2006-01-25

おうし座の超新星残骸SH2-240

おうし座とふたご座の境界あたりにある非常に大きな超新星残骸です。Siemeis 147としてもカタログされています。直径は3度もあり、かなり広がっており、写真でもかなり淡い天体になります。約10万年前に爆発した超新星の残骸が広がっている姿で、広がりは150光年にもなっているそうです。ちなみに距離は3,000光年で網状星雲の約2倍ほど離れていて、実直径は3倍ほどです。

写真では不思議な天体でまさか眼視では見えないと思っていました。ただ昔、米国の天文雑誌のSky & Telescopeでスケッチを見た記憶があり、いつかは一部だけでも見てみたいと思っていました。日本ではほぼ天頂付近を通過するため条件は良いハズです。

そこで最高の透明度の夜に南伊豆でこの星雲をNinja-400でチャレンジしてみました。DSSの写真で少しでも濃い部分を狙ってMegaStarの星図と照らし合わせながら、探してみるとかろうじて淡く見える部分を発見。もちろんノーフィルタではまったく分かりません。
プラノキュラー30mmとOIIIフィルタの組み合わせで瞳径7mmとして、かろうじて分かりました。Sky-90でもなんとなくあるような感じですがこれは自信はありません。Ninja-400でかわのさんにも見ていただき、なんとなく星雲状のものがあるのは感じるとのこと。場所はSH2-240でも写真から濃いと思われるGSC1873:935のあたりとGSC1874:453のあたりです。もう見えるというより感じるというほど淡いものでした。DSSでの中心部分は一番濃い部分と思われて眼視でとても淡いながら確認できた部分です。DSSの写真では一番右上の部分も恒星の周りで不均一に光芒が広がっていることから、たぶん星雲だろうと考えています。

決して心眼のつもりではないので、どなたかの追試をお願いしたいところです(^^)/

当日の夜は透明度9/10もしくは10/10というかなり良い空で、この天体に限らずメジャー物はすべて最高の見え方をしていました。瞳径で7mmが使える環境ってオーストラリア以来でした。対日照がふたご座の真ん中あたりに見え、黄道帯が薄っすら分かるという空でした。至福の時間ですね。

DSSでのSH2-240

Sh2240
あまりに大きく全体は直径3,4度もあります。

2005-12-28

ケフェウス座散開星団NGC188

北極星から3度ほど南に行ったところにある散開星団です。NGC188はPatrick Mooreが提唱しているCaldwellカタログの1番とされています。北極星に近いため1年中見えています。メジャー天体ではありませんが、種々面白い特徴があり、散開星団と分類されながら、非常に年齢の古い散開星団だということで、恒星や星団の進化において研究対象にされてきた星団でもあります。年齢が240億年と算出されたこともあり、当然現在の宇宙の年齢予測である137億年を越えてしまう変なこともありました。現在では50億年と見積もられています。HR図上ではM67などの恒星分布に近く、温度が低い絶対等級が低い星々で構成されています。

星数は120個が割と広がって集まっており、星々も12~13等級で意外と地味です。ただ銀河系内での研究に役立っている星団として見てみるのも一興かと思います。

・NGC188    8.1等


DSSによるNGC188

Ngc188_2

2005-12-22

レグルス近傍の銀河LEO1

LEO1(UGC5470)はしし座の1等星であるレグルスの20分ほど北にあります。銀河系が属しているローカルグループの仲間であり、楕円銀河(E3)で矮小銀河と考えられます。DSSの写真でも見るとおり、かなり淡い銀河であり、さらにレグルスの強烈な明かりがすぐ傍にあるため、眼視では難しいものだと思っていました。

今年(2005年)の1月の透明度の良い冬晴れの日に、南伊豆にてNinja-400で観望したところ、レグルスを視野の外に置くことで、かなり淡いボーッとした楕円状のLEO1をかろうじて確認することが出来ました。DSSの写真のとおり、かなり広がっていて、等級が明るい割りにほとんど見れないのは面積あたりの光度が低いためです。

・LEO1    11.2等

距離は90万光年で、アンドロメダ銀河までの距離の約1/3という近さですが、いかんせん矮小銀河で星数が少なく、目立ちません。この銀河の発見も1950年になって、R.G. HarringtonとA.G. Wilsonによってパロマ天文台の48インチのシュミットカメラで検出されました。眼視での検出は1990年になってからだそうです。それだけ難物だったのでしょう。

Ninja-400ではヌケの良さを求めレグルスを視野から外すために、プラノキュラーとx2バローで120倍にして見ることができました。そらし目にして視野を動かすことで確認が出来ます。白濁したようなボーッとした姿が分かります。

DSSによるLEO1
Leo1

2005-10-12

M1 かに星雲

おうし座のM1かに星雲です。私は、未だにカニに見えたことはありませんけど。。。

フィラメント状の構造を写すにはフィルターが必要そうですね。

今回は、かなり無理な画像処理で少し強調してみました。

M1_1

Canon EOS20Da

Canon NFD300F2.8 + Canon 2Xテレコン

ISO800 4分×3 ノイズリダクションON

中心部分を800x600ピクセルにトリミング

P2Zにてノータッチガイド

2005-10-10

銀河系で一番遠い球状星団NGC2419

ハロー・シャープレーが球状星団の分布から銀河系の様子を推定した話は有名ですが、その学説により太陽系は銀河系中心から2.8万光年離れて存在していて、言わば銀河系の郊外に我々は住んでいるということ、つまり認識の転換に繋がったということは凄いことだと思います。コペルニクス的転換ですか。

この球状星団は地味なのですが、この天体を有名にしているのは地球から一番遠くに見える銀河系の球状星団だということですね。位置はやまねこ座にあり、銀河中心とは反対方向にあります。このあたり冬の球状星団で目立つのは、うさぎ座のM79くらいですね。

Ninja-400でこの星団を見ると周辺がツブに分かれます。一番遠くても割りと立派なのは規模としてはかなり大きな星団なのだと思います。決して派手ではなく大口径にお薦めという感じです。

私の導入パターンはふたご座から辿ります。赤道儀であればカストルから5度ほど北に振れば入ります。私の場合は赤道儀は使わないので、カストルからのスターホッピングで導入しています。

DSSでのNGC2419
Ngc2419

2005-10-01

Nova Sct 2005

たて座に新星が発見されました。
星図を小さくすると分かりにくくなるので、オリジナルを別サーバーに置いておきます。
18h 32m.1
-06°43'.6 (J2000.0).

9/29の撮像データによれば10.3等級とのこと

2005-09-19

NGC507とその周りの銀河群

NGC507と傍に群れる銀河群は特にカタログはされていません。場所としてはアンドロメダ座β(Mirach)とM33のちょうど中間あたりになり、導入は分かりやすい場所にあります。たまたま同一方向に銀河が集まっているのかもしれません。渦巻銀河が多いのもたまたま同一方向なのかなと思わされます。

Ninja-400を使いNGC507を中心として視野1度の範囲で17個の銀河をカウントできました。意外と良く見えるのでお勧めしたいと思います。以下にNGC507を中心とした時の視野0.5度の範囲の銀河をリストします。

・NGC507    11.2等
・NGC504    14.0等
・NGC499    12.1等
・NGC494    13.8等
・NGC508    14.1等
・NGC501    14.5等
・IC1689    14.7等
・IC1690    14.9等

DSSによるNGC507と銀河群

Ngc507

アンドロメダ銀河M31の伴銀河NGC147とNGC185

NGC147とNGC185は共にアンドロメ銀河M31の伴銀河です。M31よりは視野角で8度も離れており、距離では約30万光年離れています。M31より離れているせいであまり伴銀河という感じはありませんね。

二つの銀河とも楕円銀河でとりたてて特徴はありませんが、大きく非常に淡い銀河です。局部銀河群としての証ですね。銀河自体は明るいのですが、視直径が10'ほどもあるために面積あたりの光度が暗いから淡いようです。空さえ良ければ簡単に見れるので我々銀河系の仲間としてみるのも一興ではないでしょうか。

・NGC147    10.5等
・NGC185    10.1等

DSSによるNGC147,185
Ngc147185

冬のくらげ星雲IC443

読者の天体写真等で有名な超新星残骸のIC443です。写真では赤くクラゲ状に写っています。もう6年ほど前の冬の透明度の良い富士山西臼塚駐車場で初めて見れました。確かスタースプリッター45cmとOIIIフィルタの組み合わせだったと思います。眼視では見れないものと諦めていたので見れたときはちょっとした感動でした。
導入は非常に簡単です。ふたご座の特徴的な並んだ星であるμとηの間にあり、淡い星雲ですが位置は分かりやすい場所にあります。

それからNinja-400でも何回も見ていますが、クラゲ状には見えず三日月状というか、ブーメランのように見えます。写真に写っているクラゲの足はさすがに眼視ではまったく分かりませんでした。非常に淡くOIIIフィルタで低倍率にして透明度の非常に良い空で辛うじてという感じでしょうか。Ninja-320では分かりませんでしたので、ここは口径差が現れたものでしょう。
秋から冬にかけては天頂近くに見えますので、冬の透明度の良い空で狙ってみてはいかが。

DSSによるIC443

Ic443

アンドロメダの銀河団AGC262

秋は春と同じく銀河が見やすい季節です。特に春はなかなか透明度が良い日が少ないことや天候不順で秋の夜長が銀河が楽しむには最適でしょう。
その中でも幾つか目立つ銀河群/銀河団があります。このAGC262は密集度は高いほうではありませんが、13等級ぐらいの銀河も幾つかあり、割と見やすい銀河団です。

場所はアンドロメダ座とさんかく座の境界近くにあり、明るい散開星団NGC752のすぐ近くにあるため導入は容易です。NGC752から2度ほど南西に行った場所にあります。一般的な銀河群/銀河団は楕円銀河が多いのが普通ですが、このACG262は渦巻銀河が多いことが特筆できます。ただ渦巻銀河は多いのですが、Ninja-400ではいかんせん暗い銀河であるために渦巻ということは分かりません。
まばらな銀河団とは言え、中心部には0.5度の視野で8個の銀河が群れていてかなり見ごたえがあります。
Ninja-400ではこの銀河団の銀河として40個ほどカウントできました。中心部の銀河としては以下のものをリストします。

・NGC703    13.2等
・NGC704    14.1等
・NGC705    14.6等
・NGC708    13.7等
・NGC709    14.2等
・NGC710    14.3等
・NGC714    13.1等
・NGC717    13.8等

銀河の明るさからはペルセウス銀河団とほぼ同等の銀河団と言えると思います。

DSSによるAGC262

Agc262
中央部の青の円は視野0.5度の円

2005-09-13

オリオン座のバーナードループ

天文雑誌の読者の写真コーナーでは定番のバーナードループでしたが、最近では飽きられたのか最近減りました。
名前の由来は、ご想像のとおり天文界では有名なバーナードが1895年に写真により発見したからです。尊敬する藤井旭さんの"全天星雲星団ガイドブック"や浅田英夫さんの"星雲星団ウォッチング"ではこの星雲は眼視では見れないということが書かれていますが、透明度の良い空にHβフィルタを使うと、割と楽に見ることが出来ます。時代の進歩というか眼視の世界も日進月歩なんだと思います。

このバーナードループを見るのには、視直径が長軸のほうで7度以上もあるため、ヌケの良い短焦点屈折が最適です。Sky-90にプラノキュラ(30mm88度)アイピースとHβフィルタを組み合わせるとオリオン座の北部に回りこんでいる姿を見ることが出来ました。南のほうはM42の南緯くらいまで見れます。ただ大変淡く写真で写るM42の下あたりはまったく分かりません。

Ninja-400の最低倍率でHβフィルタを組み合わせると見ることが出来ますが、視野を大きくはみ出してしまい逆に分かりづらくなります。散開星団NGC2112のちょっと南あたりが一番濃く感じます。まずはここを入れてみて周りと比べてみると分かると思います。もちろん使うテクはそらし目です。

バーナードループ自体はもともとは超新星爆発であったのが形状からも見て取れますが、現在は超新星残骸特有のシンクロトロン放射によって光っているのではなくオリオン座の若いOB星により紫外線を受けて光っているようです。それで散光星雲に分類されます。

一度、Hβのみ通過のコンテクトレンズでも作ってオーストラリアにて肉眼チャレンジでもやりたいですね(^^)/ OIIを通すのはありますが。意味が違うか(^^;
どうしてもHβフィルタだと視野が暗くなりますので、ブルーベリーでドーピングですか。

バーナード星雲あたりのオリオン座中心部星図
Sh2276

うお座76番星の近傍の銀河群

うお座とアンドロメダ座の境界近くにある銀河群です。南北に8つの銀河が連なったように見えて面白い銀河群ですね。捜すのはアンドロメダ座β(Mirach)より、南にスターホップしての導入がお勧めです。銀河群自体は13等級くらいの銀河から成り立ちますので、口径30cmは見るためには欲しいところです。

・NGC379        12.8等
・NGC380        13.6等
・NGC383        13.4等
・NGC382        14.2等
・NGC386        14.3等
・NGC385        12.9等
・NGC384        13.1等
・NGC388        14.3等

傍にも13等くらいの銀河が多く見られます。春のおとめ座銀河団ほど派手ではないですが、山椒は小粒でという銀河も多いですね。

Ngc379

2005-08-31

こぎつね座 M27(スケッチ)

先日のふねさんの投稿でのおすすめとは違って、小口径・低倍率・ノーフィルターでのM27です。
横方向への広がりははっきりしませんが、縦横にムラのある円形であることはわかります。
スケッチではやや先入観があるのか、横方向にだいぶ広がって描かれていますね。(^_^;

m27
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転)

ビクセン シャトルスコープ80s(口径80mmF6)+ LX-21mm(天頂プリズム併用)
2004.10.17, スターフォレスト御園

2005-08-26

ペガスス座の惑星状星雲 : NGC7094

Magnitude: 13.4
RA: 21h 36m 53s
Dec: +12°47' 22"

Size: 1.6 x 1.6
中心星 13.6 等

星図中、中央の星の周りにとても淡く、1'強の円状に写っています。
中心星は間違いなく見えるのですが、星雲部分を見るにはFilterが必須でしょう。

M15の2°ほど東なので、場所と中心星を見つけるのは容易です。

M15の中にある惑星状星雲にチャレンジした後はこちらで骨休めをして見ましょう。

ngc_7094

ngc_7094n

はくちょう座の惑星状星雲 : Humason 1-2(Hu1-2) 、PK 86-8.1

Magnitude: 12.7
RA: 21h 33m 07s
Dec: +39°38' 21"

Size: 0.1 x 0.1
中心星 13.3 等

M27を小さくしたようなBipolar Planetary です。僕は未だ見たことが無いのですけど、中心星も見えるそうです。
近くに明るい星が無いせいで、とても見つけにくいでしょう。

humason_12

2005-08-23

ぎょしゃ座の惑星状星雲 : IC2149

Magnitude: 10.6
RA: 05h 56m 24s
Dec: +46°06' 19"

Size: 0.6 x 0.6
中心星 10.5 等

割と簡単に中心星を見ることができます。この辺りには余り惑星状星雲が無いので、貴重な存在。倍率を上げて見ると、落花生のように少し伸びた楕円形であることが分かります。
また導入もMenkalinanの直ぐ傍なので超簡単でしょう。

ic_2149

2005-08-22

オリオン座の惑星状星雲 : NGC2022

Magnitude: 11.6
RA: 05h 42m 06s
Dec: +09°05' 12"

Size: 0.7 x 0.7
中心星 15.2 等

とても可愛らしい形なんだけど、中心星は見えなかった。
オリオン座のベテルギウスとメイサのちょうど中間くらいで探し易い位置ではあるけど、フィルターを付けて探さないと見つけることはできない。

ngc_2022

2005-08-21

ペルセウス座の惑星状星雲 : IC351

Magnitude: 11.9
RA: 03h 47m 33s
Dec: +35°02' 50"

Size: 0.3 x 0.3
中心星 15.0 等

明るい惑星状星雲です。倍率を上げても構造は見えてきません。また、中心星も見えてきません。ただし、この辺りを見るときの気候が悪いのかシーイングの良い晩にめぐり合ったことが無いので、もっと倍率を上げると何かが見えてくるのかもしれません。

ic_351

ペルセウス座の惑星状星雲 : IC2003

Magnitude: 11.4
RA: 03h 56m 22s
Dec: +33°52' 32"

Size: 0.3 x 0.3
中心星 15.3 等
すぐ南西(18")に12等星の恒星があります。

明るく綺麗な惑星状星雲です。小さいせいか構造まで良く見えません。もちろん中心星は見えたことがありません。

ic_2003

2005-08-19

きりん座の惑星状星雲 : NGC1501

Magnitude: 11.5
RA: 04h 06m 59s
Dec: +60°55' 17"

Size: 0.9 x 0.9
中心星 14.4 等

星雲自体が淡いせいか、中心星は比較的見易い方だと思います。太いリング状ないしは、中心だけが抜けたような形に見えます。その抜けたところに中心星が見える。

ngc_1501

カシオペヤ座の惑星状星雲 : IC289

Magnitude: 13.2
RA: 03h 10m 19s
Dec: +61°19' 03"

Size: 0.8 x 0.8
中心星 16.8 等

綺麗な円形です。中心星、写真では綺麗に写っていますけど、この明るさじゃ見えませんね。

ic_289

2005-08-18

ペルセウス座の惑星状星雲 : M76 小あれい星雲 NGC650

Magnitude: 10.1
RA: 01h 42m 18s
Dec: +51°34' 17"

Size: 3.1 x 3.1

こぎつね座のあれい星雲M27を小さく暗くした感じの星雲。1780年にドイツのメシャンが発見したもので、メシエも同じ年に見ている。中心星は17等星で、この星から発せられる紫外線によって輝いている。距離 8180光年とのこと。写真などで見ると双極ジェット風の姿をしているけど、眼視ではそこまでは見えたことが無い。双極ジェットの解説の時には必ずといって良いほど引き合いに出される対象だから眼視で、もう少し見えてくれると良いのですけど。さそり座のNGC6302の方がM76よりも双極ジェットの感じを強く受けます。

messier_076

アンドロメダ座の惑星状星雲 : NGC7662 Blue Snowball 青い雪だるま

Magnitude: 8.3
RA: 23h 25m 54s
Dec: +42°32' 08"

Size: 0.6 x 0.6

青い雪だるまという愛称で有名なNGC7662です。

30cm以上で500倍くらいの倍率で見ると、二重のドーナツ構造のような感じが見えてきます。雪だるまという表現よりはふわふわボールという感じがします。
真ん中が少し周囲よりも暗い様子が見えると思います。

とても明るいので、色も緑っぽい青に見えると思います。秋の惑星状星雲はこれからスタートでしょう。

ngc_7662

2005-08-16

いて座の暗黒星雲 : B86 : Ink Spot

いて座のNGC 6520のすぐ西にある暗黒星雲 B86 :  Ink Spot と呼ばれています。
とてもくっきりしているので、初めて暗黒星雲を見る方には優しい対象です。

   
18 02.7-27 50

双眼鏡や小口径望遠鏡でも存在は確認できます。
散開星団が近くにあるせいでよりはっきりと見える気がします。

この辺りには暗黒星雲が幾つもあるのですが、一般的な星図にはあまり出ていないのであまり知られていないようです。自身もKimataさんに言われるまで探そうとさえしたことがありませんでしたが、それを機に、この辺りの暗黒星雲を幾つか探して辿った事があります。ただ、星雲は星雲でも何も見えないで星雲と呼ぶのは抵抗があります。

dark_b86

2005-08-15

へびつかい座の惑星状星雲 : NGC6309 : BOX Nebula

RA: 17h 14m 04s
Dec: -12°54' 37"

Size: 0.3 x 0.3
11.5等 、 中心星 14.4等
Box nebula
て さんのお誘いに乗りまして、ご紹介です。なぜBoxと呼ばれるのか分からない。

倍率を上げて見ても写真のようなひげは見えないし、ヒゲが見えたとしてもひげとBoxの関係が分からない。長方形っぽく見えるのですけど。中心星を見たことは有りません。ただ、倍率を上げると南北に少し濃さが違う構造が見えてきます。どっちが濃かったか忘れました。(^^ゞ
M2-9 バタフライの直ぐ傍ですよね。

ngc_6309

ろ座の矮小銀河(Fornax Dwarf)と球状星団NGC1049

ろ座にある我々銀河系の近傍にある仲間とも言える矮小銀河MCG-6-7-1です。矮小銀河でもかなり淡い部類で、眼視ではちょっと見えそうもありません。
ただし銀河系に近いためか球状星団は幾つか見ることが出来ました。

特にNGC1049が特に明るく、ろ座矮小銀河で唯一NGCナンバーが付けられています。Ninja-400で見てみると、球状星団らしく滲んだ感じで見えてきます。他の球状星団は恒星のようにしか見えませんでした。

NGC1049の視野

NGC1049

銀河系外の球状星団でこれだけ簡単に見えるのはなかなかありません。アンドロメダ銀河のG1などがありますが、NGC1049ほどは明るくありません。
以下に見れたもののデータを記します。

・NGC1049        12.6等    0.8'
・Fornax5          13.4等    1.7'
・Fornax4          13.6等    0.8'

以下はまだ見れてません。
・Fornax6        --          0.6'
・Fornax2          13.5等   0.8'

矮小銀河のほうはDSSの写真でもかなり淡くかろうじて写っているだけです。
写真派の皆様、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。最近のデジタル一眼ではDSSの写真よりも暗いものが短焦点屈折でも写るようです。

ろ座の矮小銀河全景(NCG-6-7-1)

Fornax

2005-08-13

カシオペヤ座のバブル星雲NGC7635

この天体は天文雑誌の読者の写真等では有名な星雲です。赤くて、中心部分が泡のように写る特徴的な星雲ですね。
DSSの写真のようにM52から辿れば簡単に見つかります。Ninja-400にOIIIフィルタを入れてプラノキュラーで最低倍率にして見ると、なんとなく泡の部分も分かりますが、全体的にかなり淡く、透明度の素晴らしく良い空でないと確認するのも困難な天体です。OIIIフィルタの威力が出る天体ですね。
ちなみにこの天体はかなり前から見ていたのですが、泡の部分って見えないものだと思っていましたが、よくよく確認してみると泡が分かるようになりました。集中して見ることは大切ですね。

NGC7635

はくちょう座の惑星状星雲 : NGC 7027

RA: 21h 07m 02s
Dec: +42°14' 12"

Size: 0.9 x 0.9
8.5等ととても明るいので直ぐに見つかります。

ngc7027

こぎつね座の惑星状星雲 : NGC6842

RA: 19h 55m 02s
Dec: +29°17' 23"

Size: 0.9 x 0.9
13.1等、中心星16.0等

割と大きな惑星状星雲です。1°ほど西に散開星団 : NGC6834があります。
有名なM27を見たあとに立ち寄ってみては如何でしょうか?

ngc_6842

2005-08-11

白鳥座の惑星状星雲 : NGC6826 まばたき星雲 Blinking Nebula

RA: 19h 44m 48s   
Dec: +50°31' 32"

Size: 0.6 x 0.6
中心星10.4等

Blinking Nebula と呼ばれています。
白鳥座の惑星状星雲の中では一番見栄えがある対象と思います。
ngc6826

白鳥座の散光星雲・散開星団 : IC5146

RA: 21h 53m 24s   
Dec: +47°16' 00"

size 10'
Cocoon Nebula

白鳥座で有名な まゆ星雲・Cocoon Nebula です。写真で見るととても綺麗なんだけど、望遠鏡で見ると写真ほどには見えなくて(当たり前でした)ちょっとがっかりします。でも、期待感が強い分損しているだけで、やっぱり綺麗なんだよね。(^^ゞ

ic_5146

2005-08-05

こぎつね座の散開星団 : NGC6802 と The Coat Hanger

こぎつね座にある双眼鏡での好対象、The Coat Hanger と 隣接する散開星団 NGC6802
The Coat Hanger は先に紹介した The Mini Coat Hanger : ミニ・コートハンガー の本家で、恐らくこちらの方は多くの皆さんがご存知の対象です。

NGC 6802
Equatorial 2000:
RA: 19h 30m 36s   
Dec: +20°16' 00"

size 5'

散開星団 NGC 6802 のほうはこじんまりとしているので、さすがに双眼鏡では存在程度しか見えません。こちらは望遠鏡でご覧になる対象です。

ngc6802_the_coat_hanger

いるか座の惑星状星雲 : NGC6905

いるか座の惑星状星雲 : NGC6905
中心星は15.7等で、見えたことがありません。
写真ではくっきりと写るようですね。綺麗な惑星状星雲です。

Equatorial 2000:
RA: 20h 22m 23s   
Dec: +20°06' 18"

size 1.2'
11.1等

ngc_6905

こと座の惑星状星雲 : NGC6765

こと座の球状星団M56から1°ほど西にある惑星状星雲です。
Equatorial 2000:
RA: 19h 11m 06s   
Dec: +30°32' 47"

size 0.7'
12.9等
いびつな形です。M56を見たら、すぐ西にあるのでこちらもどうぞ。淡いのでお見逃し無いよう、フィルターを付けたほうが良いと思います。
フィルターを付けたら直ぐ近く(4°ほど西)のM57までそのまま移動しましょう。
ngc6765

下は、上の視野をクローズアップしたもの。

ngc6765_rs

2005-08-04

ペガスス座の球状星団 : M15 の中にある惑星状星雲 : PEASE1

ペガスス座のM15は綺麗な球状星団の一つですが、この中に惑星状星雲 Pease 1があります。これは、いくつか球状星団の中にある惑星状星雲のうちでは一番見つけやすく綺麗な一つでしょう。

37cmで300倍前後、フィルターを付けて最初に見つけるには30分以上かかりました。
2度目以降は直ぐに見つけられるようになりました。というぐらいに比較的見やすい対象です。

Equatorial 2000:
21h 29m 59s 
+12° 10m 27s

HSTの写真の上部左寄りに見えるピンクのまゆ状がPiease1です。
2000-25-a-large_web

2005-08-03

いて座の惑星状星雲 NGC6445 と 球状星団 NGC6440

南北に僅か20'ほどの近い位置で惑星状星雲と球状星団とが見えます。
ただし、惑星状星雲はいびつで、球状星団は小粒で、少し物足りない感じです。

NGC6445 惑星状星雲 13.2等 0.6'×0.6'
Equatorial 2000:
RA: 17h 49m 15s   
Dec: -20°00' 35"

ngc_6440_and_6445

NGC6440 球状星団 9.3等 4.4'×4.4'
Equatorial 2000:
RA: 17h 48m 53s   
Dec: -20°21' 32"

2005-08-01

アンドロメダ銀河の巨大な球状星団G1

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の写真で有名な、お隣の銀河であるアンドロメダ銀河の球状星団です。この球状星団は銀河系最大のオメガ星団より大きく、ローカルグループ最大で明るいものです。

この球状星団を見るためには空の透明度もさることながら、シーイングも必要です。なにせ視直径がMegaStarだと30"ですが、実際に見えるところは10"もありません。倍率も最低でも200倍でなんとか見えてきます。お供の星は実際には銀河系内の星ですが、M13を低倍率のファインダで見たような見え方です。

もう8年ほど前ですが、Ninja-320でHSTで有名なこの星団が見えるかどうか分からないのですが、チャレンジしてみました。意外や意外、結構見えたので吃驚しました。それもG1のところは滲んだような感じで、球状星団を彷彿とさせました。確か寒い富士山須走五合目でしたが、シーイングと透明度がかなり良い秋の空でした。
海外も含め、当時紹介されたものは無かったのですが、今や定番に加えても良いと思いますね。遥か200万光年も離れた球状星団がアマチュアの望遠鏡で見えるわけですから。

このG1はアンドロメダ銀河の傍に見えるわけではなく銀河の中心から2度も離れています。それも珍しいようです。

試しに銀河系で最大の球状星団オメガ星団(NGC5139)を、アンドロメダ銀河の位置まで持っていくとどうなるでしょうか。オメガ星団までの距離は17,000光年、等級は3.9等です。アンドロメダ銀河までは2,900,000光年なので、距離で約170倍となり、天体は距離の自乗で暗くなりますので、オメガ星団は11等ほど暗くなります。つまり15.0等級で見えるハズです。G1の等級は13.7等なので、G1のほうがやはり明るいのですね。1.3等違うと3倍程度明るいことになります。
ちなみに視直径で考えるとオメガ星団は55'(MegaStarでかなり周辺までカウントされてます)で、0.32'となり、G1の0.5'よりやはり小さくなります。南天で見るオメガ星団を想うとこのG1をぜひ近くで見てみたいものです。

視野1度で見たG1(三角形の形が分かります)

G1-1

視野10'で見たG1(三角形の頂点にG1は見える)

G1-2

導入チャート(M32から簡単導入)

P050801_024115

HST画像によるG1

m31gc1

小さいながらピリリと辛い散開星団IC361

この天体はドブソニアンならではの散開星団です。普通ドブでは倍率が上がり散開星団はまばらになってしまい短焦点屈折の独壇場です。この天体は口径30cm以上で有効最低倍率で楽しみたいですね。

Ninja-400で見ると非常に細かな微光星が、淡く見えて幽玄です。なかなか口径40cmでも星に
分解せず、面白い見え方ですね。なにせ全光度が11.7等ですので、それぞれの恒星は暗いのですが、星の数が60個もあり、それが淡く見えるようです。

IC361

きりん座の淡くて巨大なフェイスオン銀河 IC342

きりん座の北部にある淡いフェイスオン銀河です。全高度は9.1等と銀河としてはかなり明るいのですが、視直径が大きくNGC253の長さを円形にしたほどです。そのため面積あたりの光度が落ちてしまうことと、周りが天の川の中ですので、よほど光害が少ない観望地でないとなかなか見つけるのは難しいですね。

私がこの銀河を初めてみたのは、2年前の高峰高原ででした。11月の寒い透明度の良い夜でNinja-400で見れましたが、なるべく口径が欲しいところです。なんとなく淡く見えると感動です。ホント大きいのを実感します。この銀河が見えるというのは、かなり条件の良い観望地ということだと思います。

これだけ大きいということから容易に想像付くと思いますが、銀河系に近いということですね。つまり銀河系の仲間であるローカルグループ(局部銀河群)に属した天体です。夏秋で天上に昇ってきます。一度、チャレンジあれ。

IC342

2005-07-25

ヘルクレス座の惑星状星雲 NGC6210 PK43+37.1

NGC6210は安田さんご紹介の銀河団の直ぐ近くにありますので、銀河団の次にはこちらをご覧あれ。9.3等級で土星状に見えます。愛称: Turtle Nebula と言われるのはこのせいかも。下の星図上ではリングに相当するひげがほとんど写っていませんが、図上の上下方向それぞれにひげが伸びているのが確認できます。本体は比較的明るいのであまり口径が大きくなくてもご覧になれます。ひげは見えにくいので倍率を上げてフィルターを付けてご覧になると良いです。

16h44m29.43s
23d47'59.64"

ngc6210

2005-07-24

さそり座の双極ジェット NGC6302 PK349+1.1

さそり座に有る惑星状星雲で双極ジェット状のものです。
Bug Nebula の愛称があります。

17h13m44.72S
-37º 06' 12.05

直ぐに見つかります。惑星状星雲向けのフィルターを付けるとさらに見やすくなります。
同じ季節に見える、M2-9、Butterfly Nebulaと見比べてあげてください。
12.8等という明るさですが、30cm以上で簡単に見えます。

虫のような写真が幾つか見つかると思いますが、フィルターを付けてご覧になるとそのまんまに見えます。大きいので見易い対象です。

これを見たら、次は同じ季節に見えるButterfly Nebula の愛称が有る M2-9
をご覧になると、こちらは双極ジェットの代表選手みたいな、その名の通りが見えます。

ngc6302

さそり座のシッポで導入超簡単 球状星団NGC6441

この球状星団はタイトルの通り、導入が超簡単ですので、お勧めします。さそり座のさそりの尻尾の星で二つに分かれていない方(SAO209318)の星の0.1度ほど東にあります。球状星団そのものは7.2等(MegaStar表記)なんですが、Ninja-400(口径40cm)で見ると、なんとなく周辺の星まで分解できて面白い眺めです。

分解は出来ないものの、小口径でもすぐ見つけられるので、チャレンジしてみてください。

ちなみにMegaStarの青い円は0.5度の視野円です。

NGC6441

2005-07-21

SN2005cs in M51

遅ればせながら

赤経: 13時29分52.85秒
赤緯:+47度10分36.3秒(2000年分点)

M 51の中心核から南に67秒ほどのところです。sn2005cs

2005-07-19

二重球状星団

いて座γ(Alnasl)のすぐ北にある二つの球状星団です。以下の写真で青線は視野0.5度(満月サイズ)ですが、γだけでなく二つの球状星団もNinja-400の低倍率でも同一視野に入り、面白いものです。球状星団でつぶが揃っていて二つ見えるものは、これ以外は無いと思いますので、勝手に二重球状星団と呼んでます。

それぞれNGC6522は9.9等、NGC6528は9.6等ですが、集中度が違いNGC6522のほうが明るく感じました。単体では地味ですが、すごく導入しやすい位置にあること、二つ並ぶ姿が可愛いので、掲載しました。

NGC6528