2005-09-16

プレアデス星団M45

この天体を書くのは勇気が要りますね。あまりに有名な天体で、平安時代の清少納言が枕草子の中で「星はすばる...」と詠んで、M45のことを書かれているのが日本では最初のようです。すばるの意味が縛るとか結ぶとかということだそうで、散開星団そのものの意味のようで面白いですね。

もうこの星団を初めて見たのはいつかも分かりません。たぶん小学生になるかならないころ、今よりは随分綺麗な空だった西宮市の空で見たのが最初だと思います。子供の頃はたぶん視力は3.0くらいはあったのでシャープにすばるの6つの星とPleioneも見えてました。視力は2.0までしか計れませんでしたが、2.0の環がハッキリ分かったので3.0くらいはあったのだと思ってます。ただ当時はそれほど暗いところで極限等級チャレンジをしたわけではないので、実際どれだけの星が見れたのかは分かりません。
今この年になっては6つがやっとです。

もう30年ほど前の天文ガイド誌に非常に暗い星が見える人がインタビューされていてM45の場合、55個の星々がカウントできたそうで、スケッチも残されてました。当時は驚愕でしたね。M45の範囲を広く取られてのカウントだったと思いますが、それにしても凄いと思いました。
ちなみにガリレオが彼の望遠鏡でこのM45を見て36個の星を数えたそうです。ガリレオは肉眼で6個しか見えない星々が36個も見えると驚いたそうですが、ガリレオ式で対物径が26mmと16mmの望遠鏡ではやはり厳しかったんでしょうか。

それぞれの星の名前と等級は以下のようになります。個名が付いたものだけです。

・Pleione        5.06等
・Atlas            3.63等
・Alcyone      2.88等
・Merope     4.17等
・Maia            3.88等
・Electra        3.71等
・Taygeta    4.30等
・Asterope    5.77等
・Celaeno      5.46等

またM45はどちらかというと散開星団の中で集合としてまばらな方で、1立方パーセクあたり2.8個の星があり、他の星団との比較ではM11が83個、M36が12個なのに比べるとまばらです。ただヒアデス星団のようにさらにまばらのものもありますから、散開星団にもいろいろパターンがあることが良く分かります。

ギリシャ神話としてはプレアデスの7姉妹だとされ、それでプレアデス星団とも言われています。人間のサガが爆発のギリシャ神話ですが、このプレアデスに関しては生々しい話はなくオリオンに追いかけられているだけだそうです。

このM45を観望するのは、私は双眼鏡か肉眼に限ると思っています。双眼鏡にしても7倍以下のものが良いですね。すばっている姿が倍率を上げてしまうと薄れてしまいます。高性能な双眼鏡でM45を見ているとため息が出ますね。当たり前に過ぎる超メジャーな天体ですが、たまにジックリ見るのも面白いと思います。

ドブソニアンで見る場合はMeropeやMaiaの周りの散光星雲NGC1432,NGC1435(IC349)を楽しんではどうでしょうか。淡くてなかなか気が付かないですが、低倍率で見ると特にMeropeの周りの散光星雲は確認しやすいです。さすがに色までは分かりませんが、OB型の星々の光を反射しているだけなので、OIIIやHβフィルタは逆効果です。ノーフィルタもしくはLPS-P2等の光害カットフィルタが有効だと思います。

明るい散開星団で全等級は1.2等もあります。星々が明るいだけに光学系の優秀さダメさが非常に良く分かる星団でもあります。

・M45        1.2等

DSSによるM45の写真

M45
青い円は視野0.5度