ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の写真で有名な、お隣の銀河であるアンドロメダ銀河の球状星団です。この球状星団は銀河系最大のオメガ星団より大きく、ローカルグループ最大で明るいものです。
この球状星団を見るためには空の透明度もさることながら、シーイングも必要です。なにせ視直径がMegaStarだと30"ですが、実際に見えるところは10"もありません。倍率も最低でも200倍でなんとか見えてきます。お供の星は実際には銀河系内の星ですが、M13を低倍率のファインダで見たような見え方です。
もう8年ほど前ですが、Ninja-320でHSTで有名なこの星団が見えるかどうか分からないのですが、チャレンジしてみました。意外や意外、結構見えたので吃驚しました。それもG1のところは滲んだような感じで、球状星団を彷彿とさせました。確か寒い富士山須走五合目でしたが、シーイングと透明度がかなり良い秋の空でした。
海外も含め、当時紹介されたものは無かったのですが、今や定番に加えても良いと思いますね。遥か200万光年も離れた球状星団がアマチュアの望遠鏡で見えるわけですから。
このG1はアンドロメダ銀河の傍に見えるわけではなく銀河の中心から2度も離れています。それも珍しいようです。
試しに銀河系で最大の球状星団オメガ星団(NGC5139)を、アンドロメダ銀河の位置まで持っていくとどうなるでしょうか。オメガ星団までの距離は17,000光年、等級は3.9等です。アンドロメダ銀河までは2,900,000光年なので、距離で約170倍となり、天体は距離の自乗で暗くなりますので、オメガ星団は11等ほど暗くなります。つまり15.0等級で見えるハズです。G1の等級は13.7等なので、G1のほうがやはり明るいのですね。1.3等違うと3倍程度明るいことになります。
ちなみに視直径で考えるとオメガ星団は55'(MegaStarでかなり周辺までカウントされてます)で、0.32'となり、G1の0.5'よりやはり小さくなります。南天で見るオメガ星団を想うとこのG1をぜひ近くで見てみたいものです。
視野1度で見たG1(三角形の形が分かります)
視野10'で見たG1(三角形の頂点にG1は見える)
導入チャート(M32から簡単導入)
HST画像によるG1