2/4に南伊豆で観望会を開催しました。私にとっては今までで日本で見た最高の空となりました。ただ風が強く、そこだけ難点でした。それぞれ参加された方の観望記です。
岡崎さんの観望記
当日は14:15分ごろ町田を出発、裾野ICで降りてそのまま南下(県道21)、あとは中央突破天城越えルートで行きました。三島の1号線交差点手前でちょっと込んでましたが、概ね順調で、6時過ぎには「銀の湯」に着き、早速温泉に浸かり、安田さん待ち。1時間以上入っていたので湯あたり気味でした。でもいいお湯ですね。900円はちと高い気はしますが・・。それからすし屋ですが、気さくで親切な大将、空いてる店内、そして何よりうまい地魚寿司、観望前のひと時を過ごすには最高の場所ではないでしょうか。
あとは、安田さんが詳細書かれている通りで、吹雪でした。星見というよりスキーに来たみたいな状態で「これは今日は酒盛か?、明日は帰れるのか?」という不安そのものでした。あとで見ることになる「素晴らしい星空」など考えもおよびませんでした。このころにちょっと風邪気味の感じに・・。しかし、そこは我々3人、「帰る」などいう発想はまるでなく、いつもの場所へ直行・・・。
そして・・いきなりの「月夜の馬頭」(星見屋の常識ではありえないフレーズ)です。安田さんから「馬頭見えますよ」の声があがりましたが、「またまた、そんな馬鹿な・・安田さんの心眼??」・・などと。ところが、320では暗夜でもノーフィルターではなかなか見えないのに、私にも見えてしまいました。これは心眼ではありません。・・・安田さん、今までの数々の失礼発言お許しあれ。
月が沈んでからは、「暗夜」そのもの、南天の暗さはホントA国C村に匹敵するといっても過言でない素晴らしい空に恵まれました。おそらく、直前に雪が降ったおかげで、大気中のチリが洗われた結果だと思われます。風は強く、体感は非常に厳しいものはありましたが、「冬場は降雪直後を狙え」ですかね?・・もっとも最初から予報が雪なら行ってないでしょうけど・・。とにかく国内平地としては、これ以上望めない透明度と断言できる空でした。
安田さんも書かれていましたが、LEOⅠ・・これは凄かった。320では完全にあきらめていた対象でしたが、Nagler22mmでレグルスを視野から外すと、視野の半分位に広がってはっきり確認することができました。感動です。それと、安田さんに見せていただいたガム星雲の長大な広がり・・
もうこの世のものとは思えませんでした。
以下、私の観測スタイルである「メジャー流し」です。
まずエッジオン銀河、M104・4565・5907・4631・3628などなど・・信じられない切れ味。次にフェイスオン、M51・M101・M83・・・腕がここまで見えたことはありません。電波銀河5128の暗黒帯は切れまくり写真どおりの美しさ。銀河群、しし座HCG44は4つともはっきり確認(3190は何と暗黒帯までも)、Boxも4つ確認(4170が長大でRealSky通りに見えていた)、おとめ座銀河団はランダムに流しているだけで・・言うことなし。その他M81・M82・M3・M13・M92・M63・M64(黒眼くっきり)・M97(目玉くっきり)・しし座トリオ・・などなど・・もう書ききれませーん。おっと、ωがありました。望遠鏡での巨大に広がった姿は言うに及ばず、南中ごろはっきりと肉眼でも星団のざらつきを確認できるほどでした。
それと今回は、土星がプレセペの縁に来ており、32mmでの眺めは宇宙の奥深さを感じさせるものがありました。
手塚さんの観望記
2/4 南伊豆ですが、雪には、びっくりしましたが、透明度が良くすばらしかったです。遠くまで行った甲斐がありました。
春になったらなにが起きるかわからないこともあり、乙女座近辺の春の銀河を一網打尽に楽しみました。安田さんに、うみへび座とヘラクレス座の銀河団を見せていただきましたが、もう、ウジャウジャ沢山でした。念願のLEO1も見ることができました。以前、新五合目で見たつもりになっていたのですが、おそらくほんの一部分だけしかみていなくて、本物?は、とても大きいので驚きました。オメガも直視ではっきり、そらし目(アイピースは通しませんが)で大きさがわかりました。
だんだんと雲が出てきたりしたのですが、それでも、北斗七星のあたりだけ晴れたりして、部分部分で楽しむことができました。フェイスオンのM101が本当に回転花火に見えました。
温泉には間に合いませんでしたが、お寿司はおいしかったです。その時々の美味しいお魚を握ってくれるみたいですので、また食べたいです。楽しみです。
安田の観望記
私のほう15:00に出発し、東名で西に。いつもの大井松田ICと御殿場ICの間で、今度は普通のパトカーがスピード取締り中。覆面も走ってました。夕方の取り締まりは空いているのもあり多いですね。三島市内1号線の混雑を避けて、裾野ICで降りて県道21号線で南下し、直接国道136号線のパターンで修善寺、土肥、西伊豆経由で下賀茂へ。
下賀茂には19:10に到着し、すし屋で様子を見て、銀の湯会館で露天に浸かりながら月を眺めてました。岡崎さんは1時間くらい浸かったとのこと。閉館の20:00には手塚さんも到着し、前原寿司で地魚寿司を3名で食べましたが、メニューは前回と異なりましたが、やはり美味しくあっさりしてました。ここのお寿司はお勧めできます。安くて新鮮で美味しいという、なかなか関東では食べれません。
前原寿司を出て新観望地の調査へ。5,6kmほど行ったところで雪が激しくなり、下山したものの、下賀茂も雪雪雪で大変なことに。こりゃ帰れなくなるかもと心配しましたが、観望地へ向かったところ大丈夫で安心しました。
着くと月が後2時間ほどで沈むようでしたが、月が異様に明るく、この段階で冬の天の川がくっきり。Ninja-400を出して見ると、明るい月が出ているのにノーフィルタで馬頭が見えます。岡崎さんのNinja-320でもなんと見える。こんなことは初めてでした。それだけ透明度が良かったようです。ちなみに風は5m/sは楽勝で越えていて、気温は1度ほどですが、体感温度はずいぶん寒いですね。月が沈むと素晴らしい快晴となり、正月明けに川野さんと見た素晴らしい空をかなり越えてました。これには吃驚。これこそ透明度10/10ですね。ちなみにシーイングも悪くなく8/10程度で、銀河の中心核が綺麗に光ってました。何を見ても溜息でした。透明度は最高でしたが、川崎に帰ってからの朝の空を見て、たぶん1年に数回しかない空だと思います。まさに3σの空ですね。
LEO-Iもレグルスを入れても楕円状でザラザラな感じで見えましたし、ガム星雲はこれまでも無く濃く長くフィラメントが見えてました。この感じはまさにオーストラリアのクーナでの感じです。岡崎さんとも話してましたが、2:00ごろの南天のオリオン座、おおいぬ座のあたりはクーナを越えていたと思います。それくらい凄かったですね。
ただ幸運はそれほど続かず1:30ごろから南方から雲が流れてくるようになり、風が強いせいか、雲の動きが早く、落ち着いて天体を探して見れなくなりました。それでもアンテナ銀河の複雑な暗黒帯が入った様子はよく分かりました。そうこうするうち、オメガ星団が先週と同じく肉眼で楽に見える状態に。Ninja-400では低空にもかかわらず明るさはかなり明るく、さすがにシンチレーションは若干あり星像は肥大しているのですが、迫力満天でした。他には雲間を見て、うみへび座銀河団、ヘルクレス座銀河団も結構見えました。天頂の透明度の高さはかなりでBOXの4つの銀河もハッキリ見えました。対日照ですが、当然見えているのですが、土星の左側でしし座に近いあたりがボーッと見えます。黄道帯も地平線までつながり、素晴らしい空なので当然なんですが、こうなると当たり前のように見えますね。
2:30ごろからは雲がかなり広がり、私のほう寒さで車に中に。気がついたら6:00でもう薄明が始まってました。実質3時間くらいの観望でしたが、あれだけ素晴らしく見れると十分でしょう。シーイングは夜半から結構良くなり、NGC4565やNGC5907などのエッジオン銀河の暗黒帯はもうナイフで切ったように綺麗に切れてました。M104もまさに写真ですね。
一番辛いのは寒さで、結局明け方まで風は弱まらず、体感温度は-5度くらいでしょうか。
帰りは6:30ごろでしたが、私は西伊豆経由、岡崎さんと手塚さんは東伊豆経由でした。積雪、凍結は土肥からの西伊豆スカイラインで峠越えでありましたが、ユックリ走ればOKでした。途中、食事とガス給油の時間を抜くと、南伊豆から自宅まで2時間50分ほど。途中、東名はガラガラでしたが、裾野ICを過ぎたあたりで強烈な事故の跡を目撃。もうパトカーも来て処理を行ってましたが、コンパクトカーは前が潰れた状態で反転してました。その100mほど前にコンビニ車に追突して、路肩の壁にぶつかりひっくり返ったものだと思いますが、たぶん乗員は助からない状態だと思います。気をつけないと...。
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