ハッブルの変光星雲と呼ばれるNGC2261を初めて見たのは12年ほど前でした。確かC8で見たのですが、彗星状で吃驚しました。彗星捜索家の木内鶴彦さんに聞くとやはり最初見たときは吃驚したそうです。特に低倍率で見ると彗星と間違ってしまいますね。
この星雲は名前の通り変光することで有名です。いっかくじゅう座Rの光を受けている反射星雲であり、R星が11等から13等に変光することに伴い星雲のほうも変光します。星雲の南の根元にある星がR星で、太陽重量の10倍程度の星でまだ生まれたばかりでたった10万年しか経ってないようです。星雲はR星と同期して変光しているのではなく、R星の前を星雲が横切ることにより幻灯機のように影が動いていると予測されていて、その変化は光速を越えていると騒がれたこともあるとのこと。もちろん、実際には光速を越えているわけではなくさきほどの幻灯機の原理で変化が反映しているだけですね。
ハッブルの変光星雲自体は非常に視直径が小さくて2'ほどしかありません。観望にするにはある程度の倍率が必要ですし、この星雲を見るのは大口径が欲しいですね。星雲の名前から分かるように観測的宇宙論で有名なエドウィン・ハッブルが変光しているのを発見したのです。
また反射星雲でもあるため偏光しています。変光星雲が偏光しているということですね(^^;;;
現代天文学への招待
DSSによるハッブルの変光星雲
DSSプレートの関係で中心からシフトしています
この星雲も恐らくは対称型(この星雲の南側にも広がったバタフライ型)にガスを噴出しているはずで、反対側にも同様のガスが見えるはずなのが、手前の塵が濃過ぎて見えないのだそうです。
投稿情報: 舟田 雅夫 | 2005-09-25 09:35