2006-01-06

しし座の銀河群Hickson44

Hickson44はしし座流星群の輻射点あたりにある有名な割とコンパクトな銀河群です。しし座の鎌を構成するしし座γ(Algieba)とζ(Adhafera)の中間あたりにある星がちょっと密集している場所に望遠鏡を向けると導入が出来ます。非常に簡単ですので、探してみてください。

私は子供の頃、パロマ天文台のシュミットカメラで撮影したものを初めてみたのですが、非常に印象深い天体でした。4つ明るい銀河が群れていて、それぞれの銀河がとても特徴的な形をしています。とくに棒渦巻銀河であるNGC3187の特異な銀河腕の伸び方は変わっています。Ninja-400では残念ながらNGC3187の腕はとても淡いようで見る事は出来ませんでした。ボーッとした楕円状の星雲に見えるだけでした。

またNGC3190はこの銀河群の代表的な立派な渦巻銀河です。Ninja-400ではシーイングと透明度とも良い日にかろうじて暗黒帯が見えますが、かなりシーイングが良くないと分解しません。この銀河には2002年に超新星が現れました。SN2002boです。茅ヶ崎市にお住まいの広瀬洋治さんが第二発見者となったもので、15.5等級で発見されたものです。当時、Ninja-400でこの銀河を見ていましたが、超新星には気づきませんでした。15等級という暗さと、また銀河中心に近いところに出現したことも眼視では厳しいですね。

広瀬さん、またも超新星を発見(NAOニュース)

・NGC3190(Hickson44A)    12.1等
・NGC3193(Hickson44B)    11.8等
・NGC3185(Hickson44C)    13.0等
・NGC3187(Hickson44D)    13.4等

Hickson44は導入簡単、それなりにドブソニアンでも楽しめる銀河群の代表的なものです。

DSSでのHickson44
Hickson44

2005-12-22

レグルス近傍の銀河LEO1

LEO1(UGC5470)はしし座の1等星であるレグルスの20分ほど北にあります。銀河系が属しているローカルグループの仲間であり、楕円銀河(E3)で矮小銀河と考えられます。DSSの写真でも見るとおり、かなり淡い銀河であり、さらにレグルスの強烈な明かりがすぐ傍にあるため、眼視では難しいものだと思っていました。

今年(2005年)の1月の透明度の良い冬晴れの日に、南伊豆にてNinja-400で観望したところ、レグルスを視野の外に置くことで、かなり淡いボーッとした楕円状のLEO1をかろうじて確認することが出来ました。DSSの写真のとおり、かなり広がっていて、等級が明るい割りにほとんど見れないのは面積あたりの光度が低いためです。

・LEO1    11.2等

距離は90万光年で、アンドロメダ銀河までの距離の約1/3という近さですが、いかんせん矮小銀河で星数が少なく、目立ちません。この銀河の発見も1950年になって、R.G. HarringtonとA.G. Wilsonによってパロマ天文台の48インチのシュミットカメラで検出されました。眼視での検出は1990年になってからだそうです。それだけ難物だったのでしょう。

Ninja-400ではヌケの良さを求めレグルスを視野から外すために、プラノキュラーとx2バローで120倍にして見ることができました。そらし目にして視野を動かすことで確認が出来ます。白濁したようなボーッとした姿が分かります。

DSSによるLEO1
Leo1