カシオペヤ座の散光星雲で、割と小口径の望遠鏡も見ることが出来ます。この星雲は不思議でフィルタワークでHβフィルタが一番見栄えや広がりが良くなります。HβがOIIIより見栄えが良い星雲って、他にはカリフォルニア星雲、馬頭星雲、バーナードループくらいしか知りません。高いHβフィルタが役に立つ星雲です。"The Night Sky Observers' Guide"にもこのことは書かれておらずUHCでインプレッションが記載されているだけです。
どうもアメリカではパックマン星雲とか言われているようですが、私には舌を出している提灯のお化けに見えます。モンキー星雲よりも淡いくらいですが、短焦点屈折にしてもドブソニアンしても結構見栄えがする星雲ではあります。
双眼鏡でも空さえよければなんとなく星雲があることが分かります。
カシオペヤ座のあたりには、派手な散開星団は少ないのですが、小粒でキリッとした散開星団群が揃っています。その中でも特に大好きなのはM103あたりの緻密な小さめな散開星団が集まっている領域です。
M103はこじんまりとしていて可愛らしいのですが、どちらかと言うとNGC654とNGC663のペアが気に入っています。どちらも結構星数が多く見ごたえがあります。NGC654は密集していて5'の中に60個の星々がひしめいています。一方、NGC663は16'の中に80個の星々が集まっていますが、視直径が3倍もあるのでNGC654と比較するとまばらな感じです。
DSSの写真の視野は2度ですが、その中に6つの散開星団が群れています。観望するには双眼鏡か最近流行の双眼望遠鏡が最高ですね。超広視界アイピースで最低倍率で見ると至福の世界が広がります。
このあたりは散開星団でなくとも、天の川の中ですので微光星が沢山見えて、流しているだけでも楽しい場所です。
NGC7789は昔、彗星捜索などで有名な天文家であるレビーが大好きな10天体に選んだほどの散開星団です。メシエ番号が付いてもおかしくないくらい立派な星団で、星数も255から成ります。構成される星々はみな11等級よりも暗く、小口径の短焦点屈折で見ると恒星には分解されず淡くみることが出来て、私はこの星団は低倍率でSky-90や双眼鏡で見るのが最も美しいと思っています。
散開星団は星数が多いほうが迫力があり、また密集しているほうがより美しさを感じます。ただユニークな星列のような並びを楽しむのも一方あり、後は明るい輝星の色を楽しむのもありますね。天の川の中や近くに散開星団は存在しますが、リッチフィールドの天の川を短焦点屈折や広視界の双眼鏡で流してみて散開星団を見出すのは非常に心地よい川下りですね。最近、広視界の双眼望遠鏡が仲間でちょっとした流行となっていますが、これらに高性能で長焦点で広視界アイピースを組み合わせると、まさに天国を飛んでいるが如しですね。
NGC7789もカシオペヤ座の天の川の中にあり、星団の周りの星々のリッチさと突出して淡く星の集まりであるNGC7789と至福のフィールドが見れます。ちなみにNinja-400で見てしまうと興ざめですので、大きい散開星団全体を楽しむのであればやはりここは屈折の出番だと思います。
NGC7789だけでなくカシオペヤ座に点在する散開星団はまさに秋の喜びの一つですね。