またまた天候が間違いなく晴れそうなので、南伊豆へ遠征してきました。参加者はKamaSさん、KOBAさん、大森さん、新井さん、かわのさん、宇高さん、横浜の伊藤さん、安田でした。
<<かわのさんの観望記>>
日時:3/8(土)21:00到着~3/9(日)5:00終了
天候:快晴
透明度:5/10
シーイング:6/10(この時期としては良好。土星の40cm200倍で、十数秒に1回くらい、本体縞の構造がわかる程度の鋭像が楽しめました)
久しぶりの観望会を十分堪能しました。21:00到着時には、安田さんが先に到着しており、その他、KamaSさん、KOBAさん、大森さん、伊藤さんなどが来られていました。宇高さんが少し遅れての参加でした。Ninja500が何と2台揃い踏み、400が4台、320が2台という豪華なラインナップでした。黄砂の影響(?)がひどく、低空はダメでしたが、20度以上の高度ではやはり南伊豆でした。南天は漁火で明るくなってしまっていたのが残念でしたが、これも明け方までには
漁船が移動してほぼ無光害の空となりました。黒い雲を見るのも久しぶりです。
前回の観望会からかなり間が空いていたので、DeepSkyを見れるだけで十分満足できるはずだったのですが、それ以上の新たな発見がいくつかありました。やはり来て見るもんですね。
Ethos 13mm: 到着早々、安田さんからEthosの洗礼を受けてしまいました。Borg60双眼で、M42やM46,M47などのメジャー天体を見せてもらいましたが、まさに星の海にダイブしている感覚でした。また、400+双眼装置+Ethos×2という、これまた豪華なセットで、M42、M81、M82、M51、NGC4565、M104などのメジャー天体を見せていただきましたが、強拡大して見るDeepSkyの迫力に圧倒されました。見掛け視界100度の威力は、並じゃなかったです。その後、何とまあEthos1本を貸していただけるというので、しばらくの時間占有させてもらえました。この焦点距離だと、MeadeのUW14mmが手持ちであるので、
それと比較しましたが、見掛け視界84度もEthosと比べるとかすんでしまいます。あと、コーティングが良いのかEthosは明るく感じます。中心部の解像感もEthosの方が若干良いように思います。M82の暗黒帯の構造や、M64の黒目など、若干コントラストが出ているように思いました。倍率が少し変わってしまうので、その影響もあるかもしれませんが。まあとにかく、EthosがあるとUW14の出番が無くなるのは理解できました(苦笑)。安田さん、本当にありがとうございました。
静止衛星:生まれて初めて見ました。しかも2個も。詳細は安田さんから報告があると思います。非常に盛り上がりましたね。
帰路3時間:八王子の自宅まで帰るのに、何と3時間で帰れました。これぐらいだと、南伊豆の距離感が全然違います。実は今まで天城越えルートで沼津ICから東名を使うパターンだったのですが、東伊豆の海側道路+小田厚で帰ってみたのですが、こちらの方が早いようです。東側は車が多いので、避けていたのですが、早朝だと問題ないのかも知れません。
以上です。
<<安田の観望記>>
前回の反省で14:00前には川崎市の自宅を出たのですが、東名高速の秦野中井IC近くで事故渋滞。30分はロス。途中、連絡をいただいたKamaSさんと何とかいつもの前原寿司にて地魚寿司1.5人前を堪能しました。美味しくてあっさり食べれてこれで2000円はさすが南伊豆という感じです。
すでにKOBAさん、大森さんが17:00には寿司を食べておられたと店のオヤジさんに聞いてコミットの強さを感じちゃいました。
寿司を食べて19:30には現地入り。ちょうど薄明が終了した感じでしょうか。ただし漁火で南天に光害がありましたが、それでも雲上となった新五合目より良い空なのはさすがです。
風も無く気温も高く、今回は本当に極楽の星見となりました。西伊豆を走っている時に日没を見ましたが、真っ赤な太陽で沈むのもおぼろげにしか見えないため、黄砂がかなり空中に浮かんでいる感じで、透明度が心配されました。
結果から言うと天頂付近はほとんど影響が無いのですが、低空のオメガ星団あたりは減光を受けてかなり暗くなってました。
透明度7/10、シーイング7/10、最低気温6度くらいでした。シーイングは方角と高度により5/10~7/10でした。
今週のホームズ彗星ですが、先週からさらにカリフォルニア星雲に近づき、かなり淡くはなっているものの、キヤノン10x42LIS双眼鏡でも分かる感じでボーッと広がっているのが分かりました。やはり3,4度あるのでしょうか。
DeepSky天体は、今まで観望した約5500天体から厳選した672天体を再び全部見て100天体に絞り込む作業をやってます。これはDeepSky先達の津村さんのアドバイスもあって、次なる楽しみとしてやってるのでした。見た見ないだけでなく感想を一応、ICレコーダーで録音しながら観望していってます。後でテキスト化するのが大変ですが、何か残さないと全部忘れていっちゃうんですよね。津村さんのA国記録を見た後というのもあります。
●津村さんの記録
2008ワディー眼視記録 これは40cmドブソニアンを使用した南天のDeep-Sky観望記録です。
それとやはりイーソス13mmが先週から強力なツールになっていて、適当な拡大率と視野の確保のおかげで、DeepSky天体の迫力がさらに味わえるようになりました。ヌケや解像度、周辺像が良いので気持ち良いだけでなく、惑星状星雲を導入する時に周辺像が良いこと、視野が広いことで非常に楽に導入できました。惑星状星雲には中倍率以上と視野の広さが求められるので、効率アップという意味でも良いツールだと思います。
Ninja-400とイーソス13mmでどんどんDeepSky天体を見て、今回はメインのおとめ座銀河団の厳選銀河を見て、後は春から夏にかけての天体を総なめしました。
球状星団もイーソス13mmで約140倍、視野0.7度はピッタリ来る感じです。先週とは別な天体をご紹介。
●Hickson40
うみへび座にあり、すばるの写真で有名ですね。5つの銀河中、4つは見えました。KamaSさんの機材で見ました。
●Copeland's Septet
しし座のおしりの上にある6つの小さな銀河群ですね。14等後半から16等くらいの銀河が集まっています。このうち4つは見えましたが、一番明るいNGC3754にくっついている二つは分離できるような出来ないような。微妙な見え方でした。
●NGC4762
おとめ座εより西に2度くらいの銀河。メジャーではないのですが、エッジオンが綺麗で均整が取れています。小さく8.8'x1.7'ですが、10.2等級で面積あたりの光度はかなりあり明るいです。
●静止衛星
NGC4697を見ている時に、非常にゆっくり動く13等級くらいの人工衛星を発見。ゆっくり動くのになかなか視野から出て行かないと思っていると、動いていると思ったのは錯覚で視野の星々が動いているのでした。視野でじっとして止まっているのは静止衛星であることに気が付きました。生まれて初めて見る静止衛星なので、これにはビックリ。参加メンバーに聞いても今まで見た人は居ないとのこと。
静止軌道は赤道上空35786kmの円軌道とのことで、先週見た国際宇宙ステーションは400kmということで90倍も離れたところに静止衛星はあるんですね。国際宇宙ステーションが-2等で見れたとすると、これを静止軌道に持って行くと1/8100の明るさとなり、約10等級ということで8等級に見える訳です。13等級で見えたということは衛星の大きさがかなり違うということで、5等級ということは1/100の反射率の違いがあるようですね。宇宙ステーションはかなり大きいということかなぁ。
参加メンバーから、静止衛星が見えたのなら、近くにも他の衛星があるんじゃないかと、元の衛星を見失うのに気をつけながら、探してみるとありました、ありました。こちらはさらに暗く14等くらいでしょうか。視野から動かない衛星がありました。
いやぁビックリ体験でしたが、二度と見つけられない感じはします。星図には載せられないし、どうやって見つけるのでしょうか。ひまわりは指名で見たいですね。
●M17
Ninja-400+2inch双眼+イーソス13mmx2で見たM17は迫力十分。倍率は250倍くらいだと思いますが、まさに目の前に迫る感じ。ビームスプリッターで星像は甘いのですが、それでも迫力が勝ちますね。
薄明の30分前から南天に雲が現れて、お開きとなりました。20:00くらいから4:30まで雲らしき雲もなく、夜半からは生活光も落ちてかなり満足出来る観望でした。ただ往路は5時間半、帰路は3時間でしたが、遠いというより時間が掛かるのには苦労します。素晴らしい空のためにはどうしても手間が掛かるのかも(^^;;
春先なのに黄砂もあるのにそこそこ良い空でDeepSkyを堪能できて、今回は満足でした。いろいろ見れたし。
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