今年もオーストラリアのサイディングスプリング天文台があるクーナバラブラン(Coonabarabran)に遠征してきました。南天教の修行です(^^;;
クーナバラブランは町としては人口3000名くらいだそうで、標高500mほどのところにあります。シドニーから北西に451kmとのこと。観望場所は標高700mくらいの場所にあります。クーナバラブランはサイディングスプリング天文台がある場所として天文ファンには有名なところですね。観光地としてはWarrunbungle国立公園の入り口の町として有名なようです。
クーナバラブランへの地図(タイトルクリックでGoogle Mapへ)
9/16~9/24で観望6.5日のプライベートツアーです。
●9/16
成田空港にて梱包したNinja-400
写真のように梱包すると梱包材で膨れてランサーには載せるのは厳しいので、成田で梱包しました。預けるのでかなり厳重にしてます。もちろん光学系は機内に持ち込みます。
今回のツアー参加者
一応、梱包完了で一苦労した後の今回のメンバー3名。KamaSさん、三原さん、私です。梱包作業も結構タフです。
●9/17
シドニー空港到着ロビー
無事入国できました。いつも税関ではハラハラします。Ninja-400は望遠鏡だと思ってくれず、これはドラムかと聞かれます。望遠鏡と答えると、いつも微笑まれるのはどうしてなんでしょう。不思議なパワーです。一度、前に税金を取られそうになったので注意が必要です。
朝8:00ですが、賑やかですね。
Blue Mountainsへ向かうハイウェイ
JALの便でちょっと早めに到着、荷物も早めに出て税関もスムーズ、レンタカーもスムーズに借りれてシドニー空港を8:30ごろ無事出発。去年は到着のころ土砂降りで往生しました。ここからBlue Mountains経由でクーナバラブランを目指します。途中、道路は快適で都会でも田舎でも最高速度は100~110kmあるのでまったくストレスありません。ただオウンリスクなので、日本ほど道路標識がなく見逃すと危険です。対向車も100kmなのですれ違いは怖いですね。ただ日本と同じく左側通行で、日本車が70%くらい走っているので、違和感がなく快適ですねぇ。
ちなみにBlue Mountainsはミニグランドキャニオンとも言える地形です。広大な荒野が侵食されて造られた地形で、山脈とも違います。道路は、シドニーの端からは、50kmほど続く、片側2車線の伊豆スカイラインのような道です。快適ですね。
油断は禁物
制限速度を守っても十分速いオーストラリアの道。レーダー取締りをやっていました。レーダーを構えている警察官がハッキリ遠くからでも見えるのが、おおらかな大陸的なところでしょうか。パトカーはカラフルで好感が持てます(^^;;
とにかく制限速度は現実的で、日本のように無意味に遅いことはありません。飛ばし屋の私もほとんど制限速度で走ってました。
Lithgowを越えて山道へ
国立公園のBlue Mountainsを越えるとこんな道が続きます。適当にコーナーがあり、直線もあってドライブとしても退屈しません。一番辛いのは数10kmも直線が続く道ですが、このルートではありませんでした。もうちょっと西に行って大陸の中心に向かうとざらにあります。
丘陵地帯が続く
Blue Mountainsも越えて空が尋常でなく青くなりだします。紫外線も強烈ですね。標高はたいしたことはありませんが、富士山新五合目を越える青空です。
Mudgeeでのアイスコーヒー
Mudgeeはクーナに向かう途中での最も大きな都市です。それでも人口は8,500名。可愛らしい街という感じですね。そこで昼食休憩。アイスコーヒーを頼んだら、この強烈なものが来ました。甘いです(^^;;
Mudgeeの街並み
シンボルのような教会。抜ける空。ヨーロッパ風でもあり、割と気に入っている町です。落ち着いてます。
秋なのに桜?!
実はオーストラリアは春です。ただ日本の秋に桜が咲いていると違和感あるのも事実。一度、桜とペガスス座、アンドロメダ座を同時に星景写真で撮って見たいですね。
Gulgongにある戦車
オーストラリア人は意外と戦争好き?なのかどうかは分かりませんが、第二次大戦以降の戦争には必ず派兵していると聞きました。ちなみに街並みに栄えるかどうかわかりませんが、戦車を発見。割と普通にあったので吃驚!!
****
クーナに到着し、さっそく用意して観望場所へGO!! 一晩中、雲もなく快晴。
地球照の見える月が明け方の東天に見えています。夕方、明け方とも空のグラディエーションが素晴らしく惚れ惚れとします。
初日の空の状態は快晴、透明度7/10、シーイング7/10
透明度とシーイングはクーナでの経験値からの目安です。上記値は富士山新五合目だと12/10, 10/10くらいに相当しそうです(^^)/ 12/10ってなんぞやってことですが、ベストの状態を越えているということで、オーバ-な表現お許しを!!!
ちなみに塩尻で活躍されている百瀬さんから、スカイクオリティメーター(SQM)をお借りして空の暗さを測定してみました。天の川で陰が出来るの で、かなり明るく、実際にSQMの数値にも表れます。これは凄いですね。どれくらいの暗さかと言うと、対日照は直視で割りと簡単に分かり、黄道光が明る く、黄道光と対日照が繋がっています。M33が直視で肉眼で分かります。ちょっと日本では経験できません。
天の川: 21.4等級/平方秒、うお座あたり: 21.9等級/平方秒
SQMの測定方法ですが、手を上に伸ばしてボタンを押して、ずっと待っている姿からSさんからウルトラマンのようだと評されてました(^^;;; 3分も掛かりませんが、空が暗いと待たされます。
●9/18
夜明け
またまたグリーンフラッシュ観望。キヤノン10x42LISで見てましたが、短時間でしたが、緑が鮮やかに見えました。4回とも日の出まで居て太陽を見ましたが、3日はグリーンフラッシュが見えました。もう確実に見えるという感じです。ただあまりにも空気が澄んで乱れがないせいか、短時間しか見えません(^^;;
宿泊先のアカシアモーターロッジ(ロビーからレストランを望む)
4回目の宿泊しています。一度は空室がなく、近くのAll Travellers Motor Inに宿泊しました。ここのオーナーのディビッドは星への理解があり、いろいろ良くしてくれました。アカシアモーターロッジはお薦めの宿で、クーナでは一番グレードの高い宿だそうです。
連絡先: Acacia Motor Lodge TEL:02-6842-1922 FAX:02-6842-2626
この日の晩は、ちょっと空の状態が水蒸気の影響か、それほどヌケが良くありません。
快晴、透明度5/10、シーイング6/10
天の川: 21.3等級/平方秒、うお座あたり: 21.7等級/平方秒
●9/19
クーナの郵便局
レンガ造りの局舎。抜けるような青い空。夕方なのですが、太陽の光が眩しく、直視はとても出来ません。紫外線も多そうで、湿度も10%程度らしく、乾燥して肌には良くありませんが、カラッとして気持ちよい夕方です。
この日は、珍しくシーイング悪く、残念。それでもトラペジウム6つは見えてます(^^;;;
快晴、透明度8/10、シーイング5/10
天の川: 21.4等級/平方秒
うお座あたり: 21.9等級/平方秒
夜中ですが、観望していると500mほど離れた普段なら道のないところに車が入っていってます。何だろうと思って双眼鏡で見るとどうもサーチライトで周りを探している様子。そのうち、銃声が数発鳴り響き、吃驚しました。夜中の銃声。これは怖い。明かりをつけずに見守りましたが、こちらに来る可能性もありかなり緊張。後でホテルのディビッドに聞くと、カンガルー狩りをしているとのこと。オーストラリアではカンガルーが増えすぎて困っているそうで、適当に減らしているそうです(^^;;; 怖い。
●9/20
アカシアモーターロッジのセンターハウス
宿泊棟ではなくセンターハウスです。大きなオーストラリアの国旗が目印。ご存知のとおりオーストラリアの国旗には南十字星が輝いてます!!
宿泊棟
こちらはツインのほうの部屋。レンタカーはトヨタのエスティマです。
クーナのスーパー
クーナには中くらいのスーパーが2つあり、普通のものであれば日本のコンビニよりも手に入ります。大きなスーパーはMudgeeにしかないので、そちらで忘れず買い物したほうが良いと思います。
マイNinja-400
今回の主砲です。アメリカンの双眼装置や、ミニボーグ60と2inchアイピースなどを接眼部あたりに付けるので、カウンターウェイトを最後部につけています。ペットボトルと重い地図です。
ファインダーのミニボーグ60とレーザーファインダー
KamaSさん自作のレーザーファインダがちょうど鏡筒上部にセットできました。これが凄く便利で、場所さえ覚えてしまえば、超高速で対象天体が導入されてしまいます。こりゃ本当に便利。それとここでポイントして双眼鏡や他の望遠鏡でも位置が分かり、皆で観望するのも便利。レーザーファインダはホント便利。
夕方の木星と黄道光
西天に天頂付近まで黄道光が見えて、黄色い様子が分かります。銀河がちょっと青いのと比較すると色の違いはハッキリしてます。
それにしても黄道光が明るく、まさに光害です。実際にDeepSky天体なんぞ、見え方がかなり悪くなりました。かなり贅沢なことなんですが。夕方の黄道光は垂直に立っていて、明け方は横にかなり傾いています。
観望風景
ちょっとピンボケすいません。こんな感じで富士山では味わえないほど暗い中で観望中。地面はほとんど見えません。Ninjaも完全に闇に隠れてます。
夜明けのNinja-400
空は抜けるように青く広がっています。ちなみにミニボーグは目位置が楽になるように鏡筒の先に付け替えてます。アイピースはNagler 22mmでベストマッチだと思ってます。ヌケも最高。
この日は晴れときどき曇り、透明度8/10、シーイング8/10、この日だけが雲が出現して、ほんのちょっとパラパラ雨が。でもたいしたことなく結構見れました。
天の川: 21.4等級/平方秒
うお座あたり: 21.9等級/平方秒(21.95を記録!!)
●9/21
1週間、クーナに宿泊したのですが、到着してすぐさま昼夜逆転した生活となり、16:00ごろ起きて9:00ごろ眠るというパターンです。これが帰国すると時差ボケになっちゃいました。時差は単に生活リズムがずれただけなんですが(^^;;
それにしてもオーストラリアでの観望が良いのは、望遠鏡で見ても正立像で見えることで、もちろん赤道を越えて南に下がると、見える位置が変わるだけなのですが、これはちょっとした感動です。M42ではM43がちゃんと上に見える。倒立像よりも正立像のほうが見やすいに決まってますわね。
逆に松本式双眼望遠鏡や双眼鏡では倒立に見えちゃうんですね。オーストラリアに輸出する場合は、倒立のままが良いのかも゜゜(o )☆\(--;)バキ...(ヨコオニアン友情出演)
銀河中心方向の天の川
EOS Kiss Digital N, F2.8, 15.0mm, 25sec, ISO1600, 固定撮影
たった25secでこれだけ写りました。昔ならガイド撮影してると思いますよね。さそり座、いて座の銀河中心方向を写しています。肉眼でもさそり頭部のあたり、アンタレスよりもさらにさそりの先まで広がっているのが見えます。バルジの広がりは日本で見えるものより遥かに巨大で銀河系の大パノラマを目前にして、満たされた気持ちになりました。
天の川とマゼラン雲
EOS Kiss Digital N, F2.8, 15.0mm, 110sec, ISO1600, 固定撮影
天の南極方向です。大小マゼラン雲が本当に雲のように見えます。ただよくよく見てみるとかなり複雑な構造を持っていることが肉眼でも分かります。天の川の中にはもうすぐ沈む南十字座とケンタウルスα、βが輝いています。ちなみにケンタウルスαはリギルと呼ばれて、ダイヤモンドのように輝く二重星です。
画面下が赤っぽいのは夜天光です。
Ninja-400で観望中
Ninja-400でDeepSky天体を観望中。露出は93sec。テキトーな時間でゴメン。
北天を望む
これは標準ズームで広角側18mmで30secです。プレアデスとヒアデスが。ちょうど逆に見えてます。
この日は快晴、透明度7/10、シーイング9/10
。ただこの測定で気になるのは、雲が出ていたりするとその雲は本当に暗黒に見えますので、数値が良くなることです。薄い雲でも掛かっているところは暗くなるので、水蒸気が多い透明度の悪いそらのほうが光害が皆無な分、良い数値がでちゃうんですよね。2年前の遠征では降雨を伴う雲が全天に広がり、まったくの闇になり歩くのも怖い状態になったことがありますが、この時はそれこそ測定限界の数値が出たんじゃないかと思います。
百瀬さんより教えていただいたSQMのデータベースです。左側のdatabase→All readingsで確認できます。
http://www.unihedron.com/projects/darksky/index.php
●9/22
アカシアモーターロッジのシングルルーム
これが部屋です。1人で使うには十分な広さで、バスルームにはバスタブとシャワー室まで。1泊AU$90=8000円くらいです。ちなみにホテルでは無線LANが完備で、結構高速にアクセスできました。二人でも同じくらいの値段なので、かなりお安く泊まれます。
ホテルのロビー入り口
クーナの建物には天文台ゆかりのネームプレートがつけられています。決して大きなホテルではありませんが、十分で満足度は高いです。★★★★★だったと思います。
去年ホテルに寄贈した天体写真
三原さんが去年撮影してホテルにプレゼントした写真が額に入れて飾られてました。極東から来た日本人がプレゼントして写真を撮って飾られているのは痛快ですね。
この日は快晴、透明度7/10、シーイング8/10
この日は明け方、観望場所で車のバッテリーが上がってしまい往生しました。なんとかTELでホテルに連絡を取り、無事レスキューに来てもらえました。危ない危ない。
●9/23
この日が観望最終日で、凄いシーイングで以下のようでした。
快晴、透明度7/10、シーイング9/10
Ninja-400でちょっと明るい星を見るとディフラクションリングが見え、0.7"離角の二重星も十分離れて見えるという素晴らしさ。AstroSIBのミラーは優秀ですね。まあ、日本では口径40cmでディフラクションリングが見える夜なんぞ皆無でしょうから、十分な精度だと思います。
朝9:10発のJALで帰国するため、0:00には撤収して、梱包を観望場所でやりました。出発は0:45くらいで、ひたすら夜中にシドニーへ向かいました。
途中、Gulgongへ向かう途中、90km/h(制限速度内っす)で走行中に、灰色の動く物体がピョンピョン左から目前に。急ブレーキでハンドルで避けましたが、かなり危ないところでした。カンガルーです。途中、カンガルーの亡骸を幾つも見ました。どうも春なので、カンガルーたち元気に夜中出没しているようです。飛び出しに注意してセンターラインをまたいで走っていたので、なんとか無事でした。本当に怖い。
そのまま順調にシドニーに向かい、6:00ごろには空港に到着して、レンタカーを返して出発の手続きです。面倒ですね。機材も大きいし、結構疲れました。これなきゃ良いのですが。行きはJALの機内は結構混んでいて、エコノミー席は一杯で大変でしたが、帰りは半分くらい空いている感じで、ジャンボだったのですが、3席を使えて横になりまあまあ眠れました。
帰りのJAL機
行きも帰りも偏西風による所要時間の違いがないです。9時間半くらいですね。エコノミー席では結構辛いですねぇ。あまり眠れずいつも苦労します。
日本に帰ってきたら雲海の上に富士山が...
夕方、成田に到着予定の便で、順調なフライトでした。房総沖上空から見た着陸寸前の風景。雲海の向こうに富士山がポッカリ頭を出しています。昨日の晩はバックヤードオフ会があの富士山の新五合目で行われていました。かろうじて新五合目は雲上のように見えました。晴天だったかちょっと心配。
●観望対象について
このツアーで見た天体は400天体くらいだったと思います。銀河群の個々を入れるとかなりな数かも。2年前に初めてコプティック星座館のツアーで集中してみた650天体から、厳選した200天体と北天で見れる100天体くらいを見たと思います。後は新規ですね。今回は正確にはカウントしていないので、アバウトですが。
空が良いので、北天低いところに見えるステファンの5つ子も楽勝、NGC7331の伴銀河も3つ綺麗にみえています。M57の中心星も高度が低いのに見えて本当に吃驚。
もちろんNGC104、オメガ星団、ケンタウルスAなどは垂涎の光景でした。小マゼラン雲のそばにあるNGC104は中心部がちょっとピンクに見えて、ビッシリ解像度高く迫力ある姿が最も印象的でした。オメガ星団はちょっと高度が低く、天頂に見える6月あたりには劣りますが、それでも低空でもシンチレーションがよく、ビッシリ充満した姿がこれも素晴らしい。
ガム星雲はOIIIフィルタで見ると複雑に絡んだベールが四方八方に広がり、凄い眺めでした。日本での秋の星空でも目玉ですが、NGC253, NGC55は巨大な銀河に見えて、NGC253は暗黒帯が入り混じった渦状なのが分かりました。エッジオンに近いので、日本からはこういう風には見えたことはなかなかありません。
ろ座の銀河団は天頂付近に見えます。鎌状の棒渦巻銀河NGC1365は、腕が遠くまで見えて迫力ある眺め。北天のM51に匹敵する銀河の見え方ではないでしょうか。ロス卿がもしここまで南天が見れたらどういうスケッチをしたでしょうか。
ろ座の銀河団ではありませんが、ろ座の矮小銀河の存在を非常に淡いながら確認できました。その銀河に含まれる球状星団であるNGC1049, Fornax5, Fornax6, Fornax4も見れました。M31は北天低く見えているのですが、G1を周りが滲んだ球状星団なのを確認でき、この見え方は富士山でかなり良い時の天頂付近での見え方ですね。ろ座矮小銀河の球状星団まで見れたのはちょっとした感動ですね。
Ninja-400でディフラクションリング付きトラペジウム6個、残念ながらAstronomy誌ではトラペジウムの中心近くに後、2個見えると記載されていましたが、とても見えそうもありません。13等級くらいの星なようですが、星雲が明るい。M42では色は中心部は強烈な緑がかった青で、羽の部分はちょっと赤銅色がハッキリ分かりました。
M20の色ですが、今回はかなり詳細に見てみました。写真では赤に写る部分ですが、全体に青いものの、周辺部が若干赤銅色に感じました。青に写る部分は、富士山で見たときほど赤く見えず、これは不思議です。
私はNinja-400と双眼鏡でキヤノン10x42LISを持っていきました。ファインダーにしているミニボーグ60はもちろん、双眼鏡でも解像度が高いのもあり、オメガとNGC104ですが、星団の周辺はざらついてました。この口径で分解とは驚異です。この双眼鏡での天の川下りで散開星団を見るのは楽しいですね。解像度高く、歪曲少なく、手持ちで見れるのは快適です。
新規のDeepSky天体としては小さな銀河団を幾つか見ました。MegaStar表記ですが、16.0等級くらいの銀河がかろうじて確認できました。SQMのデータから富士山より1等級くらい天体が見えるハズなので妥当なところでしょうか。富士山では15.0等級の銀河が私の記録でした。新規で見たのは100個くらいでしょうか。まあ全部14等級より暗いので、淡くかろうじてです。
とにかく観望6.5日で、実質晴れたのは6日間くらいでしたが、思いっきり堪能できました。ただ透明度は最高とは言えず、日本の春と同じように多少透明度は悪いのかもしれません。コプティックツアーに行った先達からは、冬にあたるお盆の時期にはM31が地平線から昇るのが肉眼で分かるということを聞いてましたが、そこまでは見えませんでした。地平線から2度くらいまでは透明度が悪くどうも暗いのです。とは言え...対日照がうお座のあたりにハッキリ確認できて、黄道光と繋がっているのを当たり前のように確認できるのは、もう5回目の渡豪ですが、必ず見えるのはいつも感動します。
クーナからのシドニーへ帰路では、満天の星の元で走行したのですが、種々チェックしてみました。たとえばMudgeeそのものは光害がありますが、10kmも離れればほとんど気にならない素晴らしい空でした。クーナは遠いので、シドニーからの中間地点のMudgeeに宿泊して、車でちょっと走って観望というのもありだと思います。シーイングもクーナと大差ないでしょうし。ただBlue Mountainsを越えたLithgowでは町がかなり明るいのとかなり大きな発電所もあるので、光害は辛そうです。
望むべくは...どこかでお金持ちを巻き込んでプライベートジェットで日本から直行したいですね。一緒に同行していただける超お金持ちを募集します゜゜(o )☆\(--;)バキ...(ヨコオニアン特別出演)
そんなこんなで無事観望記終了ということで、お後が宜しいようで...。良い子はマネを...一緒に行きましょう!!!
オーストラリア観望記は、毎回指をくわえて読まさせてもらっていますが、今回は大収穫だったみたいですね。南天だと、正立で見えるというのがおもしろいですね。北半球とは逆さになって見えるので、当たり前と言えば当たり前ですが、今まで気づきませんでした。トラペジウムの中の7個目と8個目の星は、クーナで見えないとするとどこで見えるんでしょうか?マウナケア山頂か、南米チリのアンデス山脈か、、、
写真の方も、固定撮影でこれだけ写ってしまうのは凄いですね。昼間の青空も抜けるような青さですし。これらの写真をネタに、しばらく妄想にふけりたいと思います。ありがとうございました。
投稿情報: かわの | 2006-09-30 23:05
かわのさん、コメントありがとうございます。
静止撮影ではなく、固定撮影でした・・お恥ずかしい(^_^;)
自分でも気持ち悪かったのでした。私に取って写真は文章の代わりに語ってくれるものですが、本文よりインパクトあるかも。
投稿情報: 安田 俊一 | 2006-10-02 20:17
安田さん、いつも観望記を拝見しております。
今回の国での観望記を拝見しますと、日本の山中より遥かに暗い、そしてシーイングもいいようです。
お金が十分あれば、行きたいですが、今は胃気滞です(^^ゞ
トラペジウムのEとFは自宅から25cmで楽に見えるのですが、20001年までは見えていたGとHが最近は見えません。EとFも数年前より暗くなっていあたのですが、ほぼ同時に暗くなっているようです。再び盛り返してきて、昨年から10cmでEが見えて、Fは見えるか見ないかの状況です。GとHは16等級のはずです。以前、25cmで見えたのはたまたま明るくなっていたためのようです。自宅では恒星は15等+αが限界です。星雲状天体は惑星状星雲を除いては山中より遥かに劣ります。
投稿情報: 中井 健二 | 2006-10-06 00:23
中井さん、こんばんは。
ご覧いただきありがとうございます!!
お金の問題ですが、1週間滞在して往復航空券+税金等で110,000円くらい、後はレンタカーと宿泊代、食事代ですが、こちらは日本の観光地よりもぜんぜん安い感じです。そんなことで、1週間滞在すると東京から沖縄、北海道に飛行機で行くのとトントンだと思います。余計な情報かも。
トラペジウム情報助かります。GとHが以前明るかったということはAstronomyの記載は間違ってはいなかったのですね。Ninja-400でどこまで暗い恒星が見えるのかは残念ながらできませんでした。MegaStarでGSCを使っていますが、15等より暗い恒星はカタログされてませんし。
口径40cmでもディフラクションリングが見えるという環境は重星観望をされる方にも天国ではないでしょうか?? ぜひ(^^)/
投稿情報: 安田 俊一 | 2006-10-06 01:09
はじめまして、小田原の塩田と申します。
職場の同僚である小林英俊さんに紹介されて、オーストラリアクーナバラブラン観望記を
読ませてもらいました。
実は、私も2003年8月(ケアンズ近郊)と2004年5月に望遠鏡を担いで星見ツアーに
行って、オーストラリアの星空の魅力に取り憑かれてしまった人間です。
2004年には、リニア彗星とニート彗星を写しに、サイデングスプリング天文台を挟んで
クーナバラブランとは反対側のワランバングルに行き、途中Mudgeeでも宿泊したので、
安田さんの観望記は、大変懐かしく読ませていただきました。
オーストラリアには、毎年でも行きたいと思っているのですが、日食にも興味があり、
昨年はパナマ、今年はリビアに行った関係で、しばらくご無沙汰になっています。
観望6.5日で実質6日晴れたとの話や、Ninja400で星雲星団を堪能されたとの話を読ま
せていただき、来年はまたオーストラリアに行かなくてはとの思いを強くしました。
小林英俊さんから、富士山での観望会に時々誘われていて、まだ行ったことはありま
せんが、その内ぜひ参加させていただきたいと思っていますので、その時にお話を
聞かせていただければと思っています。
投稿情報: 塩田 和生 | 2006-10-07 09:37
こんばんは、塩田さん。コメントありがとうございます。小林さんにはオフ会等でお世話になっています。
日食いいですね。私は1勝1敗ですが、また行きたいですね。今度は奄美日食ですね。
毎年行っているので来年も行く可能性が高いです。バックヤードのオフ会にご参加いただき、オーストラリアの話で盛り上がりましょう。
もう富士山は寒いので、伊豆方面になると思います。
投稿情報: 安田 俊一 | 2006-10-08 01:46