非常に短い観望だったので、わざわざ書くほどのことでも、と思いましたが、クラブ内MLでの反応が上々でしたので、初投稿させてもらいました。
10/29の東京地方は午前は晴れていたものの、寒冷前線通過に伴い午後から雨、10/30にかけても予報は曇りと、あいにくの天気でした。卓越天気、高知大学気象情報頁、tenki.jpなどを何度も見ながら、出動すべきかどうか迷っていました。
天候不順の中での出動は、当然雲上狙いなのですが、特に今回は西側から天候が回復していくパターンで、東京方面には10/30まで雲が残ることから、関東平野の光害を覆い隠してくれるのでは?との期待を持って、20:00に出動を決断しました。
つまり、下記のページにある、二つ目のパターンを狙ったことになります。
http://homepage2.nifty.com/t-shimada/tenki.htm
現地には、22:30に到着。一応星は見えていたのですが、薄雲を通して滲んだような星がちらほら。2台ほど先着がいましたが、誰も機材を出していませんでした。
温度順応もあるので、とりあえずNinja400をセッティングして、冷却ファンを回して待つことにしました。その間にさらに1台到着しましたが、空を見上げて早々に退散していきました。
薄雲で2等星くらいまで減光された火星が見えたり見えなくなったりしているのを、車の中で眺めながら待っていると、23:50頃から突然クリアな晴れ間が広がってきました。まずは火星に照準を定めました。太陽の湖あたりが見えましたが、シーイングはいまいちです。(5/10くらい)
そうこうしている内に、上空は7割方晴れで、下界は完全に雲海の中。秋から冬にかけての天の川が非常に濃く見えていました。オリオン座からおおいぬ座にかけて広がっていく天の川を久しぶりに見ました。まだオリオン座は45度も昇っていなかったと思いますが、見事に雲海が関東の光害を覆い隠してくれていました。
早速Ninjaで馬頭を確認すると、Hβでくびれまで、そらし目を使わずはっきりわかります。こんなに明るいIC434は初めて見る気がします。ノーフィルターでも確認しました。
燃える木NGC2024も複雑な構造がきれいに見えていました。M42は青緑の中心部がひときわ明るく見え、赤銅色の羽も確認できます。バラ星雲もきれいに見えました。ひょっとしたら、IC2118魔女の横顔星雲も見えたかも。星図で位置を確認しようとしたら、雲に隠れてしまいました(はっきり見えたと言えないのが残念です)。
ここまでで約10分間。その後はべた曇りで、2時半まで待ちましたが状況は変わらないので撤収しました。気温は6℃でそれほど寒くはありませんでした。
曇りの待ちのときに気付いたのですが、雲海の度合いによって、駐車場付近の明るさはすごく変化します。雲海が薄いと市街地の光が透過して上空の雲に反射し駐車場付近も結構明るいのですが、雲海が濃くなるとググッと暗くなります。それでも真っ暗な闇夜にはならないところが、光害の凄さを感じます。雲海面を見る限り、完全に下界の光を遮断しているように見えましたので、このあたりが富士山新五合目の限界かもしれません。
何はともあれ、このような条件の良いときは瞳径7mmに限ります。普段は、Nagler4 22mm(射出瞳径5mm)から倍率を上げていくのですが、今回は22mmからすぐにNagler5 31mm(射出瞳径7mm)に変えてそのままでした。大きな対象だけを見たというのもあるのですが、22mmにするのがもったいないというのが正直な感想です。普段は視野が白んでしまうところが、バックは締まったままで星雲がより明るく見えていました。
また、このようなチャンスが巡ってくることもあると思いますので(もう少し長時間見たい)、多少天候が悪くても足しげく通うようにしたいと思います。
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