子供の頃、自宅にタイムライフ社の"The Universe"という図鑑があり、その中に馬頭星雲がパロマ天文台の写真ですが、掲載されていました。子供ごころに気持ちが悪い不思議な天体として感じており、心に残っていました。
望遠鏡で星を見るようになっても、まさかあの馬頭星雲が眼視で見れるとは思っても居ませんでした。1980年代末からドブソニアンブームが始まり大口径の望遠鏡を容易にゲットできるようになり、この馬頭星雲が一躍脚光を浴びてきたのだと思います。すでに天体写真としてはオリオン座の中でもM42に続いて有名な場所となっていましたが、見ることに関しては難物だったのだと思います。
私が初めてこの馬頭星雲を見たのはNinja-320を購入してすぐでした。もう10年ほど前でしょうか。当時、Hβフィルタは持っておらずUHCで確認できました。秋口の寒い富士山須走五合目でしたね。見えるかどうか分かりませんでしたが、オリオン座ζ(Alnitak)から20'ほど南にある二つの星をたどり、その西にある星のあたりに散光星雲がうっすら認められると、そらし目テクで見ていると黒く抜けているのが分かりました。感動しましたね。一旦、見方が分かるとUHCフィルタが無くても抜けているのが分かるようになります。位置を知っているのは強いですね。
馬頭の首のくびれがハッキリ分かるのは、Hβフィルタを付けて見たときです。おお、ようやく天体写真と同じように見えたことでこれも感動しました。Ninja-400で最高の透明度の夜にHβを付けて見ると、Hβフィルタの色の影響もあるのかもしれませんが、なんとなく黄色っぽい星雲をバックにして馬頭の姿が見事に浮かび上がります。Hβフィルタはまさにこの馬頭を見るために生まれてきたフィルタという感じですね。用途が少ないので随分リッチですね。本当のリッチフィールドです(^^;;
その後いろんな望遠鏡でこの馬頭星雲を見てきました。最小口径はFUJINON 40x150EDですね。ノーフィルタでしたが、淡い星雲をバックになんとなく黒く抜けているのが分かりました。富士山新五合目での最高の夜でしたね。もちろん雲上でその雲も濃く光害がほとんど無く空気が澄んでいる場合ですね。
ちなみに馬頭星雲はB33という番号が付いていますが、これはバーナードが暗黒星雲をカタログしたものの番号です。他の天体も含め暗黒星雲にはメシエ番号、NGC番号、IC番号は一切付いていません。
馬頭星雲。私も16cmにHβという小口径で見たことがあります。1978年版の藤井旭さんの全天星雲星団ガイドブックによると、空の暗いところでは15cmでも見えると書いてあります。この時代ですからもちろん、ノーフィルターの話ですが、この話からしても案外、確認しやすい対象なのかもしれませんね。
しかし、大口径にHβだとはるかに観易いのは当然ですが、45cmでは馬の首の形ははっきり分かりました。安田さんが、”子供ごころに気持ちが悪い不思議な天体”とコメントしてますが、私も、諸星大二郎のマンガにこの天体が出てきたので、子供心にブッキーに思っておりました。
投稿情報: 南八ヶ岳の住人 | 2005-09-23 13:35
昨秋,クーナバラブラン(オーストラリア)に安田さんたちと行った際に初めて見せてもらいました。
トラさんのSchwartz150s-Bino(Nagler4-22mm+Hβフィルター)を使わせてもらったので空と機材に不足はなかったはず・・・
安田さんたちが「ほら,ここにこうして見えるでしょ!?」と教えてくれるのですが,視野に入っているはずなのになかなか見えてきません。
視野を見つめてがんばること約20分,ようやく光のベールに微かな凹みを認める事ができた!・・・かな?
私にとっては決して確認しやすい対象ではありませんでした。またそのうちチャレンジしたいと思いますが,同行のみなさんには全く迷惑な時間でしたね。
投稿情報: 星くり | 2005-09-23 14:26
それにしても馬の姿は見事ですね。チェスのナイトの駒を思い出させます。シュールレアリズムの絵のようでもあります。
一度、大口径望遠鏡で色つきでこの天体を見てみたいですね。やはり冬場透明度の良い空で堂平の91cmでしょうか。
投稿情報: 安田 俊一 | 2005-09-23 19:09
近くのNGC2023が、眼視では滲んだ恒星状に見え、写真のように広がって見えないことを知った上で位置を確認すると、楽でした。 空が良い場所では、フィルターをつけない方が良く見えました。
投稿情報: トラ | 2005-09-25 00:26
最小口径ということでしたら、Sky90でもHβを使えば、何とか見られます。と言っても、バックのIC434の中の黒いしみ程度です。見つけるのに10分~20分程度格闘しました(Koenig32mm、瞳径5.8mm)。2回見たのですが、いずれも場所は須走5合目です。
40cmなら楽勝と思いきや、馬の形まで認識するのはかなり大変ですね。くびれがはっきりわかるほどの空で見てみたいです。
投稿情報: かわの | 2005-09-25 04:52
これは何度も安田さんにお見せいただいているのですが、私の視力が弱いせいか、薄っすらと、【あるかな?】、と言う程度にしか見えておらず、星くりさん同様に、やはり冬場透明度の良い空で堂平の91cmで見てみたい(視野に収まるのかしら?)です。南八ヶ岳の住人さんやかわのさんのように16cmや9cmで見えるなんて羨ましい限りです。
投稿情報: 舟田 雅夫 | 2005-09-25 09:42
堂平91cmでは見えませんでした。2インチ当時は何も見えませんでした。また91cmでHβを使うとすべての星が何も見えなくなります。
現在は4インチ100ミリアイピースなので視界には入ると思います。
ちなみに私は今月いっぱいで任期が切れ堂平から離れ、役場に戻ります。
ログハウスの近くにTheSky対応の自動導入追尾可能な45cm経緯台式反射望遠鏡が設置されたので、4月からは管理人さんが宿泊者には常時、45cmで見せてくれるでしょう。
投稿情報: かやま | 2006-01-22 22:26
堂平91cmのオペレータつき観望は今後は行いません。次回パンフレットからは削除します。
イベントのときにたまに動かすことはあるかもしれませんが、観望の申し込みがあって動かすということは今後はなくなります。
投稿情報: かやま | 2006-01-22 22:30
かやまさん、こんにちは。
91cmのお世話ご苦労様でした。今度は最高の条件で91cmを見てみたいと思ってましたが、ちょっと残念です。かやまさんとブランティアスタッフの皆様の心意気に感謝します。
91cmで馬頭を見たかった今日この頃です。
投稿情報: 安田 俊一 | 2006-02-07 08:28
堂平では空が明るすぎて91cmでも馬頭は見えないんです。
周辺はかすかに確認できますが、肝心の馬の頭には見えません。
投稿情報: かやま | 2006-02-18 23:30