6等

DSSによるBox
Box

2006-01-06

りゅう座の見事なエッジオン銀河NGC5907

NGC5907はりゅう座にあるエッジオン銀河です。ほとんど真横から見ているため、非常に細く全天一とも言える細さです。銀河自体は渦巻銀河で等級も明るいため見栄えは最高です。ただ光度はそれほど明るいわけではないので、ドブソニアンの好対象だと思います。Sky-90をファインダとして併用していますが、Sky-90では存在が分かる程度です。銀河の視直径は12.9'x1.3'*であり、1/10の薄さの銀河円盤を持っていることになります。
                                                                                                    *MegaStar5.0の表記

この銀河へのアプローチですが、私は北斗七星のひしゃくの柄の先にあるおおぐま座η(Alkaid)より、うしかい座の特徴的なうしかい座θが作る三角形から探します。小さな"や座"にように見える星列からM102を探し、そこから3つ並ぶ8等星より辿りつくパターンで導入しています。

この銀河はほとんど真横から見ているわけですが、NGC4565のようなバルジの膨らみがほとんどないのが特徴です。またNinja-400では暗黒帯はまったく分かりませんでした。DSSの写真ではかろうじて暗黒帯が見られます。

・NGC5907    11.1等

DSSでのNGC5907
Ngc5907

しし座の銀河群Hickson44

Hickson44はしし座流星群の輻射点あたりにある有名な割とコンパクトな銀河群です。しし座の鎌を構成するしし座γ(Algieba)とζ(Adhafera)の中間あたりにある星がちょっと密集している場所に望遠鏡を向けると導入が出来ます。非常に簡単ですので、探してみてください。

私は子供の頃、パロマ天文台のシュミットカメラで撮影したものを初めてみたのですが、非常に印象深い天体でした。4つ明るい銀河が群れていて、それぞれの銀河がとても特徴的な形をしています。とくに棒渦巻銀河であるNGC3187の特異な銀河腕の伸び方は変わっています。Ninja-400では残念ながらNGC3187の腕はとても淡いようで見る事は出来ませんでした。ボーッとした楕円状の星雲に見えるだけでした。

またNGC3190はこの銀河群の代表的な立派な渦巻銀河です。Ninja-400ではシーイングと透明度とも良い日にかろうじて暗黒帯が見えますが、かなりシーイングが良くないと分解しません。この銀河には2002年に超新星が現れました。SN2002boです。茅ヶ崎市にお住まいの広瀬洋治さんが第二発見者となったもので、15.5等級で発見されたものです。当時、Ninja-400でこの銀河を見ていましたが、超新星には気づきませんでした。15等級という暗さと、また銀河中心に近いところに出現したことも眼視では厳しいですね。

広瀬さん、またも超新星を発見(NAOニュース)

・NGC3190(Hickson44A)    12.1等
・NGC3193(Hickson44B)    11.8等
・NGC3185(Hickson44C)    13.0等
・NGC3187(Hickson44D)    13.4等

Hickson44は導入簡単、それなりにドブソニアンでも楽しめる銀河群の代表的なものです。

DSSでのHickson44
Hickson44

2005-12-28

おおいぬ座衝突銀河NGC2207,IC2163

おおいぬ座のシリウスの西にあるおおいぬ座β(Mirzam)の約4度南西にある、ハッブル宇宙望遠鏡で非常に有名になった、お互いに潮汐力を及ぼして重力で変形して衝突している二つの銀河NGC2207とIC2163です。冬の天の川に近いために銀河系内の星々が沢山見えていています。

それぞれ11等級以下の銀河であるため、大型ドブソニアンの独壇場です。私の場合はNinja-400では、二つ可愛らしく並んでNGC2207のほうが楕円に変形している様子が分かりました。視直径は小さく、また暗いため銀河の腕までは分かりませんでした。小さいほうのIC2163は横に延びている姿がかろうじて確認できます。最初見たのはNinja-400でしたが、まさかこれだけ衝突銀河がハッキリ見えるとは思いもしなかったため感動したことを思い出します。M51を1/4サイズにしたような感じと言えばよいでしょうか。
ドブソニアンを自由に使える方にはお勧めします。

ハッブル宇宙望遠鏡でのNGC2207,IC2163

DSSによるNGC2207,IC2163
Ngc2207
                                                                        *青は視野0.5度の円

2005-12-22

レグルス近傍の銀河LEO1

LEO1(UGC5470)はしし座の1等星であるレグルスの20分ほど北にあります。銀河系が属しているローカルグループの仲間であり、楕円銀河(E3)で矮小銀河と考えられます。DSSの写真でも見るとおり、かなり淡い銀河であり、さらにレグルスの強烈な明かりがすぐ傍にあるため、眼視では難しいものだと思っていました。

今年(2005年)の1月の透明度の良い冬晴れの日に、南伊豆にてNinja-400で観望したところ、レグルスを視野の外に置くことで、かなり淡いボーッとした楕円状のLEO1をかろうじて確認することが出来ました。DSSの写真のとおり、かなり広がっていて、等級が明るい割りにほとんど見れないのは面積あたりの光度が低いためです。

・LEO1    11.2等

距離は90万光年で、アンドロメダ銀河までの距離の約1/3という近さですが、いかんせん矮小銀河で星数が少なく、目立ちません。この銀河の発見も1950年になって、R.G. HarringtonとA.G. Wilsonによってパロマ天文台の48インチのシュミットカメラで検出されました。眼視での検出は1990年になってからだそうです。それだけ難物だったのでしょう。

Ninja-400ではヌケの良さを求めレグルスを視野から外すために、プラノキュラーとx2バローで120倍にして見ることができました。そらし目にして視野を動かすことで確認が出来ます。白濁したようなボーッとした姿が分かります。

DSSによるLEO1
Leo1

2005-12-21

くじら座NGC247

この銀河は秋の天体になりますが、晩秋から冬にかけて夕方にでも見ることが出来ます。有名な天体であるちょうこくしつ座のNGC253の北で、くじら座のβ(Deneb Kaitos)との間にあり、βからは3度ほど南に位置します。

銀河自体は9.1等級*と明るく、すぐ発見できるかというと、大きく淡いために空が良くないとまったく見つけることも出来ない不思議な銀河です。面積あたりの光度が低く、そもそも銀河そのものもまばらな感じがあるのだと思います。実際、富士山周辺では西臼塚や新五合目では南天が沼津市、富士市等の光害でなかなか見つけるのは難しく、大口径ドブソニアンが必要となります。逆に空がよいところでは口径5cmの双眼鏡でもすぐ分かります。空のよさを見るバロメータに使えますね。淡くてなかなか発見できないために、初めて見たときには淡く大きいのに吃驚して感動しました。

・NGC247    9.1等*
                    *MegaStar表記

この天体は、NGC253を含めたちょうこくしつ座銀河群に属しており、我々の銀河系を含めたローカルグループのすぐ隣の銀河群となります。距離は750万光年で深宇宙のスケールからすると、すぐ近くの銀河となります。

DSSによるNGC247
Ngc247

ろ座の銀河NGC1365

くじら座の頭が南中する頃、南天低くにはエリダヌス座とろ座の境界あたりに、ろ座の銀河団を見ることが出来ます。ろ座の銀河団は明るい銀河が多く、また銀河の種類では渦巻銀河が多く、非常に面白い領域です。ただし富士山での南中高度は20度しかなく、南天が光害で満たされる富士山ではかなり見づらい天体群です。

その中でもNGC1365は見事な棒渦巻銀河で、富士山新五合目でも透明度の良い夜には、上下に大きく張り出して延びる銀河の腕を見ることが出来ます。棒渦巻の棒領域は迫力を持って延びています。全天を通じて、最も見事な棒渦巻銀河との印象を持ちましたが、北のM51、南のNGC1365と感じられる銀河です。腕の伸び方が鎌のように見えるため、我々の仲間では鎖鎌銀河と呼んでいます。

・NGC1365        10.3等

日本では南天低く見えて難物のNGC1365も、オーストラリアでは天頂付近で見えて、強烈な姿を拝むことが出来ます。2004年の9月には、Ninja-400と2inch双眼装置をオーストラリアに持ち込み、Nagler Type4 22mmで観望しましたが、オーストラリアの透明度の良さと天頂付近に見えることが相まって、腕がかなり遠くまで延び、溜息が出る感動ものでした。この銀河を見るだけに海を渡るのも価値があると思いました。

DSSでのNGC1365
Ngc1365

2005-11-23

NGC2403

冬の寒い時期に見ごろになります。どうしてメシエ天体に成らなかったのか不思議なほど明るい銀河です。ただNGC2403をスターホッピングで導入するのは難しいくらい目印の星々が見当たりません。

この銀河で特徴的なのは天の川ではないのですが、銀河系の星の多い領域にあるために、明るい星々が銀河の前に重なってみえることでしょうか。こういう銀河は少ないですね。距離は約980万光年ということであり、比較的ご近所の銀河であると言えます。銀河はフェイスオンとエッジオンの中間の角度で銀河円盤に対して45度くらいで見えています。
NGC2403はM81の銀河群に属しては居ますが、見かけの角度としてはかなり離れています。

この銀河は天文学的に貢献した銀河ということで、あまりに有名なハッブルの法則を見出すための対象となったりとか、渦巻銀河の回転速度と絶対光度のタリー・フィッシャー関係を見出した対象になった天体です。

私にとって象徴的なのは板垣さんが発見したタイプIIの超新星SN2004djでしょうか。かなり明るく11等級になりました。M51にも超新星が現れましたが、これほど明るくはなりませんでした。

DSSによるNGC2403
Ngc2403

2005-10-23

ケフェウス座 散開星団NGC6939, 銀河NGC6946 (スケッチ)

この二つの天体は低倍率で同一視野に入ってくる位置にあり、ほぼ同じくらいの大きさに見えます。
NGC6939は口径10cmだと中心付近の星がわずかに分解される?程度で、ほぼ星雲状に見えます。
NGC6946の視直径はやや大きいのですが、全体に確認しづらくうっかりすると見逃してしまいそうです。
スケッチ当日の富士山新五合目はなかなかよい空で、NGC6946も比較的はっきりと見えました。
大口径で見るような散開星団と渦巻銀河のペアの姿は望むべくもありませんが、
仲良く並ぶ小さな二つのすてきな姿を楽しむことができました。

Ngc69396946
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転、方角マークは西)

テレビューTV-101+ナグラーtype4 17mm(天頂ミラー&LPS-P1フィルター併用)
2005.10.1, 富士山新五合目

2005-10-10

アンドロメダ大銀河M31

あまりにも有名で超メジャーな天体M31です。もう生まれて何回見たかもわからないくらい定番の銀河です。たぶん小学生の頃、初めて見たんだと思います。光害が多少あってもボーッとした姿が肉眼でも見れます。

アンドロメダ銀河の観望の歴史を語るには私は知見が不足していますが、恒星の輝きではないことはすぐ分かり雲のようですので、有史以前より人間は単純な星ではないことは理解していたのではないでしょうか。記録としては10世紀にあるようです。

アンドロメダ銀河までの距離を求めたのは、有名な話ですがハッブルがウィルソン山天文台にあった当時世界最大口径の2mの反射望遠鏡で、ケフェイドなる変光星を利用して距離を推定して銀河系内の天体ではないことを証明したことですね。ハッブルの大きな成果の一つかと思います。認識を銀河系から宇宙に広げたという意味で偉大な成果ですね。

M31をどの望遠鏡で見ると素晴らしく見えるかについては種々意見があるかと思います。私も悩んでしまいますが、今まで見た姿ではFUJINON40x150EDで見た視野一杯に広がるM31かEMS双眼望遠鏡でNagler-22mmでの見かけ視野82度に広がるM31が強烈に印象に残ります。Ninja-400などのドブソニアンでは視野を大きくはみ出してしまいます。Ninja-400でM31を味わうとするとM31の中に点在する天体となってしまいます。たとえばM31の暗黒帯の複雑な様子はNinja-400ならではの見え方です。低倍率の双眼鏡や双眼望遠鏡で見るM31は淡い部分まで見えて、写真でみるM31そのものです。視野では2度ほどの広がりがあり、M32とM110(NGC205)を従え、これぞ銀河という姿でしょうか。ちなみにNinja-400では感じたことはないのですが、76cmドブソニアンでM31を見た人の話では銀河中心核はピンクに見えるそうです。一度見てみたいものですね。

Ninja-400などのドブソニアンではM31内部の球状星団を見るのも一興ですよ。DSSの写真に15.0等級より明るい球状星団をプロットしています。9個ほどあります。昔、チャレンジしたところ、以下のものを見ました。ただしG1はM31よりの離角が大きく別の記事にしています。

アンドロメダ銀河の巨大な球状星団G1

・G1              13.7等
・G213        14.6等
・Bol119      12.3等

上記は恒星のように見え、シーイングが良くなかったのもあり、G1以外は球状星団のようには見えませんでした。またシーイングの良い時にチャレンジしてみようと思います。

またM31にはKnotと呼ばれる星の密集した銀河の腕部分が見られます。有名なところではNGC206であり、天の川で言えばスタークラウドのようなものでしょう。M31は銀河系と比較すると直径が倍のサイズの銀河で、すぐ隣にある銀河ですので銀河の構造がよく分かるわけですね。

DSSによるM31クローズアップ
M31

くじら座M77

くじら座の首のあたりにある明るい銀河です。このM77の周りには銀河団というより、かなり銀河が見えていて、さながら春のおとめ座銀河団のようです。M77はメシエが1780年12月17日にカタログに載せたのですが、その前にPierre Me'chainという人が10月29日に最初に発見しています。

M77は渦巻銀河((R)SA(rs))なのですが、Ninja-400では楕円銀河のように見えます。腕が淡く広がっているため、滲んだ感じはありますが、腕とは見えません。あの有名なロス卿は渦巻銀河14のリストの中の一つに加えていて、口径1mくらいあると渦状に見えるのかもしれません。

この銀河はセイファート(Syfert)銀河タイプ2に分類されています。中心核の活動が活発で明るくクエーサーまでは行かないもののかなり活動的な銀河のようです。明るくて丸いだけの銀河という印象ですが、研究対象としては面白い天体のようです。

DSSによるM77
M77
 

2005-10-09

M33 (写真)

05年10月1日、富士山富士宮口新五合目で撮影。

PENTAX 125SDHF+0.72倍リアコンバータ(合成F4.6、合成fl 567mm)+LPS-P1フィルター+Nikon D70
感度:ISO800  露出:5min×4枚コンポジット
RAPにてダーク補正、トーンカーブ補正、カラーバランス補正等
星雲付近をトリミングして横800PXLにリサイズ

051002m33800x600pxl

やはり赤(Hα)が出ませんね。銀塩のコダックE100とかE200フィルムだと点在するH2領域がバッチリ写ったのですが。
トリミングしてリサイズだとかなりの拡大率になりアラが目立ってしまいます。

さんかく座銀河M33(写真)

05年10月6日、富士山富士宮口新五合目で撮影。

大きい天体なので短焦点でも写真映えします。

051006_m33_5minx6

NFD300mmF2.8L+純正FD-EOSコンバータ(x1.26倍、378mm)+EOS20Da
感度:ISO800 絞り:F4 露光:5MINx6枚コンポジット
全体を50%縮小後、600x400pixelにトリミング

アンドロメダ星雲M31(写真)

05年10月6日、富士山富士宮口新五合目で撮影。

小口径から大口径まで、すべての望遠鏡で楽しめる天体です。もちろん富士山五合目では肉眼でも確認できます。左側の丸い伴銀河はM32、右下にちょっと離れているのはM110です。

051006_m31_5minx7

NFD300mmF2.8L+純正FD-EOSコンバータ(x1.26倍、378mm)+EOS20Da
感度:ISO800 絞り:F4 露光:5MINx7枚コンポジット
全体を横600pixelにリサイズ

2005-09-19

NGC507とその周りの銀河群

NGC507と傍に群れる銀河群は特にカタログはされていません。場所としてはアンドロメダ座β(Mirach)とM33のちょうど中間あたりになり、導入は分かりやすい場所にあります。たまたま同一方向に銀河が集まっているのかもしれません。渦巻銀河が多いのもたまたま同一方向なのかなと思わされます。

Ninja-400を使いNGC507を中心として視野1度の範囲で17個の銀河をカウントできました。意外と良く見えるのでお勧めしたいと思います。以下にNGC507を中心とした時の視野0.5度の範囲の銀河をリストします。

・NGC507    11.2等
・NGC504    14.0等
・NGC499    12.1等
・NGC494    13.8等
・NGC508    14.1等
・NGC501    14.5等
・IC1689    14.7等
・IC1690    14.9等

DSSによるNGC507と銀河群

Ngc507

アンドロメダ銀河M31の伴銀河NGC147とNGC185

NGC147とNGC185は共にアンドロメ銀河M31の伴銀河です。M31よりは視野角で8度も離れており、距離では約30万光年離れています。M31より離れているせいであまり伴銀河という感じはありませんね。

二つの銀河とも楕円銀河でとりたてて特徴はありませんが、大きく非常に淡い銀河です。局部銀河群としての証ですね。銀河自体は明るいのですが、視直径が10'ほどもあるために面積あたりの光度が暗いから淡いようです。空さえ良ければ簡単に見れるので我々銀河系の仲間としてみるのも一興ではないでしょうか。

・NGC147    10.5等
・NGC185    10.1等

DSSによるNGC147,185
Ngc147185

アンドロメダの銀河団AGC262

秋は春と同じく銀河が見やすい季節です。特に春はなかなか透明度が良い日が少ないことや天候不順で秋の夜長が銀河が楽しむには最適でしょう。
その中でも幾つか目立つ銀河群/銀河団があります。このAGC262は密集度は高いほうではありませんが、13等級ぐらいの銀河も幾つかあり、割と見やすい銀河団です。

場所はアンドロメダ座とさんかく座の境界近くにあり、明るい散開星団NGC752のすぐ近くにあるため導入は容易です。NGC752から2度ほど南西に行った場所にあります。一般的な銀河群/銀河団は楕円銀河が多いのが普通ですが、このACG262は渦巻銀河が多いことが特筆できます。ただ渦巻銀河は多いのですが、Ninja-400ではいかんせん暗い銀河であるために渦巻ということは分かりません。
まばらな銀河団とは言え、中心部には0.5度の視野で8個の銀河が群れていてかなり見ごたえがあります。
Ninja-400ではこの銀河団の銀河として40個ほどカウントできました。中心部の銀河としては以下のものをリストします。

・NGC703    13.2等
・NGC704    14.1等
・NGC705    14.6等
・NGC708    13.7等
・NGC709    14.2等
・NGC710    14.3等
・NGC714    13.1等
・NGC717    13.8等

銀河の明るさからはペルセウス銀河団とほぼ同等の銀河団と言えると思います。

DSSによるAGC262

Agc262
中央部の青の円は視野0.5度の円

2005-09-15

アンドロメダ座βのすぐ傍の銀河NGC404

アンドロメダ座β(Mirach)は、DeepSky観望での要の星だと思います。この星の周りにはM31やM33などのメジャー天体や銀河群/銀河団などが多く、銀河巡りの目印になる星です。この星のすぐ傍にNGC404の渦巻銀河ありますが、Ninja-400では渦巻というよりも楕円銀河のようです。

アンドロメダ座βとNGC404の角距離は7'ほどであり、よく見ないとβ星のゴーストと間違えてしまいます。200倍以上の倍率をかけたほうが良く分かります。

昔、Sky & Telescope誌で彗星捜索家でも有名なレビーが、お気に入り10天体に選んでいた天体ですが、なかなか通好みの天体なようです。

導入が超簡単ですので一度お試しあれ。DSSではβ星の明かりが強烈で、光芒に消されてしまっています。

DSS写真によるNGC404
Ngc404

2005-09-14

局部銀河群の仲間たち

秋には我々の銀河系のご近所の銀河が多く見られます。それらを局部銀河群と呼んでいます。秋の夜長にご近所の探訪はいかがですか。
局部銀河群とはおおよそ地球から1000万光年以内の銀河群を指すようですが、いろいろ解釈はあるようでハッキリした定義はありません。ご近所そのものの定義がなきがごとしです。ここでリストしたものは46個ありますが、矮小銀河などの小さなものが大多数であり、大きなものは銀河系やM31,M33などに限られます。リストでdwと書かれたものは矮小銀河(dwarf)を意味しています。

距離が近い銀河群ですので、星数やガスが少ない小規模のものは非常に淡く、眼視ではまったくムリで写真でようやく存在が分かるものも多く、眼視でのチャレンジとしてはかなりハードな部類かもしれません。ただ銀河系のご近所を調べてみるのも一興かと思います。

銀河系やM31などの巨大な銀河はお供の伴銀河を連れています。銀河系では大マゼラン雲(LMC)や小マゼラン雲(SMC)が有名ですが、オーストラリアでこれらを見たときには本当に雲のようで、特に大マゼラン雲は肉眼でも複雑な構造が分かります。両方とも不規則銀河で、Ninja-400で見たときは巨大な散開星団や点在して散光星雲も入り乱れ、若い銀河たちであることが良くみれます。

アンドロメダ銀河M31はどうも銀河系よりも遥かに巨大で直径22万光年もあることが最近分かったようです。銀河系の2倍以上ですね。それだけに伴銀河も多く、M31のすぐ傍に見えるM32やM110(NGC205)だけでなくNGC147,NGC185やAnd IからAnd VIIIまで見つかっています。そのM31ですが、数十億年先には銀河系と衝突するとの観測データがあり、さぞかし壮大な眺めだと思います。天の川が二つ全天に見れて衝突による活発な活動や、超新星の輝きだとかタイムマシンがあれば実際に見てみたいものです。その頃に地球があるのかどうかも分かりませんが。

淡い銀河を見る秘訣は、もう一番は空の良さに尽きます。透明度とシーイングの良さですね。シーイングが悪いと微光星が消えてしまい存在が分からなくなってしまいます。
なるべく大口径の望遠鏡や透過率が高くヌケの良いアイピースを選ぶのはもちろんですが、遮光をバッチリしてコントラストを上げる必要もあります。
また目視の仕方も重要で、明るいものは見ないようにしばらく暗順応をさせて目を慣らすことと、そらし目テクなる視野の中心で見ないことです。中心で見ないことから解像度は悪くなるのですが、淡い天体の存在は分かるようになります。またじっと見るより視野をちょっとだけ適当に動かしたほうが存在は分かりやすいですね。
後はコツというより、なるべく沢山見ることで目と脳を慣れさせることでしょうか。惑星でも観測の熟達者は素晴らしい解像度でスケッチを残していますが、要は慣れなんだと思います。

Ninja-320(口径32cm反射)、Ninja-400(口径40cm反射)とこれまでチャンレンジしてきましたので、それで見れたものを次の色で記します。チャレンジする方の参考にどうぞ。

NGCxxxx: 何とか確認できた淡い銀河
NGCxxxx: 存在だけでなく形も分かった銀河

表の意味:
m_v: 眼視等級
dim: 視直径
RV: 視線速度(km/s)
Dist: 距離(k光年)


1. 局部銀河群

Galaxy	    RA      Dec    Type             m_v     dim          RV    Dist


WLM         00:02.0 -15:28 IB(s) IV-V       10.9      12 x 4     - 42  3400
IC 10       00:20.4 +59:18 KBm?             10.3     7.3 x 6.4   - 83  4200:
Cet dw      00:26.1 -11:02 dSph/E4          14.4                       2800

NGC 147     00:33.2 +48:31 dE5 pec           9.5    15.0 x 9.4   + 89  2400
And III     00:35.4 +36:31 dSph/E2          13.5p    4.5 x 3.0         2900:

NGC 185     00:39.0 +84:20 dE3 pec           9.2    14.5 x 12.5  + 39  2300
M110        00:41.3 +41:41 E5 pec            8.5    19.5 x 12.5  -  1  2900 
And VIII    00:42.3 +40:37 dSph pec          9.1    45   x 10    -250  2700:

M 32        00:42.7 +40:52 E2 (cE2)          8.1    11.0 x 7.3   + 35  2900 
M 31        00:42.7 +41:16 SA(s)b I-II       3.4   185.0 x 75.0  - 59  2900 
And I       00:45.7 +38:00 dSph/E3 pec ?    13.2     2.5 x 2.5         2900:

SMC         00:51.7 -73:14 SB(s)m pec        2.3     280 x 160   - 30   210 
And IX      00:52.9 +43:12 dSph             16.2         5             2900:

Scl dw      01:00.0 -33:42 dSph/E3 pec      10.5p                +162   300:
LGS 3       01:03.8 +21:53 Irr              15.4p        2             3000:

IC 1613     01:05.1 +02:08 IAB(s)m V         9.2    20.0 x 18.5  -125  2900:
And V       01:10.3 +47:38 dSph             15.9                       2900:
And II      01:16.4 +33:27 dSph/E0          13.5     3.6 x 2.5         2900:

M 33        01:33.9 +30:39 SA(s)cd II-III    5.7    67.0 x 41.5  +  3  3000 
Phe dw      01:51.1 -44:27 Irr              13.1     4.9 x 4.1         1600:
For dw      02:39.9 -34:32 dSph/E2           8.1    12.0 x 10.2         500
UGCA 92     04:32.0 +63:36 Irr ? S0 ?       13.8     2.0 x 1.0   + 66  4700

LMC         05:19.7 -68:57 SB(s)m            0.1     650 x 550   + 13   179 
Car dw      06:14.6 -50:58 dSph/E3          20.9    23.5 x 15.5         360
CMa dw      07:15   -28    Irr                       720                 25
Leo A       09:59.4 +30:45 IBm V            12.9     5.1 x 3.1         2500
Sex B       10:00.0 +05:20 Ir+ IV-V         11.8     5.1 x 3.5         4700 

NGC 3109    10:03.1 -26:09 Ir+ IV-V         10.4    16.0 x 2.9   +131  4500
Ant dw      10:04.1 -27:20 dSph/E3          14.8     2.0 x 1.5         4600 

Leo I       10:08.5 +12:18 dE3               9.8     9.8 x 7.4          900
Sex A       10:11.1 -04:43 Ir+ V            11.9     5.9 x 5.0         5200 
Sex dw      10:13.2 -01:37 dSph/E3          12.                         320 
Leo II      11:13.5 +22:10 dSph/E0 pec      12.6    12.0 x 11.0         750
GR  8       12:58.7 +14:13 Im V             14.5     1.2 x 1.1   +165  7900:

UMi dw      15:08.8 +67:12 dSph/E4          10.9    41.0 x 26.0         240 
Dra dw      17:20.1 +57:55 dSph/E0 pec       9.9    51.0 x 31.0         280 

Milky Way   17:45.6 -28:56 SAB(s)bc I-II ?               -          0    28
SagDEG      18:55   -30:30 dSph/E7                               +168    88 
SagDIG      19:30.1 -17:42 IB(s)m V         15.5     2.9 x 2.1         4200

NGC 6822    19:44.9 -14:49 IB(s)m IV-V       9.3    15.5 x 13.5  + 66  1800
Aqr dw      20:46.8 -12:51 Im V             13.9     2.3 x 1.2         3400
Tuc dw      22:41.7 -64:25 dSph/E5          15.7     2.9 x 1.2         3200
UKS2323-326 23:26.5 -32:23 Irr              13.9     1.5 x 1.2         4700
And VII     23:27.8 +50:35 dSph                      2.5 x 2.0         2600
Peg dw      23:28.6 +14:45 Im V             13.2     5.0 x 2.7         3000:
And VI      23:51.7 +24:36 dSph             11.2     3.5 x 3.5         2800

参考アストロアーツ:アンドロメダ大銀河の周りを巡る「透明な銀河」の発見


2. さらなる仲間

Galaxy      RA      Dec    Type             m_v      dim         RV    Dist

UGCA 86     03:59.9 +67:08 Irr ? S0 ?       13.5     0.8 x 0.7   +262  6200 
Willman 1    10:49.4 +51:03 dSph? GC ?       15.3        1.75           147
IC 5152     22:06.1 -51:17 IAB(s)m IV       10.6     4.9 x 3.0   + 30  5800

3. 局部銀河群の傍の銀河

Galaxy      RA      Dec    Type             m_v     dim          RV    Dist

NGC 55      00:14.9 -39:11 Sc/SB(s)m         8.8    32.4 x 5.6   +129  7000
NGC 404     01:09.4 +35:43 E0               10.1     4.4 x 4.1   +178  8000:
Cam A       04:25.3 +72:48 Irr              14.8     3.7 x 2.1         6500::
NGC 1569    04:30.8 +64:51 Irp+ III-IV:     11.2v    2.9 x 1.5   + 87  7500::
NGC 1560    04:32.8 +71:53 Sd               11.5v    9.8 x 2.0   +151  7500::
Argo dw     07:05.3 -58:31 Irr              14.2     3.5 x 1.7   +554 12000:
UGC 9128    14:15.9 +23:03 Irp+             14.4     1.7 x 1.3   +154




データの出展はSEDS: http://www.seds.org/messier/more/local.html
 

2005-09-13

ペルセウス座のNGC1023

NGC1023がメシエ天体ではないのは不思議なくらい明るくて立派な銀河です。視直径はアンドロメダ銀河M31の1/10くらいですが、形は非常に似ています。Ninja-400で見ていると双眼鏡で見たM31のようですね。ちなみに伴銀河が無いのでそこは寂しいのですが。周りに明るい星が並んでいて特徴的な形をしています。秋には天頂付近に来るので見やすくなります。

Ninja-400で詳しく見るとバルジの部分が膨らんでいるのが分かり、エッジオンの位置からちょっと斜めに見ているようです。

・NGC1023        10.4等

Ngc1023

ペルセウス銀河団AGC426

ペルセウス座β(Algol)から2.5度ほど東にあり、かなり密集した銀河団です。距離は2億3500万光年であり、うお座・ペルセウス座超銀河団の一部を成しています。この超銀河団は1000個以上の銀河を含むとのこと。

探すのは簡単でAlgolから辿ります。Ninja-320でも見ていましたが、この銀河団はなるべく口径が必要です。淡い米粒なような銀河がかなりな密度で集まっている様子が見えてきます。とくに淡いので長時間を掛けてじっくり見ることが必要ですね。一番明るい銀河NGC1272でも11.7等であり、他の銀河は13,14等ばかりです。
そのNGC1272傍のNGC1275は巨大な楕円銀河と渦巻銀河が衝突しており、そのため強力なX線源となっているそうです。おとめ座銀河団のM87のような存在ですね。HSTの写真では楕円銀河の前に複雑な暗黒帯が入り乱れて活動が激しい様子が見て取れますが、Ninja-400ではボーッとした楕円銀河にしか見えません。

ペルセウス銀河団ですがNinja-400では38個の銀河がカウントできました。ちなみに範囲は写真の倍ほどあります。代表的な銀河は以下のとおりです。

・NGC1265        12.1等
・NGC1275        11.9等
・NGC1272        11.7等
・NGC1273        13.2等
・NGC1281        13.3等

ペルセウス銀河団(AGC426) DSS写真

Perseus
プロットした銀河はNinja-400で見れたもの

うお座76番星の近傍の銀河群

うお座とアンドロメダ座の境界近くにある銀河群です。南北に8つの銀河が連なったように見えて面白い銀河群ですね。捜すのはアンドロメダ座β(Mirach)より、南にスターホップしての導入がお勧めです。銀河群自体は13等級くらいの銀河から成り立ちますので、口径30cmは見るためには欲しいところです。

・NGC379        12.8等
・NGC380        13.6等
・NGC383        13.4等
・NGC382        14.2等
・NGC386        14.3等
・NGC385        12.9等
・NGC384        13.1等
・NGC388        14.3等

傍にも13等くらいの銀河が多く見られます。春のおとめ座銀河団ほど派手ではないですが、山椒は小粒でという銀河も多いですね。

Ngc379

うお座のM74

うお座にありますが、捜すのはいつもおひつじ座の特徴的な三角形から辿ります。うお座のηを見つけて、その傍にあります。透明度の良い日はSky-90に低倍率でも見れます。
Ninja-400ではなんとなく2,3本の銀河の腕が見えますが、典型的なフェイスオン銀河なので空の状態が悪いと途端に見栄えが悪くなりますね。

・M74        10.0等

等級は明るいのですが、意外と辛いです。メシエマラソンでのスタートの銀河としても知られてますね。ただ淡いので夕暮れの薄明中に見つけるのはかなり難しいかもしれませんね。チャレンジしたことが無いので何とも申せませんが。

M74
DSSのプレートの関係で端にずらしています

2005-09-05

NGC891と周りの銀河群

NGC891はパロマ写真集で有名なエッジオン銀河です。エッジオン銀河で典型的なものの一つです。暗黒帯が見事に横一直線に入り、Ninja-500(50cmドブソニアン)で見たNGC891はシーイングも良かったせいか、暗黒帯が波をうっている様子まで分かりました。

この銀河は面積あたりの光度は低いようで、透明度が悪い空だと悲しいくらいに見えなくなります。暗い空と透明度が必要ですね。実視等級10.8等よりも暗く感じます。12等級くらいの感じでしょうか。視直径は14.3'x2.4'となっていて長さは満月の半分もあるのですが、エッジオンの面目躍如で幅は直径の1/7です。非常に均整の取れた銀河ですね。

・NGC891        10.8等

この銀河の形、大きさとも銀河系に非常に似ていて銀河系を横から見たようだと言われています。そう思いながら見てみるのも一興ですね。

さらにこの銀河の傍には0.5度ほど離れた場所にAGC347という銀河群があります。総じて13等級よりも暗いので、地味な銀河群ですが、NGC891の近くにあるため導入は容易です。ぜひ大口径ドブをお持ちの方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。
Ninja-400では銀河として12個が数えれました。秋には天頂付近に来て意外とよく見える銀河群だと思います。

NGC891と傍の銀河群AGC347
NGC891
*表示の銀河は確認できたもの

2005-09-03

M33

超メジャー天体のさんかく座にあるM33です。透明度の良い最高の条件の場所であれば、肉眼で確認できます。さすがに直視では見たことがありませんが、そらし目では富士山新五合目で確認できました。ボーッとした存在が分かる程度です。

Ninja-400で見てみると、大きく銀河の腕が2本見えるのとほかにも渦を巻いているのが良く分かります。またHII領域の存在や、大きな散光星雲であるNGC604が確認できます。ハッブル宇宙望遠鏡の写真でも有名になりました。ノーフィルタよりもアイダスLPS-P2フィルタを掛けると一層分かりやすくなりますし、OIIIフィルタならバッチリです。
倍率を上げてみても面白いですね。よその銀河でこれだけハッキリした散光星雲が見えるのは感動ですね。それだけ遠方でも大きくみえているということは、銀河系のローカルグループでも有数な散光星雲ということです。

ハッブル宇宙望遠鏡の写真を見ると、大マゼラン雲の中にあるタランチュラ星雲を思い出させます。複雑に暗黒星雲が入り組んだ様はまさに異様でグロテスクですね。

M33はフェイスオンで渦巻きを直接こちらに見せているので、空が悪いとテキメンに見栄えが悪くなります。市街地で見ると情けなすぎる姿です。ぜひとも良い空で見てみたい天体ですね。

M31には球状星団が200個以上カウントされていますが、M33にはほとんど見られません。銀河系はM31ほど大きくなく、M33に近いようですが、球状星団が少ないのはどういう理由なのでしょうか。不思議ですね。

ハッブル宇宙望遠鏡でのM33とNGC604
96-27


M33のDSS写真

M33

おひつじ座1番星の周りの銀河群

おひつじ座の特徴的な三角形の真ん中の星の近くに1番星があります。その星の周りに次の銀河が群れていますが、重力的な関係があるのかどうかは分かりません。
Ninja-400で見れたものをリストします。

・NGC678    13.3等
・NGC680    11.3等
・NGC691    11.4等
・NGC694    13.7等
・NGC695    13.8等
・NGC697    12.8等
・IC167        13.1等

渦巻銀河が多いので、たまたま同一方向に集まって見えているだけかもしれません。意外と明るい銀河が多く、口径20cm程度でも結構楽しめます。おひつじ座1番星も慣れると簡単に見つかりますので、導入も早いです。

NGC680

2005-08-27

小マゼラン雲 NGC346付近

小マゼラン雲の中を低倍率でながしていくと、たくさんの星雲星団を見ることができます。
中でもNGC346付近は、散りばめられた小さな散開星団に星雲が重なりとてもきれいな領域です。
視野に星々が多すぎて、とてもじゃないけど描き切れません。

SMC-ngc346
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転)

宮内対空双眼20X100mm(2.5°), 2004.9.18, クーナバラブラン(オーストラリア)

2005-08-20

UGC 3697 : Integral sign galaxy

UGC  3697
Magnitude: 12.9
RA: 07h 11m 24s
Dec: +71°50' 00"

Size: 3.5 x 0.3

Integral sign galaxy

一度だけしか見たことがありませんが、写真のように曲がった感じには見えず、直線状でした。

pgc_20348

2005-08-15

NGC5128

ケンタウルスAと呼ばれ全天で一番明るい電波天体ですね。まあ銀河系は除きますが。三原さんの写真に触発されて掲載しました。
DSSの写真を載せますが、なんと短焦点屈折+デジタル一眼がほぼ互角で写ってます。NGC5128の描写では解像度はDSSのほうが高いようですが、カラーで潰れないでラチチュードが広く写っているのは驚異ですね。またNGC5128の極方面へこの銀河が広がりがかなりあるのが両方の写真で見ることが出来ます。これは眼視では感じませんでした。
まあ写真の素人の私がコメントするのはこれくらいにしときます。粗が分かってしまうので(^^;;

このNGC5128はオメガ星団よりほぼ真北に4度ほどの位置にあり、赤道儀であればオメガ星団を入れて北極星の方向に鏡筒を振れば簡単に見えてきます。
この天体を見るのは冬から春になりますが、新五合目が使えない季節なので、富士山西臼塚駐車場や粟倉駐車場で見ると、なさけないくらいの中心部近くの淡い銀河と暗黒帯がなんとか確認できるだけです。
南天が暗い場所では途端に迫力が増し、複雑な暗黒帯の様子が見え出します。これだけ迫力の暗黒帯が見えるのはNGC5128ならではでしょう。

またNGC5128の近くにはケンタウルス銀河団があり、銀河好きにはたまらない場所です。

NGC5128

ろ座の矮小銀河(Fornax Dwarf)と球状星団NGC1049

ろ座にある我々銀河系の近傍にある仲間とも言える矮小銀河MCG-6-7-1です。矮小銀河でもかなり淡い部類で、眼視ではちょっと見えそうもありません。
ただし銀河系に近いためか球状星団は幾つか見ることが出来ました。

特にNGC1049が特に明るく、ろ座矮小銀河で唯一NGCナンバーが付けられています。Ninja-400で見てみると、球状星団らしく滲んだ感じで見えてきます。他の球状星団は恒星のようにしか見えませんでした。

NGC1049の視野

NGC1049

銀河系外の球状星団でこれだけ簡単に見えるのはなかなかありません。アンドロメダ銀河のG1などがありますが、NGC1049ほどは明るくありません。
以下に見れたもののデータを記します。

・NGC1049        12.6等    0.8'
・Fornax5          13.4等    1.7'
・Fornax4          13.6等    0.8'

以下はまだ見れてません。
・Fornax6        --          0.6'
・Fornax2          13.5等   0.8'

矮小銀河のほうはDSSの写真でもかなり淡くかろうじて写っているだけです。
写真派の皆様、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。最近のデジタル一眼ではDSSの写真よりも暗いものが短焦点屈折でも写るようです。

ろ座の矮小銀河全景(NCG-6-7-1)

Fornax

2005-08-13

うお座の見ごたえある銀河群NGC7619etc

うお座の見ごたえのある銀河群を紹介します。
MegaStarのカタログはされていませんが、これだけ明るい銀河が密集しているのは何かの銀河群や銀河団であろうとは思います。偶然同じ方向にこれだけ銀河があるとは確率的にかなり稀でしょうし。

DSSの写真では視野の中に46個の銀河がリストされますが、さすがにそれだけは見えませんが、Ninja-400でカウントしたところ12個が見れました。そのリストを以下に書きます。

・NGC7619    11.0等
・NGC7626    11.1等
・NGC7623    13.3等
・NGC7611    12.5等
・NGC7617    13.8等
・NGC7631    13.3等
・NGC7608    14.0等
・NGC7615    14.3等
・NGC7612    13.7等
・IC5309       13.7等
・UGC12510  14.0等
・UGC12522  14.7等

晩秋の透明度の良い空で確認できたものですが、さらに透明度が良い対日照が見えるような空で挑戦してみたいですね。

どのDSS写真もそうですが、青い円は0.5度の視野を示しています。Ninja-400でもっともバランスが良い視野だと思ってます。倍率は160倍程度になります。瞳径が2.5mmで光害の多い日本ではちょうどくらいでしょうか。また月の大きさですので、参考にしてください。

DSSの写真

NGC7619

導入チャート

P050813_195004

2005-08-12

つる座の見ごたえある銀河群NGC7582etc

NGC55よりもさらに3度ほど南になりますので、かなり見づらい天体ですが、南天の透明度が抜群に良い空でチャレンジしてみてください。
厳密には銀河群ではないようですが、私は南天の"Grus Triplet"だと勝手に名づけてます。まさにしし座のM65,M66,NGC3628に相当する素晴らしい見え方です。特にオーストラリアで見ると天頂近くに昇ってきてNinja-400で見ると似たような大きさ見え方の3つの銀河と、ちょっと離れた場所に一つ銀河が見えます。構成する銀河は以下のとおりです。

・NGC7582    11.4等
・NGC7590    12.1等
・NGC7599    12.1等
ちょっと離れて
・NGC7552    11.3等

NGC7582

2005-08-11

アインシュタインの十字 : QSO 2237+0305

22h 40m 30.3s
+03°21' 31.0"

QSO 2237+0305
まだ見たことないのですけど、ギリギリで見えそうな明るさです。
Einstein Cross

qso22370305

2005-08-10

ステファンの5つ子

NGC7331を書くとすると次はステファンの5つ子(Stephan's Quint)を書かないわけにはいきませんね。Hickson92とも呼ばれていて重力で関係する銀河が4つ近接しています。全天でもそこそこ明るい銀河が4つも集まっている例は少ないです。NGC7320はたまたま同一方向に見えているだけで、後の4つとも縁もゆかりも無いそうです。

各天体の等級は以下のとおりです。
・NGC7317    13.6等
・NGC7318A  14.3等
・NGC7318B  13.9等
・NGC7319    13.1等
・NGC7320    13.2等

光度としてはかなり近いものがあります。5つ子たる所以でしょうか。
私がこの天体を最初に見たのはもう9年ほど前にNinja-320で富士山須走五合目で見ました。それから何回もNinja-320で見ていますが、どう見ても4つまでしか見えずNGC7318AとBが分離して見れなかったのです。Ninja-400を購入して真っ先にこの天体を見たところ、綺麗に銀河のコアが見えて初めて5つの銀河を確認できたのです。
Ninja-320と400の口径差を初めてハッキリ確認できた天体でもあります。

今ではドブの対象としてかなり有名になりました。淡い米粒のように見えてなかなか味わいがあります。ぜひ大口径で見てみたい天体でもありますね。

ちなみにNGC7331のほんの0.5度南西に離れた場所にありますので、導入はNGC7331を見つけると意外と簡単です。透明度の良い暗い空であれば、ちょっと視野を振るだけで簡単に淡い天体が集まるボーッとした領域が分かるハズです。ぜひ200倍以上で見てみると良いと思います。倍率が高くても結構見えますし、NGC7318A,Bに分離せず5つ子には見えませんよ。

NGC7331とステファンの5つ子
(青の円は0.5度の視野)

Stephen

ステファンの5つ子 拡大写真

Stephen1

2005-08-08

NGC7331と伴銀河群

ペガスス座にある銀河です。
この天体のすぐ傍、0.5度ほど南西には有名な"ステファンの5つ子"があります。この銀河自体かなり明るく立派なもので、メシエ天体になってもおかしくないほどの天体です。等級は9.4等で、姿は超有名なアンドロメダ銀河をそのまま小さくした風です。ミニアンドロメダとでも呼びたいくらいですね。

この銀河には割りと明るい伴銀河群があり、特徴的な三角形の星の並びの傍にNGC7335(14.4等)、NGC7337(15.2等)、NGC7340(14.7等)の3つが見えます。Ninja-320で良い空であればかろうじてそらし目で見える感じで、Ninja-400ではさらに確実に見えました。
空の状態が少しでも悪くなると、まったく見えなくなるため、空の状態のバロメータに使ったりしていました。
他にも近くには銀河があるのですが、天体が暗いためか見れたことはありません。

この銀河を見るのは200倍くらいで迫力満天で見てみたいですね。まさにアンドロメダ銀河を30倍くらいで見ている雰囲気になります。

NGC7331

2005-08-06

ヘルクレス座の球状星団 : M13と隣接する銀河

超メジャーなので今さらって感じかもしれませんが、球状星団の周りに幾つかの銀河があって、同一視野に見える時って、安田さんが散開星団と銀河のナイスペアのところで紹介していたように、距離感から、宇宙の奥深さを知ることができて感激ものです。

M13とNGC6207はたぶん、30cm程度の口径があれば見えると思いますが、M13とNGC6207の中間に見えるIC4617は15.2等なので、40cm以上の口径であれば見えるかもしれません。僕はIC4617を見たことがありません。

これはメジャー過ぎるくらいだから座標データは無しでもかまいませんよね。

m13_NGC6207

2005-08-01

いて座の 銀河 NGC6822: Barnard's galaxy

19h 44m 57s
-14d 48' 23"
2000

Barnard's galaxy
南八ヶ岳の住人さんの記事を読んで思い出したように。8.7等級、14'×15'
とても淡いので見難いですが、さすがオーストラリアの空はこれをいとも簡単に見えちゃうんですね。

ngc6822

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きりん座の淡くて巨大なフェイスオン銀河 IC342

きりん座の北部にある淡いフェイスオン銀河です。全高度は9.1等と銀河としてはかなり明るいのですが、視直径が大きくNGC253の長さを円形にしたほどです。そのため面積あたりの光度が落ちてしまうことと、周りが天の川の中ですので、よほど光害が少ない観望地でないとなかなか見つけるのは難しいですね。

私がこの銀河を初めてみたのは、2年前の高峰高原ででした。11月の寒い透明度の良い夜でNinja-400で見れましたが、なるべく口径が欲しいところです。なんとなく淡く見えると感動です。ホント大きいのを実感します。この銀河が見えるというのは、かなり条件の良い観望地ということだと思います。

これだけ大きいということから容易に想像付くと思いますが、銀河系に近いということですね。つまり銀河系の仲間であるローカルグループ(局部銀河群)に属した天体です。夏秋で天上に昇ってきます。一度、チャレンジあれ。

IC342

2005-07-29

散開星団と銀河のナイスペアNGC6946,NGC6939

全天で散開星団と銀河のナイスペアと言えば、NGC6946とNGC6939に勝るものは無いでしょう。等級も大きさもほぼ同じで、片方はよく見ると細かい星々の散開星団、片方はうっすら腕の見えるフェイスオン銀河。それぞれ7.8等、9.6等ですが、空さえ良ければ同じくらいの明るさに見えます。

またケフェウス座にあるので、割と長期間見えていることもあり、空の透明度を測るバロメータにもしています。空がちょっとでも悪いと、銀河のほうは見えなくなってしまいます。フェイスオン銀河の場合はM33,M101など皆、光害には弱いですね。

去年の夏でしたか、このペアの銀河のほうNGC6946に超新星が現れました。かなり超新星が頻度高く現れる銀河としても有名なようですね。銀河内部が活発に活動中なのかもしれません。

このペアはメシエナンバーは付いてませんが、十分なメジャー天体ですね。「星雲・星団ウォッチング」でも紹介されています。私のほうかなりお気に入りペアですね。

DSSによるNGC6946,NGC6939
NGC6346

2005-07-24

ヘルクレス銀河団AGC2151

昔で言うとパロマの写真集で有名な銀河団です。銀河団の中心近くのNGC6045という変形した銀河が目印です。
場所はヘルクレス座とへび座の境界近くにあり、へび座の頭となる二等辺三角形の星の近くになります。

決して明るい銀河は無いですので、どうしても口径30cm以上の望遠鏡が対象となりますね。一番明るい銀河でも13等級台後半です。Ninja-400では透明度の抜群に良い空で30個の銀河を数えることが出来ました。15.5等くらい見えていた夜ですね。
カタログされているものでもこの写真の視野で100個以上の銀河があります。

一度、大口径で最高の夜にどれだけ見えるかカウントしてみたいものです。写真の対象としても面白いものですね。

AGC2151

2005-07-21

SN2005cs in M51

遅ればせながら

赤経: 13時29分52.85秒
赤緯:+47度10分36.3秒(2000年分点)

M 51の中心核から南に67秒ほどのところです。sn2005cs

2005-07-20

SN2005cz in NGC4589

りゅう座の楕円銀河NGC 4589に超新星が見つかりました。

赤経: 12時37分27.85秒
赤緯:+74度11分24.5秒  (2000年分点)

で、銀河の中心から東に12秒、南に6秒にあたります。

16等くらいで爆発後まもなくの発見だった様子。14等級台まで明るくなるだろうとの見積もりです。

sn2005cz

2005-07-18

アンテナ銀河

これはアンテナ銀河と呼ばれていますが、オーストラリアで観望したときにはアンテナの根元のあたりがNinja-400ではなんとか見れました。
また中心部の複雑な構造も見て取れ、素晴らしい眺めでしたよ。Anntena

M51

M51については語りつくせないほど思い出があります。昔々もう7年ほど前だったのですが、このブログの母体となる富士山アストロクラブの前身である富士山くらぶでマイフェバリット天体のアンケートを取ったときに第1位となった天体です。

もう口径20cmのC8でも腕が見え出し、伴銀河と連結する姿が面白いです。Ninja-400では大きく二つの腕が複雑に巻いているところなどが見れて壮観ですね。物の本によると伴銀河のほうが重いそうで、古い星々で構成されているそうです。宇宙望遠鏡で紫外線で捉えると伴銀河は写らないのが不思議でした。

今ここに超新星が現れています。まだ私も見れていないですが、ぜひ有名な銀河に現れた超新星ですので、見てみたいと思っています。

SN2005cs in M51

M51