10/1は天気予報は南のほうがよく、富士山は微妙な位置ではありました。私のほう半分くらい曇りを予想してました。予定どおり17:00ごろ御殿場に到着した時点では結構晴れていて透明度よく富士山が見れていて、小さな笠雲が掛かっているのが気になる程度でした。レンズ雲が幾つか上空にあったので、新五合目での風が心配でした。自衛隊基地手前のセブンイレブンでいつものように買出しをして、新五合目に到着は18:00ごろですでに日没していて、途中何人か関係者を流星号で抜いたようです(^^;;; 到着時は山麓から富士市、富士宮市は雲の下、薄明前のグラディエーションが美しく雲上を期待できました。薄明終了となった18:30から1時間くらいは実際雲上だったのですが、急に下界が見え出しちょっと残念。空は快晴で透明度、シーイングとも良好でした。やはり5月と秋口の新五合目は良い日が多いようです。
当クラブのメンバーで参加者は到着順では、こんな感じでしょうか。安田、かわのさん、星くりさん、オオシカさん、河西さん、古屋さん、藤本さん、宇高さん、三原さん、トラさん、あとバックヤードオフ会でおなじみのKOBAさん、翁さん、關さん、ロングヒルさんも居られ、名前は分かりませんが最終的には大勢でオフ会状態になりました。総勢20名ほどでしょうか、駐車場もほぼ満員。
私のほうは新規の天体を見るというよりも、秘密兵器を中古でゲットしたので、ポルタに載っけてテストをやろうというのと、2inch双眼装置をさらに極めようとどちらかと言うと機材テストメインでした。夜半ごろはシーイングもバツグンで9/10と言っても良かったかもしれません。Ninja-400で 2inch双眼+普通の2inch2xバローで見た火星は極冠が南北に見え、どちらかは雲なんでしょうか、模様もかなり見えてましたよ。特に明け方はかわのさんのNinja-400でエンケの空隙をちらっとですが見えたように思いました。夜半からは雲上ではなかったのですが、靄と生活光が落ちたようでかなり暗くなりました。以下チャレンジの様子です。
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天体のチャレンジはいろいろやりましたが、印象に残ったことをいろいろ....。
●バーナードループ
いやぁ、河西さんの期待のTV-127にプラノキュラーでいろいろ見ましたが、圧巻はこのバーナードループでしょうか。Hβフィルタとの組み合わせで瞳径は6mmくらいでしょうか、もうこれに極まるという感じでしょうか。かなり濃く見えていて、川の流れのように結構追えました。これだけ濃くハッキリ見えたのは初めてです。空の透明度はそのころ富士山最高で10/10くらいでしょうか。秋と冬の天の川がかなり濃かったですから。
それにしても極めつけはKOBAさんのHβフィルタ付き、ワイドビノで見れたことでしょうか。これには笑ろてなしゃないという感じでしょうか。上部ではベテルギウスとアルニタク(馬頭の近くの三ツ星のひとつ)の間くらいまで入ってましたし、下部ではM42近くの赤緯くらいまででしょうか。吃驚しました。ちなみにこれでカリフォルニア星雲も見れました。
●馬頭星雲
これもどれだけ見れるかチャレンジですね。最初、Ninja-400+2inch双眼のノーフィルタでNaglerType4-22mmで見れたのですが、心眼とか言われましたが、何人かが見れるということで、心眼疑惑?は晴れました。ははは。それからいろんな機材で見ましたが、トラさんの Schwarz-150s双眼でもノーフィルタでOK。なんとトラさんの10cmアクロでHβでOKとなりました。10cmというのは最小口径かも。ちなみにオオシカさんの最終兵器StarSplitter45cmでHβで見ると、馬の首の首がハッキリ見えさすがですね。それだけ空が良かったという証明でもあります。
●TV-127
TV-127ですが生まれて初めてみました。河西さんによるとTV-140とそれほど見え方に差がないとのことでしたが、ブログにも書いたもう5,6年前でしたっけ、須走最高の夜にみたTV-140+プラノキュラー+OIIIででの網状を思い出しながら比較してみました。サイドバイサイドではないので記憶に頼ってですが、周辺に至る星像のシャープさ、網状の両星雲が視野に収まり、複雑なフィラメントが見える様子など、ほとんど同じ印象を持ちました。凄い....。おまけにTOA-130と比較して断然軽く取り回しが良いのも魅力だと思いましたが、とてもゲットできません(^^;;;; そこが一番のネックです。光量では差があるハズかと思いますが、やはりサイドバイサイドでないと分からないのかも。
●StarSplitter18inch
オオシカさんがついに18inch(46cm)をなんと2ドアのセリカに搭載して登場。感動したので写真に収めました。遠路はるばるお越しくださいましたと思い、オオシカさんのご自宅からの距離を聞くと川崎からと同じく120kmほどとのこと。うむむ、考えちゃいますね。それにしてもこの日の最大口径であの大和と同じ主砲です。NGC7331とかステファンを見させていただきましたが、まさに心眼ではなくハッキリ確認できました。2inch双眼を付けてのM27も強烈でしたね。オオシカさんの感動の雄たけびが新五合目に鳴り響いておりました。
オオシカさんの2ドアセリカに載る18inch砲
●MN61
これ中古でゲットした私の秘密兵器です。ポルタに付けてお気楽に散開星団、散光星雲、惑星を楽しもうと火星の接近もあったので、ゲットしました。星像は龍頭さんのでも知ってましたし、河口さんや他の幾つものMN-61を見てハズレがないので、出たらゲットしたい筆頭でした。プラノキュラーを付けてみた M17やM22は素晴らしくまるでアポの星像ですね。これは期待したとおりで安心。中央遮蔽はミニマムでも周辺減光はほとんど気になりません。
私の散開星団/散光星雲/惑星用秘密兵器MN61
MN61とポルタ経緯台、ファインダはミニボーク60 (ちょっと重量オーバー、ムリムリです)
他にもトラさんの10cmアクロや藤本さんの強烈ペンタMS-4と125SDPでしたか、機材面でも楽しめましたね。シーイングが良いので、 DeepSky、惑星とも楽しめました。おかげで立ちっぱなしで、あっちへ行ったり、こっちへ来たりと、じっくり見るというよりイベントという感じでした。
明け方には3:30ごろに薄明が始まったという話で、やけに早いなぁと思ってみてみると、正体は黄道光でした(^^;; 久しぶりですね。新五合目で見るのは。天頂までは到達していませんが、水平高度60度あたりのふたご座カストル、ポルックスあたりまで広がってました。富士山も捨てたものじゃないです。立ちっぱなし休み無しで18:30から4:30までということで結構心地よい疲れではありました。ちなみに気温は異様に暖かく12度、夜半まで無風、夜半からちょっとだけ風が。先月のバックヤードオフ会よりも過ごしやすかったのでした。
最後に大成功の記念撮影。お疲れ様でした。
KOBAさんの、Hβフィルタ付きワイドビノで見た、バーナードループですが、その位置を記憶しておき、後で写真と比べてみました。 リングの4分の1強(95度程度)が見えていたようです。 この調子だとエンジェルフィッシュの頭も見えたのかも。 私はラインフィルターは入射角に厳しいので、こういう使い方は無謀だと、思い込んでいて、これまで試したことがありませんでした。 KOBAさん、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
投稿情報: トラ | 2005-10-03 22:02
Hβフィルタ付きワイドビノは、1年半ほど前に製作したものですが(see 第6回オフ会報告)、以来観望条件に恵まれずほこりを被っておりました。1日の夜は透明度が上がり、もしかしてと、これを試して見ました。皆さんに楽しんで頂き、作製した甲斐がありました。ワイドビノさえあれば製作は簡単です。是非お試しあれ(Hβフィルターは観望会場で調達可能でしょう)。ラインフィルターは入射角に厳しいというトラさんの鋭いご指摘ですが、実験してみると意外に入射角に対するロバストネスがあることを実感できます。他にも、UHCフィルターやOⅢフィルターでの楽しみもあります。
投稿情報: KOBA | 2005-10-04 00:01
今回の観望会は初めて見たものがたくさんあって、感動の連続でしたが、そのうちの一つがバーナードループです。まさかオリオン座全景の中のループを拝めるとは思いませんでした。KOBAさんのワイドビノで1回目に覗いたときははよくわからなかったのですが、2回目にお借りしたときに、少し視野を振りながら見ると見えてきました。やはり、90度くらいでしょうか?また、河西さんのNP127+Hβ+安田さんPlanokularの組み合わせで見たバーナードループも圧巻でした。こちらは、はっきり確認できました。
その他にも、Ninja400で見た明け方の絶好のシーイングでの土星も凄かったです。本体の縞が何本も見えました。これならエンケも見えるかもと思って粘ってみたら、気流の安定するタイミングで、A環の外側から1/4くらいのところに、ちらちらっと細い筋が見えました。恐らく、エンケだったのだろうと思います。当然カッシーニの方は、真っ黒にくっきり抜けていました。
あと、「天体観望のすすめ」の馬頭星雲のところでコメントした馬のくびれですが、オオシカさんの46cm+Hβであっけなく見えてしまいました。コメントしてからわずか1週間で望みが実現してしまいました。
さらには、安田さんのSiebert2inch双眼+Ninja400によるカラーのM42も良かったです。トラペジウム近辺の青と、羽根の部分の赤銅色のコンビネーションが美しいですね。
最後に、すばらしい機材で楽しませていただいた方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。
投稿情報: かわの | 2005-10-05 01:43
KOBAさんのHβフィルタ付きワイドビノで、バーナードループを見られたんですね。私もトライしたのですが、残念ながら見えませんでした。実は、あの日、なんと来しなにコンタクトレンズを紛失してしまったために、弱めの矯正視力にしてある眼鏡では星がボケボケでしたので、次回、再トライさせていただけるとありがたいです。
明け方にかわのさんに見せていただいた土星、火星は素晴らしかったです。御礼申しあげます。風が強かったのにあんな好シーイングってあるんですね。
18inch(46cm)+2ドアのセリカの組み合わせですが、本人自身、まさにホントに載るとは思いもしませんでした。後部座席と助手席は次回車検まで外そうと覚悟してましたので。結果的には、なせばなるもの、だったのですが、実は、ただただラッキーなだけでした。載らなきゃ、無謀でお仕舞いでした(笑)。
投稿情報: オオシカ | 2005-10-05 14:06
この観望会での機材編収穫は、キヤノンIS双眼鏡フラッグシップの10x42LIS WPを見れたことですね。私自身、ISオタクになっていて10x30ISと15x50ISを所有しているので気になるのですが、ISの制御がより自然になっていて吃驚しました。
変な船酔いを起こすようなオーバーシュートが無く、たぶん知らない人が見るとISが入っているのが分からないくらい自然に見えてました。素の光学系で言えば、もちろん瞳径が通常のISシリーズより大きいため星向きかと思います。さらに星像が若干シャープかなと思います。月では比較できなかったのですが、エッジを見ると色収差では差が割りとでるのかもしれません。かなりそそられましたが、これで行ったら真性双眼狂ですので留まれるかな(^^;;;; 悩ましいのですが。
投稿情報: 安田 俊一 | 2005-10-08 05:56
ハワイのマウイ島ハレアカラ山頂(標高約3000m)で7×50双眼鏡に、笠井トレーディングのスーパーネビュラフィルタを装着したところ、バーナードループは120度程度まで簡単に確認できました。 エンジェルフィッシュは、確認できませんでした。 カリフォルニア星雲はシエラネバダ山脈まで確認できました。
投稿情報: トラ | 2005-10-12 18:13
トラさん、やりますねぇ。簡単というのが凄いです。
もう再来週ですが、某国にて180度に挑戦しようと思います。富士山新五合目では90度ですね(^^)/
180度行こうと思うと瞳径7mmの双眼鏡はマストですねぇ。エンジェルフィッシュもぜひ眼視としてみてみたい天体ですね。ガム星雲も低倍率で広がっているのを体験してみたいです。ここは抜けの良い南八ヶ岳の住人さんのNP101にプラノキュラーでぜひチャレンジしてみたいところ。
投稿情報: 安田 俊一 | 2005-10-19 03:11