2006-02-20

南天で巨大なガム星雲

ガム星雲は全景はとても大きく写真では、大きさは40°X90°にも及びます。そのスケールは、ほ座、りゅうこつ座、とも座という昔で言えばアルゴ座全体に広がっています。ガム星雲は約11,000年前に、ほ座に出現したと考えられる超新星の残骸です。太陽系に近い位置で爆発したために、大きく広がって見えます。距離は1,000光年なので超新星としては抜群に明るかったハズです。

私がこの星雲(Gum12)を初めて見たのは、4年ほど前の晩秋の富士山新五合目ででした。通常富士山新五合目は沼津市、富士市などの光害が酷く、南天の低空は諦めモードなのですが、確か11月の寒い日だったと思いますが、透明度が異常に良く、カノープスが1等星くらいに見えていました。ひょっとして見えるのではないかと思い、Ninja-400にOIIIフィルタをプラノキュラーに付けて有効最低倍率にして探してみたところ、GSC7670:866(PPM313335)という4.1等級の恒星の近くでなにやらボーッとした横に延びた本当に淡い天体が見れました。DSSの写真ではその星は左上に明るく写っています。このときは条件は良かったのですが、私独りで見ていたためガム星雲が見えたことをなかなか信じてもらえなかったかもしれません。

次にガム星雲を見たのはオーストラリアのクーナバラブランででした。最初はNinja-320で次にNinja-400で明らかにフィラメントが延びた姿を見ることが出来ました。ただ如何なオーストラリアでもノーフィルタではまったく分からず、OIIIフィルタが必須となります。
目印の恒星から長く延びたフィラメントを5°程度追うことが出来ました。さらに分岐したり複雑な様子が見れました。

さらに2006/2/4には、南伊豆でもかなり長く延びた姿を見ることが出来ました。網状星雲と比較するとかなり淡く、OIIIフィルタを付けて見たガム星雲は、ノーフィルタで見た網状星雲よりも若干淡い感じでしょうか。それも年に数回あるかないかの、かなり南天の透明度が良いときなので難物には変わりません。

ガム星雲は巨大なので、他の場所も見えるのだと思いますが、どうもこの場所が一番濃そうです。フィラメントも長いですね。

DSSでのガム星雲(Gum12)
Gum

2006-02-11

うみへび座I銀河団AGC1060

コップ座が南中する頃、その南方では非常に見ごたえのあるうみへび座I銀河団AGC1060が広がっています。Hydra 1とも呼ばれています。残念ながら、この銀河団はペルセウス銀河団やヘルクレス銀河団ほど有名ではないのですが、実はこちらのうみへび座I銀河団のほうが、明るい銀河が多く、密集度もそこそこ高いのでそれほど大口径でなくても楽しめるお勧めの銀河団です。うみへび-ケンタウルス超銀河団の一部でもあります。

場所はコップ座の南西10度ほどのところにあります。南中高度は北緯35度の場所で、約30度でちょうどアンタレスが南中した高さはあります。結構高く昇り、明るい銀河が多いのにほとんど紹介されないのが不思議です。

銀河団としては銀河系にはかなり近く1.65億光年のところにあり、ローカルグループのアンドロメダ銀河の約70倍ほどの距離にあります。20分の範囲に14等級より明るい銀河が6つあり、それぞれの銀河が結構大きく、まさに群れている様子が分かります。
赤経方向に明るい銀河が5つ並ぶ姿が特徴的です。また銀河団として明るい渦巻銀河が含まれていることも特徴があります。

・NGC3311    11.6等
・NGC3312    12.7等
・NGC3309    12.6等
・NGC3308    12.9等
・NGC3316    13.6等
・NGC3305    13.8等
・NGC3314A  14.0等
・NGC3307    14.5等

Ninja-400でもNinja-320でも、そこそこ明るい銀河が多いため、かなり楽しめます。Ninja-400では58個の銀河を確認できました。DSSの写真に表示されている銀河は確認できたものです。

特に南天の透明度が良い夜はねらい目ですね。

DSSによるAGC1040
Agc1060
真ん中の青緑の円は0.5度の視野円

2006-01-25

かみのけ座の銀河群BOX

この記事は冬に書いていますが、この時期は春の銀河群/銀河団を観望するのには透明度の良い冬空ということもあり最適です。残念なのは寒いことですね。

春の星座では天の川は流れていないために可視光を遮る星間物質が少なく、銀河が減光されることが無く、無数の銀河を見ることが出来ます。特にかみのけ座とおとめ座方向には銀河系からは近い巨大な銀河団が存在していて密集しています。

その中ではかみのけ座に面白い形に密集しているBoxと呼ばれるそれぞれ4つの銀河が長方形状に集まって見えている銀河群があります。別名ではHickson61と呼ばれていて、楕円銀河1つと渦巻銀河3つとで構成されます。面白いのは見かけ上ですが、長方形に並んでいてそれぞれ光度が揃っていることでしょうか。

Ninja-400で観望するとNGC4169, NGC4174, NGC4175は割とすぐ分かりますが、NGC4170はエッジオンの棒渦巻銀河ですが、面積が大きく、空の状態がかなり良くないと確認するのは難しい存在です。この季節ですと富士山新五合目は雪や凍結で閉鎖されていますが、西臼塚駐車場や粟倉駐車場ではボーッとした姿さえ見ることも出来ません。春になり新五合目で雲海になって下界の光を遮るくらいでようやく見えてきます。

新年、南伊豆で最高の夜に観望してきましたが、ハッキリまさにDSSの写真の様に見えて感動しました。これまでNinja-320でも空がかなり良い時に4つ見れましたが、4つ見るためには口径30cmは必要だと思います。

Boxを導入するためには、いつもMel 111の一番北に位置するかみのけ座γから3度ほど西にあり、おひつじ座のような不等辺三角形のような星の並びから辿るのが一番簡単だと思います。

大口径ドブをお持ちの方にはお勧めです。

・NGC4174    14.3等
・NGC4175    14.2等
・NGC4169    13.2等
・NGC4170    13.6等

DSSによるBox
Box

2006-01-01

わし星雲IC2177

わし星雲(Gum 1)は天体写真で有名な散光星雲です。おおいぬ座シリウスの北東7度ほどのところにあります。日本ではわし星雲でわしが羽を広げた姿だとしていますが、アメリカではSeagull Nebulaと呼ばれています。

距離は1820光年で、HII領域が光っています。そのためかHβフィルタで見ると、一番濃く見えます。Sky-90にプラノキュラー30mmの組み合わせると、わしの頭部は淡いのですが、羽と胴体の部分はかなり広がってみえます。OIIIフィルタでも見えますが、バックが暗くなりすぎてHβフィルタのほうが広がりを感じます。バーナードループの明るさより若干明るく感じます。

Ninja-400では全体が淡すぎて、また星数が多すぎてバックの輝きが星雲かどうか見極められませんでした。ただしIC2177の一番南部にあるIC2177の丸い部分はOIIIフィルタやUHCフィルタでハッキリ見ることができます。

DSSによるIC2177

Ic2177

2005-12-28

おおいぬ座衝突銀河NGC2207,IC2163

おおいぬ座のシリウスの西にあるおおいぬ座β(Mirzam)の約4度南西にある、ハッブル宇宙望遠鏡で非常に有名になった、お互いに潮汐力を及ぼして重力で変形して衝突している二つの銀河NGC2207とIC2163です。冬の天の川に近いために銀河系内の星々が沢山見えていています。

それぞれ11等級以下の銀河であるため、大型ドブソニアンの独壇場です。私の場合はNinja-400では、二つ可愛らしく並んでNGC2207のほうが楕円に変形している様子が分かりました。視直径は小さく、また暗いため銀河の腕までは分かりませんでした。小さいほうのIC2163は横に延びている姿がかろうじて確認できます。最初見たのはNinja-400でしたが、まさかこれだけ衝突銀河がハッキリ見えるとは思いもしなかったため感動したことを思い出します。M51を1/4サイズにしたような感じと言えばよいでしょうか。
ドブソニアンを自由に使える方にはお勧めします。

ハッブル宇宙望遠鏡でのNGC2207,IC2163

DSSによるNGC2207,IC2163
Ngc2207
                                                                        *青は視野0.5度の円

2005-12-21

くじら座NGC247

この銀河は秋の天体になりますが、晩秋から冬にかけて夕方にでも見ることが出来ます。有名な天体であるちょうこくしつ座のNGC253の北で、くじら座のβ(Deneb Kaitos)との間にあり、βからは3度ほど南に位置します。

銀河自体は9.1等級*と明るく、すぐ発見できるかというと、大きく淡いために空が良くないとまったく見つけることも出来ない不思議な銀河です。面積あたりの光度が低く、そもそも銀河そのものもまばらな感じがあるのだと思います。実際、富士山周辺では西臼塚や新五合目では南天が沼津市、富士市等の光害でなかなか見つけるのは難しく、大口径ドブソニアンが必要となります。逆に空がよいところでは口径5cmの双眼鏡でもすぐ分かります。空のよさを見るバロメータに使えますね。淡くてなかなか発見できないために、初めて見たときには淡く大きいのに吃驚して感動しました。

・NGC247    9.1等*
                    *MegaStar表記

この天体は、NGC253を含めたちょうこくしつ座銀河群に属しており、我々の銀河系を含めたローカルグループのすぐ隣の銀河群となります。距離は750万光年で深宇宙のスケールからすると、すぐ近くの銀河となります。

DSSによるNGC247
Ngc247

2005-10-23

ケフェウス座 散開星団NGC6939, 銀河NGC6946 (スケッチ)

この二つの天体は低倍率で同一視野に入ってくる位置にあり、ほぼ同じくらいの大きさに見えます。
NGC6939は口径10cmだと中心付近の星がわずかに分解される?程度で、ほぼ星雲状に見えます。
NGC6946の視直径はやや大きいのですが、全体に確認しづらくうっかりすると見逃してしまいそうです。
スケッチ当日の富士山新五合目はなかなかよい空で、NGC6946も比較的はっきりと見えました。
大口径で見るような散開星団と渦巻銀河のペアの姿は望むべくもありませんが、
仲良く並ぶ小さな二つのすてきな姿を楽しむことができました。

Ngc69396946
(スキャンした鉛筆画をフォトショップで階調反転、方角マークは西)

テレビューTV-101+ナグラーtype4 17mm(天頂ミラー&LPS-P1フィルター併用)
2005.10.1, 富士山新五合目

2005-10-12

NGC2237バラ星雲

いっかくじゅう座のバラ星雲(NGC2237)と散開星団NGC2244です。

普段あまり真っ赤になるような画像処理はしないのですが、この星雲だけは真っ赤に仕上げたくなりますね。

Ngc2237

Canon EOS20Da

Canon NFD300F2.8 + Canon 2Xテレコン

ISO800 4分×4 ノイズリダクションON

中心部分を800x600ピクセルにトリミング

P2Zにてノータッチガイド

富士山新5合目

2005-09-19

カシオペヤ座の散光星雲NGC281

カシオペヤ座の散光星雲で、割と小口径の望遠鏡も見ることが出来ます。この星雲は不思議でフィルタワークでHβフィルタが一番見栄えや広がりが良くなります。HβがOIIIより見栄えが良い星雲って、他にはカリフォルニア星雲、馬頭星雲、バーナードループくらいしか知りません。高いHβフィルタが役に立つ星雲です。"The Night Sky Observers' Guide"にもこのことは書かれておらずUHCでインプレッションが記載されているだけです。

どうもアメリカではパックマン星雲とか言われているようですが、私には舌を出している提灯のお化けに見えます。モンキー星雲よりも淡いくらいですが、短焦点屈折にしてもドブソニアンしても結構見栄えがする星雲ではあります。

双眼鏡でも空さえよければなんとなく星雲があることが分かります。

DSSによるNGC281
Ngc281

2005-09-15

アンドロメダ座βのすぐ傍の銀河NGC404

アンドロメダ座β(Mirach)は、DeepSky観望での要の星だと思います。この星の周りにはM31やM33などのメジャー天体や銀河群/銀河団などが多く、銀河巡りの目印になる星です。この星のすぐ傍にNGC404の渦巻銀河ありますが、Ninja-400では渦巻というよりも楕円銀河のようです。

アンドロメダ座βとNGC404の角距離は7'ほどであり、よく見ないとβ星のゴーストと間違えてしまいます。200倍以上の倍率をかけたほうが良く分かります。

昔、Sky & Telescope誌で彗星捜索家でも有名なレビーが、お気に入り10天体に選んでいた天体ですが、なかなか通好みの天体なようです。

導入が超簡単ですので一度お試しあれ。DSSではβ星の明かりが強烈で、光芒に消されてしまっています。

DSS写真によるNGC404
Ngc404

カシオペヤ座M103周辺の散開星団群

カシオペヤ座のあたりには、派手な散開星団は少ないのですが、小粒でキリッとした散開星団群が揃っています。その中でも特に大好きなのはM103あたりの緻密な小さめな散開星団が集まっている領域です。

M103はこじんまりとしていて可愛らしいのですが、どちらかと言うとNGC654とNGC663のペアが気に入っています。どちらも結構星数が多く見ごたえがあります。NGC654は密集していて5'の中に60個の星々がひしめいています。一方、NGC663は16'の中に80個の星々が集まっていますが、視直径が3倍もあるのでNGC654と比較するとまばらな感じです。

DSSの写真の視野は2度ですが、その中に6つの散開星団が群れています。観望するには双眼鏡か最近流行の双眼望遠鏡が最高ですね。超広視界アイピースで最低倍率で見ると至福の世界が広がります。
このあたりは散開星団でなくとも、天の川の中ですので微光星が沢山見えて、流しているだけでも楽しい場所です。

視野2度でのDSS写真
M103
青い円は視野0.5度を表現

2005-09-13

オリオン座μのすぐ傍にある惑星状星雲Abell12

オリオン座の右肩(向かってなので左のほう)のベテルギウスの左上の星であるμのほんのすぐ傍28"のところにある惑星状星雲です。13.9等と暗く輝星の傍なので確認するだけでも大変です。

Ninja-400ではOIIIフィルタを付けてかなり300倍以上の高倍率にすると輝星の傍で丸く淡くAbell12が可愛く見れます。スパイダー等の光芒に邪魔されないように注意が必要です。初めて見たのはもう3年ほど前でしたが、ちょっとした感動でした。

とにかく導入が超簡単なことと形状が丸く見えて面白いことから、お勧めです。どうしてもシーイングと透明度のよさが求められます。秋から冬に掛けてのしばれるくらいの寒い夜にいかがでしょうか。

・Abell12        13.9等    37"

DSSによるAbell12
Abell12

ペルセウス座のNGC1023

NGC1023がメシエ天体ではないのは不思議なくらい明るくて立派な銀河です。視直径はアンドロメダ銀河M31の1/10くらいですが、形は非常に似ています。Ninja-400で見ていると双眼鏡で見たM31のようですね。ちなみに伴銀河が無いのでそこは寂しいのですが。周りに明るい星が並んでいて特徴的な形をしています。秋には天頂付近に来るので見やすくなります。

Ninja-400で詳しく見るとバルジの部分が膨らんでいるのが分かり、エッジオンの位置からちょっと斜めに見ているようです。

・NGC1023        10.4等

Ngc1023

ペルセウス銀河団AGC426

ペルセウス座β(Algol)から2.5度ほど東にあり、かなり密集した銀河団です。距離は2億3500万光年であり、うお座・ペルセウス座超銀河団の一部を成しています。この超銀河団は1000個以上の銀河を含むとのこと。

探すのは簡単でAlgolから辿ります。Ninja-320でも見ていましたが、この銀河団はなるべく口径が必要です。淡い米粒なような銀河がかなりな密度で集まっている様子が見えてきます。とくに淡いので長時間を掛けてじっくり見ることが必要ですね。一番明るい銀河NGC1272でも11.7等であり、他の銀河は13,14等ばかりです。
そのNGC1272傍のNGC1275は巨大な楕円銀河と渦巻銀河が衝突しており、そのため強力なX線源となっているそうです。おとめ座銀河団のM87のような存在ですね。HSTの写真では楕円銀河の前に複雑な暗黒帯が入り乱れて活動が激しい様子が見て取れますが、Ninja-400ではボーッとした楕円銀河にしか見えません。

ペルセウス銀河団ですがNinja-400では38個の銀河がカウントできました。ちなみに範囲は写真の倍ほどあります。代表的な銀河は以下のとおりです。

・NGC1265        12.1等
・NGC1275        11.9等
・NGC1272        11.7等
・NGC1273        13.2等
・NGC1281        13.3等

ペルセウス銀河団(AGC426) DSS写真

Perseus
プロットした銀河はNinja-400で見れたもの

うお座のM74

うお座にありますが、捜すのはいつもおひつじ座の特徴的な三角形から辿ります。うお座のηを見つけて、その傍にあります。透明度の良い日はSky-90に低倍率でも見れます。
Ninja-400ではなんとなく2,3本の銀河の腕が見えますが、典型的なフェイスオン銀河なので空の状態が悪いと途端に見栄えが悪くなりますね。

・M74        10.0等

等級は明るいのですが、意外と辛いです。メシエマラソンでのスタートの銀河としても知られてますね。ただ淡いので夕暮れの薄明中に見つけるのはかなり難しいかもしれませんね。チャレンジしたことが無いので何とも申せませんが。

M74
DSSのプレートの関係で端にずらしています

2005-09-03

おひつじ座1番星の周りの銀河群

おひつじ座の特徴的な三角形の真ん中の星の近くに1番星があります。その星の周りに次の銀河が群れていますが、重力的な関係があるのかどうかは分かりません。
Ninja-400で見れたものをリストします。

・NGC678    13.3等
・NGC680    11.3等
・NGC691    11.4等
・NGC694    13.7等
・NGC695    13.8等
・NGC697    12.8等
・IC167        13.1等

渦巻銀河が多いので、たまたま同一方向に集まって見えているだけかもしれません。意外と明るい銀河が多く、口径20cm程度でも結構楽しめます。おひつじ座1番星も慣れると簡単に見つかりますので、導入も早いです。

NGC680

2005-08-21

おうし座の惑星状星雲 : NGC1514

Magnitude: 10.9
RA: 04h 09m 17s
Dec: +30°46' 35"

Size: 2.2 x 2.2
中心星 9.4 等

とても明るく、大きく、中心星も楽しめる惑星状星雲です。

惑星状星雲で有名な対象ではないのですが、何故有名にならないのか不思議なくらいに比較的小さな口径の望遠鏡でも楽しめる対象です。クリスタルボールというような細かな構造までは見えませんでした。

Crystal Ball Nebula の愛称があります。

ngc_1514

2005-08-15

みずがめ座の惑星状星雲 : NGC7293 : らせん状星雲 : Helix Nebula

RA: 22h 29m 38s
Dec: -20°50' 11"

Size: 17.6 x 17.6
7.3等、中心星13.5等
らせん状星雲・Helix Nebula
いわずと知れたですね。とても大きいのですが、眼視では淡いためにフィルターを付けて部分部分を拡大しつつ視野を動かしながらご覧になるとその細部が複雑なんだって分かってきます。眼視では中心が抜けたように見えるのですが、写真では中心部にも薄く見えるという点も写真とは違う感じ方になるのでしょう。惑星状星雲は思い切り倍率を上げても銀河ほど見えにくくならないので、躊躇せずに倍率を上げてみることをお勧めします。(表面輝度は大抵かなり明るい)

ngc_7293

みずがめ座の惑星状星雲 : NGC7009 : 土星状星雲

RA: 21h 04m 11s
Dec: -11°21' 47"

Size: 0.6 x 0.6
8等、中心星11.5等
土星状星雲 Saturn nebula
明るくって直ぐに見つかります。比較的低倍率でも土星の輪にあたるヒゲの部分が見えます。拡大してもこのヒゲは消えないので拡大してみると、いかにも土星状って感じが伝わってきます。青い感じが見えるのも本体が明るいおかげですね。土星は青くないからその点で惑星状星雲の色は独特ですね。

ngc_7009

くじら座の惑星状星雲 : NGC246

RA: 00h 47m 03s
Dec: -11°52' 17"

Size: 4.1 x 4.1
10.9等、中心星11.9等

大きくていびつで、ところどころ擦れていて、見ていて飽きない変な形です。

少し淡いので倍率を上げ過ぎると複雑な構造が見えなくなってしまいます。比較的大きな惑星状星雲ですので、倍率はそこそこで抑えて、300倍程度止まりにすると良いと思います。

いびつな構造を見ることができます。ちょっと見ではところどころに穴が開いたような感じに見えました。

ngc_246

Coonabarabranのグリーンフラッシュ

こちらは、今年(2005年6月)のオーストラリア Coonabarabranでのグリーンフラッシュです。

毎朝、グリーンフラッシュ待ちを続けてやっと撮影できました。須走りのグリーンフラッシュと違って本当に一瞬でカメラの連射で4駒撮影がやっとでした。(須走りのほうは、手巻上げで撮影)

200mm望遠レンズを手持ちで撮影した画像の中心部を拡大してあります。

GreenFlashCoonabarabran

Canon EOS 20Da

EF70-200mmF2.8L 200mmF11

1/2000

2005-08-13

うお座の見ごたえある銀河群NGC7619etc

うお座の見ごたえのある銀河群を紹介します。
MegaStarのカタログはされていませんが、これだけ明るい銀河が密集しているのは何かの銀河群や銀河団であろうとは思います。偶然同じ方向にこれだけ銀河があるとは確率的にかなり稀でしょうし。

DSSの写真では視野の中に46個の銀河がリストされますが、さすがにそれだけは見えませんが、Ninja-400でカウントしたところ12個が見れました。そのリストを以下に書きます。

・NGC7619    11.0等
・NGC7626    11.1等
・NGC7623    13.3等
・NGC7611    12.5等
・NGC7617    13.8等
・NGC7631    13.3等
・NGC7608    14.0等
・NGC7615    14.3等
・NGC7612    13.7等
・IC5309       13.7等
・UGC12510  14.0等
・UGC12522  14.7等

晩秋の透明度の良い空で確認できたものですが、さらに透明度が良い対日照が見えるような空で挑戦してみたいですね。

どのDSS写真もそうですが、青い円は0.5度の視野を示しています。Ninja-400でもっともバランスが良い視野だと思ってます。倍率は160倍程度になります。瞳径が2.5mmで光害の多い日本ではちょうどくらいでしょうか。また月の大きさですので、参考にしてください。

DSSの写真

NGC7619

導入チャート

P050813_195004

ケフェウス座の明るい惑星状星雲NGC40

明るい惑星状星雲です。視直径も1'はあります。見ごたえのある惑星状星雲ですね。中心星は11.5等なので見えかどうかは忘れましたので、今度確認してみます。

・NGC40   10.7等

赤緯が高い(大きい)ため、年間で楽しめます。

NGC40

2005-08-12

つる座の見ごたえある銀河群NGC7582etc

NGC55よりもさらに3度ほど南になりますので、かなり見づらい天体ですが、南天の透明度が抜群に良い空でチャレンジしてみてください。
厳密には銀河群ではないようですが、私は南天の"Grus Triplet"だと勝手に名づけてます。まさにしし座のM65,M66,NGC3628に相当する素晴らしい見え方です。特にオーストラリアで見ると天頂近くに昇ってきてNinja-400で見ると似たような大きさ見え方の3つの銀河と、ちょっと離れた場所に一つ銀河が見えます。構成する銀河は以下のとおりです。

・NGC7582    11.4等
・NGC7590    12.1等
・NGC7599    12.1等
ちょっと離れて
・NGC7552    11.3等

NGC7582

2005-08-11

白鳥座の惑星状星雲 : NGC7008

RA: 21h 00m 33s   
Dec: +54°32' 38"

size 1.4'

二つの明るい星がくっついていて中心星も12.3等と比較的明るく見えます。
Fetus Nebula と呼ばれています。

写真でもよく見かける対象ですね。
天頂近くを通るのでドブソニアンや経緯台では探しにくいかも。

ngc7008

2005-08-10

ステファンの5つ子

NGC7331を書くとすると次はステファンの5つ子(Stephan's Quint)を書かないわけにはいきませんね。Hickson92とも呼ばれていて重力で関係する銀河が4つ近接しています。全天でもそこそこ明るい銀河が4つも集まっている例は少ないです。NGC7320はたまたま同一方向に見えているだけで、後の4つとも縁もゆかりも無いそうです。

各天体の等級は以下のとおりです。
・NGC7317    13.6等
・NGC7318A  14.3等
・NGC7318B  13.9等
・NGC7319    13.1等
・NGC7320    13.2等

光度としてはかなり近いものがあります。5つ子たる所以でしょうか。
私がこの天体を最初に見たのはもう9年ほど前にNinja-320で富士山須走五合目で見ました。それから何回もNinja-320で見ていますが、どう見ても4つまでしか見えずNGC7318AとBが分離して見れなかったのです。Ninja-400を購入して真っ先にこの天体を見たところ、綺麗に銀河のコアが見えて初めて5つの銀河を確認できたのです。
Ninja-320と400の口径差を初めてハッキリ確認できた天体でもあります。

今ではドブの対象としてかなり有名になりました。淡い米粒のように見えてなかなか味わいがあります。ぜひ大口径で見てみたい天体でもありますね。

ちなみにNGC7331のほんの0.5度南西に離れた場所にありますので、導入はNGC7331を見つけると意外と簡単です。透明度の良い暗い空であれば、ちょっと視野を振るだけで簡単に淡い天体が集まるボーッとした領域が分かるハズです。ぜひ200倍以上で見てみると良いと思います。倍率が高くても結構見えますし、NGC7318A,Bに分離せず5つ子には見えませんよ。

NGC7331とステファンの5つ子
(青の円は0.5度の視野)

Stephen

ステファンの5つ子 拡大写真

Stephen1

2005-08-08

NGC7331と伴銀河群

ペガスス座にある銀河です。
この天体のすぐ傍、0.5度ほど南西には有名な"ステファンの5つ子"があります。この銀河自体かなり明るく立派なもので、メシエ天体になってもおかしくないほどの天体です。等級は9.4等で、姿は超有名なアンドロメダ銀河をそのまま小さくした風です。ミニアンドロメダとでも呼びたいくらいですね。

この銀河には割りと明るい伴銀河群があり、特徴的な三角形の星の並びの傍にNGC7335(14.4等)、NGC7337(15.2等)、NGC7340(14.7等)の3つが見えます。Ninja-320で良い空であればかろうじてそらし目で見える感じで、Ninja-400ではさらに確実に見えました。
空の状態が少しでも悪くなると、まったく見えなくなるため、空の状態のバロメータに使ったりしていました。
他にも近くには銀河があるのですが、天体が暗いためか見れたことはありません。

この銀河を見るのは200倍くらいで迫力満天で見てみたいですね。まさにアンドロメダ銀河を30倍くらいで見ている雰囲気になります。

NGC7331

2005-08-06

ヘルクレス座の球状星団 : M13と隣接する銀河

超メジャーなので今さらって感じかもしれませんが、球状星団の周りに幾つかの銀河があって、同一視野に見える時って、安田さんが散開星団と銀河のナイスペアのところで紹介していたように、距離感から、宇宙の奥深さを知ることができて感激ものです。

M13とNGC6207はたぶん、30cm程度の口径があれば見えると思いますが、M13とNGC6207の中間に見えるIC4617は15.2等なので、40cm以上の口径であれば見えるかもしれません。僕はIC4617を見たことがありません。

これはメジャー過ぎるくらいだから座標データは無しでもかまいませんよね。

m13_NGC6207

2005-08-05

たて座の散開星団 : M11 と 変光星 R Sct

たて座にある散開星団 : M11です。
この星団とのお付き合いは既に30年以上の長い付き合いです。
というのも、直ぐそばに  R Sct  という比較的明るい(双眼鏡程度で観測可能) 変光星があるためです。高校生の頃(古い話です)この変光星を観測するたびに、M11の美しさに見惚れたものでした。R Sct が比較的短期(140日程度)な変光周期であったことから観測頻度を高めにしていたので、3日に1度は見るというようなことを続けていたのでした。おかげでこの辺りの星の並びまで記憶されていて、M11には並ならぬ思いいれがあります。

散開星団とはいえ、球状星団並の密集度があります。似たような密集度のM71と並んで大好きな散開星団の一つです。近いうちにM71も投稿しようと思っています。
Equatorial 2000:
RA: 18h 51m 06s   
Dec: -06°16' 00"

m11

2005-08-03

りゅう座の惑星状星雲 キャッツアイ星雲:NGC6543

りゅう座の惑星状星雲、愛称: キャッツアイ星雲 です。
NGC6543 0.3'×0.3'
とてもシーイングが良いときに、30cm以上の口径で、300倍程度の倍率でご覧になると、時折、キラリン、と中心星を見ることができます。M57の中心星よりは見やすいのでシーイングの良い時にはぜひぜひ狙ってみてください。ちなみに、中心星は11.3等です。中心星をご覧になる時の倍率は500倍前後が望ましい。300倍程度では見えませんでした。倍率を上げると、写真で見かけるような複雑な構造が見えてきます。いかにもキャッツアイって愛称が似合う様子を見出せたときには嬉しくなって、観望会の時には様々な奇声が聞かれる対象です。

星図のキャッツアイの左側に見えている小さな銀河はNGC6552です。
13.8等なので、キャッツアイの中心星が見えるような空の時にはなんとか見えると思います。

Equatorial 2000:
RA: 17h 58m 33s   
Dec: +66°38' 01"

ngc6543

へびつかい座の惑星状星雲 リング状:NGC6369

へびつかい座にある惑星状星雲です。NGC6369、中心星は見えなかった記憶があるのですが、写真ではくっきりシャッキリ写っていますね。
とても綺麗なリング状です。リングの部分に明るい星が2個あって、1個は北にもう1個は南にあって、それぞれ11.9等と12.3等なので、リングの南北部分を明るく際立てさせています。
リング自体も明るいし、真ん中の暗く抜けた部分が暗いのでかなりくっきりしたリングと分かります。この惑星状星雲の1.5°ほど西に Snake Nebula : S字状暗黒星雲が見えます。

Little Ghost

Equatorial 2000:
RA: 17h 29m 20s   
Dec: -23°45' 33"
ngc6369

2005-08-01

いて座の 銀河 NGC6822: Barnard's galaxy

19h 44m 57s
-14d 48' 23"
2000

Barnard's galaxy
南八ヶ岳の住人さんの記事を読んで思い出したように。8.7等級、14'×15'
とても淡いので見難いですが、さすがオーストラリアの空はこれをいとも簡単に見えちゃうんですね。

ngc6822

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いて座の 惑星状星雲 NGC6818

19h 43m 58s
-14d 09' 09"
2000

NGC6818: いて座にある惑星状星雲です。9.3等級、0.8'と見やすい明るさと大きさです。
LITTLE GEM
中心星13.1等、でも、惑星状星雲本体が明るすぎて見えたことがありません。

いて座の惑星状星雲では一番見ごたえがある対象です。

南八ヶ岳の住人さんの記事を読んで、思い出したように(^^ゞ記載します。
ngc6818

2005-07-31

わし座の リング状星雲 NGC6781

わし座にある惑星状星雲:リング状星雲です。比較的大きいのですが淡いのでフィルター必須でしょう。
中心星は15.0等とありますので、大口径の方には見えるかもしれません。

19h 18m 28s

+06d 32' 25"      
2000

ngc_6781

2005-07-29

散開星団と銀河のナイスペアNGC6946,NGC6939

全天で散開星団と銀河のナイスペアと言えば、NGC6946とNGC6939に勝るものは無いでしょう。等級も大きさもほぼ同じで、片方はよく見ると細かい星々の散開星団、片方はうっすら腕の見えるフェイスオン銀河。それぞれ7.8等、9.6等ですが、空さえ良ければ同じくらいの明るさに見えます。

またケフェウス座にあるので、割と長期間見えていることもあり、空の透明度を測るバロメータにもしています。空がちょっとでも悪いと、銀河のほうは見えなくなってしまいます。フェイスオン銀河の場合はM33,M101など皆、光害には弱いですね。

去年の夏でしたか、このペアの銀河のほうNGC6946に超新星が現れました。かなり超新星が頻度高く現れる銀河としても有名なようですね。銀河内部が活発に活動中なのかもしれません。

このペアはメシエナンバーは付いてませんが、十分なメジャー天体ですね。「星雲・星団ウォッチング」でも紹介されています。私のほうかなりお気に入りペアですね。

DSSによるNGC6946,NGC6939
NGC6346

2005-07-27

さそり座新星 2005

ASAS(全天自動サーベイ)が撮像した画像で発見され、静岡県にお住まいの西村栄男(にしむらひでお)さんによって独立に発見されています。

  赤経  17時44分21.59秒
  赤緯 -34度16分35.7秒 (2000年分点)

7/26には8.6等級でまだ増光中のようです。
明るいので星の色が分かると思います。
新星の色は独特の色ですので、一度ご覧になると焼き付いちゃいます。(^^ゞ
nova_scorpii_2005

2005-07-24

ヘルクレス銀河団AGC2151

昔で言うとパロマの写真集で有名な銀河団です。銀河団の中心近くのNGC6045という変形した銀河が目印です。
場所はヘルクレス座とへび座の境界近くにあり、へび座の頭となる二等辺三角形の星の近くになります。

決して明るい銀河は無いですので、どうしても口径30cm以上の望遠鏡が対象となりますね。一番明るい銀河でも13等級台後半です。Ninja-400では透明度の抜群に良い空で30個の銀河を数えることが出来ました。15.5等くらい見えていた夜ですね。
カタログされているものでもこの写真の視野で100個以上の銀河があります。

一度、大口径で最高の夜にどれだけ見えるかカウントしてみたいものです。写真の対象としても面白いものですね。

AGC2151

日本からの極限 さいだん座の球状星団NGC6397

日本からは南中時でのカノープスと同じくらいの高さにしか見えませんので、超難関な星団です。私も富士山新五合目にて透明度が抜群によい夜に1回しか見れていません。それも星に分解までは出来ずボーッとした状態で確認できただけです。
南西諸島とか伊豆諸島まで行けば結構見えるのだとは思います。

この星団はさいだん座というさそり座の南にある星座にあります。オーストラリアで観望すると天頂付近に見えて雄大ですね。等級は5.3等(MegaStar表記)なので、M13よりも明るいことになります。ただこの星団の特徴はかなりまばらで広がりがあるように見えて、眼視ではM13と同程度に見えますね。
南天観望では外せない天体です!!!

NGC6397

はくちょう座のくらげ星雲NGC6888

アメリカでは三日月星雲(クレセントネビュラ)と言われていますが、私にはどう見ても"くらげ星雲"に見えてしまいます。ふたご座のIC443も写真で見るとくらげっぽいですが、眼視ではこちらのNGC6888が、その薄さといい見え方といい本当にくらげです。

導入は簡単ではくちょう座の十字の要の星であるはくちょう座γから2.5度ほど南西に行ったところにあります。ただ天の川の真っ只中ですので、星が多く、ネビュラフィルタを着けていたほうが発見が容易です。淡いためか空の透明度の影響をかなり受けます。

C8(口径20cm)で初めてみたと思いますが、淡く星雲の真ん中のあたりしか見えませんでした。Ninja-400(口径40cm)では、この写真を淡くしたように見えますが、くらげの真ん中あたりは見えませんでした。

この星雲は超新星残骸だとしばらく思っていましたが、惑星状星雲だそうです。ウォルフ-ライエ星と言われるタイプの星がガスを放出しているとのこと。惑星状星雲というとM57(リング星雲)、M27(あれい星雲)などのように対称形を想像してしまいますが、これは歪ですね。

とにかくこれからのシーズンでは天頂近くに昇ってきますので、お勧めの天体です。私のほうは小口径でもチャレンジしてみようと思います。

NGC6888

2005-07-18

アンテナ銀河

これはアンテナ銀河と呼ばれていますが、オーストラリアで観望したときにはアンテナの根元のあたりがNinja-400ではなんとか見れました。
また中心部の複雑な構造も見て取れ、素晴らしい眺めでしたよ。Anntena