2006-02-21

線香花火状星団NGC2362

おおいぬ座τの周りを囲むように集まっている散開星団がNGC2362です。こじんまりとしていますが、星数は60個を数え4.4等のτを囲み、なかなか賑やかな様子で見れます。あたかもτを中心にした線香花火のように見えてきます。τもこの星団に属していてO型の巨星であり、周りの星団を構成する星々も青色巨星です。恒星の並びとしては三角おむすびのように見えています。

Ninja-400でこの星団を見ると倍率が高くなりすぎて、ちょっと興ざめですが、短焦点屈折で見るとτの周りに三角形のように微光星が集まり見事な眺めです。特に双眼望遠鏡での低倍率だと天の川に近いために星々の賑わいの中で、ひときわ目立ちます。倍率として30倍程度がお勧めだと思います。

DSSでのNGC2362
Ngc2362

2006-02-12

りょうけん座の見ごたえあるダブルダブル銀河NGC4631,4656

りょうけん座にある見ごたえのある銀河群です。メシエ天体でもおかしくないほど両銀河とも明るく迫力があります。それぞれお供の伴銀河がくっついていて伴銀河の重力により、それぞれの銀河が歪んでいるのも面白いところです。いつもかみのけ座のMel 111から北東に約4度ほど振るとNGC4631の細く延びた姿を見つけて導入しています。りょうけん座の銀河群ではありますが、かみのけ座に近いところにあります。

NGC4631とNGC4627のペアはArp281というHalton C. Arp博士がまとめた特異銀河カタログにも掲載されています。Arpは当時世界で最大口径のパロマ5m望遠鏡を使い、特異な形をした銀河をカタログした人です。銀河を楽しむにあたってArpの特異銀河カタログは参考になります。

NGC4631とNGC4656とも、距離は2200万光年でサイズとしてはアンドロメダ星雲クラスになります。

Ninja-400では、NGC4631とNGC4627は視野に大きく広がり、NGC4631がエッジオンなのに菱形を横に延ばしたような形をしています。楕円銀河のNGC4627の重力の影響を受けている様子が良く分かります。Sky-90でも細長く延びた姿が分かり、小口径の望遠鏡でも楽しい対象ですね。NGC4631は特徴的な形をしているので、アメリカでは"Whale Galaxy"、"Herring Galaxy"と呼ばれています。それぞれ"くじら銀河"、"ニシン銀河"になりますが、私の印象だと潮を吹くくじらが似つかわしいと思います。さらにNGC4627は"Pup"と呼ばれ、子くじらとでもいう意味でしょうか。

・NGC4631    9.8等
・NGC4627    12.5等

NGC4656とNGC4657は、さらに不思議な形をしています。NGC4656自体が歪んでいて、その端にNGC4657という小さな棒渦巻銀河がくっついているように見えています。NGC4656は等級よりは若干淡く見えており、空の状態が悪いとなかなか辛くなります。Ninja-400で見るとNGC4656の端にちいさな銀河がちょんと付いていて、その近くのNGC4656が歪んで見えて特徴的です。

・NGC4656    11.0等
・NGC4657    10.5等*
                    *MegaStar表記によるが、誤りで12等後半だと思われる

このNGC4631とNGC4656のダブルダブル銀河ですが、実際の距離も近く20万光年のほんのお隣さんの位置にあります。両方ともエッジオンというのも見ごたえがありますね。両銀河の住人とするとフェイスオンの視直径が20度もある銀河が雄大に広がっているのが見えるハズですね。このNGC4631とNGC4656も重力の影響で水素ガスで繋がっている様子が観測されています。

DSSによるNGC4631とNGC4656
Ngc46314656

2006-01-01

わし星雲IC2177

わし星雲(Gum 1)は天体写真で有名な散光星雲です。おおいぬ座シリウスの北東7度ほどのところにあります。日本ではわし星雲でわしが羽を広げた姿だとしていますが、アメリカではSeagull Nebulaと呼ばれています。

距離は1820光年で、HII領域が光っています。そのためかHβフィルタで見ると、一番濃く見えます。Sky-90にプラノキュラー30mmの組み合わせると、わしの頭部は淡いのですが、羽と胴体の部分はかなり広がってみえます。OIIIフィルタでも見えますが、バックが暗くなりすぎてHβフィルタのほうが広がりを感じます。バーナードループの明るさより若干明るく感じます。

Ninja-400では全体が淡すぎて、また星数が多すぎてバックの輝きが星雲かどうか見極められませんでした。ただしIC2177の一番南部にあるIC2177の丸い部分はOIIIフィルタやUHCフィルタでハッキリ見ることができます。

DSSによるIC2177

Ic2177

2005-10-23

ケフェウス座 散開星団NGC6939, 銀河NGC6946 (スケッチ)

この二つの天体は低倍率で同一視野に入ってくる位置にあり、ほぼ同じくらいの大きさに見えます。
NGC6939は口径10cmだと中心付近の星がわずかに分解される?程度で、ほぼ星雲状に見えます。
NGC6946の視直径はやや大きいのですが、全体に確認しづらくうっかりすると見逃してしまいそうです。
スケッチ当日の富士山新五合目はなかなかよい空で、NGC6946も比較的はっきりと見えました。
大口径で見るような散開星団と渦巻銀河のペアの姿は望むべくもありませんが、
仲良く並ぶ小さな二つのすてきな姿を楽しむことができました。

Ngc69396946
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転、方角マークは西)

テレビューTV-101+ナグラーtype4 17mm(天頂ミラー&LPS-P1フィルター併用)
2005.10.1, 富士山新五合目

2005-10-10

アンドロメダ大銀河M31

あまりにも有名で超メジャーな天体M31です。もう生まれて何回見たかもわからないくらい定番の銀河です。たぶん小学生の頃、初めて見たんだと思います。光害が多少あってもボーッとした姿が肉眼でも見れます。

アンドロメダ銀河の観望の歴史を語るには私は知見が不足していますが、恒星の輝きではないことはすぐ分かり雲のようですので、有史以前より人間は単純な星ではないことは理解していたのではないでしょうか。記録としては10世紀にあるようです。

アンドロメダ銀河までの距離を求めたのは、有名な話ですがハッブルがウィルソン山天文台にあった当時世界最大口径の2mの反射望遠鏡で、ケフェイドなる変光星を利用して距離を推定して銀河系内の天体ではないことを証明したことですね。ハッブルの大きな成果の一つかと思います。認識を銀河系から宇宙に広げたという意味で偉大な成果ですね。

M31をどの望遠鏡で見ると素晴らしく見えるかについては種々意見があるかと思います。私も悩んでしまいますが、今まで見た姿ではFUJINON40x150EDで見た視野一杯に広がるM31かEMS双眼望遠鏡でNagler-22mmでの見かけ視野82度に広がるM31が強烈に印象に残ります。Ninja-400などのドブソニアンでは視野を大きくはみ出してしまいます。Ninja-400でM31を味わうとするとM31の中に点在する天体となってしまいます。たとえばM31の暗黒帯の複雑な様子はNinja-400ならではの見え方です。低倍率の双眼鏡や双眼望遠鏡で見るM31は淡い部分まで見えて、写真でみるM31そのものです。視野では2度ほどの広がりがあり、M32とM110(NGC205)を従え、これぞ銀河という姿でしょうか。ちなみにNinja-400では感じたことはないのですが、76cmドブソニアンでM31を見た人の話では銀河中心核はピンクに見えるそうです。一度見てみたいものですね。

Ninja-400などのドブソニアンではM31内部の球状星団を見るのも一興ですよ。DSSの写真に15.0等級より明るい球状星団をプロットしています。9個ほどあります。昔、チャレンジしたところ、以下のものを見ました。ただしG1はM31よりの離角が大きく別の記事にしています。

アンドロメダ銀河の巨大な球状星団G1

・G1              13.7等
・G213        14.6等
・Bol119      12.3等

上記は恒星のように見え、シーイングが良くなかったのもあり、G1以外は球状星団のようには見えませんでした。またシーイングの良い時にチャレンジしてみようと思います。

またM31にはKnotと呼ばれる星の密集した銀河の腕部分が見られます。有名なところではNGC206であり、天の川で言えばスタークラウドのようなものでしょう。M31は銀河系と比較すると直径が倍のサイズの銀河で、すぐ隣にある銀河ですので銀河の構造がよく分かるわけですね。

DSSによるM31クローズアップ
M31

2005-10-09

M45 (写真)

05年10月1日、富士山富士宮口新五合目で撮影。

PENTAX 125SDHF+0.72倍リアコンバータ(合成F4.6、合成fl 576mm)+LPS-P1フィルター+Nikon D70
感度:ISO800  露出:5min×4枚コンポジット
RAPにてダーク補正、トーンカーブ補正、カラーバランス補正、ネビュラスムース処理等
横800PXLにリサイズ

051002m45800x533pxl_2

ノーマルD70で赤(Hα)が乏しいので赤い星雲は他の方にお任せです。
他の撮影対象用にフィルターを付け放しにしたのでゴーストが発生しています。

M33 (写真)

05年10月1日、富士山富士宮口新五合目で撮影。

PENTAX 125SDHF+0.72倍リアコンバータ(合成F4.6、合成fl 567mm)+LPS-P1フィルター+Nikon D70
感度:ISO800  露出:5min×4枚コンポジット
RAPにてダーク補正、トーンカーブ補正、カラーバランス補正等
星雲付近をトリミングして横800PXLにリサイズ

051002m33800x600pxl

やはり赤(Hα)が出ませんね。銀塩のコダックE100とかE200フィルムだと点在するH2領域がバッチリ写ったのですが。
トリミングしてリサイズだとかなりの拡大率になりアラが目立ってしまいます。

2005-09-23

北アメリカ星雲NGC7000

はくちょう座α(デネブ)のすぐ傍にあるかなり大きな散光星雲で、天体写真の定番となっています。DeepSky天体として普通は覚えにくいNGCナンバーですが、これは一発で覚えられますね(^^)/

空の透明度が高いと肉眼でも十分見えます。肉眼で見える散光星雲は少ないのですが、その中でも最大のサイズです。他にはM42、M8、エータカリーナ星雲くらいでしょうか。かろうじてばら星雲、M17がなんとなく分かりますが、散開星団とダブって見えているので、それでボーッという感じですね。

一番、好きなのは短焦点屈折にOIIIやLPS-P2フィルタを付けて見た姿で、北アメリカ星雲の全景が視野に入りメキシコ湾の相当するあたりの暗黒星雲との境目はそれは見事です。それにしても吃驚するくらい北アメリカ南部の姿に見ていますね。他ニックネームはありえないくらいです。それにしてもオメガ星雲にしても、北アメリカ星雲にしても人間が創れないようなシュールな絵柄ですね。他にも馬頭星雲、ダック星雲など神々が意思を持って作ったそれも人間に合わせてと誤解しかねませんね。

Ninja-400でフィルタを付けてみると最低倍率でも局部のアップだけになります。やはりメキシコ湾の周りは秀悦です。またこのあたりは散開星団がダブってますので、非常に賑やかでその対比も見事です。

DSSでの北アメリカ星雲
Ngc7000

2005-09-15

カシオペヤ座M103周辺の散開星団群

カシオペヤ座のあたりには、派手な散開星団は少ないのですが、小粒でキリッとした散開星団群が揃っています。その中でも特に大好きなのはM103あたりの緻密な小さめな散開星団が集まっている領域です。

M103はこじんまりとしていて可愛らしいのですが、どちらかと言うとNGC654とNGC663のペアが気に入っています。どちらも結構星数が多く見ごたえがあります。NGC654は密集していて5'の中に60個の星々がひしめいています。一方、NGC663は16'の中に80個の星々が集まっていますが、視直径が3倍もあるのでNGC654と比較するとまばらな感じです。

DSSの写真の視野は2度ですが、その中に6つの散開星団が群れています。観望するには双眼鏡か最近流行の双眼望遠鏡が最高ですね。超広視界アイピースで最低倍率で見ると至福の世界が広がります。
このあたりは散開星団でなくとも、天の川の中ですので微光星が沢山見えて、流しているだけでも楽しい場所です。

視野2度でのDSS写真
M103
青い円は視野0.5度を表現

2005-09-14

カシオペヤ座の美しい散開星団NGC7789

NGC7789は昔、彗星捜索などで有名な天文家であるレビーが大好きな10天体に選んだほどの散開星団です。メシエ番号が付いてもおかしくないくらい立派な星団で、星数も255から成ります。構成される星々はみな11等級よりも暗く、小口径の短焦点屈折で見ると恒星には分解されず淡くみることが出来て、私はこの星団は低倍率でSky-90や双眼鏡で見るのが最も美しいと思っています。

散開星団は星数が多いほうが迫力があり、また密集しているほうがより美しさを感じます。ただユニークな星列のような並びを楽しむのも一方あり、後は明るい輝星の色を楽しむのもありますね。天の川の中や近くに散開星団は存在しますが、リッチフィールドの天の川を短焦点屈折や広視界の双眼鏡で流してみて散開星団を見出すのは非常に心地よい川下りですね。最近、広視界の双眼望遠鏡が仲間でちょっとした流行となっていますが、これらに高性能で長焦点で広視界アイピースを組み合わせると、まさに天国を飛んでいるが如しですね。

NGC7789もカシオペヤ座の天の川の中にあり、星団の周りの星々のリッチさと突出して淡く星の集まりであるNGC7789と至福のフィールドが見れます。ちなみにNinja-400で見てしまうと興ざめですので、大きい散開星団全体を楽しむのであればやはりここは屈折の出番だと思います。

NGC7789だけでなくカシオペヤ座に点在する散開星団はまさに秋の喜びの一つですね。

DSSによるNGC7789
Ngc7789

2005-08-31

こぎつね座 M27(スケッチ)

先日のふねさんの投稿でのおすすめとは違って、小口径・低倍率・ノーフィルターでのM27です。
横方向への広がりははっきりしませんが、縦横にムラのある円形であることはわかります。
スケッチではやや先入観があるのか、横方向にだいぶ広がって描かれていますね。(^_^;

m27
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転)

ビクセン シャトルスコープ80s(口径80mmF6)+ LX-21mm(天頂プリズム併用)
2004.10.17, スターフォレスト御園

2005-08-15

NGC5128

NGC5128(ケンタウルスA)

2005年6月のオーストラリア遠征のとき撮影しました。

日本からだと75mm屈折でここまで写らないですね?

中央の赤い部分は眼視ではほとんど見えませんでしたが、写真では良く写っています。

星雲の部分をトリミングしてあります。

L_NGC5128

Canon EOS 20Da ISO800

Pentax75SDHF F.L. 500mm

直焦点 露出5分×4

Takahashi P2Zノータッチガイド

須走りからのグリーンフラッシュ画像

グリーンフラッシュネタが出たので、安田さんや舟田さんと一緒に見た須走りからのグリーンフラッシュの画像です。確か、1999年の10月ころ?

この画像は、3度目くらいの挑戦でなんとか撮影できました。

GreenFlashSubasiri

Pentax75SDHF+Nikon2×テレコン

Nikon F3

Fuji Film G400

シャッタースピード 1/2000

2005-07-19

網状星雲

超メジャー天体ですね(^^)/ 網状星雲ははくちょう座52番星のすぐ近くを流れているものがNGC6960で、大きくカールしているほうがNGC6992です。Ninja-400にOIIIフィルタを入れて複雑なフィラメントを拡大して見るのも素敵ですが、Sky-90で低倍率のリッチフィールドにして、両方の網状を入れて見るのが好みです。両星雲の間のもやもやした感じも良いですね。

昔、Televue-140にプラノキュラーを付けて富士山須走五合目でこの星雲を見たことがありますが、視野の星々がピンポイントで沢山見え、大昔に超新星が爆発した名残だというのを実感した経験があります。素晴らしい眺めでした。

ちなみに口径が小さくてどこまで見えるかですが、5cmの双眼鏡でもOKでした。3cmだと見えているようないないような、今度、双眼鏡でチャレンジしてみようと思います。

NGC6960
NGC6960















NGC6992
NGC6992

ω星団

NGC5139

Canon EOS 20Da ISO800
Pentax75SDHF FL500mmF6.7

直焦点 露出3分×1
2005/06/05 23:51

オーストラリア Coonabarabran

NGC5139