2006-02-26

うみへび座の巨大銀河M83

オメガ星団やケンタウルスA(NGC5128)が南中する頃、ちょうどその北にはM83が見えています。うみへび座とケンタウルス座の境界付近にあり、メシエ天体では最も南に位置する天体です。南中高度は25°で決して高度は高くないのですが、透明度の高い夜には見ておきたい天体です。

M83は棒渦巻銀河と渦巻銀河との中間状態である銀河とされていてSAB(s)cに分類されています。距離は1500万光年であり、M83グループという銀河群に属しており、M83グループはケンタウルスAと共に16個ほどの銀河で構成されています。属している銀河は以下のものがあります。NGC 5253,NGC 4945, NGC 5102, NGC 5164, NGC 5408, ESO 381-20 (MCG-6-28-017; 1243-33), ESO 324-24 (MCG-6-30-003; 1324-41), ESO 444-84 (MCG-5-32-000; 1334-27), ESO 325-11 (1342-41), ESO 383-87 (MCG-6-30-025; 1346-35)

M83は南天の回転花火(Southern Pinwheel)と呼ばれていて、サイズも0.2°の広がりがあり、見ごたえがあります。特にオーストラリアでは天頂付近に見えるため、銀河の濃さもかなり高く、腕の見え方も含め、本家のM101を凌いでいます。Ninja-400では溜息が漏れるくらいの素晴らしさで、またフェイスオンの円形が見事です。銀河としての見ごたえはM81クラスなので、場所がわかりにくいことや、南天低いために見逃しがちですが、チェックはしておきたいですね。

・M83        8.2等

DSSでのM83
M83

2006-02-21

線香花火状星団NGC2362

おおいぬ座τの周りを囲むように集まっている散開星団がNGC2362です。こじんまりとしていますが、星数は60個を数え4.4等のτを囲み、なかなか賑やかな様子で見れます。あたかもτを中心にした線香花火のように見えてきます。τもこの星団に属していてO型の巨星であり、周りの星団を構成する星々も青色巨星です。恒星の並びとしては三角おむすびのように見えています。

Ninja-400でこの星団を見ると倍率が高くなりすぎて、ちょっと興ざめですが、短焦点屈折で見るとτの周りに三角形のように微光星が集まり見事な眺めです。特に双眼望遠鏡での低倍率だと天の川に近いために星々の賑わいの中で、ひときわ目立ちます。倍率として30倍程度がお勧めだと思います。

DSSでのNGC2362
Ngc2362

2006-02-12

黒目銀河M64

黒目銀河M64はかみのけ座銀河群に属しています。Mel 111からちょっと離れた場所にありますが、5等星のかみのけ座35番星の傍にあり、M64が明るいため簡単に導入することが出来ます。
黒目と呼ばれるのは中心部の目立つ暗黒帯が、瞳の様に見えるためで、この黒目を見るためには口径30cmクラスの望遠鏡は必要になります。またシーイングの影響も受けやすく、黒目を分離するためには平均以上のシーイングは必要だと思います。

アメリカでは目を半分開けている様子から"Sleeping Beauty Galaxy"眠れる森の美女銀河と呼ばれています。発想が柔軟ですね。
この銀河はおとめ座銀河団に属し、銀河系から1600万光年離れています。距離についてはドップラー効果から算出されていると思いますが、カタログ等でかなり幅があります。
銀河の大きさとしてはメシエ天体では2番目になる大きな銀河です。ちなみに一番大きな銀河はM77となっています。M64はローカルグループに近い銀河と考えられます。1990年代には、この銀河で注目すべき発見があり、銀河の外側のガスが内側のガスとは反対方向に回転していることが分かったとのことで、これが特徴的な黒目の原因になっているようです。約10億年前に伴銀河がM64と衝突することにより逆方向の流れが生じたと考えられています。またこの銀河は星生成が活発な銀河としても知られていて(Star formming)、伴銀河と衝突した影響かもしれません。

Ninja-400では渦巻までは分かりませんが、M64の中心核とそれを囲むように見える暗黒帯が見事です。かなり暗黒帯は小さく見えますが、全天でも中心近くに暗黒帯が見える銀河はかなり特異ですね。Ninja-320でも空がよければ暗黒帯はハッキリ分かります。DSS(Digital Sky Servey)の写真では中央部が露出過多で潰れていて暗黒帯が見えていません。

ハッブル宇宙望遠鏡によるM64

DSSによるM64
M64


りょうけん座の見ごたえあるダブルダブル銀河NGC4631,4656

りょうけん座にある見ごたえのある銀河群です。メシエ天体でもおかしくないほど両銀河とも明るく迫力があります。それぞれお供の伴銀河がくっついていて伴銀河の重力により、それぞれの銀河が歪んでいるのも面白いところです。いつもかみのけ座のMel 111から北東に約4度ほど振るとNGC4631の細く延びた姿を見つけて導入しています。りょうけん座の銀河群ではありますが、かみのけ座に近いところにあります。

NGC4631とNGC4627のペアはArp281というHalton C. Arp博士がまとめた特異銀河カタログにも掲載されています。Arpは当時世界で最大口径のパロマ5m望遠鏡を使い、特異な形をした銀河をカタログした人です。銀河を楽しむにあたってArpの特異銀河カタログは参考になります。

NGC4631とNGC4656とも、距離は2200万光年でサイズとしてはアンドロメダ星雲クラスになります。

Ninja-400では、NGC4631とNGC4627は視野に大きく広がり、NGC4631がエッジオンなのに菱形を横に延ばしたような形をしています。楕円銀河のNGC4627の重力の影響を受けている様子が良く分かります。Sky-90でも細長く延びた姿が分かり、小口径の望遠鏡でも楽しい対象ですね。NGC4631は特徴的な形をしているので、アメリカでは"Whale Galaxy"、"Herring Galaxy"と呼ばれています。それぞれ"くじら銀河"、"ニシン銀河"になりますが、私の印象だと潮を吹くくじらが似つかわしいと思います。さらにNGC4627は"Pup"と呼ばれ、子くじらとでもいう意味でしょうか。

・NGC4631    9.8等
・NGC4627    12.5等

NGC4656とNGC4657は、さらに不思議な形をしています。NGC4656自体が歪んでいて、その端にNGC4657という小さな棒渦巻銀河がくっついているように見えています。NGC4656は等級よりは若干淡く見えており、空の状態が悪いとなかなか辛くなります。Ninja-400で見るとNGC4656の端にちいさな銀河がちょんと付いていて、その近くのNGC4656が歪んで見えて特徴的です。

・NGC4656    11.0等
・NGC4657    10.5等*
                    *MegaStar表記によるが、誤りで12等後半だと思われる

このNGC4631とNGC4656のダブルダブル銀河ですが、実際の距離も近く20万光年のほんのお隣さんの位置にあります。両方ともエッジオンというのも見ごたえがありますね。両銀河の住人とするとフェイスオンの視直径が20度もある銀河が雄大に広がっているのが見えるハズですね。このNGC4631とNGC4656も重力の影響で水素ガスで繋がっている様子が観測されています。

DSSによるNGC4631とNGC4656
Ngc46314656

2006-01-09

とも座の散光星雲SH2-311

とも座は天の川が流れているためか、小さな散光星雲が沢山あります。中でも小口径で見れるお勧めはSH2-311です。場所はとも座の1番星をはさんでM39と対象の位置にありますので、簡単に導入できます。ノーフィルタでも星雲で潤んでいる様子が分かります。

もともと天の川なので星数が多いのですが、この星雲には散開星団が重なっていてそれぞれ次の星団です。

・NGC2467    7.1等    星数50個
・Haffner18    9.3等    星数15個

Ninja-400にOIIIフィルタを付けてみると丸く可愛らしく見えます。この星雲は割りと明るく見える割には紹介されている書籍はありません。干潟星雲を1/3くらいにしたような感じでしょうか。オリオン座と周辺の散光星雲と違い、地味ではありますが、ドブソニアンで特に楽しめる星雲としてお勧めしたいですね。

DSSでのSH2-311
Sh2311

2006-01-06

りゅう座の見事なエッジオン銀河NGC5907

NGC5907はりゅう座にあるエッジオン銀河です。ほとんど真横から見ているため、非常に細く全天一とも言える細さです。銀河自体は渦巻銀河で等級も明るいため見栄えは最高です。ただ光度はそれほど明るいわけではないので、ドブソニアンの好対象だと思います。Sky-90をファインダとして併用していますが、Sky-90では存在が分かる程度です。銀河の視直径は12.9'x1.3'*であり、1/10の薄さの銀河円盤を持っていることになります。
                                                                                                    *MegaStar5.0の表記

この銀河へのアプローチですが、私は北斗七星のひしゃくの柄の先にあるおおぐま座η(Alkaid)より、うしかい座の特徴的なうしかい座θが作る三角形から探します。小さな"や座"にように見える星列からM102を探し、そこから3つ並ぶ8等星より辿りつくパターンで導入しています。

この銀河はほとんど真横から見ているわけですが、NGC4565のようなバルジの膨らみがほとんどないのが特徴です。またNinja-400では暗黒帯はまったく分かりませんでした。DSSの写真ではかろうじて暗黒帯が見られます。

・NGC5907    11.1等

DSSでのNGC5907
Ngc5907

しし座の銀河群Hickson44

Hickson44はしし座流星群の輻射点あたりにある有名な割とコンパクトな銀河群です。しし座の鎌を構成するしし座γ(Algieba)とζ(Adhafera)の中間あたりにある星がちょっと密集している場所に望遠鏡を向けると導入が出来ます。非常に簡単ですので、探してみてください。

私は子供の頃、パロマ天文台のシュミットカメラで撮影したものを初めてみたのですが、非常に印象深い天体でした。4つ明るい銀河が群れていて、それぞれの銀河がとても特徴的な形をしています。とくに棒渦巻銀河であるNGC3187の特異な銀河腕の伸び方は変わっています。Ninja-400では残念ながらNGC3187の腕はとても淡いようで見る事は出来ませんでした。ボーッとした楕円状の星雲に見えるだけでした。

またNGC3190はこの銀河群の代表的な立派な渦巻銀河です。Ninja-400ではシーイングと透明度とも良い日にかろうじて暗黒帯が見えますが、かなりシーイングが良くないと分解しません。この銀河には2002年に超新星が現れました。SN2002boです。茅ヶ崎市にお住まいの広瀬洋治さんが第二発見者となったもので、15.5等級で発見されたものです。当時、Ninja-400でこの銀河を見ていましたが、超新星には気づきませんでした。15等級という暗さと、また銀河中心に近いところに出現したことも眼視では厳しいですね。

広瀬さん、またも超新星を発見(NAOニュース)

・NGC3190(Hickson44A)    12.1等
・NGC3193(Hickson44B)    11.8等
・NGC3185(Hickson44C)    13.0等
・NGC3187(Hickson44D)    13.4等

Hickson44は導入簡単、それなりにドブソニアンでも楽しめる銀河群の代表的なものです。

DSSでのHickson44
Hickson44

2005-12-21

ろ座の銀河NGC1365

くじら座の頭が南中する頃、南天低くにはエリダヌス座とろ座の境界あたりに、ろ座の銀河団を見ることが出来ます。ろ座の銀河団は明るい銀河が多く、また銀河の種類では渦巻銀河が多く、非常に面白い領域です。ただし富士山での南中高度は20度しかなく、南天が光害で満たされる富士山ではかなり見づらい天体群です。

その中でもNGC1365は見事な棒渦巻銀河で、富士山新五合目でも透明度の良い夜には、上下に大きく張り出して延びる銀河の腕を見ることが出来ます。棒渦巻の棒領域は迫力を持って延びています。全天を通じて、最も見事な棒渦巻銀河との印象を持ちましたが、北のM51、南のNGC1365と感じられる銀河です。腕の伸び方が鎌のように見えるため、我々の仲間では鎖鎌銀河と呼んでいます。

・NGC1365        10.3等

日本では南天低く見えて難物のNGC1365も、オーストラリアでは天頂付近で見えて、強烈な姿を拝むことが出来ます。2004年の9月には、Ninja-400と2inch双眼装置をオーストラリアに持ち込み、Nagler Type4 22mmで観望しましたが、オーストラリアの透明度の良さと天頂付近に見えることが相まって、腕がかなり遠くまで延び、溜息が出る感動ものでした。この銀河を見るだけに海を渡るのも価値があると思いました。

DSSでのNGC1365
Ngc1365

2005-12-20

二重星団

有名な散開星団でどうしてメシエ天体でないのか不思議な天体です。赤緯が高いため、夏から冬にかけて長い期間観望することが出来ます。ペルセウス座とカシオペヤ座のちょうど中間あたりにあり、肉眼でもボーッとしている姿が眺められます。

二重星団(Caldwell14)は言葉のとおり2つの散開星団が並列で、見事なくらい同じ規模の散開星団が並んでいます。それぞれNGC869(h Per), NGC884(χ Per)と呼ばれており、両星団とも300個の星々がかなり密集して集まっています。距離は7330光年で、散開星団としては距離が遠い天体です。紀元前130年にはギリシャのヒッパルコスによる記載があるようです。ヒッパルコスは今では人工天体の名前のほうが有名かもしれませんが、ギリシャの科学者でした。

プレアデス星団(M45)が代表的ですが、この星団も生まれたばかりの星々で構成されています。生まれて320万年(Sky Catalog 2000)しか経っておらず、太陽の年齢を人に喩えて45歳の壮年期だとすると、生まれてたった12日という赤ちゃんの群れです。この二重星も含めて、このあたりはペルセウス座第Iアソシエーションを構成する星間物質の豊富な場所で、銀河中心の反対方向にある星の賑やかな部分で、銀河の腕の一つに相当します。

・NGC869   5.3等*
・NGC884   6.1等*
                *MegaStar表記で他の記載では4.5等の記載あり。

観望でのお勧めは7~10倍ほどの双眼鏡が見ごたえがあります。微光星がビッシリ二つに集まり、まさに息を呑むような美しさです。すぐ隣にはStock 2と呼ばれる星数50個のまばらな散開星団が、人が手足を広げたような姿で、好対照の散開星団で見れますので、比べてみていただくと面白いと思います。

さらに機会があれば、双眼望遠鏡でこの星団を見るのが最も素晴らしい眺めだと思います。今まで私が見た双眼望遠鏡では、Nerius-80LD、Sky-90、Vixen115ED、Schwarz-150s双眼やFUJINON15cm双眼で見るのが最も美しい姿でした。

逆にドブソニアンでは視野を大きくはみ出してしまい興ざめの天体でもあります。NGC869のほうの中心部分には視力検査で使う"C"印のランドルト環のような星の並びが見れます。これは50倍ほどの倍率があったほうが良いと思います。

・Stock2    4.4等

DSSによるNGC869とNGC884
Double
 

2005-11-23

NGC2403

冬の寒い時期に見ごろになります。どうしてメシエ天体に成らなかったのか不思議なほど明るい銀河です。ただNGC2403をスターホッピングで導入するのは難しいくらい目印の星々が見当たりません。

この銀河で特徴的なのは天の川ではないのですが、銀河系の星の多い領域にあるために、明るい星々が銀河の前に重なってみえることでしょうか。こういう銀河は少ないですね。距離は約980万光年ということであり、比較的ご近所の銀河であると言えます。銀河はフェイスオンとエッジオンの中間の角度で銀河円盤に対して45度くらいで見えています。
NGC2403はM81の銀河群に属しては居ますが、見かけの角度としてはかなり離れています。

この銀河は天文学的に貢献した銀河ということで、あまりに有名なハッブルの法則を見出すための対象となったりとか、渦巻銀河の回転速度と絶対光度のタリー・フィッシャー関係を見出した対象になった天体です。

私にとって象徴的なのは板垣さんが発見したタイプIIの超新星SN2004djでしょうか。かなり明るく11等級になりました。M51にも超新星が現れましたが、これほど明るくはなりませんでした。

DSSによるNGC2403
Ngc2403

2005-10-14

M42 オリオン大星雲

オリオン座の大星雲M42です。

あまりにメジャーなので投稿しづらいのですが、先日撮影した画像をUpしました。

銀塩・冷却CCD・一眼デジカメなど機材を変えて毎年何度も撮影していますが、未だに満足できる画像を撮れていません。簡単に写るけど奥の深い星雲ですね。

かなりきつい画像処理をしたのでノイズが目立ってしまいました。

M42_1

Canon EOS20Da

Canon NFD300F2.8 + Canon 2Xテレコン

ISO800 4分×3+2分+1分 ノイズリダクションON

中心部分をトリミング

P2Zにてノータッチガイド

富士山新5合目

2005-10-10

アンドロメダ大銀河M31

あまりにも有名で超メジャーな天体M31です。もう生まれて何回見たかもわからないくらい定番の銀河です。たぶん小学生の頃、初めて見たんだと思います。光害が多少あってもボーッとした姿が肉眼でも見れます。

アンドロメダ銀河の観望の歴史を語るには私は知見が不足していますが、恒星の輝きではないことはすぐ分かり雲のようですので、有史以前より人間は単純な星ではないことは理解していたのではないでしょうか。記録としては10世紀にあるようです。

アンドロメダ銀河までの距離を求めたのは、有名な話ですがハッブルがウィルソン山天文台にあった当時世界最大口径の2mの反射望遠鏡で、ケフェイドなる変光星を利用して距離を推定して銀河系内の天体ではないことを証明したことですね。ハッブルの大きな成果の一つかと思います。認識を銀河系から宇宙に広げたという意味で偉大な成果ですね。

M31をどの望遠鏡で見ると素晴らしく見えるかについては種々意見があるかと思います。私も悩んでしまいますが、今まで見た姿ではFUJINON40x150EDで見た視野一杯に広がるM31かEMS双眼望遠鏡でNagler-22mmでの見かけ視野82度に広がるM31が強烈に印象に残ります。Ninja-400などのドブソニアンでは視野を大きくはみ出してしまいます。Ninja-400でM31を味わうとするとM31の中に点在する天体となってしまいます。たとえばM31の暗黒帯の複雑な様子はNinja-400ならではの見え方です。低倍率の双眼鏡や双眼望遠鏡で見るM31は淡い部分まで見えて、写真でみるM31そのものです。視野では2度ほどの広がりがあり、M32とM110(NGC205)を従え、これぞ銀河という姿でしょうか。ちなみにNinja-400では感じたことはないのですが、76cmドブソニアンでM31を見た人の話では銀河中心核はピンクに見えるそうです。一度見てみたいものですね。

Ninja-400などのドブソニアンではM31内部の球状星団を見るのも一興ですよ。DSSの写真に15.0等級より明るい球状星団をプロットしています。9個ほどあります。昔、チャレンジしたところ、以下のものを見ました。ただしG1はM31よりの離角が大きく別の記事にしています。

アンドロメダ銀河の巨大な球状星団G1

・G1              13.7等
・G213        14.6等
・Bol119      12.3等

上記は恒星のように見え、シーイングが良くなかったのもあり、G1以外は球状星団のようには見えませんでした。またシーイングの良い時にチャレンジしてみようと思います。

またM31にはKnotと呼ばれる星の密集した銀河の腕部分が見られます。有名なところではNGC206であり、天の川で言えばスタークラウドのようなものでしょう。M31は銀河系と比較すると直径が倍のサイズの銀河で、すぐ隣にある銀河ですので銀河の構造がよく分かるわけですね。

DSSによるM31クローズアップ
M31

くじら座M77

くじら座の首のあたりにある明るい銀河です。このM77の周りには銀河団というより、かなり銀河が見えていて、さながら春のおとめ座銀河団のようです。M77はメシエが1780年12月17日にカタログに載せたのですが、その前にPierre Me'chainという人が10月29日に最初に発見しています。

M77は渦巻銀河((R)SA(rs))なのですが、Ninja-400では楕円銀河のように見えます。腕が淡く広がっているため、滲んだ感じはありますが、腕とは見えません。あの有名なロス卿は渦巻銀河14のリストの中の一つに加えていて、口径1mくらいあると渦状に見えるのかもしれません。

この銀河はセイファート(Syfert)銀河タイプ2に分類されています。中心核の活動が活発で明るくクエーサーまでは行かないもののかなり活動的な銀河のようです。明るくて丸いだけの銀河という印象ですが、研究対象としては面白い天体のようです。

DSSによるM77
M77
 

もえる木星雲NGC2024

オリオン座の三ツ星の一番左の星であるオリオン座ζ(Alnitak)のすぐ東にあります。この星を望遠鏡で視野に入れると容易に見つけることが出来ます。この星のすぐ南には馬頭星雲B33がありますので、そちらが有名になってしまいこちらのほうが派手なのにあまり目立ちません。たぶんAlnitakからもっと離れていると、かなり立派なM17くらいに相当する星雲になっていたのだと思います。Alnitakが1.8等級の明るい恒星なので、Alnitakを視野から外してみるとかなり見やすくなります。

望遠鏡の口径が大きくなればなるほど細部が見えてきます。小口径ではなんとか3つに分かれた姿が分かりますが、Ninja-400では複雑な構造が見えてきます。この星雲にはOIIIフィルタが合いますが、全体で暗くなるので燃えている迫力はノーフィルタが一番です。ところで本当に星雲が燃えているわけではありません(^^;;;

アメリカではFrame Nebula(炎星雲)と呼ばれています。日本で木だと言われているのは明らかに天体写真からの影響ですね。言いえて妙ですね。

DSSによる燃える木星雲NGC2024
Ngc2024

ダック星雲NGC2359

晩秋に向けてのお薦め散光星雲です。秋から冬にかけて注目です。場所はおおいぬ座のシリウスとM46,47の中間あたりにあり、形状が非常にユニークです。初めて見たときはちょっと吃驚しました。まるで蜘蛛が足を広げたようです。初めてみたのは7年ほど前ですが、そのときの印象で蜘蛛星雲と呼んでました。
後日、アメリカではダック星雲と呼ばれているのを知り、確かに視野で見ると南北逆転しているので、くちばしを左に向けて走っているあひるのようにも見れます。感性はアメリカ人とは違うのを再確認しました(^^;;
たぶん蜘蛛というとタランチュラ星雲という誰が見ても蜘蛛に見える星雲が南天にあるので、そことの差別化ですかねぇ。

この星雲は最近、ようやく知られるようで読者の天体写真コーナーあたりでよく紹介されます。色は赤だけではなく青も混じっているようですね。眼視では白にしか見えませんが、Ninja-400では複雑な構造が見れます。ムラが見えるというか、IC468のほうの広がりはほとんど見えませんが、4方向に腕なり足が広がっている様子が見事に見えます。私のベスト天体リスト400には入れてます。

DSSによるダック星雲NGC2359
Ngc2359

2005-09-25

みずがめ座球状星団M2

秋には明るい球状星団が南北に3つ並んでいます。北からM15,M2,M3が並びます。その中でもM2は一番迫力があります。美しさではその集中度からM15でしょうか。このあたり評価が分かれるかもしれません。

M2は望遠鏡の口径が増えるにつれ評価がアップしました。見える星数が多く秋では一番の球状星団ではないでしょうか。秋のシーイングと透明度の良い夜に球状星団をNinja-400で見るとため息が出ます。

球状星団は夏のいて座を中心に全天に分布してはいますが、冬には極端に少なくなります。銀河系の中心がいて座の方向にあるのを球状星団の分布で洞察したハッブルは素晴らしいですね。確かにいて座とは逆になるぎょしゃ座、ふたご座の方向にはほとんど球状星団はなく、やまねこ座のNGC2419くらいでしょうか。NGC2419は銀河系内で一番遠くにある球状星団としても有名ですね。

DSSでのM2
M2

2005-09-24

メデューサ星雲Abell21

ふたご座とこいぬ座の境界近くにある大きな惑星状星雲です。写真で取った形状がまるでメデューサの髪のようなのでメデューサ星雲と呼ばれています。髪の毛状なためだと思います。Ninja-400で見た場合は髪の毛というよりも薄い三日月状です。空さえ良ければノーフィルタでもかろうじて存在は分かりますが、OIIIフィルタは欲しいところです。
OIIIフィルタで見ると暗い背景の前にボーッと三日月状の天体が広がります。幽玄な雰囲気ではあります。

導入はいつもこいぬ座β(Gomeisa)から北上して入れています。3つの星が南北に並ぶのが目印です。

DSSによるAbell21
Sh2274

ハッブルの変光星雲NGC2261

ハッブルの変光星雲と呼ばれるNGC2261を初めて見たのは12年ほど前でした。確かC8で見たのですが、彗星状で吃驚しました。彗星捜索家の木内鶴彦さんに聞くとやはり最初見たときは吃驚したそうです。特に低倍率で見ると彗星と間違ってしまいますね。

この星雲は名前の通り変光することで有名です。いっかくじゅう座Rの光を受けている反射星雲であり、R星が11等から13等に変光することに伴い星雲のほうも変光します。星雲の南の根元にある星がR星で、太陽重量の10倍程度の星でまだ生まれたばかりでたった10万年しか経ってないようです。星雲はR星と同期して変光しているのではなく、R星の前を星雲が横切ることにより幻灯機のように影が動いていると予測されていて、その変化は光速を越えていると騒がれたこともあるとのこと。もちろん、実際には光速を越えているわけではなくさきほどの幻灯機の原理で変化が反映しているだけですね。

ハッブルの変光星雲自体は非常に視直径が小さくて2'ほどしかありません。観望にするにはある程度の倍率が必要ですし、この星雲を見るのは大口径が欲しいですね。星雲の名前から分かるように観測的宇宙論で有名なエドウィン・ハッブルが変光しているのを発見したのです。

また反射星雲でもあるため偏光しています。変光星雲が偏光しているということですね(^^;;;

現代天文学への招待


DSSによるハッブルの変光星雲

Ngc2261
DSSプレートの関係で中心からシフトしています

2005-09-23

馬頭星雲B33

子供の頃、自宅にタイムライフ社の"The Universe"という図鑑があり、その中に馬頭星雲がパロマ天文台の写真ですが、掲載されていました。子供ごころに気持ちが悪い不思議な天体として感じており、心に残っていました。
望遠鏡で星を見るようになっても、まさかあの馬頭星雲が眼視で見れるとは思っても居ませんでした。1980年代末からドブソニアンブームが始まり大口径の望遠鏡を容易にゲットできるようになり、この馬頭星雲が一躍脚光を浴びてきたのだと思います。すでに天体写真としてはオリオン座の中でもM42に続いて有名な場所となっていましたが、見ることに関しては難物だったのだと思います。

私が初めてこの馬頭星雲を見たのはNinja-320を購入してすぐでした。もう10年ほど前でしょうか。当時、Hβフィルタは持っておらずUHCで確認できました。秋口の寒い富士山須走五合目でしたね。見えるかどうか分かりませんでしたが、オリオン座ζ(Alnitak)から20'ほど南にある二つの星をたどり、その西にある星のあたりに散光星雲がうっすら認められると、そらし目テクで見ていると黒く抜けているのが分かりました。感動しましたね。一旦、見方が分かるとUHCフィルタが無くても抜けているのが分かるようになります。位置を知っているのは強いですね。

馬頭の首のくびれがハッキリ分かるのは、Hβフィルタを付けて見たときです。おお、ようやく天体写真と同じように見えたことでこれも感動しました。Ninja-400で最高の透明度の夜にHβを付けて見ると、Hβフィルタの色の影響もあるのかもしれませんが、なんとなく黄色っぽい星雲をバックにして馬頭の姿が見事に浮かび上がります。Hβフィルタはまさにこの馬頭を見るために生まれてきたフィルタという感じですね。用途が少ないので随分リッチですね。本当のリッチフィールドです(^^;;

その後いろんな望遠鏡でこの馬頭星雲を見てきました。最小口径はFUJINON 40x150EDですね。ノーフィルタでしたが、淡い星雲をバックになんとなく黒く抜けているのが分かりました。富士山新五合目での最高の夜でしたね。もちろん雲上でその雲も濃く光害がほとんど無く空気が澄んでいる場合ですね。

ちなみに馬頭星雲はB33という番号が付いていますが、これはバーナードが暗黒星雲をカタログしたものの番号です。他の天体も含め暗黒星雲にはメシエ番号、NGC番号、IC番号は一切付いていません。

DSSでの馬頭星雲B33
B33

北アメリカ星雲NGC7000

はくちょう座α(デネブ)のすぐ傍にあるかなり大きな散光星雲で、天体写真の定番となっています。DeepSky天体として普通は覚えにくいNGCナンバーですが、これは一発で覚えられますね(^^)/

空の透明度が高いと肉眼でも十分見えます。肉眼で見える散光星雲は少ないのですが、その中でも最大のサイズです。他にはM42、M8、エータカリーナ星雲くらいでしょうか。かろうじてばら星雲、M17がなんとなく分かりますが、散開星団とダブって見えているので、それでボーッという感じですね。

一番、好きなのは短焦点屈折にOIIIやLPS-P2フィルタを付けて見た姿で、北アメリカ星雲の全景が視野に入りメキシコ湾の相当するあたりの暗黒星雲との境目はそれは見事です。それにしても吃驚するくらい北アメリカ南部の姿に見ていますね。他ニックネームはありえないくらいです。それにしてもオメガ星雲にしても、北アメリカ星雲にしても人間が創れないようなシュールな絵柄ですね。他にも馬頭星雲、ダック星雲など神々が意思を持って作ったそれも人間に合わせてと誤解しかねませんね。

Ninja-400でフィルタを付けてみると最低倍率でも局部のアップだけになります。やはりメキシコ湾の周りは秀悦です。またこのあたりは散開星団がダブってますので、非常に賑やかでその対比も見事です。

DSSでの北アメリカ星雲
Ngc7000

2005-09-16

プレアデス星団M45

この天体を書くのは勇気が要りますね。あまりに有名な天体で、平安時代の清少納言が枕草子の中で「星はすばる...」と詠んで、M45のことを書かれているのが日本では最初のようです。すばるの意味が縛るとか結ぶとかということだそうで、散開星団そのものの意味のようで面白いですね。

もうこの星団を初めて見たのはいつかも分かりません。たぶん小学生になるかならないころ、今よりは随分綺麗な空だった西宮市の空で見たのが最初だと思います。子供の頃はたぶん視力は3.0くらいはあったのでシャープにすばるの6つの星とPleioneも見えてました。視力は2.0までしか計れませんでしたが、2.0の環がハッキリ分かったので3.0くらいはあったのだと思ってます。ただ当時はそれほど暗いところで極限等級チャレンジをしたわけではないので、実際どれだけの星が見れたのかは分かりません。
今この年になっては6つがやっとです。

もう30年ほど前の天文ガイド誌に非常に暗い星が見える人がインタビューされていてM45の場合、55個の星々がカウントできたそうで、スケッチも残されてました。当時は驚愕でしたね。M45の範囲を広く取られてのカウントだったと思いますが、それにしても凄いと思いました。
ちなみにガリレオが彼の望遠鏡でこのM45を見て36個の星を数えたそうです。ガリレオは肉眼で6個しか見えない星々が36個も見えると驚いたそうですが、ガリレオ式で対物径が26mmと16mmの望遠鏡ではやはり厳しかったんでしょうか。

それぞれの星の名前と等級は以下のようになります。個名が付いたものだけです。

・Pleione        5.06等
・Atlas            3.63等
・Alcyone      2.88等
・Merope     4.17等
・Maia            3.88等
・Electra        3.71等
・Taygeta    4.30等
・Asterope    5.77等
・Celaeno      5.46等

またM45はどちらかというと散開星団の中で集合としてまばらな方で、1立方パーセクあたり2.8個の星があり、他の星団との比較ではM11が83個、M36が12個なのに比べるとまばらです。ただヒアデス星団のようにさらにまばらのものもありますから、散開星団にもいろいろパターンがあることが良く分かります。

ギリシャ神話としてはプレアデスの7姉妹だとされ、それでプレアデス星団とも言われています。人間のサガが爆発のギリシャ神話ですが、このプレアデスに関しては生々しい話はなくオリオンに追いかけられているだけだそうです。

このM45を観望するのは、私は双眼鏡か肉眼に限ると思っています。双眼鏡にしても7倍以下のものが良いですね。すばっている姿が倍率を上げてしまうと薄れてしまいます。高性能な双眼鏡でM45を見ているとため息が出ますね。当たり前に過ぎる超メジャーな天体ですが、たまにジックリ見るのも面白いと思います。

ドブソニアンで見る場合はMeropeやMaiaの周りの散光星雲NGC1432,NGC1435(IC349)を楽しんではどうでしょうか。淡くてなかなか気が付かないですが、低倍率で見ると特にMeropeの周りの散光星雲は確認しやすいです。さすがに色までは分かりませんが、OB型の星々の光を反射しているだけなので、OIIIやHβフィルタは逆効果です。ノーフィルタもしくはLPS-P2等の光害カットフィルタが有効だと思います。

明るい散開星団で全等級は1.2等もあります。星々が明るいだけに光学系の優秀さダメさが非常に良く分かる星団でもあります。

・M45        1.2等

DSSによるM45の写真

M45
青い円は視野0.5度

2005-09-14

カシオペヤ座の美しい散開星団NGC7789

NGC7789は昔、彗星捜索などで有名な天文家であるレビーが大好きな10天体に選んだほどの散開星団です。メシエ番号が付いてもおかしくないくらい立派な星団で、星数も255から成ります。構成される星々はみな11等級よりも暗く、小口径の短焦点屈折で見ると恒星には分解されず淡くみることが出来て、私はこの星団は低倍率でSky-90や双眼鏡で見るのが最も美しいと思っています。

散開星団は星数が多いほうが迫力があり、また密集しているほうがより美しさを感じます。ただユニークな星列のような並びを楽しむのも一方あり、後は明るい輝星の色を楽しむのもありますね。天の川の中や近くに散開星団は存在しますが、リッチフィールドの天の川を短焦点屈折や広視界の双眼鏡で流してみて散開星団を見出すのは非常に心地よい川下りですね。最近、広視界の双眼望遠鏡が仲間でちょっとした流行となっていますが、これらに高性能で長焦点で広視界アイピースを組み合わせると、まさに天国を飛んでいるが如しですね。

NGC7789もカシオペヤ座の天の川の中にあり、星団の周りの星々のリッチさと突出して淡く星の集まりであるNGC7789と至福のフィールドが見れます。ちなみにNinja-400で見てしまうと興ざめですので、大きい散開星団全体を楽しむのであればやはりここは屈折の出番だと思います。

NGC7789だけでなくカシオペヤ座に点在する散開星団はまさに秋の喜びの一つですね。

DSSによるNGC7789
Ngc7789

2005-09-13

おうし座のかに星雲M1

栄えあるメシエの1番はこの"かに星雲"です。割と地味な"かに星雲"を1番に選んだということはメシエが彗星と間違えないようにと始めたカタログ作りで、彗星っぽいからでしょうか。M31とかM42では彗星と間違えもないようですしね。

M1は語りつくせないほど薀蓄があるかと思います。私が知っている薀蓄を披露すると。
まずは西暦1054年に現れた超新星の残骸だということですね。昔の本では惑星状星雲となっていたりしますが、あきらかに超新星残骸です。私も古い本でこの天体を知ったのでずっと惑星状星雲だと思ってました(^^;; メシエ天体で唯一の超新星残骸ですね。
超新星の記録は中国と日本に残されており、昼間で23日間、夜間では2年間も見れていたようです。まさに典型的な客星ですね。中国では明るい新星を客星と言っていたそうです。

アカデミックな話では、その超新星爆発の残骸としてM1として知られる星雲とかに星雲パルサーと呼ばれる中性子星が爆発の中心に残されて1969年に発見されています。この中性子星は1秒間に30回転という高速で回転していて灯台のように周期的にX線を含めた電磁波を放射しているそうで、この中心星というか元の恒星は残念ながら眼視では見れそうもありません。

かに星雲自体はあの有名なイギリスのロス卿が今から150年ほど前にスケッチをしてカニの足のようにフィラメントが見れたからとのことですが、そのころから形が変わったのか、あまりカニのようには見えません。ロス卿ほどの大口径で見たことはないので、大口径だとカニ状なのかも。Ninja-400でOIIIフィルタやHβフィルタを使うとなんとなくフィラメントが見れます。筋のように見えてきます。全体の形状はラグビーボールのようですね。Ninja-400でフィラメントを見るためには透明度が良い空が必要です。ちょうどDSSの写真を淡くしたような感じに見えます。

明るいのもありSky-90でも20倍の低倍率で形が分かります。佐渡島のように見えるとの意見もありますが、それほど中央部はくびれて見えないように思います。

・M1        8.4等

2003年1月5日にこのM1の前を土星が横切る珍しい現象が見れました。ちょうど1月5日は天候が悪かったのか見た記憶はありませんが、前日に見ましたが土星がM1に比べてかなり明るく、接近した時点でM1がほとんど見えませんでした。

*参考アストロアーツ:【投稿画像集】土星とかに星雲の大接近を捉えた

DSSによるM1
M1
右端はフィルムの端が写ったもの

この記事は本当はふねさんのネタだと思いますが、ふねさんの薀蓄をぜひぜひお願いしますm(__)m

2005-09-05

NGC891と周りの銀河群

NGC891はパロマ写真集で有名なエッジオン銀河です。エッジオン銀河で典型的なものの一つです。暗黒帯が見事に横一直線に入り、Ninja-500(50cmドブソニアン)で見たNGC891はシーイングも良かったせいか、暗黒帯が波をうっている様子まで分かりました。

この銀河は面積あたりの光度は低いようで、透明度が悪い空だと悲しいくらいに見えなくなります。暗い空と透明度が必要ですね。実視等級10.8等よりも暗く感じます。12等級くらいの感じでしょうか。視直径は14.3'x2.4'となっていて長さは満月の半分もあるのですが、エッジオンの面目躍如で幅は直径の1/7です。非常に均整の取れた銀河ですね。

・NGC891        10.8等

この銀河の形、大きさとも銀河系に非常に似ていて銀河系を横から見たようだと言われています。そう思いながら見てみるのも一興ですね。

さらにこの銀河の傍には0.5度ほど離れた場所にAGC347という銀河群があります。総じて13等級よりも暗いので、地味な銀河群ですが、NGC891の近くにあるため導入は容易です。ぜひ大口径ドブをお持ちの方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。
Ninja-400では銀河として12個が数えれました。秋には天頂付近に来て意外とよく見える銀河群だと思います。

NGC891と傍の銀河群AGC347
NGC891
*表示の銀河は確認できたもの

2005-09-03

M33

超メジャー天体のさんかく座にあるM33です。透明度の良い最高の条件の場所であれば、肉眼で確認できます。さすがに直視では見たことがありませんが、そらし目では富士山新五合目で確認できました。ボーッとした存在が分かる程度です。

Ninja-400で見てみると、大きく銀河の腕が2本見えるのとほかにも渦を巻いているのが良く分かります。またHII領域の存在や、大きな散光星雲であるNGC604が確認できます。ハッブル宇宙望遠鏡の写真でも有名になりました。ノーフィルタよりもアイダスLPS-P2フィルタを掛けると一層分かりやすくなりますし、OIIIフィルタならバッチリです。
倍率を上げてみても面白いですね。よその銀河でこれだけハッキリした散光星雲が見えるのは感動ですね。それだけ遠方でも大きくみえているということは、銀河系のローカルグループでも有数な散光星雲ということです。

ハッブル宇宙望遠鏡の写真を見ると、大マゼラン雲の中にあるタランチュラ星雲を思い出させます。複雑に暗黒星雲が入り組んだ様はまさに異様でグロテスクですね。

M33はフェイスオンで渦巻きを直接こちらに見せているので、空が悪いとテキメンに見栄えが悪くなります。市街地で見ると情けなすぎる姿です。ぜひとも良い空で見てみたい天体ですね。

M31には球状星団が200個以上カウントされていますが、M33にはほとんど見られません。銀河系はM31ほど大きくなく、M33に近いようですが、球状星団が少ないのはどういう理由なのでしょうか。不思議ですね。

ハッブル宇宙望遠鏡でのM33とNGC604
96-27


M33のDSS写真

M33

2005-08-28

三裂星雲M20

M20は暗黒星雲が複雑に入り組み、星雲を3つに大きく切り裂いています。それで三裂星雲(Trifid Nebula)と呼ばれています。Trifidって有名なSFに出てくる歩く植物怪物ですね。Trifidの名付け親はハーシェルだそうです。M20自体の姿があまりにシュール(サイケデリック)なので、キングクリムゾンのアイランドのジャケットに使われたりと、不思議な雰囲気を醸し出す星雲です。

実際には結構淡い星雲で、M8(干潟星雲)が明るいのにこちらは空の状態が悪いと途端に見づらくなります。特に三裂している暗黒星雲の入り組んだ様子はかなり空のよさが必要です。Ninja-400(40cm反射ドブ)で、最高の夜空では、複雑な暗黒星雲の様子は勿論、星雲の色もなんとなく分かります。三裂しているほうが赤っぽく、北の星雲のほうがなんとなく青っぽいのです。最初に色を感じたのは7,8年前の富士山須走五合目ででした。望遠鏡はNinja-320です。

ドブソニアンで拡大して見るのも素晴らしいのですが、大口径の双眼鏡でM8とM20を同一視野に入れて最高の空で見ると、バックの天の川との対比とか非常に素晴らしい眺めとなります。M8に比べるとM20は可愛らしいのですが、そばにある散開星団M21も含めると3度くらいの実視野でダイナミックな眺めです。

もう6年ほど前ですが、ゴールデンウィークの新五合目でNikon18x70IF双眼鏡で見たこの眺めは最高でした。実視野4度の双眼鏡ですが、瞳径4mm弱となり富士山の空の暗さだとジャストフィットという感じです。ちなみに素晴らしい空というのは富士山新五合目で雲上になったときが多いですね。普段は富士市、沼津市、三島市の光害の海の中で南天を見ますので、どうしても雲海が出来ないと南天低くは難しいのです。

M20

こぎつね座の惑星状星雲 : M27 : アレイ状星雲

昨夜、富士山の七曲駐車場にFさんご家族、安田さんと出かけて、ちょうどこの対象を見てきました。Fさんはこの対象を一眼デジカメで撮影されていました。

折から、ちょうど入手したての安田さんの新兵器のファーストライト、私は入手後初遠征の微動付き経緯台に125mm屈折を載せての3者3様のM27観望でした。

余りに有名だから座標などのデータを割愛します。

125mmで114倍の倍率で見ると、よく目にするダンベル状に見えます。
ところが、安田さんの40cmで見ると、ダンベル状の部分の1.5倍くらい大きくダンベルの持ち手に垂直方向に楕円状に伸びる光芒がやけに大きく目に付く。
一眼デジカメだと、ダンベル状の部分は斑に赤からピンク色の色が付いて写り、楕円状に伸びる光芒はダンベル部分とは異なる色をして写っていた。

このように、口径によってか、あるいはフィルターによって見え方は著しく異なります。
この星雲の中心星はいったいどれなのかと探し回ったことがありますが、余りにたくさんの星が星雲に埋もれて見えていて、どれが中心星なのか皆目見当がつきません。

ちょうど今の季節は天頂近くにあるこの対象がとても綺麗に見える時期と思います。
皆さんも一度、フィルターを変え、倍率を思い切って高倍率にするなど、これまでのこの対象との付き合い方をひとつ変えてご覧になってはいかがでしょうか?。

m_27

2005-08-27

小マゼラン雲 NGC346付近

小マゼラン雲の中を低倍率でながしていくと、たくさんの星雲星団を見ることができます。
中でもNGC346付近は、散りばめられた小さな散開星団に星雲が重なりとてもきれいな領域です。
視野に星々が多すぎて、とてもじゃないけど描き切れません。

SMC-ngc346
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転)

宮内対空双眼20X100mm(2.5°), 2004.9.18, クーナバラブラン(オーストラリア)

2005-08-24

エリダヌス座の惑星状星雲 : NGC1535

Magnitude: 9.6
RA: 04h 14m 16s
Dec: -12°44' 20"

Size: 0.8 x 0.8
中心星 12.2 等

とても明るくて大きくて中心星も見やすい惑星状星雲の一つです。
中心星と思ってきているのが実は中心星ではなく中心部の単に明るい部分だったらどうしましょ。迷うときには思い切り倍率を上げて確認するのが中心星を見るときのコツです。また、惑星状星雲自体も小粒のものが多いので、見るときには200倍以上かけるのが普通と思ってみると良いと思います。シーイングが良いときにはもっと倍率を上げて300倍以上で見るようにしたら濃淡や中心星の存在や諦めていた構造が見え始めます。

これだけ明るくて美しく、中心星も楽しめる惑星状星雲って少ないと思うのですが、愛称も無く、割と知られていませんよね。どうしてでしょうね?。もっと啓蒙活動しなくちゃいけないのでしょうかね?。多くの写真が露出オーバーで、構造が分かるような写真になっていませんが、同心円状濃い部分(ドーナツ部)と薄い部分があって結構いける対象だと思うのでした。

Kimata さんからのお知らせで、Cleopatra's eye(クレオパトラの瞳) という愛称があるとのことでした。

ngc_1535

2005-08-15

NGC5128

ケンタウルスAと呼ばれ全天で一番明るい電波天体ですね。まあ銀河系は除きますが。三原さんの写真に触発されて掲載しました。
DSSの写真を載せますが、なんと短焦点屈折+デジタル一眼がほぼ互角で写ってます。NGC5128の描写では解像度はDSSのほうが高いようですが、カラーで潰れないでラチチュードが広く写っているのは驚異ですね。またNGC5128の極方面へこの銀河が広がりがかなりあるのが両方の写真で見ることが出来ます。これは眼視では感じませんでした。
まあ写真の素人の私がコメントするのはこれくらいにしときます。粗が分かってしまうので(^^;;

このNGC5128はオメガ星団よりほぼ真北に4度ほどの位置にあり、赤道儀であればオメガ星団を入れて北極星の方向に鏡筒を振れば簡単に見えてきます。
この天体を見るのは冬から春になりますが、新五合目が使えない季節なので、富士山西臼塚駐車場や粟倉駐車場で見ると、なさけないくらいの中心部近くの淡い銀河と暗黒帯がなんとか確認できるだけです。
南天が暗い場所では途端に迫力が増し、複雑な暗黒帯の様子が見え出します。これだけ迫力の暗黒帯が見えるのはNGC5128ならではでしょう。

またNGC5128の近くにはケンタウルス銀河団があり、銀河好きにはたまらない場所です。

NGC5128

NGC5128

NGC5128(ケンタウルスA)

2005年6月のオーストラリア遠征のとき撮影しました。

日本からだと75mm屈折でここまで写らないですね?

中央の赤い部分は眼視ではほとんど見えませんでしたが、写真では良く写っています。

星雲の部分をトリミングしてあります。

L_NGC5128

Canon EOS 20Da ISO800

Pentax75SDHF F.L. 500mm

直焦点 露出5分×4

Takahashi P2Zノータッチガイド

須走りからのグリーンフラッシュ画像

グリーンフラッシュネタが出たので、安田さんや舟田さんと一緒に見た須走りからのグリーンフラッシュの画像です。確か、1999年の10月ころ?

この画像は、3度目くらいの挑戦でなんとか撮影できました。

GreenFlashSubasiri

Pentax75SDHF+Nikon2×テレコン

Nikon F3

Fuji Film G400

シャッタースピード 1/2000

2005-08-14

グリーンフラッシュ

グリーンフラッシュを初めて見たのは、偶然からでした。もう7,8年前だと思いますが、秋で確か10月でした。場所は富士山須走五合目の第2駐車場でした。透明度の非常に良い夜で、ずっとNinja-320でDeepSky天体を観望して、結構疲れて撤収をしようと片付けた後、素晴らしく透明度が良く房総半島の山々までくっきり見えて下界はまさに神奈川の光害やスモッグがあるのですが、異状にくっきり見えたので視程は200kmほどはあったんだと思います。
それまではほとんど夜が明ける前に撤収していたのですが、その時はあまりの透明度の良い空と観望後の心地よい疲れで、たまには日の出でも見てみるかという余裕の気分でした。寒かったので車の中から双眼鏡で構えていました。周りには数台車が泊まっているのですが、星屋さんはぜんぜんおらずアベックばかりです。良い雰囲気を味わいにきたのでしょう。
その時の透明度の良さを表現すると、FUJINON10x70FMT-SXで見た視野で地平線が入っているのですが、なんと視野の中の空が青く見えるのです。かなり低い雲がたなびいて見えて遥かかなたの巻雲で数100kmほど先なんでしょうが、その雲が陽光を浴びて金色に輝いていて荘厳な感じでした。それが視野6度ほどで見えているのです。
そうこうしているうちに太陽が昇ってきました。FUJINON10x70で見ていたのですが、危なくなったら肉眼に切り替えようと思って、2,3秒後だと思いますが、急に登った太陽のすべてが緑が広がり全部緑になったのです。まさにグリーンフラッシュです。グリーンフラッシュを見るために双眼鏡を見ていたわけではないので、まさに腰を抜かさんばかりに驚きました。元々はダイヤモンドリングを見るがごとく、その背景の素晴らしい眺めを見ていただけですので。
グリーンの状態はたぶん1,2秒続きましたが、その緑の広さは素晴らしいものでした。たぶん肉眼でも緑にフラッシュしたハズです。
他の人といえば数台のアベック車ですが、皆、寒いので中に入っています。肉眼で見えたか聞こうとかなり悩みましたが、止めました。どう考えても危ないオヤジに見えてしまうので。そういうことで私のグリーンフラッシュ初体験でした。

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そのフラッシュの印象が非常に強くNIFTYのFSPACE会議室や富士山くらぶ(富士山あすとろくらぶの前身)のMLでこのことを書きました。騒いだことでなんとなく仲間が出来て、次の月もグリーンフラッシュを見ようと、須走五合目で観望後も日の出を待つことになりました。その結果、最初のフラッシュほど豪勢ではなかったのですが、結構見れました。都合須走五合目では3回ほど見れました。
最近は須走五合目は光害がひどく、もっぱら新五合目で見ていますが、秋口でのグリーンフラッシュをもう一度見てみたいですね。

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グリーンフラッシュを見る機会が去年から遠征しているオーストラリアでようやく出来ました。去年の9月中旬にオーストラリアのクーナバラブランに行ったのですが、偶然、双眼鏡を向けていると昇る太陽の一部がグリーンでした。
さらに今年の6月ですが、そこでは晴れていれば参加した8名全員が双眼鏡や双眼望遠鏡を昇ってくる太陽に向けるという一大イベントに発展?しました。そこでグリーンフラッシュを3回目撃し、1回はブルーフラッシュになりました。太陽のほんの一部ですが、本当に青く見えました。これにはさらに吃驚。冬のオーストラリアで空気が澄んでいたせいでしょうか。ただあまりに空気が整流であるためか、須走で見た素晴らしいグリーンフラッシュほどはありませんでした。

須走の場合は都会の空気を通して遥か遠方の房総の山々の先に見えた太陽が軽い蜃気楼を起こして緑が広がったものだと理解しています。

***双眼鏡や望遠鏡で太陽を見るのは非常に危険な行為ですし、皆既日食などの観望と同じ注意が必要です!!!!

オメガ星雲M17

超メジャー天体です。私は散光星雲の代表と言えば、冬はM42(オリオン大星雲)、夏はこのM17だと思ってます。大きい星雲となればM8とかがあるのですが、その形の見事さ、複雑な内部の構造とかでM17がより見ごたえあるのではないでしょうか。
この星雲をドブソニアンで見ると大抵の人は驚きの声を上げますね。

この星雲はもう最初に見て30年以上経っているので、最初の感想は忘れてしまいました。市街地で見ていたので、ボーッとしか見えなかったのですが、Ninja-320を入手して富士山須走五合目でこの星雲を見たときは、吃驚しました。透明度の非常に良い夜でしたが、白鳥の姿だけでなく尻尾もまるくみえて、Ωの字に見えるんですよね。あとは白鳥の胴体のところが複雑な縞が入り組んで見えて、散光星雲としての複雑な構造は特筆すべきものですよね。
この次に素晴らしいと思ったのは、富士山新五合目のバス駐車場で見出した時に舟田さんの37.5cmドブソニアンでファーストライトの時でしたか、6月の雲上で素晴らしい透明度の夜に見たM17の姿ですね。

場所はいて座とへび座、たて座の境界あたりになります。空さえ良ければ双眼鏡で簡単に確認できます。
南伊豆の最高の夜やオーストラリアでは肉眼でもなんとなく存在が分かりました。バックに散開星団NGC6618もあるから見えたのかもしれません。NGC6618ですが、カタログではなんと星数が660もあります。ただNinja-400でもそんなに見えませんので、微光星が広範囲に散らばっているのでしょう。

DSSの写真では露出を抑えたためか、眼視でドブで見るよりかなり淡くしかM17は写っていません。

M17

2005-08-07

こと座の惑星状星雲 : M57 環状星雲・リング星雲

こと座の惑星状星雲 : M57
超有名なので今さらなのですけど、検索対象に引っかからないのもおかしいことだし、知っているようでほとんど知らないこと座の惑星状星雲を題材に少し勉強しなさいよ、とは、安田さんの教え。(^^ゞ

8.8等、距離2,600光年。86"x63"

中心星15.3等

シーイングが良い時に37cmでおよそ500倍の倍率でOIIIフィルターをつけて中心星を見ることができました。シーイングの影響をかなり受けるので、倍率を500倍にしたから見えるというようなものではありません。じっと見ていると、ほんの時折キラリと光るのが見える、そんな感じの見え方がM57の中心星の見え方です。ちなみに91cm望遠鏡で見せていただいたときには中心星を見ることはできませんでした。
リングの中に幾つかある星は中心星よりも見易くてすぐに幾つか見つけることができます。

すぐ傍に、銀河も写真では写っているので、今度見たときには見ようと思いつつ、いつも忘れてしまいます。(^^ゞ

 ハッブル望遠鏡が撮影した惑星状星雲 M57
2002-28-l-web_print


ファインディングチャート

m57

2005-08-05

や座の散開星団 : M71

や座の散開星団 : M71 です。
M11よりも更に密集しているかもしれません。天の川の星の数が多いところにあるのでこの散開星団を見ていると、宇宙を飛んでいる気がしてきます。球状星団を好きになったのはこれのせいと勝手に決め付けています。散開星団と球状星団の境界線上にあるような気がするほど密集しています。

Equatorial 2000:
RA: 19h 53m 46s   
Dec: +18°46' 44"

これを見ると、近くには 双眼鏡での好対象 The Coat Hanger や M27 あれい星雲、Blue Flash Nebula : NGC 6905などがあって、この辺りから抜け出せなくなってしまいます。(^^ゞ

m71

2005-07-19

網状星雲

超メジャー天体ですね(^^)/ 網状星雲ははくちょう座52番星のすぐ近くを流れているものがNGC6960で、大きくカールしているほうがNGC6992です。Ninja-400にOIIIフィルタを入れて複雑なフィラメントを拡大して見るのも素敵ですが、Sky-90で低倍率のリッチフィールドにして、両方の網状を入れて見るのが好みです。両星雲の間のもやもやした感じも良いですね。

昔、Televue-140にプラノキュラーを付けて富士山須走五合目でこの星雲を見たことがありますが、視野の星々がピンポイントで沢山見え、大昔に超新星が爆発した名残だというのを実感した経験があります。素晴らしい眺めでした。

ちなみに口径が小さくてどこまで見えるかですが、5cmの双眼鏡でもOKでした。3cmだと見えているようないないような、今度、双眼鏡でチャレンジしてみようと思います。

NGC6960
NGC6960















NGC6992
NGC6992

ω星団

NGC5139

Canon EOS 20Da ISO800
Pentax75SDHF FL500mmF6.7

直焦点 露出3分×1
2005/06/05 23:51

オーストラリア Coonabarabran

NGC5139

2005-07-18

オメガ星団

NGC5139ですが、通称オメガ星団とかオメガケンタウリとか言われていて、望遠鏡が発明されるまでは恒星(オメガ)と思われていたものです。

この星団はもう15年以上前に、富士山で見たのが最初だと記憶しています。6,7年前に富士山の日本ランド近くで見たときには初めて肉眼で見れましたが、そのときは凄く透明度の良い晩でシーイングはまあまあでしたが、なにせ低空にしかみれないので、グニョグニョ蠢いていて気持ち悪いのが第一印象でした。

この星団はなにせ視直径で1度もあり、以下のDigital Sky Servey(DSS)の写真ではかなり巨大に写っています。S&Tによると大昔、矮小銀河であって星やガスが抜けたものとの解説があったのですが、なにせ他の球状星団とは格が違います。実際に望遠鏡で見える範囲は月くらいの視直径ですが、M13の倍くらいはあり、迫力満点です。

オーストラリアに今まで3回行きましたが、とにかくこの星団は強烈の一言でした。Ninja-320とNinja-400で見ましたが、いったい視野の中に幾つ星が見えているか分からないくらい星が見えて、素晴らしい眺めでした。あまりにじっと見ていたもので、旅行の疲れもあり、あまりに多くの春雨の先が光って集まっているように見えて、もうビョーキですね。

中心近くにCを逆にしたように抜けて見える部分が印象的です。とにかくこの星団を見に行くためだけにでも南天に出向く価値はありますよ。ホント。

NGC5139

M51

M51については語りつくせないほど思い出があります。昔々もう7年ほど前だったのですが、このブログの母体となる富士山アストロクラブの前身である富士山くらぶでマイフェバリット天体のアンケートを取ったときに第1位となった天体です。

もう口径20cmのC8でも腕が見え出し、伴銀河と連結する姿が面白いです。Ninja-400では大きく二つの腕が複雑に巻いているところなどが見れて壮観ですね。物の本によると伴銀河のほうが重いそうで、古い星々で構成されているそうです。宇宙望遠鏡で紫外線で捉えると伴銀河は写らないのが不思議でした。

今ここに超新星が現れています。まだ私も見れていないですが、ぜひ有名な銀河に現れた超新星ですので、見てみたいと思っています。

SN2005cs in M51

M51