この季節で冬の星座が西に沈みだす夜半ころには、春の星座が賑やかになり、特に北斗七星が天頂近くに目立ちます。その北斗七星が昇るちょっと前にM81とM82が見ごろとなります。
M81とM82は明るい銀河でファインダでも容易に見つけられます。ファインダや双眼鏡ではハの字に並んだナイスペアという感じでしょうか。他の小さな楕円銀河も含みM81グループと呼ばれる銀河群です。小口径から楽しめる銀河群ですね。
今まで肉眼で見えたことはありませんが、ローウエル天文台のBrian Skiffは最高の条件で肉眼で見れたそうです。光度はMegaStarでは7.9等、SEDでは6.9等となっていてかなり条件が良くないと難しそうです。ハワイのマウナケアで試してみるのはどうでしょうか。
Ninja-400で最高の透明度では、M81は銀河の腕が大きく巻いているのが良く分かります。おおきなS字を描いているようです。またM82は中心部に暗黒帯が複雑に絡んで、まさに異常なことが起きていることを想像させます。またエッジオンで見えていて、バックの空との銀河のエッジがハッキリ切れているのが見えます。エッジオン銀河の中でもエッジがかなりハッキリしている銀河だと思います。
またM81,82の傍には小さいながら明るい楕円銀河のNGC3077と渦巻き銀河のNGC2976がそれぞれM81から1度、1.5度離れていてM81グループとして見ごたえがある視野となります。一遍に同一視野で見るためには視野3度ほどが必要です。
銀河系からの距離はM81、M82が同じで1200万光年となり、また二つは15万光年しか離れていません。銀河系の直径ほどしか離れておらず、まさに銀河のペアです。
1993年にはこのM81に明るい超新星1993Jが現れました。最大光度で10.5等にもなり、あなり明るく見えた超新星ですね。私の望遠鏡熱が再燃したのはこの超新星の影響があり、このブログの掲載者でもある舟田さんのタカハシ13cm反射で見たM81とM82、超新星の姿に感動したからです。それまではFUJINON10x70FMT-SXという双眼鏡をロードスターに積んでドライブがてら明るい星雲、星団を見ていただけです。そういう意味では罪作りな超新星だったのかも。
M81は典型的な渦巻銀河SA(s)abタイプの銀河で、小学生の頃、タイムライフ社の「The Universe」に掲載されていたパロマ天文台のシュミットカメラの写真を見て、美しい銀河だなぁと印象的な銀河でした。M31ではこれだけハッキリ腕は見えませんし、眼視でも腕の伸びが分かる銀河としてはM51、NGC1365とこのM81ではないかと思います。
・M81 7.9等
・M82 9.3等
・NGC3077 9.9等
・NGC2976 10.8等
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