南天で巨大なガム星雲
ガム星雲は全景はとても大きく写真では、大きさは40°X90°にも及びます。そのスケールは、ほ座、りゅうこつ座、とも座という昔で言えばアルゴ座全体に広がっています。ガム星雲は約11,000年前に、ほ座に出現したと考えられる超新星の残骸です。太陽系に近い位置で爆発したために、大きく広がって見えます。距離は1,000光年なので超新星としては抜群に明るかったハズです。
私がこの星雲(Gum12)を初めて見たのは、4年ほど前の晩秋の富士山新五合目ででした。通常富士山新五合目は沼津市、富士市などの光害が酷く、南天の低空は諦めモードなのですが、確か11月の寒い日だったと思いますが、透明度が異常に良く、カノープスが1等星くらいに見えていました。ひょっとして見えるのではないかと思い、Ninja-400にOIIIフィルタをプラノキュラーに付けて有効最低倍率にして探してみたところ、GSC7670:866(PPM313335)という4.1等級の恒星の近くでなにやらボーッとした横に延びた本当に淡い天体が見れました。DSSの写真ではその星は左上に明るく写っています。このときは条件は良かったのですが、私独りで見ていたためガム星雲が見えたことをなかなか信じてもらえなかったかもしれません。
次にガム星雲を見たのはオーストラリアのクーナバラブランででした。最初はNinja-320で次にNinja-400で明らかにフィラメントが延びた姿を見ることが出来ました。ただ如何なオーストラリアでもノーフィルタではまったく分からず、OIIIフィルタが必須となります。
目印の恒星から長く延びたフィラメントを5°程度追うことが出来ました。さらに分岐したり複雑な様子が見れました。
さらに2006/2/4には、南伊豆でもかなり長く延びた姿を見ることが出来ました。網状星雲と比較するとかなり淡く、OIIIフィルタを付けて見たガム星雲は、ノーフィルタで見た網状星雲よりも若干淡い感じでしょうか。それも年に数回あるかないかの、かなり南天の透明度が良いときなので難物には変わりません。
ガム星雲は巨大なので、他の場所も見えるのだと思いますが、どうもこの場所が一番濃そうです。フィラメントも長いですね。