新年になって初めて遠征して星を見ることが出来ました。いつもの南伊豆なんですが、なぜか三島市内から結構道が込んでいて、14:30に川崎市を出発し、西伊豆経由で19:30に到着しました。
おかげで楽しみにしていた温泉と寿司には間に合わず涙を呑みました。
到着したときには、どうにも透明度がさえず下加茂温泉や下田の光害が目立ちます。風もそこそこ強く、シーイングも悪く3/10くらいな感じ。ただ天候は良くそこが救い。
すでにKOBAさん、新井さん、大森さんとお友達が到着されて私のを含むとNinja-500が2台、Ninja-400が2台という豪勢な布陣でした。
今夜はイーソス13mmを2本ゲットしたので、それを使っていろいろ見ることにしました。私が持っている唯一の双眼望遠鏡であるミニボーグ60双眼にイーソス13mmを付けてみると、単眼でも100度の視野なのに双眼で見るとまさに目の前は星の中という感じでした。中心像はもちろん、周辺像は見かけ視野82度のナグラーよりも良い感じ。
ただし目位置がちょっとシビアなのが気になりました。単眼では感じないのですが、双眼だと明らかに錯覚なんですが、平面像に見えず視野が軽く凸面に見えるのが不思議でした。それほど嫌な感覚ではありません。
ナグラー13mmと見比べるとバックが暗い感じがします。
それにしても両眼で視野環までハッキリ見える双眼視は非常に爽快そのものです。
ペルセウス座のカリフォルニア星雲近くにあるホームズ彗星も、かなり拡散はしていますが、ボーッをしている姿をミニボーグ60双眼で確認しました。周辺はバックに溶け込んでしまいハッキリとは分からなくなっています。さらに空が良ければ境界が分かるかもしれません。
ちなみにシーイングは悪くミニボーグで25倍でも悪いのが分かります。Ninja-400ではほとんど見る気を失ってました。星がスポンジ玉ですから。それで車の中に居ると睡魔にやられちゃいました。
夜半ごろに目を覚ますと、かなり状況が変わっていて風もやんで生活光もおちて透明度も上がってました。シーイングも7/10程度に回復してました。これだけ変化するのは初めてかもしれません。
そこでNinja-500にSiebert2inch双眼装置を付けてイーソス13mmで双眼で見るとこれが凄い。M42は視野からはみ出しますが、凄い迫力です。さすがに倍率が上がるので、視野が暗くなってしまい大物だけ楽しめる感じです。
それからは単眼でいろいろ見ましたが、F4.5のドブソニアンとイーソス13mmは非常に相性が良い感じです。もともと瞳径が3mm程度になるので、中倍率としてDeepSky天体には最も使い勝手の良い倍率だと思います。夜半からはかなり透明度が良くなり、以下もう凄い姿を拝めました。
●M51 まさに写真のように腕が巻いて倍率もそこそこあって素晴らしい眺め。伴銀河のかなり明るく見えて、M51の腕のHII領域の濃淡も分かりました。
●NGC4565 暗黒帯が綺麗に切れが良く眺められて、エッジオンの銀河円盤がすーっと細長く視野一杯に延びているのが印象的でした。
●M5 北天では最も大好きな球状星団なのですが、イーソス13mmでは適当な倍率で目の前に球状星団を構成する微光星が広がり、まさに絶景。あまり倍率を上げても球状星団は興ざめですが、これくらいが一番見ごたえあります。
●オメガ星団、ケンタウルスA
南天の勇2つの天体が意外と良いシーイングで見れました。ケンタウウルスAは特異な太い暗黒帯が不気味に銀河の中央を切り裂き、A国で見たように暗黒帯の中に明るい部分があるのも見えて、これは凄い。オメガ星団はちゃんと星に分解してました。
月が2:45ほどに出てきたのですが、三日月だったせいか、割といろいろ見れました。イーソス13mmで最も驚いたのは、なんだーと思われるかもしれませんが、Ninja-400に2inch双眼装置にイーソス13mmを付けて見た月面。これは凄い。目の前に巨大な月面が広がっていてまさに壮観。これは誰でも声が出ちゃうと思いました。一人で声でちゃったですから。周辺像が良いので、周辺までピンボケせず広がる月面はこれだけ凄いとは思いませんでした。
明け方になり、薄明が始まると-1,2等の人工衛星が...。慌ててミニボーグ60mm双眼にイーソスを付けて追うと、なんと国際宇宙ステーションが明るく輝いているのが、高速で飛翔しているのが分かりました。これには感動。追うのは大変ですが、形が分かり二つに分かれて輝いていました。良いものを見た...。
ということで今年初観望でしたが、満足しました。行きがもうちょっと楽だったら良いのですけど。
2,3日前に黄砂の飛来が報じられて、これから花粉と黄砂と水蒸気などなど観望には悪い環境になると思うと、そろそろラストチャンスなのかもしれません。春、夏は低空はエアロゾルで透明度が悪くなり、高山に行くしかないですから...。
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