2005-12-21

ろ座の銀河NGC1365

くじら座の頭が南中する頃、南天低くにはエリダヌス座とろ座の境界あたりに、ろ座の銀河団を見ることが出来ます。ろ座の銀河団は明るい銀河が多く、また銀河の種類では渦巻銀河が多く、非常に面白い領域です。ただし富士山での南中高度は20度しかなく、南天が光害で満たされる富士山ではかなり見づらい天体群です。

その中でもNGC1365は見事な棒渦巻銀河で、富士山新五合目でも透明度の良い夜には、上下に大きく張り出して延びる銀河の腕を見ることが出来ます。棒渦巻の棒領域は迫力を持って延びています。全天を通じて、最も見事な棒渦巻銀河との印象を持ちましたが、北のM51、南のNGC1365と感じられる銀河です。腕の伸び方が鎌のように見えるため、我々の仲間では鎖鎌銀河と呼んでいます。

・NGC1365        10.3等

日本では南天低く見えて難物のNGC1365も、オーストラリアでは天頂付近で見えて、強烈な姿を拝むことが出来ます。2004年の9月には、Ninja-400と2inch双眼装置をオーストラリアに持ち込み、Nagler Type4 22mmで観望しましたが、オーストラリアの透明度の良さと天頂付近に見えることが相まって、腕がかなり遠くまで延び、溜息が出る感動ものでした。この銀河を見るだけに海を渡るのも価値があると思いました。

DSSでのNGC1365
Ngc1365

2005-08-15

ろ座の矮小銀河(Fornax Dwarf)と球状星団NGC1049

ろ座にある我々銀河系の近傍にある仲間とも言える矮小銀河MCG-6-7-1です。矮小銀河でもかなり淡い部類で、眼視ではちょっと見えそうもありません。
ただし銀河系に近いためか球状星団は幾つか見ることが出来ました。

特にNGC1049が特に明るく、ろ座矮小銀河で唯一NGCナンバーが付けられています。Ninja-400で見てみると、球状星団らしく滲んだ感じで見えてきます。他の球状星団は恒星のようにしか見えませんでした。

NGC1049の視野

NGC1049

銀河系外の球状星団でこれだけ簡単に見えるのはなかなかありません。アンドロメダ銀河のG1などがありますが、NGC1049ほどは明るくありません。
以下に見れたもののデータを記します。

・NGC1049        12.6等    0.8'
・Fornax5          13.4等    1.7'
・Fornax4          13.6等    0.8'

以下はまだ見れてません。
・Fornax6        --          0.6'
・Fornax2          13.5等   0.8'

矮小銀河のほうはDSSの写真でもかなり淡くかろうじて写っているだけです。
写真派の皆様、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。最近のデジタル一眼ではDSSの写真よりも暗いものが短焦点屈折でも写るようです。

ろ座の矮小銀河全景(NCG-6-7-1)

Fornax